イザヤ書
01:01アモツの子イザヤが、ユダとエルサレムについて見た幻。これはユダの王、ウジヤ、ヨタム、アハズ、ヒゼキヤの治世のことである。
01:02天よ聞け、地よ耳を傾けよ、主が語られる。わたしは子らを育てて大きくした。しかし、彼らはわたしに背いた。
01:03牛は飼い主を知り
ろばは主人の飼い葉桶を知っている。しかし、イスラエルは知らず
わたしの民は見分けない。
01:04災いだ、罪を犯す国、咎の重い民
悪を行う者の子孫、堕落した子らは。彼らは主を捨て
イスラエルの聖なる方を侮り、背を向けた。
01:05何故、お前たちは背きを重ね
なおも打たれようとするのか
頭は病み、心臓は衰えているのに。
01:06頭から足の裏まで、満足なところはない。打ち傷、鞭のあと、生傷は
ぬぐわれず、包まれず
油で和らげてもらえない。
01:07お前たちの地は荒廃し、町々は焼き払われ
田畑の実りは、お前たちの目の前で
異国の民が食い尽くし
異国の民に覆されて、荒廃している。
01:08そして、娘シオンが残った
包囲された町として。ぶどう畑の仮小屋のように
きゅうり畑の見張り小屋のように。
01:09もし、万軍の主がわたしたちのために
わずかでも生存者を残されなかったなら
わたしたちはソドムのようになり
ゴモラに似たものとなっていたであろう。
01:10ソドムの支配者らよ、主の言葉を聞け。ゴモラの民よ
わたしたちの神の教えに耳を傾けよ。
01:11お前たちのささげる多くのいけにえが
わたしにとって何になろうか、と主は言われる。雄羊や肥えた獣の脂肪の献げ物に
わたしは飽いた。雄牛、小羊、雄山羊の血をわたしは喜ばない。
01:12こうしてわたしの顔を仰ぎ見に来るが
誰がお前たちにこれらのものを求めたか
わたしの庭を踏み荒らす者よ。
01:13むなしい献げ物を再び持って来るな。香の煙はわたしの忌み嫌うもの。新月祭、安息日、祝祭など
災いを伴う集いにわたしは耐ええない。
01:14お前たちの新月祭や、定められた日の祭りを
わたしは憎んでやまない。それはわたしにとって、重荷でしかない。それを担うのに疲れ果てた。
01:15お前たちが手を広げて祈っても、わたしは目を覆う。どれほど祈りを繰り返しても、決して聞かない。お前たちの血にまみれた手を
01:16洗って、清くせよ。悪い行いをわたしの目の前から取り除け。悪を行うことをやめ
01:17善を行うことを学び
裁きをどこまでも実行して
搾取する者を懲らし、孤児の権利を守り
やもめの訴えを弁護せよ。
01:18論じ合おうではないか、と主は言われる。たとえ、お前たちの罪が緋のようでも
雪のように白くなることができる。たとえ、紅のようであっても
羊の毛のようになることができる。
01:19お前たちが進んで従うなら
大地の実りを食べることができる。
01:20かたくなに背くなら、剣の餌食になる。主の口がこう宣言される。
01:21どうして、遊女になってしまったのか
忠実であった町が。そこには公平が満ち、正義が宿っていたのに
今では人殺しばかりだ。
01:22お前の銀は金滓となり
良いぶどう酒は水で薄められている。
01:23支配者らは無慈悲で、盗人の仲間となり
皆、賄賂を喜び、贈り物を強要する。孤児の権利は守られず
やもめの訴えは取り上げられない。
01:24それゆえ、主なる万軍の神
イスラエルの力ある方は言われる。災いだ
わたしは逆らう者を必ず罰し
敵対する者に報復する。
01:25わたしは手を翻し
灰汁をもってお前の滓を溶かし
不純なものをことごとく取り去る。
01:26また、裁きを行う者を初めのときのように
参議を最初のときのようにする。その後に、お前は正義の都
忠実な町と呼ばれるであろう。
01:27シオンは裁きをとおして贖われ
悔い改める者は恵みの御業によって贖われる。
01:28背く者と罪人は共に打ち砕かれ
主を捨てる者は断たれる。
01:29慕っていた樫の木のゆえにお前たちは恥を受け
喜びとしていた園のゆえに嘲られる。
01:30お前たちは葉のしおれた樫の木のように
水の涸れた園のようになる。
01:31強い者も麻の屑となり、その行いは火花となり
共に燃え上がり、消す者はいない。
02:01アモツの子イザヤが、ユダとエルサレムについて幻に見たこと。
02:02終わりの日に
主の神殿の山は、山々の頭として堅く立ち
どの峰よりも高くそびえる。国々はこぞって大河のようにそこに向かい
02:03多くの民が来て言う。「主の山に登り、ヤコブの神の家に行こう。主はわたしたちに道を示される。わたしたちはその道を歩もう」と。主の教えはシオンから
御言葉はエルサレムから出る。
02:04主は国々の争いを裁き、多くの民を戒められる。彼らは剣を打ち直して鋤とし
槍を打ち直して鎌とする。国は国に向かって剣を上げず
もはや戦うことを学ばない。
02:05ヤコブの家よ、主の光の中を歩もう。
02:06あなたは御自分の民、ヤコブの家を捨てられた。この民がペリシテ人のように
東方の占い師と魔術師を国に満たし
異国の子らと手を結んだからだ。
02:07この国は銀と金とに満たされ
財宝には限りがない。この国は軍馬に満たされ
戦車には限りがない。
02:08この国は偶像に満たされ
手の業、指の造った物にひれ伏す。
02:09人間が卑しめられ、人はだれも低くされる。彼らをお赦しにならぬように。
02:10岩の間に入り、塵の中に隠れよ
主の恐るべき御顔と、威光の輝きとを避けて。
02:11その日には、人間の高ぶる目は低くされ
傲慢な者は卑しめられ
主はただひとり、高く上げられる。
02:12万軍の主の日が臨む
すべて誇る者と傲慢な者に
すべて高ぶる者に――彼らは低くされる――
02:13高くそびえ立つレバノン杉のすべてに
バシャンの樫の木のすべてに
02:14高い山、そびえ立つ峰のすべてに
02:15高い塔、堅固な城壁のすべてに
02:16タルシシュの船と美しい小舟のすべてに。
02:17その日には、誇る者は卑しめられ
傲慢な者は低くされ
主はただひとり、高く上げられる。
02:18偶像はことごとく滅びる。
02:19主が立って地を揺り動かされるとき
岩の洞穴、地の中の穴に入るがよい
主の恐るべき御顔と、威光の輝きとを避けて。
02:20その日には、だれもが
ひれ伏すために造った銀の偶像と金の偶像を
もぐらやこうもりに投げ与える。
02:21主が立って地を揺り動かされるとき
岩の洞窟、崖の裂け目に入るがよい
主の恐るべき御顔と、威光の輝きとを避けて。
02:22人間に頼るのをやめよ
鼻で息をしているだけの者に。どこに彼の値打ちがあるのか。
03:01見よ、主なる万軍の神は
支えとなり、頼みとなる者を
また、パンによる支え、水による支えをも
エルサレムとユダから取り去られる。
03:02勇士と戦士、裁きを行う者と預言者
占い師と長老
03:03五十人の長と尊敬される者
参議、魔術師、呪術師などを取り去られる。
03:04わたしは若者を支配者にした。気ままな者が国を治めるようになる。
03:05民は隣人どうしで虐げ合う。若者は長老に、卑しい者は尊い者に無礼を働く。
03:06人は父の家で兄弟に取りすがって言う。「お前にはまだ上着がある。我らの指導者になり
この破滅の始末をしてくれ」と。
03:07だがその日には、彼も声をあげる。「わたしにも手当てはできない。家にはパンもなければ上着もない。わたしを民の指導者にしてもだめだ」と。
03:08エルサレムはよろめき、ユダは倒れた。彼らは舌と行いをもって主に敵対し
その栄光のまなざしに逆らった。
03:09彼らの表情が既に証言している。ソドムのような彼らの罪を表して、隠さない。災いだ、彼らは悪の報いを受ける。
03:10しかし言え、主に従う人は幸い、と。彼らは自分の行いの実を食べることができる。
03:11主に逆らう悪人は災いだ。彼らはその手の業に応じて報いを受ける。
03:12わたしの民は、幼子に追い使われ
女に支配されている。わたしの民よ
お前たちを導く者は、迷わせる者で
行くべき道を乱す。
03:13主は争うために構え
民を裁くために立たれる。
03:14主は裁きに臨まれる
民の長老、支配者らに対して。「お前たちはわたしのぶどう畑を食い尽くし
貧しい者から奪って家を満たした。
03:15何故、お前たちはわたしの民を打ち砕き
貧しい者の顔を臼でひきつぶしたのか」と
主なる万軍の神は言われる。
03:16主は言われる。シオンの娘らは高慢で、首を伸ばして歩く。流し目を使い、気取って小股で歩き
足首の飾りを鳴らしている。
03:17主はシオンの娘らの頭をかさぶたで覆い
彼女らの額をあらわにされるであろう。
03:18その日には、主は飾られた美しさを奪われる。足首の飾り、額の飾り、三日月形の飾り、
03:19耳輪、腕輪、ベール、
03:20頭飾り、すね飾り、飾り帯、匂袋、お守り、
03:21指輪、鼻輪、
03:22晴れ着、肩掛け、スカーフ、手提げ袋、
03:23紗の衣、亜麻布の肌着、ターバン、ストールなどを。
03:24芳香は悪臭となり、帯は縄に変わり
編んだ髪はそり落とされ
晴れ着は粗布に変わり
美しさは恥に変わる。
03:25シオンの男らは剣に倒れ
勇士は戦いに倒れる。
03:26シオンの城門は嘆き悲しみ
奪い尽くされて、彼女は地に座る。
04:01その日には、七人の女が
一人の男をとらえて言う。「自分のパンを食べ、自分の着物を着ますから
どうか、あなたの名を名乗ることを許し
わたしたちの恥を取り去ってください」と。
04:02その日には、イスラエルの生き残った者にとって主の若枝は麗しさとなり、栄光となる。この地の結んだ実は誇りとなり、輝きとなる。
04:03そしてシオンの残りの者、エルサレムの残された者は、聖なる者と呼ばれる。彼らはすべて、エルサレムで命を得る者として書き記されている。
04:04主は必ず、裁きの霊と焼き尽くす霊をもってシオンの娘たちの汚れを洗い、エルサレムの血をその中からすすぎ清めてくださる。
04:05主は、昼のためには雲、夜のためには煙と燃えて輝く火を造って、シオンの山の全域とそこで行われる集会を覆われる。それはそのすべてを覆う栄光に満ちた天蓋となる。
04:06昼の暑さを防ぐ陰、嵐と雨を避ける隠れ場として、仮庵が建てられる。
05:01わたしは歌おう、わたしの愛する者のために
そのぶどう畑の愛の歌を。わたしの愛する者は、肥沃な丘に
ぶどう畑を持っていた。
05:02よく耕して石を除き、良いぶどうを植えた。その真ん中に見張りの塔を立て、酒ぶねを掘り
良いぶどうが実るのを待った。しかし、実ったのは酸っぱいぶどうであった。
05:03さあ、エルサレムに住む人、ユダの人よ
わたしとわたしのぶどう畑の間を裁いてみよ。
05:04わたしがぶどう畑のためになすべきことで
何か、しなかったことがまだあるというのか。わたしは良いぶどうが実るのを待ったのに
なぜ、酸っぱいぶどうが実ったのか。
05:05さあ、お前たちに告げよう
わたしがこのぶどう畑をどうするか。囲いを取り払い、焼かれるにまかせ
石垣を崩し、踏み荒らされるにまかせ
05:06わたしはこれを見捨てる。枝は刈り込まれず
耕されることもなく
茨やおどろが生い茂るであろう。雨を降らせるな、とわたしは雲に命じる。
05:07イスラエルの家は万軍の主のぶどう畑
主が楽しんで植えられたのはユダの人々。主は裁き(ミシュパト)を待っておられたのに
見よ、流血(ミスパハ)。正義(ツェダカ)を待っておられたのに
見よ、叫喚(ツェアカ)。
05:08災いだ、家に家を連ね、畑に畑を加える者は。お前たちは余地を残さぬまでに
この地を独り占めにしている。
05:09万軍の主はわたしの耳に言われた。この多くの家、大きな美しい家は
必ず荒れ果てて住む者がなくなる。
05:10十ツェメドのぶどう畑に一バトの収穫
一ホメルの種に一エファの実りしかない。
05:11災いだ、朝早くから濃い酒をあおり
夜更けまで酒に身を焼かれる者は。
05:12酒宴には琴と竪琴、太鼓と笛をそろえている。だが、主の働きに目を留めず
御手の業を見ようともしない。
05:13それゆえ、わたしの民はなすすべも
知らぬまま捕らわれて行く。貴族らも飢え、群衆は渇きで干上がる。
05:14それゆえ、陰府は喉を広げ
その口をどこまでも開く。高貴な者も群衆も
騒ぎの音も喜びの声も、そこに落ち込む。
05:15人間が卑しめられ、人はだれも低くされる。高ぶる者の目は低くされる。
05:16万軍の主は正義のゆえに高くされ
聖なる神は恵みの御業のゆえにあがめられる。
05:17小羊は牧場にいるように草をはみ
肥えた家畜は廃虚で餌を得る。
05:18災いだ、むなしいものを手綱として、罪を
車の綱として、咎を引き寄せる者は。
05:19彼らは言う。「イスラエルの聖なる方を急がせよ
早く事を起こさせよ、それを見せてもらおう。その方の計らいを近づかせ、実現させてみよ。そうすれば納得しよう。」
05:20災いだ、悪を善と言い、善を悪と言う者は。彼らは闇を光とし、光を闇とし
苦いものを甘いとし、甘いものを苦いとする。
05:21災いだ、自分の目には知者であり
うぬぼれて、賢いと思う者は。
05:22災いだ、酒を飲むことにかけては勇者
強い酒を調合することにかけては
豪傑である者は。
05:23これらの者は賄賂を取って悪人を弁護し
正しい人の正しさを退ける。
05:24それゆえ、火が舌のようにわらをなめ尽くし
炎が枯れ草を焼き尽くすように
彼らの根は腐り、花は塵のように舞い上がる。彼らが万軍の主の教えを拒み
イスラエルの聖なる方の言葉を侮ったからだ。
05:25それゆえ
主は御自分の民に向かって激しく怒り
御手を伸ばして、彼らを撃たれた。山々は震え
民のしかばねは芥のように巷に散った。しかしなお、主の怒りはやまず
御手は伸ばされたままだ。
05:26主は旗を揚げて、遠くの民に合図し
口笛を吹いて地の果てから彼らを呼ばれる。見よ、彼らは速やかに、足も軽くやって来る。
05:27疲れる者も、よろめく者もない。まどろむことも、眠ることもしない。腰の帯は解かれることがなく
サンダルのひもは切れることがない。
05:28彼らは矢を研ぎ澄まし
弓をことごとく引き絞っている。馬のひづめは火打ち石のようだ。車輪は嵐のように速い。
05:29彼らは雌獅子のようにほえ
若獅子のようにほえ
うなり声をあげ、獲物を捕らえる。救おうとしても、助け出しうる者はない。
05:30その日には、海のごう音のように
主は彼らに向かって、うなり声をあげられる。主が地に目を注がれると、見よ、闇が地を閉ざし
光も黒雲に遮られて闇となる。
06:01ウジヤ王が死んだ年のことである。わたしは、高く天にある御座に主が座しておられるのを見た。衣の裾は神殿いっぱいに広がっていた。
06:02上の方にはセラフィムがいて、それぞれ六つの翼を持ち、二つをもって顔を覆い、二つをもって足を覆い、二つをもって飛び交っていた。
06:03彼らは互いに呼び交わし、唱えた。「聖なる、聖なる、聖なる万軍の主。主の栄光は、地をすべて覆う。」
06:04この呼び交わす声によって、神殿の入り口の敷居は揺れ動き、神殿は煙に満たされた。
06:05わたしは言った。「災いだ。わたしは滅ぼされる。わたしは汚れた唇の者。汚れた唇の民の中に住む者。しかも、わたしの目は
王なる万軍の主を仰ぎ見た。」
06:06するとセラフィムのひとりが、わたしのところに飛んで来た。その手には祭壇から火鋏で取った炭火があった。
06:07彼はわたしの口に火を触れさせて言った。「見よ、これがあなたの唇に触れたので
あなたの咎は取り去られ、罪は赦された。」
06:08そのとき、わたしは主の御声を聞いた。「誰を遣わすべきか。誰が我々に代わって行くだろうか。」わたしは言った。「わたしがここにおります。わたしを遣わしてください。」
06:09主は言われた。「行け、この民に言うがよい
よく聞け、しかし理解するな
よく見よ、しかし悟るな、と。
06:10この民の心をかたくなにし
耳を鈍く、目を暗くせよ。目で見ることなく、耳で聞くことなく
その心で理解することなく
悔い改めていやされることのないために。」
06:11わたしは言った。「主よ、いつまででしょうか。」主は答えられた。「町々が崩れ去って、住む者もなく
家々には人影もなく
大地が荒廃して崩れ去るときまで。」
06:12主は人を遠くへ移される。国の中央にすら見捨てられたところが多くなる。
06:13なお、そこに十分の一が残るが
それも焼き尽くされる。切り倒されたテレビンの木、樫の木のように。しかし、それでも切り株が残る。その切り株とは聖なる種子である。
07:01ユダの王ウジヤの孫であり、ヨタムの子であるアハズの治世のことである。アラムの王レツィンとレマルヤの子、イスラエルの王ペカが、エルサレムを攻めるため上って来たが、攻撃を仕掛けることはできなかった。
07:02しかし、アラムがエフライムと同盟したという知らせは、ダビデの家に伝えられ、王の心も民の心も、森の木々が風に揺れ動くように動揺した。
07:03主はイザヤに言われた。「あなたは息子のシェアル・ヤシュブと共に出て行って、布さらしの野に至る大通りに沿う、上貯水池からの水路の外れでアハズに会い、
07:04彼に言いなさい。落ち着いて、静かにしていなさい。恐れることはない。アラムを率いるレツィンとレマルヤの子が激しても、この二つの燃え残ってくすぶる切り株のゆえに心を弱くしてはならない。
07:05アラムがエフライムとレマルヤの子を語らって、あなたに対して災いを謀り、
07:06『ユダに攻め上って脅かし、我々に従わせ、タベアルの子をそこに王として即位させよう』と言っているが、
07:07主なる神はこう言われる。それは実現せず、成就しない。
07:08アラムの頭はダマスコ、ダマスコの頭はレツィン。(六十五年たてばエフライムの民は消滅する)
07:09エフライムの頭はサマリア
サマリアの頭はレマルヤの子。信じなければ、あなたがたは確かにされない。」
07:10主は更にアハズに向かって言われた。
07:11「主なるあなたの神に、しるしを求めよ。深く陰府の方に、あるいは高く天の方に。」
07:12しかし、アハズは言った。「わたしは求めない。主を試すようなことはしない。」
07:13イザヤは言った。「ダビデの家よ聞け。あなたたちは人間に
もどかしい思いをさせるだけでは足りず
わたしの神にも、もどかしい思いをさせるのか。
07:14それゆえ、わたしの主が御自ら
あなたたちにしるしを与えられる。見よ、おとめが身ごもって、男の子を産み
その名をインマヌエルと呼ぶ。
07:15災いを退け、幸いを選ぶことを知るようになるまで
彼は凝乳と蜂蜜を食べ物とする。
07:16その子が災いを退け、幸いを選ぶことを知る前に、あなたの恐れる二人の王の領土は必ず捨てられる。
07:17主は、あなたとあなたの民と父祖の家の上に、エフライムがユダから分かれて以来、臨んだことのないような日々を臨ませる。アッシリアの王がそれだ。」
07:18その日が来れば
主は口笛を吹いて
エジプトの川の果てから蠅を
アッシリアの地から蜂を呼ばれる。
07:19彼らは一斉に飛んで来て
深い谷間や岩の裂け目に宿り
どの茨にも、どの牧場にも宿る。
07:20その日には、わたしの主は
大河のかなたでかみそりを雇われる。アッシリアの王がそれだ。頭髪も足の毛もひげもそり落とされる。
07:21その日が来れば
人は子牛一頭、羊二匹の命を救いうるのみ。
07:22しかし、それらは乳を豊かに出すようになり
人は凝乳を食べることができる
この地に残った者は皆、凝乳と蜂蜜を食べる。
07:23その日が来れば
ぶどうの木を千株も育てうるところ
銀一千シェケルに値するところもすべて
茨とおどろに覆われる。
07:24茨とおどろがこの地を覆うので
人は弓矢を持ってそこへ行かねばならない。
07:25鍬で耕されていた山々にも
人は茨とおどろを恐れて足を踏み入れず
ただ牛を放ち、羊が踏み歩くにまかせる。
08:01主はわたしに言われた。「大きな羊皮紙を取り、その上に分かりやすい書き方で、マヘル・シャラル・ハシュ・バズ(分捕りは早く、略奪は速やかに来る)と書きなさい」と。
08:02そのためにわたしは、祭司ウリヤとエベレクヤの子ゼカルヤを、信頼しうる証人として立てた。
08:03わたしは女預言者に近づいた。彼女が身ごもって男の子を産むと、主はわたしに言われた。「この子にマヘル・シャラル・ハシュ・バズという名を付けなさい。
08:04この子がお父さん、お母さんと言えるようになる前に、ダマスコからはその富が、サマリアからはその戦利品が、アッシリアの王の前に運び去られる。」
08:05主は重ねてわたしに語られた。
08:06「この民はゆるやかに流れるシロアの水を拒み
レツィンとレマルヤの子のゆえにくずおれる。
08:07それゆえ、見よ、主は大河の激流を
彼らの上に襲いかからせようとしておられる。すなわち、アッシリアの王とそのすべての栄光を。激流はどの川床も満たし
至るところで堤防を越え
08:08ユダにみなぎり、首に達し、溢れ、押し流す。その広げた翼は
インマヌエルよ、あなたの国土を覆い尽くす。」
08:09諸国の民よ、連合せよ、だがおののけ。遠い国々よ、共に耳を傾けよ。武装せよ、だが、おののけ。武装せよ、だが、おののけ。
08:10戦略を練るがよい、だが、挫折する。決定するがよい、だが、実現することはない。神が我らと共におられる(インマヌエル)のだから。
08:11主は御手をもってわたしをとらえ、この民の行く道を行かないように戒めて言われた。
08:12あなたたちはこの民が同盟と呼ぶものを
何一つ同盟と呼んではならない。彼らが恐れるものを、恐れてはならない。その前におののいてはならない。
08:13万軍の主をのみ、聖なる方とせよ。あなたたちが畏るべき方は主。御前におののくべき方は主。
08:14主は聖所にとっては、つまずきの石
イスラエルの両王国にとっては、妨げの岩
エルサレムの住民にとっては
仕掛け網となり、罠となられる。
08:15多くの者がこれに妨げられ、倒れて打ち砕かれ
罠にかかって捕らえられる。
08:16わたしは弟子たちと共に
証しの書を守り、教えを封じておこう。
08:17わたしは主を待ち望む。主は御顔をヤコブの家に隠しておられるが
なおわたしは、彼に望みをかける。
08:18見よ、わたしと、主がわたしにゆだねられた子らは、シオンの山に住まわれる万軍の主が与えられたイスラエルのしるしと奇跡である。
08:19人々は必ずあなたたちに言う。「ささやきつぶやく口寄せや、霊媒に伺いを立てよ。民は、命ある者のために、死者によって、自分の神に伺いを立てるべきではないか」と。
08:20そして、教えと証しの書についてはなおのこと、「このような言葉にまじないの力はない」と言うであろう。
08:21この地で、彼らは苦しみ、飢えてさまよう。民は飢えて憤り、顔を天に向けて王と神を呪う。
08:22地を見渡せば、見よ、苦難と闇、暗黒と苦悩、暗闇と追放。
08:23今、苦悩の中にある人々には逃れるすべがない。先に
ゼブルンの地、ナフタリの地は辱めを受けたが
後には、海沿いの道、ヨルダン川のかなた
異邦人のガリラヤは、栄光を受ける。
09:01闇の中を歩む民は、大いなる光を見
死の陰の地に住む者の上に、光が輝いた。
09:02あなたは深い喜びと
大きな楽しみをお与えになり
人々は御前に喜び祝った。刈り入れの時を祝うように
戦利品を分け合って楽しむように。
09:03彼らの負う軛、肩を打つ杖、虐げる者の鞭を
あなたはミディアンの日のように
折ってくださった。
09:04地を踏み鳴らした兵士の靴
血にまみれた軍服はことごとく
火に投げ込まれ、焼き尽くされた。
09:05ひとりのみどりごがわたしたちのために生まれた。ひとりの男の子がわたしたちに与えられた。権威が彼の肩にある。その名は、「驚くべき指導者、力ある神
永遠の父、平和の君」と唱えられる。
09:06ダビデの王座とその王国に権威は増し
平和は絶えることがない。王国は正義と恵みの業によって
今もそしてとこしえに、立てられ支えられる。万軍の主の熱意がこれを成し遂げる。
09:07主は御言葉をヤコブに対して送り
それはイスラエルにふりかかった。
09:08民はだれもかれも
エフライム、サマリアの住民も
それを認めたが、なお誇り、驕る心に言った。
09:09「れんがが崩れるなら、切り石で家を築き
桑の木が倒されるなら、杉を代わりにしよう。」
09:10主は民に対して、苦しめる者レツィンを興し
敵を奮い立たせられた。
09:11アラムは東から、ペリシテは西から
大口を開けて、イスラエルを食らった。しかしなお、主の怒りはやまず
御手は伸ばされたままだ。
09:12民は自分たちを打った方に立ち帰らず
万軍の主を求めようとしなかった。
09:13それゆえ主は、イスラエルから頭も尾も
しゅろの枝も葦の茎も一日のうちに断たれた。
09:14長老や尊敬される者、これが頭
偽りを教える者、預言者、これが尾だ。
09:15この民を導くべき者は、迷わす者となり
導かれる者は、惑わされる者となった。
09:16それゆえ、主は若者たちを喜ばれず
みなしごややもめすらも憐れまれない。民はすべて、神を無視する者で、悪を行い
どの口も不信心なことを語るからだ。しかしなお、主の怒りはやまず
御手は伸ばされたままだ。
09:17まことに悪は火のように燃え
茨とおどろをなめ尽くす。森の茂みに燃えつき、煙の柱が巻き上がる。
09:18万軍の主の燃える怒りによって、地は焼かれ
民は火の燃えくさのようになり
だれもその兄弟を容赦しない。
09:19右から切り取っても、飢えている。左に食らいついても、飽くことができない。だれも皆、自分の同胞の肉を食らう。
09:20マナセはエフライムを、エフライムはマナセを
そして彼らは共にユダを襲う。しかしなお、主の怒りはやまず
御手は伸ばされたままだ。
10:01災いだ、偽りの判決を下す者
労苦を負わせる宣告文を記す者は。
10:02彼らは弱い者の訴えを退け
わたしの民の貧しい者から権利を奪い
やもめを餌食とし、みなしごを略奪する。
10:03刑罰の日に向かって
襲って来る嵐に対して
お前たちはどうするつもりか。誰に助けを求めて逃れるつもりか。どこにお前たちは栄光を託そうとするのか。
10:04捕らわれ人としてかがみ
殺された者となって倒れるだけではないか。しかしなお、主の怒りはやまず
御手は伸ばされたままだ。
10:05災いだ、わたしの怒りの鞭となるアッシリアは。彼はわたしの手にある憤りの杖だ。
10:06神を無視する国に向かって
わたしはそれを遣わし
わたしの激怒をかった民に対して、それに命じる。「戦利品を取り、略奪品を取れ
野の土のように彼を踏みにじれ」と。
10:07しかし、彼はそのように策を立てず
その心はそのように計らおうとしなかった。その心にあるのはむしろ滅ぼし尽くすこと
多くの国を断ち尽くすこと。
10:08彼は言う。「王たちは、すべて、わたしの役人ではないか。
10:09カルノはカルケミシュと同じではないか
ハマトは必ずアルパドのようになり
サマリアは必ずダマスコのようになる。
10:10偶像を持つ国々
エルサレムにも
サマリアにもまさる像を持つ国々を
既に手中に納めたように
10:11そして、サマリアとその偶像にしたように
わたしは必ずエルサレムと
その彫像に対して行う。」
10:12主はシオンの山とエルサレムに対する御業をすべて成就されるとき、アッシリアの王の驕った心の結ぶ実、高ぶる目の輝きを罰せられる。
10:13なぜならアッシリアの王は言った。「自分の手の力によってわたしは行った。聡明なわたしは自分の知恵によって行った。わたしは諸民族の境を取り払い
彼らの蓄えた物を略奪し
力ある者と共に住民たちを引きずり落とした。
10:14わたしの手は、鳥の巣を奪うように
諸民族の富に伸びた。置き去られた卵をかき集めるように
わたしは全世界をかき集めた。そのとき、翼を動かす者はなく
くちばしを開いて鳴く者もなかった。」
10:15斧がそれを振るう者に対して自分を誇り
のこぎりがそれを使う者に向かって
高ぶることができるだろうか。それは、鞭が自分を振り上げる者を動かし
杖が木でない者を持ち上げようとするに等しい。
10:16それゆえ、万軍の主なる神は
太った者の中に衰弱を送り
主の栄光の下に炎を燃え上がらせ
火のように燃えさせられる。
10:17イスラエルの光である方は火となり
聖なる方は炎となって
一日のうちに茨とおどろを焼き尽くされる。
10:18森も牧場も魂から肉まで焼き尽くされ
くずおれて、倒れる。
10:19森に残る木は数少なく
幼子でもそれを書き留めうる。
10:20その日には、イスラエルの残りの者とヤコブの家の逃れた者とは、再び自分たちを撃った敵に頼ることなく、イスラエルの聖なる方、主に真実をもって頼る。
10:21残りの者が帰って来る。ヤコブの残りの者が、力ある神に。
10:22あなたの民イスラエルが海の砂のようであっても、そのうちの残りの者だけが帰って来る。滅びは定められ、正義がみなぎる。
10:23万軍の主なる神が、定められた滅びを全世界のただ中で行われるからだ。
10:24それゆえ、万軍の主なる神はこう言われる。「シオンに住むわが民よ、アッシリアを恐れるな。たとえ、エジプトがしたように
彼らがあなたを鞭で打ち、杖を振り上げても。
10:25やがて、わたしの憤りの尽きるときが来る。わたしの怒りは彼らの滅びに向けられる。
10:26万軍の主は、彼らに対して鞭を振るわれる
かつて、オレブの岩で
ミディアン人を打たれたように。またエジプトでなされたように
杖を海の上に伸ばされる。
10:27その日が来れば
あなたの肩から重荷は取り去られ
首に置かれた軛は砕かれる。」彼らはリンモンの前から上って
10:28アヤトに着き、ミグロンを過ぎて
ミクマスに軍需品を配置した。
10:29彼らは峠を越え、ゲバに露営した。ラマは震え、サウルのギブアは逃げ去った。
10:30娘ガリムは叫び声をあげよ。ライシャは耳を傾け、アナトトは彼女に答えよ。
10:31マドメナは逃げて行き
ゲビムの住民は避難した。
10:32更に今日、彼らはノブに立ち
娘シオンの山、エルサレムの丘に向かって
進軍の手を振り上げる。
10:33見よ、万軍の主なる神は
斧をもって、枝を切り落とされる。そびえ立つ木も切り倒され、高い木も倒される。
10:34主は森の茂みを鉄の斧で断ち
レバノンの大木を切り倒される。
11:01エッサイの株からひとつの芽が萌えいで
その根からひとつの若枝が育ち
11:02その上に主の霊がとどまる。知恵と識別の霊
思慮と勇気の霊
主を知り、畏れ敬う霊。
11:03彼は主を畏れ敬う霊に満たされる。目に見えるところによって裁きを行わず
耳にするところによって弁護することはない。
11:04弱い人のために正当な裁きを行い
この地の貧しい人を公平に弁護する。その口の鞭をもって地を打ち
唇の勢いをもって逆らう者を死に至らせる。
11:05正義をその腰の帯とし
真実をその身に帯びる。
11:06狼は小羊と共に宿り
豹は子山羊と共に伏す。子牛は若獅子と共に育ち
小さい子供がそれらを導く。
11:07牛も熊も共に草をはみ
その子らは共に伏し
獅子も牛もひとしく干し草を食らう。
11:08乳飲み子は毒蛇の穴に戯れ
幼子は蝮の巣に手を入れる。
11:09わたしの聖なる山においては
何ものも害を加えず、滅ぼすこともない。水が海を覆っているように
大地は主を知る知識で満たされる。
11:10その日が来れば
エッサイの根は
すべての民の旗印として立てられ
国々はそれを求めて集う。そのとどまるところは栄光に輝く。
11:11その日が来れば、主は再び御手を下して
御自分の民の残りの者を買い戻される。彼らはアッシリア、エジプト、上エジプト、クシュ、エラム、シンアル、ハマト、海沿いの国々などに残されていた者である。
11:12主は諸国の民に向かって旗印を掲げ
地の四方の果てから
イスラエルの追放されていた者を引き寄せ
ユダの散らされていた者を集められる。
11:13エフライムのねたみは取り去られ
ユダの敵意は断たれる。エフライムはユダをねたまず
ユダはエフライムに敵対しない。
11:14彼らは、西のペリシテを側面から襲い
共に、東の民を略奪する。彼らはエドムとモアブを支配し
アンモンの人々を服従させる。
11:15主はエジプトの海の入り江を干上がらせ
御手を大河の上に振って、強風を起こし
それを打って七つの流れとし
サンダルのまま渡れるようにされる。
11:16エジプトの地から上った日に
イスラエルのために備えられたように
アッシリアに残されていた
この民の残りの者にも、広い道が備えられる。
12:01その日には、あなたは言うであろう。「主よ、わたしはあなたに感謝します。あなたはわたしに向かって怒りを燃やされたが
その怒りを翻し、わたしを慰められたからです。
12:02見よ、わたしを救われる神。わたしは信頼して、恐れない。主こそわたしの力、わたしの歌
わたしの救いとなってくださった。」
12:03あなたたちは喜びのうちに
救いの泉から水を汲む。
12:04その日には、あなたたちは言うであろう。「主に感謝し、御名を呼べ。諸国の民に御業を示し
気高い御名を告げ知らせよ。
12:05主にほめ歌をうたえ。主は威厳を示された。全世界にその御業を示せ。
12:06シオンに住む者よ
叫び声をあげ、喜び歌え。イスラエルの聖なる方は
あなたたちのただ中にいます大いなる方。」
13:01アモツの子イザヤが幻に見た、バビロンについての託宣。
13:02はげ山の上に旗を立て
彼らに向かって大声をあげ、手を振り
貴族の門から入らせよ。
13:03わたしは、自ら聖別した者らに命じ
わたしの勇士、勝ち誇る兵士らを招いて
わたしの怒りを行わせる。
13:04山々にどよめく音がする
多くの民の集う物音が。もろもろの国が騒ぎ立ち
諸国の民の集められる音がする。万軍の主が、軍勢を召集される。
13:05彼らは遠くの地から来る
地平線のかなたから。主とその怒りの道具として
この国を滅ぼし尽くすために。
13:06泣き叫べ、主の日が近づく。全能者が破壊する者を送られる。
13:07それゆえ、すべての手は弱くなり
人は皆、勇気を失い、
13:08恐れる。彼らは痛みと苦しみに捕らえられ
産婦のようにもだえ
驚きのあまり、顔を見合わせ
その顔は炎のようになる。
13:09見よ、主の日が来る
残忍な、怒りと憤りの日が。大地を荒廃させ
そこから罪人を絶つために。
13:10天のもろもろの星とその星座は光を放たず
太陽は昇っても闇に閉ざされ
月も光を輝かさない。
13:11わたしは、世界をその悪のゆえに
逆らう者をその罪のゆえに罰する。また、傲慢な者の驕りを砕き
横暴な者の高ぶりを挫く。
13:12わたしは、人を純金よりもまれなものとし
オフィルの黄金よりも得難いものとする。
13:13わたしは天を震わせる。大地はその基から揺れる。万軍の主の怒りのゆえに
その憤りの日に。
13:14追われるかもしかのように
集める者のない羊のようになって
人は身を翻して自分の民に向かい
自分の国へ逃げて行く。
13:15見つけ出された者は皆、刺し殺され
捕らえられた者は皆、剣に倒れる。
13:16幼子たちは彼らの目の前で打ち砕かれ
どの家も強奪され、女たちは辱められる。
13:17見よ、彼らに対して
わたしはメディア人を奮い立たせる。彼らは銀に目もくれず
金を欲しがることもない。
13:18彼らの弓は若者たちを打ち砕き
胎内の子さえ憐れまず
子供らにも情けの目を向けない。
13:19バビロンは国々の中で最も麗しく
カルデア人の誇りであり栄光であったが
神がソドムとゴモラを
覆されたときのようになる。
13:20もはや、だれもそこに宿ることはなく
代々にわたってだれも住むことはない。アラブ人さえ、そこには天幕を張らず
羊飼いも、群れを休ませない。
13:21かえって、ハイエナがそこに伏し
家々にはみみずくが群がり
駝鳥が住み、山羊の魔神が踊る。
13:22立ち並ぶ館の中で、山犬が
華やかだった宮殿で、ジャッカルがほえる。今や、都に終わりの時が迫る。その日が遅れることは決してない。
14:01まことに、主はヤコブを憐れみ
再びイスラエルを選び
彼らの土地に置いてくださる。寄留の民は彼らに加わり
ヤコブの家に結び付く。
14:02もろもろの民は、彼らをその土地に連れて来るが、イスラエルの家は、主の土地で、もろもろの民を男女の奴隷にして自分のものとする。かつて、彼らを捕囚とした者が、かえって彼らの捕囚となり、かつて、彼らを虐げた者が彼らに支配される。
14:03主が、あなたに負わせられた苦痛と悩みと厳しい労役から、あなたを解き放たれる日が来る。
14:04そのとき、あなたはバビロンの王に対して、この嘲りの歌をうたう。ああ、虐げる者は滅び
その抑圧は終わった。
14:05主は、逆らう者の杖と
支配者の鞭を折られた。
14:06かつて、彼らは激怒して諸民族を撃ち
撃って、とどまることを知らなかった。また、怒って諸国民を支配し
仮借なく踏みにじった。
14:07しかし今、全世界は安らかに憩い
喜びの声を放つ。
14:08糸杉もレバノン杉も
お前のことで喜ぶ。「ついに、お前が倒れたから
もはや、切り倒す者が
我々に向かって来ることはない。」
14:09地下では、陰府が騒ぎを起こす
お前が来るのを迎えて。そして、亡霊たちを呼び覚ます
地上では、すべてつわものであった者らを。また、その王座から立ち上がらせる
諸国の王であった者らを皆。
14:10彼らはこぞってお前を迎え、そして言う。「お前も我々のように無力にされた。お前も我々と同じようになった。」
14:11お前の高ぶりは、琴の響きと共に
陰府に落ちた。蛆がお前の下に寝床となり
虫がお前を覆う。
14:12ああ、お前は天から落ちた
明けの明星、曙の子よ。お前は地に投げ落とされた
もろもろの国を倒した者よ。
14:13かつて、お前は心に思った。「わたしは天に上り
王座を神の星よりも高く据え
神々の集う北の果ての山に座し
14:14雲の頂に登って
いと高き者のようになろう」と。
14:15しかし、お前は陰府に落とされた
墓穴の底に。
14:16お前を見る者は、まじまじと見つめ
お前であることを知って、言う。「これがかつて、地を騒がせ
国々を揺るがせ
14:17世界を荒れ野とし
その町々を破壊し
捕らわれ人を解き放たず
故郷に帰らせなかった者か。」
14:18国々の王は皆、それぞれの墓に
礼を尽くして葬られる。
14:19しかし、お前は墓の外に投げ捨てられる
忌むべきものとされた水子のように。剣で刺された者、殺された者に囲まれ
陰府の底まで下って行く
踏みつけられた死体のように。
14:20お前は、自分の国を滅ぼし
自分の民を殺したので
彼らと共には葬られない。悪を行う者たちの末は
永遠に、その名を呼ばれることはない。
14:21彼らの先祖の咎のゆえに
その子孫のために、屠り場を備えよ。再び、彼らが立ち上がって、世界を奪い
地の表を町々で満たすことがないように。
14:22「わたしは、彼らに立ち向かう」と
万軍の主は言われる。「バビロンから、その名も、名残も
子孫も末裔も、すべて断ち滅ぼす」と
主は言われる。
14:23また、「都を山あらしの住みか、沼地とし
滅びの箒で、掃き清める」と
万軍の主は言われる。
14:24万軍の主は誓って言われる。「わたしが計ることは必ず成り
わたしが定めることは必ず実現する。
14:25わたしの領土で、アッシリアを滅ぼし
わたしの山々で彼らを踏みにじる。その軛は、わが民から取り去られ
その重荷は、肩からはずされる。」
14:26これこそ、全世界に対して定められた計画
すべての国に伸ばされた御手の業である。
14:27万軍の主が定められれば
誰がそれをとどめえよう。その御手が伸ばされれば
誰が引き戻しえよう。
14:28アハズ王の死んだ年のことである。この託宣が臨んだ。
14:29「ペリシテの民よ、だれも喜んではならない
お前を打った鞭が折られたからといって。蛇の根から蝮が出る。その子は炎のように飛び回る。」
14:30乏しい者も、糧を得
貧しい者も、安らかに伏す。「わたしは、飢えによってお前の根を断ち
お前の残りの者を殺す。
14:31門よ、泣き叫べ、町よ、助けを求めよ
ペリシテの民は、皆、おののけ
北から、砂煙を上げて来る者があるからだ。その隊列から落伍する者はひとりもない。」
14:32異国の使者たちに、何と答えるべきか。「シオンの基を据えられたのは主である。苦しむ民は、そこに身を寄せる」と答えよ。
15:01モアブについての託宣。一夜のうちに、アルは略奪され、モアブは滅びた。一夜のうちに、キルは略奪され、モアブは滅びた。
15:02ディボンの娘は、嘆くために聖なる高台に上った。ネボの上で、またメデバの上で
モアブは泣き叫ぶ。皆、髪をそり上げ、ひげをそり落とす。
15:03巷で、人々は粗布をまとい
屋上でも広場でも皆、泣き叫び、嘆きくずおれる。
15:04ヘシュボンとエルアレは助けを求めて叫び
その声はヤハツにまで聞こえる。それゆえ、モアブの武装した勇士も悲鳴をあげ
その心はおののく。
15:05わが心は、モアブのために叫ぶ。逃れて行く者がツォアルへ
エグラト・シェリシヤへと向かう。彼らは、ルヒトの坂を泣きながら上り
ホロナイムへの道で、絶望の叫びをあげる。
15:06ニムリムの水は干上がり
草は枯れ、青草は尽き
緑はなくなった。
15:07それゆえ、彼らは蓄えた富と家財を携え
アラビムの川床を渡る。
15:08叫び声は、モアブの全域に響き渡り
泣く声は、エグライムまで
またベエル・エリムにまで達する。
15:09ディモンの水は血に染まる。わたしが、ディモンに災いを加え
モアブの難民とアダマの生き残りの者に
獅子を送るからだ。
16:01使者を立て、貢ぎ物の羊を送れ
その地を治める者よ
荒れ野の町セラから、娘シオンの山へ。
16:02「アルノンの渡し場に集うモアブの娘らは
巣を追われ、さまよう鳥のようです。
16:03助言し、指示を与えてください。真昼にも夜のような陰となって
追われた者を隠し
さまよう者を覆ってください。
16:04モアブの追われている者を
あなたのもとに宿らせ
破壊する者から隠してください。」まことに、地上から虐げる者はうせ
破壊する者は滅び、踏みにじる者は絶える。
16:05そのとき、ダビデの幕屋に
王座が慈しみをもって立てられ
その上に、治める者が、まことをもって座す。彼は公平を求め、正義を速やかにもたらす。
16:06我々はモアブが傲慢に語るのを聞いた。甚だしく高ぶり、誇り
傲慢で驕っていた。その自慢話はでたらめであった。
16:07それゆえ、モアブは泣き叫べ。モアブのすべての者は泣き叫べ。キル・ハレセトで供えたぶどう菓子のゆえに
お前たちは打ちのめされて呻け。
16:08ヘシュボンの畑、シブマのぶどうは枯れた。かつて、その若枝は諸国の支配者たちを押さえ
ヤゼルに達し、荒れ野にはびこり
つるは広がって、海を越えたのに。
16:09それゆえ、わたしはヤゼルのために
また、シブマのぶどうのために泣く。ヘシュボンよ、エルアレよ
わたしは涙でお前を浸す。お前の果物の取り入れと麦の刈り入れに
鬨の声が襲いかかったからだ。
16:10わたしは果樹園から喜びも楽しみも奪う。ぶどう園で喜びの叫びをあげる者も
酒ぶねでぶどうを踏む者もいなくなり
わたしは喜びの声を終わらせる。
16:11それゆえ、わがはらわたはモアブのために
わが胸はキル・ヘレスのために
竪琴のように嘆く。
16:12モアブが幾たび聖なる高台にもうで
その神殿を訪れて、祈っても
何の役にも立たない。
16:13これは昔、主がモアブについて語られた言葉である。
16:14更に今、主は言われる。「雇い人の年期のように三年たてば、多くの民を持つモアブの栄光は必ず終わり、わずかな者だけが残され、力はうせる。」
17:01ダマスコについての託宣。「見よ、ダマスコは都の面影を失い
瓦礫の山となる。
17:02アロエルの町々は見捨てられ
家畜の群れが伏し、脅かすものもない。
17:03エフライムからは砦が
ダマスコからは王権が絶える。アラムに残るものは
イスラエルの人々の栄光のようになる」と
万軍の主は言われる。
17:04「その日が来れば、ヤコブの力は弱まり
その肥えた肉はやせ衰える。
17:05刈り入れる者の集めた立ち枯れの穂
その腕に集めた落ち穂
レファイムの谷で拾った落ち穂のようになる。
17:06摘み残りしかないのに
オリーブの木を打つようなものだ。梢の方に二つ三つの実
豊かに実っている枝でも、四つ五つ」と
イスラエルの神、主は言われる。
17:07その日には、人は造り主を仰ぎ、その目をイスラエルの聖なる方に注ぐ。
17:08もはや、自分の手が作り、自分の指が作った祭壇を仰ぐことなく、アシェラの柱や香炉台を見ようとはしない。
17:09その日には、彼らの砦の町々は、イスラエルの人々によって見捨てられた木の枝や梢のように、捨てられて廃虚となる。
17:10お前は救い主である神を忘れ去り
砦と頼む岩を心に留めていない。それなら、お前の好む神々にささげる園を造り
異教の神にささげるぶどうの枝を根付かせてみよ。
17:11ある日、園を造り、成長させ
ある朝、種を蒔き、芽生えさせてみても
ある日、病といやし難い痛みが臨み
収穫は消えうせる。
17:12災いだ、多くの民がどよめく
どよめく海のどよめきのように。国々が騒ぎ立つ
騒ぎ立つ大水の騒ぎのように。
17:13国々は、多くの水が騒ぐように騒ぎ立つ。だが、主が叱咤されると彼らは遠くへ逃げる
山の上で、もみ殻が大風に
枯れ葉がつむじ風に追われるように。
17:14夕べには、見よ、破滅が襲い
夜の明ける前に消えうせる。これが我々を略奪する者の受ける分
我々を強奪する者の運命だ。
18:01災いだ、遠くクシュの川のかなたで
羽の音を立てている国は。
18:02彼らは、パピルスの舟を水に浮かべ
海を渡って使節を遣わす。行け、足の速い使者たちよ。背高く、肌の滑らかな国
遠くの地でも恐れられている民へ。強い力で踏みにじる国
幾筋もの川で区切られている国へ。
18:03世界の住民、地上に住むすべての人よ
山に合図の旗が立てられたら、見るがよい
角笛が吹き鳴らされたら、聞くがよい。
18:04主はわたしにこう言われた。「わたしは黙して
わたしの住む所から、目を注ごう。太陽よりも烈しく輝く熱のように
暑い刈り入れ時を脅かす雨雲のように。」
18:05刈り入れ時の前に、花が終わり
花の房が実となり、熟し始めると
主は枝を刃物で切り落とし
つるを折り、取り去られる。
18:06それはすべて、山の猛禽と野の獣に与えられる。猛禽は、それを餌として夏を過ごし
野獣もすべて、それを餌として冬を過ごす。
18:07そのとき、貢ぎ物が万軍の主にもたらされる。背高く、肌の滑らかな民から
遠くの地でも恐れられている民から
強い力で踏みにじる国
幾筋もの川で区切られている国から
万軍の主の名が置かれた場所
シオンの山へもたらされる。
19:01エジプトについての託宣。見よ、主は速い雲を駆って
エジプトに来られる。主の御前に、エジプトの偶像はよろめき
エジプト人の勇気は、全く失われる。
19:02「わたしは、エジプトをエジプトに刃向かわせる。人はその兄弟と、人はその隣人と
町は町と、国は国と戦う。
19:03エジプト人の思いは、胸の中に乱れる。わたしが、その謀を乱すので
彼らは、偶像と死者の霊
口寄せと霊媒に指示を求める。
19:04わたしは、エジプトを
過酷な支配者の手に渡す。厳しい王が、彼らを治める」と
万軍の主なる神が言われる。
19:05海の水は涸れ
川の流れは尽きて干上がる。
19:06運河は悪臭を放ち
下エジプトの支流は細り、乾いて
葦やよしも枯れ果てる。
19:07ナイルの河口のいぐさも
川沿いに蒔かれたすべての草も
枯れ、吹き飛ばされて、消えうせる。
19:08漁師は嘆き、悲しむ。ナイルに釣り針を投げる者も
水の面に網を広げる者もすべて衰える。
19:09亜麻布を造る者はうろたえ
梳く女も、織る男も青ざめ
19:10紡ぐ者も打ちのめされ
雇われて働く者は皆、苦しむ。
19:11ツォアンの司たちは、まことに無知だ。ファラオの賢者、参議らは、愚かな謀を立てる。どうして、お前たちはファラオに言えようか。「わたしは賢者の子です
遠い昔の王たちの子孫です」と。
19:12どこにいるのか、お前の賢者たちは。彼らに命じて、お前に告げ知らせよ
万軍の主が、エジプトについて定められたことを。
19:13ツォアンの司たちは愚かである。メンフィスの司らは欺かれ
諸州の長はエジプトをよろめかせた。
19:14主は、彼らの間に迷わす霊を注がれた。彼らは、エジプトをよろめかせ
エジプトが何をするときにも
酒飲みが吐くときのように、よろめかせた。
19:15もはやエジプトでは、だれも何もなしえない。頭であれ尾であれ
しゅろの枝であれ葦の茎であれ。
19:16その日には、エジプトは女のように弱くなり、万軍の主が振りかざされる御手に恐れおののく。
19:17ユダの地は、エジプトを混乱に陥れるものとなる。それを思わせるものは何であれ、エジプトを恐れさせる。万軍の主がエジプトに対して事を謀られるからである。
19:18その日には、エジプトの地に五つの町ができる。そこでは、カナンの言葉が語られ、万軍の主に誓いが立てられる。その町の一つは、「太陽の町」ととなえられる。
19:19その日には、エジプトの地の中心に、主のために祭壇が建てられ、その境には主のために柱が立てられる。
19:20それは、エジプトの地において、万軍の主を指し示すしるしとなり、証しとなる。もし彼らが、抑圧する者のゆえに、主に叫ぶならば、主は彼らのために救助者を送り、彼らを救われる。
19:21主は御自身をエジプト人に示される。その日には、エジプト人は主を知り、いけにえと供え物をささげ、また主に誓願を立てて、誓いの供え物をささげるであろう。
19:22主は、必ずエジプトを撃たれる。しかしまた、いやされる。彼らは主に立ち帰り、主は彼らの願いを聞き、彼らをいやされる。
19:23その日には、エジプトからアッシリアまで道が敷かれる。アッシリア人はエジプトに行き、エジプト人はアッシリアに行き、エジプト人とアッシリア人は共に礼拝する。
19:24その日には、イスラエルは、エジプトとアッシリアと共に、世界を祝福する第三のものとなるであろう。
19:25万軍の主は彼らを祝福して言われる。「祝福されよ
わが民エジプト
わが手の業なるアッシリア
わが嗣業なるイスラエル」と。
20:01アッシリアの王サルゴンに派遣された将軍がアシュドドを襲った年のことである。彼はアシュドドと戦い、これを占領した。
20:02それに先立って、主はアモツの子イザヤを通して、命じられた。「腰から粗布を取り去り、足から履物を脱いで歩け。」彼はそのとおりにして、裸、はだしで歩き回った。
20:03主は言われた。「わたしの僕イザヤが、エジプトとクシュに対するしるしと前兆として、裸、はだしで三年間歩き回ったように、
20:04アッシリアの王は、エジプトの捕虜とクシュの捕囚を引いて行く。若者も老人も、裸、はだしで、尻をあらわし、エジプトの恥をさらしつつ行く。
20:05彼らは自分たちの望みをかけていたクシュのゆえに、誇りとしていたエジプトのゆえに、恐れと恥をこうむるであろう。」
20:06その日には、この海辺の住民は言う。「見よ、アッシリアの王から救われようと助けを求めて逃げ、望みをかけていたものがこの有様なら、我々はどうして逃げ延びえようか。」
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