2017.6.11

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「神さまに愛されています」

秋葉正二

エフェソの信徒への手紙5,1-5

 教会では毎週水曜日、「祈り会」があります。 集まった人たちが一緒に聖書を学び、お祈りをします。 先週の水曜日は「ヨハネ福音書」の3章を勉強しました。 3章にはこんな言葉がありました。 『神は、その独り子をお与えになったほどに、この世を愛された。独り子を信じる者が一人も滅びないで、永遠の命を得るためである』。 聖書の神さまが私たち人間とこの世界をどんなに愛してくださっているかを、集まった皆さんと一緒に感じました。

 

 ところで、旧約聖書の「創世記」1章27節にはこんなことが書いてあります。 『神はご自分にかたどって人を創造された。神にかたどって創造された』。 それは神さまが人間を愛してくださったからです。 でも、そうして愛されて創造された人間は、と言うと、何度も何度も神さまを裏切って神さまをがっかりさせてきました。 旧約聖書にはそうした人間の失敗がたくさん書かれています。 それでも神さまは、私たち人間を慈しんでくださり、私たち一人一人に手を差し伸べてくださっています。 でも、私たちは神さまに愛されていることに、どれだけ気づいているでしょうか?  心静かに自分のことを色々考えると、神さまがたくさんの恵みを自分にくださっていることが分かります。

 

 皆さんはどんな恵みをいただいていますか?  大好きなお父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃんを神さまは皆さんに与えてくださいました。 仲良しのお友達も与えてくださいました。 毎日元気に学校に通える丈夫な体も与えられています。 数えていくと、キリがありません。 私たちが「自分は神さまに愛されていること」を知るのはとても大切なことです。

 

 普段私たちは多くの人に囲まれて生活していますが、それは私たちが沢山の人の群れの中の一部ではあるということではありません。 どんなに沢山の人がいても「自分は自分」です。 私たち一人ひとりは、自分が神さまに愛されていることを感じることができる存在なのです。

 

 きょう読んで頂いた聖書には、『あなた方は神に愛されている子供ですから、神に倣う者となりなさい』 とありました。 「子供」ってありましたが、これはCSの皆さんのことだけではありません。 ここにいる大人の人たちも皆神さまの子供ですよ、という意味です。 そして私たち皆んなが「神さまに倣う者となれ」と言うのです。 「倣う」って分かりますか? 「真似をする」という意味ですが、「学ぶ」という意味もあります。 一体何を学べというのでしょうか。

 

 福音書を読むと、ある時イエスさまはユダヤ教の学者さんたちから、『先生、律法の中で、どの掟が一番重要でしょうか?』と尋ねられた時、こうお答えになっておられます。 『心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くして、あなたの神である主を愛しなさい。これが最も重要な掟である』。 つまりイエスさまは、聖書の中で一番重要な掟は、「神さまを愛することだ」と仰ったのです。

 

 そしてそれに続けて、二番目に重要なのは、『隣人を自分を愛するように愛しなさい』ということですよ、と言われました。 「神さまを愛し、人間を愛すること」が、何よりも大切なのです。 私たち一人ひとりを神さまは、「大事な大事な宝ものだ、尊いものだ」と言われるのです。 ですから私たちは、神さまが自分を愛してくださっている、と感じたら、今度はそれと同じように、周りの人たちを愛さなくてはいけません。 人間はお互いに尊敬し合い、大切な存在であることをしっかり理解する責任があります。

 

 「神さまに倣う」ことの意味が少しは分かりましたか?  でも、神さまが人間を愛してくださったように、私たちが神さまを愛し、自分を愛し、周りの人を同じように愛することはとても難しいことです。 私たちは心が弱く、いい加減なところが沢山ありますから、神さまと同じようにはとても出来そうにありません。 けれども、少しでも神さまのようになろうと近づく努力をすることはできます。

 

 最初に紹介した「祈り会」で学んだヨハネ福音書のみ言葉を思い出してください。 『神は、その独り子をお与えになったほどに、この世を愛された。独り子を信じる者が一人も滅びないで、永遠の命を得るためである』。 私たちは神さまが独り子をお与えになった程の大きな愛に倣うことは出来ませんけれども、毎日の学校や家での生活の中で、神さまを真似て、小さな愛を示すことならできそうです。 きょう読んだ聖書のお言葉を忘れずに、「どうしたら神さまが喜んでくれるだろう」と思い出しながら生きていけたらいいですね。 皆さんは、間違いなく神さまに愛されています。 だから、「こうしたらきっと神さまは喜んでくださる」と思ったことを、どんどんやってください。 たとえそれが難しいことでも、神さまがきっと助けてくれます。 どうぞ愛をもって、隣りの人の顔を見てください。

 

 神さまに倣う者となりましょう! お祈りします。


 
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