創世記1:1-5;ヨハネによる福音書1:1-5
現在、木星は「衝~外惑星が地球を挟んで太陽と正反対の位置に来ること」の位置にあり、地球にもっと接近しており、太陽の光の反射を正面から見ているので、非常に明るく見えます。また、1 月 19 日が「新月」なので、この一週間は星を見るには良い状態です。今から 400 年ほど前、ガリレオが自作の望遠鏡で、その木星を観測していて、木星の周囲を回る、いわゆる 4 つの「ガリレオ衛星(イオ•エウロパ•ガニメデ•カリスト)」~つまり木星の「月」を発見し、さらにケプラーやコペルニクスなど、他の多くの天文学者たちの観測結果を踏まえ、惑星の非常に規則正しい動きを知り、また「天動説」では説明仕切れない(もしくは非常に複雑になる)惑星の「逆行現象」なども、「地動説」であれば非常にシンプルに「神の創り給う完璧な星々の動き」を説明出来る事から、「地動説」を確信するのですが、「ガリレオ裁判」で、その「地動説」の撤回を強制されます。その裁判後、ガリレオが『それでも地球は回っている』という有名な台詞を残した事になっています。また、「神の完全性」から、ケプラーの提唱する「惑星の楕円軌道運行」には与しませんでした。
今日は、《「地球環境の問題を祈り、考える日(アース•サンデー)」礼拝》という事で、説教題を「『成長の限界』から」としました。この『成長の限界』というのは、1970 年、当時タイプライターの製造会社として有名であった「オリベッティ社」の副社長ベッチェイ氏の呼びかけで始まった「ローマクラブ」が、MIT のメドウズ博士らに依頼して、地球全体の「人口問題」「食料問題」「資源問題」「技術開発問題」「環境問題」等について、 様々なモデル•ケースを検討して、50 年~100 年後の社会を予測したレポートです。正確な書名は、『ローマクラブ「人類の危機」レポート 成長の限界』です。このローマクラブ結成の呼びかけ者のベッチェイさんは、その結成の動機を次のように述べています。
【自分がこのような仕事にとりかかった最大の理由は、子どもたちのためにつぎの世代の社会を少しでもすみよいものにしたいという念願からである】
この 1970 年の世界の人口は 36 億人、人口の成長率(増え具合)は年間 2.1%でした。その成長率で人口が増えて行くと、人口が倍の 72 億人になる迄の期間は 33 年です。2013年版の『世界地図』には【2011 年 10 月 31 日、国連は地球の人口が 70 億人に達した】との記事があります。さらに 2023 年版の『世界地図』には、2021 年の統計で、世界全体では 79.09 億人、増減率 0.82%で、翌年には 80 億人を超え、インドが最大人口国になった年だと記憶しています。
『成長の限界』では、人口だけでなく、作物の耕地面積、食料自給率、鉱物資源の埋蔵量と消費量等々、様々な数値を変動させて、シミュレーションを行っていますが、どのように数値を変動させても、遅くても 2000 年代半ばには成長の限界が来る、という結果になっています。
わたしは、今日の「アースサンデー」の話をいただいた時は、実はもう少し、希望を持てるようなお話ができるのではないかと思っていました。
しかし、昨年の暮れから今年初めにかけての、世界の動き、特にアメリカのトランプ大統領の動きを見ていますと、アメリカは本格的に資源獲得競争に乗り出してきた、という印象を受けます。昨年の段階では、トランプさんは、『「地球温暖化」はインチキ』、『「アメリカは石油を掘って掘って掘り尽くす」』と豪語していました。アメリカの石油というのは地層の中に閉じ込められている「シェールガス」という天然ガスであり、その採掘は難しかったのですが、アメリカは、その技術を確立し、昨年の天然ガスを含む、原油•ガス採掘量と輸出額はアメリカがトップだと思います。しかし、それも限りがあるので、世界一の埋蔵量を誇ると言われているベネズエラの石油を念頭に置いた、今回の攻撃だったのではないでしょうか。そして、グリーンランドを領土とする計画も、資源が目当てなのでは? 中国は、レアアースの輸出を制限すると言い、ネットには、太平洋上の南鳥島で、レアアースの海上(海底)採掘が始まるので、その採掘に関連する会社の株を買っておきなさい、という誘いまで来ています。レアアースで最も身近なのは、スマホの電池などに使われているリチウムですが、そのリチウムの宝庫であるチリに、中国は随分前から手を伸ばしていました。
このような状況で果たして地球は今世紀いっぱい保つのだろうか、と心配になります。
今日の聖書の個所である「創世記」1 章 1~5 節は、「天地創造」の出発点です。2 節の《2 地は混沌であって、闇が深淵の面にあり、神の霊が水の面を動いていた。3 神は言われた。「光あれ」 こうして、光があった。》
この「混沌」の状態というのは、安定した状態と言っても良いのです。例えば、熱いお湯に冷たい水を入れると混ぜ合わさって一定の温度になり、そこで安定します。そうして混ぜ合わさったぬるま湯を、元の熱いお湯と冷たい水に分けるのは、非常に難しく、大きなエネルギーが必要となります。つまり、混ぜ合わさったぬるま湯は、「混沌」状態であり、安定した状態なのです。そして神は「光あれ」と命じました。その「混沌」の世界に「光」というエネルギーをもたらし、秩序ある世界を創造したのです。名古屋大学理学部の教授で、カトリックの助祭でもある三田一郎先生は、『科学者はなぜ神を信じるのか』という本の中で、この最初の「光」を宇宙の始まりである「ビッグバン」だと理解する人が〔多い?〕と書いています。そして無神論者である理論物理学者(ALS 患者)のホーキンス博士は、「ビッグバン」理論に基づかない宇宙論を展開しようと試みていましたが、志半ばで亡くなってしまいました。
「ビッグバン」の話は置いておいて、神は、この第一日の作業から始めて、6 日間で、世界•宇宙にあるすべてのものを造り、それぞれを「良し」とされ、全てを造り終えた後の 6 日目には、}《神はお造りになったすべてのものをご覧になった。見よ、それは極めて良かった》(1章 31 節)
として 7 日目に休まれたのです。しかし、その「極めて良かった」ものが、「創世記」2 章以降、どんどん悪くなって行き、壊れていきます。4 章では人類最初の殺人事件が起こり、6 章で神は、《6 地上に人を造ったことを後悔し、心を痛められた》とまで書かれています。そうして「ノアの箱舟」の出来事があり、その後、神は雲の中に虹を置き、《水が洪水となって、肉なるものをすべて滅ぼすことは決してない》、との契約を結ぶのです。その契約を旧約学者の太田道子さんは、その著書『ことばは光Ⅰ』で次のように記します。
【旧約聖書の大部分は、人間が啓示を受けていながら真理に背いたと告発する論争の記録ともいうべきものです。つまり、原初に「極めて良かった」在り方は、今や誰が見ても壊れている/病んでいるので、元の完全な状態に戻す/癒すことが必要であり、そこに「シャローム」(元の完全な状態に戻す)の意味領域があるのです。人間について言えば、この完全な状態とは一生の命の成就、人権の充実であり、従って平和とは、殺し合いをせず争いがないだけでは不足で、「人すべての人権が尊重されている状態」ということになります】
わたしは今日の聖書の個所として、もう一個所、「シャローム」~元の完全な状態に戻す」個所として、ヨハネ福音書 1 章を挙げていただきました。その 4 節、5 節を読んで終わりにいたします。
《4 言の内に命があった。命は人間を照らす光であった。5 光は暗闇の中で輝いている。暗闇は光を理解しなかった》
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【以下は、かつて教会学校教師の時に、中学生たちに地球儀を使って話をした要旨です】
この地球の空気の層、厚さはどのくらいだと思いますか。この地球儀の直径が 30cm だとすると、私たちが生存できる範囲は、せいぜい 0.2mm、この紙 2 枚くらいの範囲でしか生きることができない。実際に生活する範囲は、もっと薄い、0.1mm 以下ですが、0.2mm というのは、空気が対流する、混ぜ合わさって、均一になる範囲ですので、そこまでの空気の事を考えに入れれば良いのです。その中にある空気は、だいたい 1 気圧前後、昔は 1013mb(ミリバール)と言っていましたが、今は、1013 hPa(ヘクトパスカル)なのでしょうか?単位が替わると、混乱しますよね? その 1 気圧の空気の中に、主な気体として、酸素 20.8%窒素 79%、炭酸ガス 0.03%、その他というのが、昔の「理科」で習った数字です。そして、今、この炭酸ガスが、「地球温暖化」をもたらす元凶だということで、問題になっています。炭酸ガスが、この 50 年間に空気中に増え続けて、現在は 0.04%になっている。それがさらに増えて、それほど遠くない未来に 0.05%になるという予測が出ています。
果たしてこの空気中の炭酸ガスの増加が、どれくらい地球の環境に影響があるのかは判りませんが、しかし、一旦増えた炭酸ガス量を、元に戻すことは非常に難しくなります。それは資源の枯渇と同じで、わたしたちは後戻りできない所まで来ているのです。