三位一体後第11主日礼拝
2009年8月23日
三位一体後第11主日礼拝 10:30 司会・説教 廣石 望 奏 楽 木下由美子 前 奏 招 詞 (詩編29,2) 讃 美 歌 6 交 読 文 詩編61編 (p.21) 旧約 聖書 イザヤ書6,1-8 (p.1069) 新約 聖書 ルカ福音書18,9-14 (p.144) 祈 祷 説 教 「神殿での祈り」 祈 祷 讃 美 歌 157 献 金 主 の 祈 93-5 頌 栄 28 祝 祷 後 奏
報 告 (ご高齢の方、お疲れの方は、讃美歌を歌う際、着席のままで結構です)
教会学校
- 教会学校 9:00 お話 「祈るときには」(ルカ11,1-13) 土田 潤子
教会活動の夏休み
- 8月中は、教会学校礼拝と主日礼拝以外のすべての教会活動を休み、9月から再開します(ただし、祈り会は9月9日から)。廣石副牧師は夏休みを終わり、村上牧師は8月17日より休暇中です。
次週(8月30日)予告
- 教会学校 9:00 お話 「体のともし火は目」(ルカ11,33-36) 齊藤 和夫
- 三位一体後第12主日礼拝 説教「開け!」 (マルコ7,31-37) 廣石副牧師
報告
- 村上牧師の予定 「E・ベートゲ生誕100年記念シンポジウム」(8/27〜30、デュッセルドルフ)に出席のためドイツに滞在中です。帰国は9月2日の予定。エバハルト・ベートゲさんは、大著『ボンヘッファー伝』の著者として知られるドイツの神学者。数年前に死去されました。
牧師室から
中島岳志『中村屋のボース――インド独立運動と近代日本のアジア主義』(白水社、2005年)という書物があります。
「中村屋」は新宿東口の喫茶店。「ボース」はインド独立運動の革命家であるラース・ビハーリー・ボース(1886-1945年)のことです。有名な中村屋の「インドカリー」は彼の発案で1927年に発売されました。
ボースは英国統治下のインド、ベンガル地方に生まれた急進的独立運動の指導者の一人です。1912年、デリーへの遷都を祝う記念式典で、自作の爆弾を植民地政府総督ハーディングに投げつけるという爆殺未遂事件を起こしました。彼は暴力それ自体を目的化することはありませんでしたが、手段としては容認し、自ら実行するテロリストでもありました。つまり非暴力・不服従の立場をとったガンディーとは違います。
植民地政府に正体がばれた彼は、1915年、偽名をつかって日本に脱出します。当時、日本やドイツには、英国のインド支配に反対する人々のネットワークがありました。英国の圧力で、日本政府の国外退去命令が出たとき、彼が秘密裡に匿まわれたのが新宿中村屋です。後に日本に帰化し、地下生活を支えた中村屋主人夫妻の娘である俊子さんと結婚しました。
ボースは当時の大物右翼政治家、キリスト教指導者、軍人らと親交を結び、日本からインド独立を模索しました。日本のアジア侵略を批判しつつも、アジアにおける対英戦争を支持し、インド国民軍の創設にも関わりました。しかしインパール作戦は失敗。1945年1月、失意のうちに東京で病没しています。
著者の中島氏は、ボースが「物質主義に覆われた近代社会を打破し、再び世界を多一論的なアジアの精神主義によって包み込む必要があると主張し続けた。しかし、そのような理想は〈大東亜〉戦争のイデオロギーに吸収され、それを補完する役割を果たした」(332頁)と言います。
ヒンドゥー教徒の彼はキリスト教をあまり評価しませんでしたが、20世紀アジアの矛盾は私たちの課題でもあります。(廣石望)