エレミヤ書

01:01エレミヤの言葉。彼はベニヤミンの地のアナトトの祭司ヒルキヤの子であった。 01:02主の言葉が彼に臨んだのは、ユダの王、アモンの子ヨシヤの時代、その治世の第十三年のことであり、 01:03更にユダの王、ヨシヤの子ヨヤキムの時代にも臨み、ユダの王、ヨシヤの子ゼデキヤの治世の第十一年の終わり、すなわち、その年の五月に、エルサレムの住民が捕囚となるまで続いた。 01:04主の言葉がわたしに臨んだ。 01:05「わたしはあなたを母の胎内に造る前から
あなたを知っていた。母の胎から生まれる前に
わたしはあなたを聖別し
諸国民の預言者として立てた。」
01:06わたしは言った。「ああ、わが主なる神よ
わたしは語る言葉を知りません。わたしは若者にすぎませんから。」
01:07しかし、主はわたしに言われた。「若者にすぎないと言ってはならない。わたしがあなたを、だれのところへ
遣わそうとも、行って
わたしが命じることをすべて語れ。
01:08彼らを恐れるな。わたしがあなたと共にいて
必ず救い出す」と主は言われた。
01:09主は手を伸ばして、わたしの口に触れ
主はわたしに言われた。「見よ、わたしはあなたの口に
わたしの言葉を授ける。
01:10見よ、今日、あなたに
諸国民、諸王国に対する権威をゆだねる。抜き、壊し、滅ぼし、破壊し
あるいは建て、植えるために。」
01:11主の言葉がわたしに臨んだ。「エレミヤよ、何が見えるか。」わたしは答えた。「アーモンド(シャーケード)の枝が見えます。」 01:12主はわたしに言われた。「あなたの見るとおりだ。わたしは、わたしの言葉を成し遂げようと
見張っている(ショーケード)。」
01:13主の言葉が再びわたしに臨んで言われた。「何が見えるか。」わたしは答えた。「煮えたぎる鍋が見えます。北からこちらへ傾いています。」 01:14主はわたしに言われた。北から災いが襲いかかる
この地に住む者すべてに。
01:15北のすべての民とすべての国に
わたしは今、呼びかける、と主は言われる。彼らはやって来て、エルサレムの門の前に
都をとりまく城壁と
ユダのすべての町に向かって
それぞれ王座を据える。
01:16わたしは、わが民の甚だしい悪に対して
裁きを告げる。彼らはわたしを捨て、他の神々に香をたき
手で造ったものの前にひれ伏した。
01:17あなたは腰に帯を締め
立って、彼らに語れ
わたしが命じることをすべて。彼らの前におののくな
わたし自身があなたを
彼らの前でおののかせることがないように。
01:18わたしは今日、あなたをこの国全土に向けて
堅固な町とし、鉄の柱、青銅の城壁として
ユダの王やその高官たち
その祭司や国の民に立ち向かわせる。
01:19彼らはあなたに戦いを挑むが
勝つことはできない。わたしがあなたと共にいて、救い出すと
主は言われた。
02:01主の言葉がわたしに臨んだ。 02:02行って、エルサレムの人々に呼びかけ
耳を傾けさせよ。主はこう言われる。わたしは、あなたの若いときの真心
花嫁のときの愛
種蒔かれぬ地、荒れ野での従順を思い起こす。
02:03イスラエルは主にささげられたもの
収穫の初穂であった。それを食べる者はみな罰せられ
災いを被った、と主は言われる。
02:04ヤコブの家よ
イスラエルの家のすべての部族よ
主の言葉を聞け。
02:05主はこう言われる。お前たちの先祖は
わたしにどんなおちどがあったので
遠く離れて行ったのか。彼らは空しいものの後を追い
空しいものとなってしまった。
02:06彼らは尋ねもしなかった。「主はどこにおられるのか
わたしたちをエジプトの地から上らせ
あの荒野、荒涼とした、穴だらけの地
乾ききった、暗黒の地
だれひとりそこを通らず
人の住まない地に導かれた方は」と。
02:07わたしは、お前たちを実り豊かな地に導き
味の良い果物を食べさせた。ところが、お前たちはわたしの土地に入ると
そこを汚し
わたしが与えた土地を忌まわしいものに変えた。
02:08祭司たちも尋ねなかった。「主はどこにおられるのか」と。律法を教える人たちはわたしを理解せず
指導者たちはわたしに背き
預言者たちはバアルによって預言し
助けにならぬものの後を追った。
02:09それゆえ、わたしはお前たちを
あらためて告発し
また、お前たちの子孫と争うと
主は言われる。
02:10キティムの島々に渡って、尋ね
ケダルに人を送って、よく調べさせ
果たして、こんなことがあったかどうか確かめよ。
02:11一体、どこの国が
神々を取り替えたことがあろうか
しかも、神でないものと。ところが、わが民はおのが栄光を
助けにならぬものと取り替えた。
02:12天よ、驚け、このことを
大いに、震えおののけ、と主は言われる。
02:13まことに、わが民は二つの悪を行った。生ける水の源であるわたしを捨てて
無用の水溜めを掘った。水をためることのできない
こわれた水溜めを。
02:14イスラエルは奴隷なのか
家に生まれた僕であろうか。それなのに、どうして捕らわれの身になったのか。
02:15若獅子が彼に向かってほえ
うなり声をあげた。彼の地は荒れ地とされ
町々は焼き払われて
住む人もなくなった。
02:16メンフィスとタフパンヘスの人々も
あなたの頭をそり上げる。
02:17あなたの神なる主が、旅路を導かれたとき
あなたが主を捨てたので
このことがあなたの身に及んだのではないか。
02:18それなのに、今あなたはエジプトへ行って
ナイルの水を飲もうとする。それは、一体どうしてか。また、アッシリアへ行って
ユーフラテスの水を飲もうとする。それは、一体どうしてか。
02:19あなたの犯した悪が、あなたを懲らしめ
あなたの背信が、あなたを責めている。あなたが、わたしを畏れず
あなたの神である主を捨てたことが
いかに悪く、苦いことであるかを
味わい知るがよいと
万軍の主なる神は言われる。
02:20あなたは久しい昔に軛を折り
手綱を振り切って
「わたしは仕えることはしない」と言った。あなたは高い丘の上
緑の木の下と見ればどこにでも
身を横たえて遊女となる。
02:21わたしはあなたを、甘いぶどうを実らせる
確かな種として植えたのに
どうして、わたしに背いて
悪い野ぶどうに変わり果てたのか。
02:22たとえ灰汁で体を洗い
多くの石灰を使っても
わたしの目には
罪があなたに染みついていると
主なる神は言われる。
02:23どうして、お前は言い張るのか
わたしは汚れていない
バアルの後を追ったことはない、と。見よ、谷でのお前のふるまいを
思ってみよ、何をしたのか。お前は、素早い雌のらくだのように
道をさまよい歩く。
02:24また、荒れ野に慣れた雌ろばのように
息遣いも荒く、欲情にあえいでいる。誰がその情欲を制しえよう。彼女に会いたければ、だれも苦労はしない。その月になれば、見つけ出せる。
02:25素足になることを避け
喉が渇かぬようにせよ、と言われても
お前は答えて言う。「いいえ、止めても無駄です。わたしは異国の男を慕い
その後を追います」と。
02:26盗人が捕らえられて辱めを受けるように
イスラエルの家も辱めを受ける
その王、高官、祭司、預言者らも共に。
02:27彼らは木に向かって、「わたしの父」と言い
石に向かって、「わたしを産んだ母」と言う。わたしに顔を向けず、かえって背を向け
しかも、災難に遭えば
「立ち上がって
わたしたちをお救いください」と言う。
02:28お前が造った神々はどこにいるのか。彼らが立ち上がればよいのだ
災難に遭ったお前を救いうるのならば。ユダよ、お前の神々は
町の数ほどあるではないか。
02:29なぜ、わたしと争い
わたしに背き続けるのか、と主は言われる。
02:30わたしはお前たちの子らを打ったが
無駄であった。彼らは懲らしめを受け入れなかった。獅子が滅ぼし尽くすように
お前たちは預言者を剣の餌食とした。
02:31この世代の者よ、見よ、これは主の言葉だ。わたしはイスラエルにとって荒れ野なのか。深い闇の地なのか。どうして、わたしの民は言うのか。「迷い出てしまったからには
あなたのもとには帰りません」と。
02:32おとめがその身を飾るものを
花嫁が晴れ着の帯を忘れるだろうか。しかし、わたしの民はわたしを忘れ
数えきれない月日が過ぎた。
02:33なんと巧みにお前は情事を求めることか。悪い女たちにさえ、その道を教えるほどだ。 02:34お前の着物の裾には
罪のない貧しい者を殺した血が染みついている。それは、盗みに押し入ったときに
付いたものではない。それにもかかわらず
02:35「わたしには罪がない」とか
「主の怒りはわたしから去った」とお前は言う。だが、見よ。「わたしは罪を犯していない」と言うなら
お前は裁きの座に引き出される。
02:36なんと軽率にお前は道を変えるのか。アッシリアによって辱められたように
エジプトにも辱められるであろう。
02:37そこからも、お前は両手を頭に置いて出て来る。主はお前が頼りにしているものを退けられる。彼らに頼ろうとしても成功するはずがない。 03:01もし人がその妻を出し
彼女が彼のもとを去って
他の男のものとなれば
前の夫は彼女のもとに戻るだろうか。その地は汚れてしまうではないか。お前は多くの男と淫行にふけったのに
わたしに戻ろうと言うのかと
主は言われる。
03:02目を上げて裸の山々を見よ
お前が男に抱かれなかった所があろうか。荒れ野でアラビア人が座っているように
お前は道端に座って彼らを待つ。淫行の悪によってお前はこの地を汚した。
03:03雨がとどめられ
春の雨も降らなかったのはそのためだ。お前には遊女の額があり
少しも恥じようとしない。
03:04「あなたは、わが父、わたしの若い日の夫」と
お前がわたしに呼びかけるのは
今が初めてだろうか。
03:05「主はいつまでも憤り
限りなく怒り続けるだろうか」と
お前は言いながら悪を重ねる。それでもお前は平気だ。
03:06ヨシヤ王の時代に、主はわたしに言われた。あなたは背信の女イスラエルのしたことを見たか。彼女は高い山の上、茂る木の下のどこにでも行って淫行にふけった。 03:07彼女がこのようなことをしたあとにもなお、わたしは言った。「わたしに立ち帰れ」と。しかし、彼女は立ち帰らなかった。その姉妹である裏切りの女ユダはそれを見た。 03:08背信の女イスラエルが姦淫したのを見て、わたしは彼女を離別し、離縁状を渡した。しかし、裏切りの女であるその姉妹ユダは恐れるどころか、その淫行を続けた。 03:09彼女は軽薄にも淫行を繰り返して地を汚し、また石や木と姦淫している。 03:10そればかりでなく、その姉妹である裏切りの女ユダは真心からわたしに立ち帰ろうとせず、偽っているだけだ、と主は言われる。 03:11主はわたしに言われる。裏切りの女ユダに比べれば、背信の女イスラエルは正しかった。 03:12行け、これらの言葉をもって北に呼びかけよ。背信の女イスラエルよ、立ち帰れと
主は言われる。わたしはお前に怒りの顔を向けない。わたしは慈しみ深く
とこしえに怒り続ける者ではないと
主は言われる。
03:13ただ、お前の犯した罪を認めよ。お前は、お前の主なる神に背き
どこにでも茂る木があれば、その下で
他国の男たちと乱れた行いをし
わたしの声に聞き従わなかったと
主は言われる。
03:14背信の子らよ、立ち帰れ、と主は言われる。わたしこそあなたたちの主である。一つの町から一人、一つの氏族から二人ではあるが、わたしはあなたたちを連れてシオンに行こう。 03:15わたしはあなたたちに、心にかなう牧者たちを与える。彼らは賢く、巧みに導く。 03:16あなたたちがこの地で大いに増えるとき、その日には、と主は言われる。人々はもはや、主の契約の箱について語らず、心に浮かべることも、思い起こすこともない。求めることも、作ることももはやない。 03:17その時、エルサレムは主の王座と呼ばれ、諸国の民は皆、そこに向かい、主の御名のもとにエルサレムに集まる。彼らは再び、かたくなで悪い心に従って歩むことをしない。 03:18その日、ユダの家はイスラエルの家と合流し、わたしがあなたたちの先祖の所有とした国へ、北の国から共に帰って来る。 03:19わたしは思っていた。「子らの中でも、お前には何をしようか。お前に望ましい土地
あらゆる国の中で
最も麗しい地を継がせよう」と。そして、思った。「わが父と、お前はわたしを呼んでいる。わたしから離れることはあるまい」と。
03:20だが、妻が夫を欺くように
イスラエルの家よ、お前はわたしを欺いたと
主は言われる。
03:21裸の山々に声が聞こえる
イスラエルの子らの嘆き訴える声が。彼らはその道を曲げ
主なる神を忘れたからだ。
03:22「背信の子らよ、立ち帰れ。わたしは背いたお前たちをいやす。」「我々はあなたのもとに参ります。あなたこそ我々の主なる神です。 03:23まことに、どの丘の祭りも
山々での騒ぎも偽りにすぎません。まことに、我々の主なる神に
イスラエルの救いがあるのです。
03:24我々の若いときから
恥ずべきバアルが食い尽くしてきました
先祖たちが労して得たものを
その羊、牛、息子、娘らを。
03:25我々は恥の中に横たわり
辱めに覆われています。我々は主なる神に罪を犯しました。我々も、先祖も
若いときから今日に至るまで
主なる神の御声に聞き従いませんでした。」
04:01「立ち帰れ、イスラエルよ」と
主は言われる。「わたしのもとに立ち帰れ。呪うべきものをわたしの前から捨て去れ。そうすれば、再び迷い出ることはない。」
04:02もし、あなたが真実と公平と正義をもって
「主は生きておられる」と誓うなら
諸国の民は、あなたを通して祝福を受け
あなたを誇りとする。
04:03まことに、主はユダの人、エルサレムの人に
向かって、こう言われる。「あなたたちの耕作地を開拓せよ。茨の中に種を蒔くな。
04:04ユダの人、エルサレムに住む人々よ
割礼を受けて主のものとなり
あなたたちの心の包皮を取り去れ。さもなければ、あなたたちの悪行のゆえに
わたしの怒りは火のように発して燃え広がり
消す者はないであろう。」
04:05ユダに知らせよ、エルサレムに告げて言え。国中に角笛を吹き鳴らし、大声で叫べ
そして言え。「集まって、城塞に逃れよう。
04:06シオンに向かって旗を揚げよ。避難せよ、足を止めるな」と。わたしは北から災いを
大いなる破壊をもたらす。
04:07獅子はその茂みを後にして上り
諸国の民を滅ぼす者は出陣した。あなたの国を荒廃させるため
彼は自分の国を出た。あなたの町々は滅ぼされ、住む者はいなくなる。
04:08それゆえに、粗布をまとい
嘆き、泣き叫べ。主の激しい怒りは我々を去らない。
04:09その日が来れば、と主は言われる。王も高官も勇気を失い
祭司は心挫け、預言者はひるみ
04:10言うであろう。「ああ、主なる神よ。まことに、あなたはこの民とエルサレムを
欺かれました。『あなたたちに平和が訪れる』と約束されたのに
剣が喉もとに突きつけられています。」
04:11そのときには、この民とエルサレムに告げられる。「荒れ野から裸の山々の熱風が
わが民の娘に向かって吹きつける。ふるい分ける風でも、清める風でもない。
04:12それにまさる激しい風が
わたしのもとから吹きつける。今やわたしは彼らに裁きを下す。」
04:13見よ、それは雲のように攻め上る。その戦車はつむじ風のよう
その馬は鷲よりも速い。ああ、災いだ。我々は荒らし尽くされる。
04:14エルサレムよ
あなたの心の悪を洗い去って救われよ。いつまで、あなたはその胸に
よこしまな思いを宿しているのか。
04:15聞け、災いをダンから告げ
エフライムの山から知らせる声を。
04:16諸国の民にこれを告げ
エルサレムに知らせよ。「包囲する者が遠い国から押し寄せ
ユダの町に向かって戦いの喚声をあげ
04:17畑の見張りのように彼らを包囲する。ユダがわたしに背いたからだ」と主は言われる。 04:18あなたの道、あなたの仕業が
これらのことをもたらす。これはあなたの犯した悪であり
まことに苦く、そして心臓にまで達する。
04:19わたしのはらわたよ、はらわたよ。わたしはもだえる。心臓の壁よ、わたしの心臓は呻く。わたしは黙していられない。わたしの魂は、角笛の響き、鬨の声を聞く。 04:20「破壊に次ぐ破壊」と人々は叫ぶ。大地はすべて荒らし尽くされる。瞬く間にわたしの天幕が
一瞬のうちに、その幕が荒らし尽くされる。
04:21いつまで、わたしは旗を見
角笛の響きを聞かねばならないのか。
04:22まことに、わたしの民は無知だ。わたしを知ろうとせず
愚かな子らで、分別がない。悪を行うことにさとく
善を行うことを知らない。
04:23わたしは見た。見よ、大地は混沌とし
空には光がなかった。
04:24わたしは見た。見よ、山は揺れ動き
すべての丘は震えていた。
04:25わたしは見た。見よ、人はうせ
空の鳥はことごとく逃げ去っていた。
04:26わたしは見た。見よ、実り豊かな地は荒れ野に変わり
町々はことごとく、主の御前に
主の激しい怒りによって打ち倒されていた。
04:27まことに、主はこう言われる。「大地はすべて荒れ果てる。しかし、わたしは滅ぼし尽くしはしない。 04:28それゆえ、地は喪に服し
上なる天は嘆く。わたしは定めたことを告げ
決して後悔せず、決してこれを変えない。」
04:29騎兵や射手の叫びに、都を挙げて逃げ去り
茂みに隠れ、岩に登る。都は全く見捨てられ
だれひとりとどまる者はない。
04:30辱められた女よ、何をしているのか。緋の衣をまとい、金の飾りを着け
目の縁を黒く塗り、美しく装ってもむなしい。愛人らはお前を退け、お前の命を奪おうとする。
04:31まことに、産みの苦しみのような声が聞こえる。初めて子供を産む女のような苦しみの声が
あえぎながら手を伸べる娘シオンの声が。「ああ、殺そうとする者の前に
わたしは気を失う。」
05:01エルサレムの通りを巡り
よく見て、悟るがよい。広場で尋ねてみよ、ひとりでもいるか
正義を行い、真実を求める者が。いれば、わたしはエルサレムを赦そう。
05:02「主は生きておられる」と言って誓うからこそ
彼らの誓いは偽りの誓いとなるのだ。
05:03主よ、御目は
真実を求めておられるではありませんか。彼らを打たれても、彼らは痛みを覚えず
彼らを打ちのめされても
彼らは懲らしめを受け入れず
その顔を岩よりも固くして
立ち帰ることを拒みました。
05:04わたしは思った。「これは身分の低い人々で、彼らは無知なのだ。主の道、神の掟を知らない。 05:05身分の高い人々を訪れて語り合ってみよう。彼らなら
主の道、神の掟を知っているはずだ」と。だが、彼らも同様に軛を折り
綱を断ち切っていた。
05:06それゆえ、森の獅子が彼らを襲い
荒れ地の狼が彼らを荒らし尽くす。豹が町々をねらい
出て来る者を皆、餌食とする。彼らは背きを重ね
その背信が甚だしいからだ。
05:07どうして、このようなお前を赦せようか。お前の子らは、わたしを捨て
神でもないものによって誓う。わたしは彼らに十分な食べ物を与えた。すると、彼らは姦淫を犯し
遊女の家に群がって行った。
05:08彼らは、情欲に燃える太った馬のように
隣人の妻を慕っていななく。
05:09これらのことを
わたしが罰せずにいられようかと
主は言われる。このような民に対し、わたしは必ずその悪に報いる。
05:10ぶどう畑に上って、これを滅ぼせ。しかし、滅ぼし尽くしてはならない。つるを取り払え。それは、主のものではない。 05:11イスラエルとユダの家は
繰り返しわたしを欺いた、と主は言われる。
05:12彼らは主を拒んで言う。「主は何もなさらない。我々に災いが臨むはずがない。剣も飢饉も起こりはしない。 05:13預言者の言葉はむなしくなる。『このようなことが起こる』と言っても
実現はしない。」
05:14それゆえ、万軍の主なる神はこう言われる。「彼らがこのような言葉を口にするからには
見よ、わたしはわたしの言葉を
あなたの口に授ける。それは火となり
この民を薪とし、それを焼き尽くす。」
05:15「見よ、わたしは遠くから一つの国を
お前たちの上に襲いかからせる。イスラエルの家よ、と主は言われる。それは絶えることのない国、古くからの国
その言葉は理解し難く
その言うことは聞き取れない。
05:16その矢筒は、口を開いた墓
彼らは皆、勇士だ。
05:17お前たちの収穫も食糧も食い尽くす。更に、息子、娘を食い尽くし
羊や牛を食い尽くし
ぶどうやいちじくを食い尽くす。お前が頼みとする砦の町々を
剣を振るって破壊する。」
05:18「そのときですら」と主は言われる。「わたしはお前たちを滅ぼし尽くしはしない。」 05:19「何故、我々の主なる神はこのようなことを我々にされたのか」と言うなら、あなたはこう答えよ。「あなたたちはわたしを捨て、自分の国で異教の神々に仕えた。そのように、自分のものではない国で他国民に仕えねばならない。」 05:20これをヤコブの家に告げ、ユダに知らせよ。 05:21「愚かで、心ない民よ、これを聞け。目があっても、見えず
耳があっても、聞こえない民。
05:22わたしを畏れ敬いもせず
わたしの前におののきもしないのかと
主は言われる。わたしは砂浜を海の境とした。これは永遠の定め
それを越えることはできない。波が荒れ狂っても、それを侵しえず
とどろいても、それを越えることはできない。
05:23しかし、この民の心はかたくなで、わたしに背く。彼らは背き続ける。 05:24彼らは、心に思うこともしない。『我々の主なる神を畏れ敬おう
雨を与える方、時に応じて
秋の雨、春の雨を与え
刈り入れのために
定められた週の祭りを守られる方を』と。
05:25お前たちの罪がこれらを退け
お前たちの咎が恵みの雨をとどめたのだ。」
05:26「わが民の中には逆らう者がいる。網を張り
鳥を捕る者のように、潜んでうかがい
罠を仕掛け、人を捕らえる。
05:27籠を鳥で満たすように
彼らは欺き取った物で家を満たす。こうして、彼らは強大になり富を蓄える。
05:28彼らは太って、色つやもよく
その悪事には限りがない。みなしごの訴えを取り上げず、助けもせず
貧しい者を正しく裁くこともしない。
05:29これらのことを、わたしが罰せずに
いられようか、と主は言われる。このような民に対し、わたしは必ずその悪に報いる。
05:30恐ろしいこと、おぞましいことが
この国に起こっている。
05:31預言者は偽りの預言をし
祭司はその手に富をかき集め
わたしの民はそれを喜んでいる。その果てに、お前たちはどうするつもりか。」
06:01ベニヤミンの人々よ
エルサレムの中から避難せよ。テコアで角笛を吹き鳴らし
ベト・ハケレムに向かってのろしを上げよ。災いと大いなる破壊が北から迫っている。
06:02美しく、快楽になれた女、娘シオンよ
わたしはお前を滅ぼす。
06:03羊飼いが、その群れと共にやって来る。彼女に向かって周囲に天幕を張り
それぞれに、草を食い尽くす。
06:04シオンに対して戦闘を開始せよ。立て、昼の間に攻め上ろう。大変だ、日が傾き、夕日の影が伸びてきた。 06:05立て、夜襲をかけよう。城郭を破壊しよう。 06:06まことに、万軍の主はこう言われる。「木を切り、土を盛り
エルサレムに対して攻城の土塁を築け。彼女は罰せられるべき都
その中には抑圧があるのみ。
06:07泉の水が湧くように
彼女の悪は湧き出る。不法と暴力の叫びが聞こえてくる。病と傷は、常にわたしの前にある。
06:08エルサレムよ、懲らしめを受け入れよ。さもないと、わたしはお前を見捨て
荒れ果てて人の住まない地とする。」
06:09万軍の主はこう言われる。「ぶどうの残りを摘むように
イスラエルの残りの者を摘み取れ。ぶどうを摘む者がするように
お前は、手をもう一度ぶどうの枝に伸ばせ。」
06:10誰に向かって語り、警告すれば
聞き入れるのだろうか。見よ、彼らの耳は無割礼で
耳を傾けることができない。見よ、主の言葉が彼らに臨んでも
それを侮り、受け入れようとしない。
06:11主の怒りでわたしは満たされ
それに耐えることに疲れ果てた。「それを注ぎ出せ
通りにいる幼子、若者の集いに。男も女も、長老も年寄りも必ず捕らえられる。
06:12家も畑も妻もすべて他人の手に渡る。この国に住む者に対して
わたしが手を伸ばすからだ」と主は言われる。
06:13「身分の低い者から高い者に至るまで
皆、利をむさぼり
預言者から祭司に至るまで皆、欺く。
06:14彼らは、わが民の破滅を手軽に治療して
平和がないのに、『平和、平和』と言う。
06:15彼らは忌むべきことをして恥をさらした。しかも、恥ずかしいとは思わず
嘲られていることに気づかない。それゆえ、人々が倒れるとき、彼らも倒れ
わたしが彼らを罰するとき
彼らはつまずく」と主は言われる。
06:16主はこう言われる。「さまざまな道に立って、眺めよ。昔からの道に問いかけてみよ
どれが、幸いに至る道か、と。その道を歩み、魂に安らぎを得よ。」しかし、彼らは言った。「そこを歩むことをしない」と。
06:17わたしは、「あなたたちのために見張りを立て
耳を澄まして角笛の響きを待て」と言った。しかし、彼らは言った。「耳を澄まして待つことはしない」と。
06:18「それゆえ、国々よ、聞け。わたしが彼らにしようとすることを知れ。 06:19この地よ、聞け。見よ、わたしはこの民に災いをもたらす。それは彼らのたくらみが結んだ実である。彼らがわたしの言葉に耳を傾けず
わたしの教えを拒んだからだ。
06:20シェバから持って来た乳香や
はるかな国からの香水萱が
わたしにとって何の意味があろうか。あなたたちの焼き尽くす献げ物を喜ばず
いけにえをわたしは好まない。」
06:21それゆえ、主はこう言われる。「見よ、わたしはこの民につまずきを置く。彼らはそれにつまずく。父も子も共に、隣人も友も皆、滅びる。」 06:22主はこう言われる。「見よ、一つの民が北の国から来る。大いなる国が地の果てから奮い立って来る。 06:23弓と投げ槍を取り、残酷で、容赦しない。海のとどろくような声をあげ、馬を駆り
戦いに備えて武装している。娘シオンよ、あなたに向かって。」
06:24我々はその知らせを聞き、手の力は抜けた。苦しみに捕らえられ
我々は産婦のようにもだえる。
06:25「野に出るな、道を行くな。敵は剣を取り、恐怖が四方から迫る。 06:26わが民の娘よ、粗布をまとい
灰を身にかぶれ。独り子を失ったように喪に服し
苦悩に満ちた嘆きの声をあげよ。略奪する者が、突如として我々を襲う。」
06:27わたしはあなたをわが民の中に
金を試す者として立てた。彼らの道を試し、知るがよい。
06:28彼らは皆、道を外れ、中傷して歩く。彼らは皆、青銅や鉄の滓
罠を仕掛けて人を滅ぼす者だ。
06:29鉛はふいごで起こした火に溶ける。彼らも火で試されたが、空しかった。彼らの悪は取り除かれることがなかった。 06:30捨てられた銀の滓、と彼らは呼ばれる。主が彼らを捨てられたからだ。 07:01主からエレミヤに臨んだ言葉。 07:02主の神殿の門に立ち、この言葉をもって呼びかけよ。そして、言え。「主を礼拝するために、神殿の門を入って行くユダの人々よ、皆、主の言葉を聞け。 07:03イスラエルの神、万軍の主はこう言われる。お前たちの道と行いを正せ。そうすれば、わたしはお前たちをこの所に住まわせる。 07:04主の神殿、主の神殿、主の神殿という、むなしい言葉に依り頼んではならない。 07:05-6 この所で、お前たちの道と行いを正し、お互いの間に正義を行い、寄留の外国人、孤児、寡婦を虐げず、無実の人の血を流さず、異教の神々に従うことなく、自ら災いを招いてはならない。 07:06 07:07そうすれば、わたしはお前たちを先祖に与えたこの地、この所に、とこしえからとこしえまで住まわせる。 07:08しかし見よ、お前たちはこのむなしい言葉に依り頼んでいるが、それは救う力を持たない。 07:09盗み、殺し、姦淫し、偽って誓い、バアルに香をたき、知ることのなかった異教の神々に従いながら、 07:10わたしの名によって呼ばれるこの神殿に来てわたしの前に立ち、『救われた』と言うのか。お前たちはあらゆる忌むべきことをしているではないか。 07:11わたしの名によって呼ばれるこの神殿は、お前たちの目に強盗の巣窟と見えるのか。そのとおり。わたしにもそう見える、と主は言われる。 07:12シロのわたしの聖所に行ってみよ。かつてわたしはそこにわたしの名を置いたが、わが民イスラエルの悪のゆえに、わたしがそれをどのようにしたかを見るがよい。 07:13今や、お前たちがこれらのことをしたから――と主は言われる――そしてわたしが先に繰り返し語ったのに、その言葉に従わず、呼びかけたのに答えなかったから、 07:14わたしの名によって呼ばれ、お前たちが依り頼んでいるこの神殿に、そしてお前たちと先祖に与えたこの所に対して、わたしはシロにしたようにする。 07:15わたしは、お前たちの兄弟である、エフライムの子孫をすべて投げ捨てたように、お前たちをわたしの前から投げ捨てる。」 07:16あなたはこの民のために祈ってはならない。彼らのために嘆きと祈りの声をあげてわたしを煩わすな。わたしはあなたに耳を傾けない。 07:17ユダの町々、エルサレムの巷で彼らがどのようなことをしているか、あなたには見えないのか。 07:18子らは薪を集め、父は火を燃やし、女たちは粉を練り、天の女王のために献げ物の菓子を作り、異教の神々に献げ物のぶどう酒を注いで、わたしを怒らせている。 07:19彼らはわたしを怒らせているのか――と主は言われる――むしろ、自らの恥によって自らを怒らせているのではないか。 07:20それゆえ、主なる神はこう言われる。見よ、わたしの怒りと
憤りが、この所で、人間、家畜、野の木、地の実りに注がれる。それは燃え上がり、消えることはない。
07:21イスラエルの神、万軍の主はこう言われる。お前たちの焼き尽くす献げ物の肉を、いけにえの肉に加えて食べるがよい。 07:22わたしはお前たちの先祖をエジプトの地から導き出したとき、わたしは焼き尽くす献げ物やいけにえについて、語ったことも命じたこともない。 07:23むしろ、わたしは次のことを彼らに命じた。「わたしの声に聞き従え。そうすれば、わたしはあなたたちの神となり、あなたたちはわたしの民となる。わたしが命じる道にのみ歩むならば、あなたたちは幸いを得る。」 07:24しかし、彼らは聞き従わず、耳を傾けず、彼らのかたくなで悪い心のたくらみに従って歩み、わたしに背を向け、顔を向けなかった。 07:25お前たちの先祖がエジプトの地から出たその日から、今日に至るまで、わたしの僕である預言者らを、常に繰り返しお前たちに遣わした。 07:26それでも、わたしに聞き従わず、耳を傾けず、かえって、うなじを固くし、先祖よりも悪い者となった。 07:27あなたが彼らにこれらすべての言葉を語っても、彼らはあなたに聞き従わず、呼びかけても答えないであろう。 07:28それゆえあなたは彼らに言うがよい。「これは、その神、主の声に聞き従わず、懲らしめを受け入れず、その口から真実が失われ、断たれている民だ。」 07:29「お前の長い髪を切り、それを捨てよ。裸の山々で哀歌をうたえ。主を怒らせたこの世代を
主は退け、見捨てられた。」
07:30まことに、ユダの人々はわたしの目の前で悪を行った、と主は言われる。わたしの名によって呼ばれるこの神殿に、彼らは憎むべき物を置いてこれを汚した。 07:31彼らはベン・ヒノムの谷にトフェトの聖なる高台を築いて息子、娘を火で焼いた。このようなことをわたしは命じたこともなく、心に思い浮かべたこともない。 07:32それゆえ、見よ、もはやトフェトとかベン・ヒノムの谷とか呼ばれることなく、殺戮の谷と呼ばれる日が来る、と主は言われる。そのとき、人々はもはや余地を残さぬまで、トフェトに人を葬る。 07:33この民の死体は空の鳥、野の獣の餌食となる。それを追い払う者もない。 07:34わたしはユダの町々とエルサレムの巷から、喜びの声と祝いの声、花婿の声と花嫁の声を絶つ。この地は廃虚となる。 08:01そのとき、と主は言われる。ユダのもろもろの王の骨、高官の骨、祭司の骨、預言者の骨、そしてエルサレムの住民の骨が、墓から掘り出される。 08:02それは、彼らが愛し、仕え、その後に従い、尋ね求め、伏し拝んだ太陽や月、天の万象の前にさらされ、集められることも葬られることもなく、地の面にまき散らされて肥やしとなる。 08:03わたしが他のさまざまな場所に追いやった、この悪を行う民族の残りの者すべてにとって、死は生よりも望ましいものになる、と万軍の主は言われる。 08:04彼らに言いなさい。主はこう言われる。倒れて、起き上がらない者があろうか。離れて、立ち帰らない者があろうか。 08:05どうして、この民エルサレムは背く者となり
いつまでも背いているのか。偽りに固執して
立ち帰ることを拒む。
08:06耳を傾けて聞いてみたが
正直に語ろうとしない。自分の悪を悔いる者もなく
わたしは何ということをしたのかと
言う者もない。馬が戦場に突進するように
それぞれ自分の道を去って行く。
08:07空を飛ぶこうのとりもその季節を知っている。山鳩もつばめも鶴も、渡るときを守る。しかし、わが民は主の定めを知ろうとしない。 08:08どうしてお前たちは言えようか。「我々は賢者といわれる者で
主の律法を持っている」と。まことに見よ、書記が偽る筆をもって書き
それを偽りとした。
08:09賢者は恥を受け、打ちのめされ、捕らえられる。見よ、主の言葉を侮っていながら
どんな知恵を持っているというのか。
08:10それゆえ、わたしは彼らの妻を他人に渡し
彼らの畑を征服する者に渡す。身分の低い者から高い者に至るまで
皆、利をむさぼり
預言者から祭司に至るまで皆、欺く。
08:11彼らは、おとめなるわが民の破滅を
手軽に治療して
平和がないのに「平和、平和」と言う。
08:12彼らは忌むべきことをして恥をさらした。しかも、恥ずかしいとは思わず
嘲られていることに気づかない。それゆえ、人々が倒れるとき、彼らも倒れ
彼らが罰せられるとき、彼らはつまずくと
主は言われる。
08:13わたしは彼らを集めようとしたがと
主は言われる。ぶどうの木にぶどうはなく
いちじくの木にいちじくはない。葉はしおれ、わたしが与えたものは
彼らから失われていた。
08:14何のために我々は座っているのか。集まって、城塞に逃れ、黙ってそこにいよう。我々の神、主が我々を黙らせ
毒の水を飲ませられる。我々が主に罪を犯したからだ。
08:15平和を望んでも、幸いはなく
いやしのときを望んでも、見よ、恐怖のみ。
08:16ダンから敵の軍馬のいななきが聞こえる。強い馬の鋭いいななきで、大地はすべて揺れ動く。彼らは来て、地とそこに満ちるもの
都とそこに住むものを食い尽くす。
08:17わたしはお前たちの中に蛇や蝮を送る。彼らにはどのような呪文も役に立たない。彼らはお前たちをかむ、と主は言われる。 08:18わたしの嘆きはつのり
わたしの心は弱り果てる。
08:19見よ、遠い地から娘なるわが民の
叫ぶ声がする。「主はシオンにおられないのか
シオンの王はそこにおられないのか。」なぜ、彼らは偶像によって
異教の空しいものによって
わたしを怒らせるのか。
08:20刈り入れの時は過ぎ、夏は終わった。しかし、我々は救われなかった。 08:21娘なるわが民の破滅のゆえに
わたしは打ち砕かれ、嘆き、恐怖に襲われる。
08:22ギレアドに乳香がないというのか
そこには医者がいないのか。なぜ、娘なるわが民の傷はいえないのか。
08:23わたしの頭が大水の源となり
わたしの目が涙の源となればよいのに。そうすれば、昼も夜もわたしは泣こう
娘なるわが民の倒れた者のために。
09:01荒れ野に旅人の宿を見いだせるものなら
わたしはこの民を捨て
彼らを離れ去るであろう。すべて、姦淫する者であり、裏切る者の集まりだ。
09:02彼らは舌を弓のように引き絞り
真実ではなく偽りをもってこの地にはびこる。彼らは悪から悪へと進み
わたしを知ろうとしない、と主は言われる。
09:03人はその隣人を警戒せよ。兄弟ですら信用してはならない。兄弟といっても
「押しのける者(ヤコブ)」であり
隣人はことごとく中傷して歩く。
09:04人はその隣人を惑わし、まことを語らない。舌に偽りを語ることを教え
疲れるまで悪事を働く。
09:05欺きに欺きを重ね
わたしを知ることを拒む、と主は言われる。
09:06それゆえ、万軍の主はこう言われる。見よ、わたしは娘なるわが民を
火をもって溶かし、試す。まことに、彼らに対して何をすべきか。
09:07彼らの舌は人を殺す矢
その口は欺いて語る。隣人に平和を約束していても
その心の中では、陥れようとたくらんでいる。
09:08これらのことをわたしは罰せずにいられようかと
主は言われる。このような民に対し、わたしは必ずその悪に報いる。
09:09山々で、悲しみ嘆く声をあげ
荒れ野の牧草地で、哀歌をうたえ。そこは焼き払われて、通り過ぎる人もなくなり
家畜の鳴く声も聞こえなくなる。空の鳥も家畜も、ことごとく逃れ去った。
09:10わたしはエルサレムを瓦礫の山
山犬の住みかとし
ユダの町々を荒廃させる。そこに住む者はいなくなる。
09:11知恵ある人はこれを悟れ。主の口が語られることを告げよ。何故、この地は滅びたのか。焼き払われて荒れ野となり
通り過ぎる人もいない。
09:12主は言われる。「それは、彼らに与えたわたしの教えを彼らが捨て、わたしの声に聞き従わず、それによって歩むことをしなかったからだ。」 09:13彼らは、そのかたくなな心に従い、また、先祖が彼らに教え込んだようにバアルに従って歩んだ。 09:14それゆえ、イスラエルの神、万軍の主は言われる。「見よ、わたしはこの民に苦よもぎを食べさせ、毒の水を飲ませる。 09:15彼らを、彼ら自身も先祖も知らなかった国々の中に散らし、その後から剣を送って彼らを滅ぼし尽くす。」 09:16万軍の主はこう言われる。事態を見極め、泣き女を招いて、ここに来させよ。巧みな泣き女を迎えにやり、ここに来させよ。 09:17急がせよ、我々のために嘆きの歌をうたわせよ。我々の目は涙を流し
まぶたは水を滴らせる。
09:18嘆きの声がシオンから聞こえる。いかに、我々は荒らし尽くされたことか。甚だしく恥を受けたことか。まことに、我々はこの地を捨て
自分の住まいを捨て去った。
09:19女たちよ、主の言葉を聞け。耳を傾けて、主の口の言葉を受け入れよ。あなたたちの仲間に、嘆きの歌を教え
互いに哀歌を学べ。
09:20死は窓に這い上がり
城郭の中に入り込む。通りでは幼子を、広場では若者を滅ぼす。
09:21このように告げよ、と主は言われる。人間のしかばねが野の面を
糞土のように覆っている。刈り入れる者の後ろに落ちて
集める者もない束のように。
09:22主はこう言われる。知恵ある者は、その知恵を誇るな。力ある者は、その力を誇るな。富ある者は、その富を誇るな。 09:23むしろ、誇る者は、この事を誇るがよい
目覚めてわたしを知ることを。わたしこそ主。この地に慈しみと正義と恵みの業を行う事
その事をわたしは喜ぶ、と主は言われる。
09:24見よ、時が来る、と主は言われる。そのとき、わたしは包皮に割礼を受けた者を
ことごとく罰する。
09:25エジプト、ユダ、エドム
アンモンの人々、モアブ
すべて荒れ野に住み
もみ上げの毛を切っている人々
すなわち割礼のない諸民族をことごとく罰し
また、心に割礼のないイスラエルの家を
すべて罰する。
10:01イスラエルの家よ、主があなたたちに語られた言葉を聞け。 10:02主はこう言われる。異国の民の道に倣うな。天に現れるしるしを恐れるな。それらを恐れるのは異国の民のすることだ。 10:03もろもろの民が恐れるものは空しいもの
森から切り出された木片
木工がのみを振るって造ったもの。
10:04金銀で飾られ
留め金をもって固定され、身動きもしない。
10:05きゅうり畑のかかしのようで、口も利けず
歩けないので、運ばれて行く。そのようなものを恐れるな。彼らは災いをくだすことも
幸いをもたらすこともできない。
10:06主よ、あなたに並ぶものはありません。あなたは大いなる方
御名には大いなる力があります。
10:07諸国民の王なる主よ
あなたを恐れないものはありません。それはあなたにふさわしいことです。諸国民、諸王国の賢者の間でも
あなたに並ぶものはありません。
10:08彼らは等しく無知で愚かです。木片にすぎない空しいものを戒めとしています。 10:09それはタルシシュからもたらされた銀箔
ウファズの金、青や紫を衣として
木工や金細工人が造ったもの
いずれも、巧みな職人の造ったものです。
10:10主は真理の神、命の神、永遠を支配する王。その怒りに大地は震え
その憤りに諸国の民は耐ええない。
10:11このように彼らに言え。天と地を造らなかった神々は
地の上、天の下から滅び去る、と。
10:12御力をもって大地を造り
知恵をもって世界を固く据え
英知をもって天を広げられた方。
10:13主が御声を発せられると、天の大水はどよめく。地の果てから雨雲を湧き上がらせ
稲妻を放って雨を降らせ
風を倉から送り出される。
10:14人は皆、愚かで知識に達しえない。金細工人は皆、偶像のゆえに辱められる。鋳て造った像は欺瞞にすぎず
霊を持っていない。
10:15彼らは空しく、また嘲られるもの
裁きの時が来れば滅びてしまう。
10:16ヤコブの分である神はこのような方ではない。万物の創造者であり
イスラエルはその方の嗣業の民である。その御名は万軍の主。
10:17包囲されて座っている女よ
地からお前の荷物を集めよ。
10:18主はこう言われる。見よ、今度こそ
わたしはこの地の住民を投げ出す。わたしは彼らを苦しめる
彼らが思い知るように。
10:19ああ、災いだ。わたしは傷を負い
わたしの打ち傷は痛む。しかし、わたしは思った。「これはわたしの病
わたしはこれに耐えよう。」
10:20わたしの天幕は略奪に遭い
天幕の綱はことごとく断ち切られ
息子らはわたしのもとから連れ去られて
ひとりもいなくなった。わたしの天幕を張ってくれる者も
その幕を広げてくれる者もいない。
10:21群れを養う者は愚かになり
主を尋ね求めることをしない。それゆえ、彼らはよく見守ることをせず
群れはことごとく散らされる。
10:22声がする。見よ、知らせが来る。北の国から大いなる地響きが聞こえる。それはユダの町々を荒廃させ
山犬の住みかとする。
10:23主よ、わたしは知っています。人はその道を定めえず
歩みながら、足取りを確かめることもできません。
10:24主よ、わたしを懲らしめてください
しかし、正しい裁きによって。怒りによらず
わたしが無に帰することのないように。
10:25あなたの憤りを注いでください
あなたを知らない諸国民の上に。あなたの御名を呼ぶことのない諸民族の上に。彼らはヤコブを食い物にし
彼を食い尽くし
その住みかを荒廃させました。
11:01主からエレミヤに臨んだ言葉。 11:02「この契約の言葉を聞け。それをユダの人、エルサレムの住民に告げよ。 11:03彼らに向かって言え。イスラエルの神、主はこう言われる。この契約の言葉に聞き従わない者は呪われる。 11:04これらの言葉はわたしがあなたたちの先祖を、鉄の炉であるエジプトの地から導き出したとき、命令として与えたものである。わたしは言った。わたしの声に聞き従い、あなたたちに命じるところをすべて行えば、あなたたちはわたしの民となり、わたしはあなたたちの神となる。 11:05それは、わたしがあなたたちの先祖に誓った誓いを果たし、今日見るように、乳と蜜の流れる地を彼らに与えるためであった。」わたしは答えて言った。「アーメン、主よ」と。 11:06主はわたしに言われた。「ユダの町々とエルサレムの通りで、これらの言葉をすべて呼ばわって言え。この契約の言葉を聞き、これを行え。 11:07わたしは、あなたたちの先祖をエジプトの地から導き上ったとき、彼らに厳しく戒め、また今日に至るまで、繰り返し戒めて、わたしの声に聞き従え、と言ってきた。 11:08しかし、彼らはわたしに耳を傾けず、聞き従わず、おのおのその悪い心のかたくなさのままに歩んだ。今、わたしは、この契約の言葉をことごとく彼らの上に臨ませる。それを行うことを命じたが、彼らが行わなかったからだ。」 11:09主はわたしに言われた。「ユダの人とエルサレムの住民が共謀しているのが見える。 11:10彼らは昔、先祖が犯した罪に戻り、わたしの言葉に聞き従うことを拒み、他の神々に従ってそれらを礼拝している。こうしてイスラエルの家とユダの家は、わたしが彼らの先祖と結んだ契約を破った。」 11:11それゆえ、主はこう言われる。「見よ、わたしは彼らに災いをくだす。彼らはこれを逃れることはできない。わたしに助けを求めて叫んでも、わたしはそれを聞き入れない。 11:12ユダの町々とエルサレムの住民は、彼らが香をたいていた神々のところに行って助けを求めるが、災いがふりかかるとき、神々は彼らを救うことができない。 11:13ユダよ、お前の町の数ほど神々があり、お前たちはエルサレムの通りの数ほど、恥ずべきものへの祭壇とバアルに香をたくための祭壇を設けた。 11:14あなたは、この民のために祈ってはならない。彼らのために嘆きと祈りの声をあげてはならない。災いのゆえに、彼らがわたしを呼び求めてもわたしは聞き入れない。」 11:15わたしの家で
わたしの愛する者はどうなったのか。多くの者が悪だくみを行い
献げ物の肉を彼女から取り上げている。あなたに災いがふりかかるとき、むしろ喜べ。
11:16主はあなたを、美しい実の豊かになる
緑のオリーブと呼ばれた。大いなる騒乱の物音がするとき
火がそれを包み、その枝を損なう。
11:17あなたを植えられた万軍の主は、あなたについて災いを宣言される。それは、イスラエルの家とユダの家が悪を行い、バアルに香をたいてわたしを怒らせたからだ。 11:18主が知らせてくださったので
わたしは知った。彼らが何をしているのか見せてくださった。
11:19わたしは、飼いならされた小羊が
屠り場に引かれて行くように、何も知らなかった。彼らはわたしに対して悪だくみをしていた。「木をその実の盛りに滅ぼし
生ける者の地から絶とう。彼の名が再び口にされることはない。」
11:20万軍の主よ
人のはらわたと心を究め
正義をもって裁かれる主よ。わたしに見させてください
あなたが彼らに復讐されるのを。わたしは訴えをあなたに打ち明け
お任せします。
11:21それゆえ、主はこう言われる。アナトトの人々はあなたの命をねらい
「主の名によって預言するな
我々の手にかかって死にたくなければ」と言う。
11:22それゆえ、万軍の主はこう言われる。「見よ、わたしは彼らに罰を下す。若者らは剣の餌食となり
息子、娘らは飢えて死ぬ。
11:23ひとりも生き残る者はない。わたしはアナトトの人々に災いをくだす。それは報復の年だ。」 12:01正しいのは、主よ、あなたです。それでも、わたしはあなたと争い
裁きについて論じたい。なぜ、神に逆らう者の道は栄え
欺く者は皆、安穏に過ごしているのですか。
12:02あなたが彼らを植えられたので
彼らは根を張り
育って実を結んでいます。口先ではあなたに近く
腹ではあなたから遠いのです。
12:03主よ、あなたはわたしをご存じです。わたしを見て、あなたに対するわたしの心を
究められたはずです。彼らを屠られる羊として引き出し
殺戮の日のために取り分けてください。
12:04いつまで、この地は乾き
野の青草もすべて枯れたままなのか。そこに住む者らの悪が
鳥や獣を絶やしてしまった。まことに、彼らは言う。「神は我々の行く末を見てはおられない」と。
12:05あなたが徒歩で行く者と競っても疲れるなら
どうして馬で行く者と争えようか。平穏な地でだけ、安んじていられるのなら
ヨルダンの森林ではどうするのか。
12:06あなたの兄弟や父の家の人々
彼らでさえあなたを欺き
彼らでさえあなたの背後で徒党を組んでいる。彼らを信じるな
彼らが好意を示して話しかけても。
12:07わたしはわたしの家を捨て
わたしの嗣業を見放し
わたしの愛するものを敵の手に渡した。
12:08わたしの嗣業はわたしに対して
森の中の獅子となり
わたしに向かってうなり声をあげる。わたしはそれを憎む。
12:09わたしの嗣業はわたしにとって
猛禽がその上を舞っている
ハイエナのねぐらなのだろうか。野の獣よ、集まって餌を襲え。
12:10多くの牧者がわたしのぶどう畑を滅ぼし
わたしの所有地を踏みにじった。わたしの喜びとする所有地を
打ち捨てられた荒れ野とし
12:11それを打ち捨てられて嘆く地とした。それは打ち捨てられてわたしの前にある。大地はすべて打ち捨てられ
心にかける者もない。
12:12荒れ野の裸の山に略奪する者が来る。主の剣はむさぼる
地の果てから果てまで。すべて肉なる者に平和はない。
12:13麦を蒔いても、刈り取るのは茨でしかない。力を使い果たしても、効果はない。彼らは収穫がなくてうろたえる
主の怒りと憤りのゆえに。
12:14主はこう言われる。「わたしが、わたしの民イスラエルに継がせた嗣業に手を触れる近隣の悪い民をすべて、彼らの地から抜き捨てる。また、ユダの家を彼らの間から抜き取る。 12:15わたしは彼らを抜き取った後、再び彼らを憐れみ、そのひとりひとりをその嗣業に、その土地に帰らせる。 12:16もしこれらの民が、かつてバアルによって誓うことをわたしの民に教えたように、わが名によって、『主は生きておられる』と誓うことを確かに学ぶならば、彼らはわたしの民の間に建てられる。 12:17もし彼らが従わなければ、わたしはその民を必ず抜き捨てて、滅ぼす」と主は言われる。 13:01主はわたしにこう言われる。「麻の帯を買い、それを腰に締めよ。水で洗ってはならない。」 13:02わたしは主の言葉に従って、帯を買い、腰に締めた。 13:03主の言葉が再びわたしに臨んだ。 13:04「あなたが買って腰に締めたあの帯をはずし、立ってユーフラテスに行き、そこで帯を岩の裂け目に隠しなさい。」 13:05そこで、わたしは主が命じられたように、ユーフラテスに行き、帯を隠した。 13:06多くの月日がたった後、主はわたしに言われた。「立って、ユーフラテスに行き、かつて隠しておくように命じたあの帯を取り出しなさい。」 13:07わたしはユーフラテスに行き、隠しておいた帯を探し出した。見よ、帯は腐り、全く役に立たなくなっていた。 13:08主の言葉がわたしに臨んだ。 13:09主はこう言われる。「このように、わたしはユダの傲慢とエルサレムの甚だしい傲慢を砕く。 13:10この悪い民はわたしの言葉に聞き従うことを拒み、かたくなな心のままにふるまっている。また、彼らは他の神々に従って歩み、それに仕え、それにひれ伏している。彼らは全く役に立たないこの帯のようになった。 13:11人が帯を腰にしっかり着けるように、わたしはイスラエルのすべての家とユダのすべての家をわたしの身にしっかりと着け、わたしの民とし、名声、栄誉、威光を示すものにしよう、と思った。しかし、彼らは聞き従わなかった」と主は言われる。 13:12あなたは彼らにこの言葉を語りなさい。「イスラエルの神、主はこう言われる。かめにぶどう酒を満たすべきだ」と。すると、彼らはあなたに言うだろう。「かめにぶどう酒を満たすべきだということを我々が知らないとでも言うのか」と。 13:13あなたは彼らに言いなさい。「主はこう言われる。見よ、わたしは、この国のすべての住民、ダビデの王座につくすべての王、祭司、預言者、およびエルサレムのすべての住民を酔いで満たす。 13:14わたしは、人をその兄弟に、父と子を互いに、打ちつけて砕く。わたしは惜しまず、ためらわず、憐れまず、彼らを全く滅ぼす」と主は言われる。 13:15聞け、耳を傾けよ、高ぶってはならない。主が語られる。 13:16あなたたちの神、主に栄光を帰せよ
闇が襲わぬうちに
足が夕闇の山でつまずかぬうちに。光を望んでも、主はそれを死の陰とし
暗黒に変えられる。
13:17あなたたちが聞かなければ
わたしの魂は隠れた所でその傲慢に泣く。涙が溢れ、わたしの目は涙を流す。主の群れが捕らえられて行くからだ。
13:18王と太后に言え。「身を低くして座れ。輝かしい冠は
あなたたちの頭から落ちた。」
13:19ネゲブの町々は閉じられて開く者はなく
ユダはすべて捕囚となり
ことごとく連れ去られた。
13:20目を上げて、北から襲う者を見よ。あなたにゆだねられた群れ
輝かしい羊の群れはどこにいるのか。
13:21指導者として育てた人々が
あなたから失われるなら
あなたは何と言うつもりか。女が子を産むときのような苦しみが
必ずあなたをとらえるであろう。
13:22あなたは心に問うであろう。「なぜ、このような事がわたしに起こるのか。」あなたの重い罪のゆえに
着物の裾は剥ぎ取られ、辱めを受ける。
13:23クシュ人は皮膚を
豹はまだらの皮を変ええようか。それなら、悪に馴らされたお前たちも
正しい者となりえよう。
13:24わたしはお前たちを散らす
荒れ野の風に吹き飛ばされるもみ殻のように。
13:25これがお前の運命
わたしが定めたお前の分である、と主は言われる。お前がわたしを忘れ
むなしいものに依り頼んだからだ。
13:26わたし自身がお前の着物の裾を顔まで上げ
お前の恥はあらわになった。
13:27お前が姦淫し、いななきの声をあげ
淫行をたくらみ、忌むべき行いをするのを
丘でも野でもわたしは見た。災いだ、エルサレムよ。お前は清いものとはされえない。いつまでそれが続くのか。
14:01干ばつに見舞われたとき、主の言葉がエレミヤに臨んだ。 14:02ユダは渇き、町々の城門は衰える。人々は地に伏して嘆き
エルサレムは叫びをあげる。
14:03貴族は水を求めて、召し使いを送る。彼らが貯水池に来ても、水がないので
空の水がめを持ち
うろたえ、失望し、頭を覆って帰る。
14:04地には雨が降らず
大地はひび割れる。農夫はうろたえ、頭を覆う。
14:05青草がないので
野の雌鹿は子を産んでも捨てる。
14:06草が生えないので
野ろばは裸の山の上に立ち
山犬のようにあえぎ、目はかすむ。
14:07我々の罪が我々自身を告発しています。主よ、御名にふさわしく行ってください。我々の背信は大きく
あなたに対して罪を犯しました。
14:08イスラエルの希望、苦難のときの救い主よ。なぜあなたは、この地に身を寄せている人
宿を求める旅人のようになっておられるのか。
14:09なぜあなたは、とまどい
人を救いえない勇士のようになっておられるのか。主よ、あなたは我々の中におられます。我々は御名によって呼ばれています。我々を見捨てないでください。
14:10主はこの民についてこう言われる。「彼らはさまようことを好み、足を慎もうとしない。」主は彼らを喜ばれず、今や、その罪に御心を留め、咎を罰せられる。 14:11主はわたしに言われた。「この民のために祈り、幸いを求めてはならない。 14:12彼らが断食しても、わたしは彼らの叫びを聞かない。彼らが焼き尽くす献げ物や穀物の献げ物をささげても、わたしは喜ばない。わたしは剣と、飢饉と、疫病によって、彼らを滅ぼし尽くす。」 14:13わたしは言った。「わが主なる神よ、預言者たちは彼らに向かって言っています。『お前たちは剣を見ることはなく、飢饉がお前たちに臨むこともない。わたしは確かな平和を、このところでお前たちに与える』と。」 14:14主はわたしに言われた。「預言者たちは、わたしの名において偽りの預言をしている。わたしは彼らを遣わしてはいない。彼らを任命したことも、彼らに言葉を託したこともない。彼らは偽りの幻、むなしい呪術、欺く心によってお前たちに預言しているのだ。」 14:15それゆえ、主は預言者についてこう言われる。「彼らはわたしの名によって預言しているが、わたしは彼らを遣わしてはいない。彼らは剣も飢饉もこの国に臨むことはないと言っているが、これらの預言者自身が剣と飢饉によって滅びる。 14:16彼らが預言を聞かせている民は、飢饉と剣に遭い、葬る者もなくエルサレムの巷に投げ捨てられる、彼らも、その妻、息子、娘もすべて。こうして、わたしは彼らの悪を、彼ら自身の上に注ぐ。」 14:17あなたは彼らにこの言葉を語りなさい。「わたしの目は夜も昼も涙を流し
とどまることがない。娘なるわが民は破滅し
その傷はあまりにも重い。
14:18野に出て見れば、見よ、剣に刺された者。町に入って見れば、見よ、飢えに苦しむ者。預言者も祭司も見知らぬ地にさまよって行く。」 14:19あなたはユダを退けられたのか。シオンをいとわれるのか。なぜ、我々を打ち、いやしてはくださらないのか。平和を望んでも、幸いはなく
いやしのときを望んでも、見よ、恐怖のみ。
14:20主よ、我々は自分たちの背きと
先祖の罪を知っています。あなたに対して、我々は過ちを犯しました。
14:21我々を見捨てないでください。あなたの栄光の座を軽んじないでください。御名にふさわしく、我々と結んだ契約を心に留め
それを破らないでください。
14:22国々の空しい神々の中に
雨を降らしうるものがあるでしょうか。天が雨を与えるでしょうか。我々の神、主よ。それをなしうるのはあなただけではありませんか。我々はあなたを待ち望みます。あなたこそ、すべてを成し遂げる方です。
15:01主はわたしに言われた。「たとえモーセとサムエルが執り成そうとしても、わたしはこの民を顧みない。わたしの前から彼らを追い出しなさい。 15:02彼らがあなたに向かって、『どこへ行けばよいのか』と問うならば、彼らに答えて言いなさい。『主はこう言われる。疫病に定められた者は、疫病に
剣に定められた者は、剣に
飢えに定められた者は、飢えに
捕囚に定められた者は、捕囚に。』
15:03わたしは彼らを四種のもので罰する、と主は言われる。剣が殺し、犬が引きずって行き、空の鳥と地の獣が餌食として滅ぼす。 15:04わたしは地上のすべての国が、彼らを見て恐怖を抱くようにする。それはヒゼキヤの子ユダの王マナセがエルサレムでしたことのためである。」 15:05エルサレムよ、誰がお前を憐れみ
誰がお前のために嘆くであろうか。誰が安否を問おうとして、立ち寄るであろうか。
15:06お前はわたしを捨て、背いて行ったと
主は言われる。わたしは手を伸ばしてお前を滅ぼす。お前を憐れむことに疲れた。
15:07わたしはこの地の町々の城門で
彼らを箕であおり、まき散らし
わが民の子らを奪い、滅ぼす。彼らがその道を改めないからだ。
15:08やもめの数は海の砂よりも多くなった。わたしは白昼、荒らす者に若者の母を襲わせた。彼女はたちまち恐れとおののきに捕らえられ 15:09七人の子の母はくずおれてあえぐ。太陽は日盛りに沈み
彼女はうろたえ、絶望する。わたしは敵の前で民の残りの者を剣に渡すと
主は言われる。
15:10ああ、わたしは災いだ。わが母よ、どうしてわたしを産んだのか。国中でわたしは争いの絶えぬ男
いさかいの絶えぬ男とされている。わたしはだれの債権者になったことも
だれの債務者になったこともないのに
だれもがわたしを呪う。
15:11主よ、わたしは敵対する者のためにも
幸いを願い
彼らに災いや苦しみの襲うとき
あなたに執り成しをしたではありませんか。
15:12鉄は砕かれるだろうか
北からの鉄と青銅は。
15:13わたしはお前の富と宝を
お前のあらゆる罪の報いとして
至るところで、敵の奪うにまかせる。
15:14また、お前を敵の奴隷とし
お前の知らない国に行かせる。わたしの怒りによって火が点じられ
お前たちに対して燃え続ける。
15:15あなたはご存じのはずです。主よ、わたしを思い起こし、わたしを顧み
わたしを迫害する者に復讐してください。いつまでも怒りを抑えて
わたしが取り去られるようなことが
ないようにしてください。わたしがあなたのゆえに
辱めに耐えているのを知ってください。
15:16あなたの御言葉が見いだされたとき
わたしはそれをむさぼり食べました。あなたの御言葉は、わたしのものとなり
わたしの心は喜び躍りました。万軍の神、主よ。わたしはあなたの御名をもって
呼ばれている者です。
15:17わたしは笑い戯れる者と共に座って楽しむことなく
御手に捕らえられ、独りで座っていました。あなたはわたしを憤りで満たされました。
15:18なぜ、わたしの痛みはやむことなく
わたしの傷は重くて、いえないのですか。あなたはわたしを裏切り
当てにならない流れのようになられました。
15:19それに対して、主はこう言われた。「あなたが帰ろうとするなら
わたしのもとに帰らせ
わたしの前に立たせよう。もし、あなたが軽率に言葉を吐かず
熟慮して語るなら
わたしはあなたを、わたしの口とする。あなたが彼らの所に帰るのではない。彼らこそあなたのもとに帰るのだ。
15:20この民に対して
わたしはあなたを堅固な青銅の城壁とする。彼らはあなたに戦いを挑むが
勝つことはできない。わたしがあなたと共にいて助け
あなたを救い出す、と主は言われる。
15:21わたしはあなたを悪人の手から救い出し
強暴な者の手から解き放つ。」
16:01主の言葉がわたしに臨んだ。 16:02「あなたはこのところで妻をめとってはならない。息子や娘を得てはならない。」 16:03このところで生まれる息子、娘、この地で彼らを産む母、彼らをもうけた父について、主はこう言われる。 16:04「彼らは弱り果てて死ぬ。嘆く者も、葬る者もなく、土の肥やしとなる。彼らは剣と飢饉によって滅びる。その死体は空の鳥、野の獣の餌食となる。」 16:05主はこう言われる。「あなたは弔いの家に入るな。嘆くために行くな。悲しみを表すな。わたしはこの民から、わたしの与えた平和も慈しみも憐れみも取り上げる」と主は言われる。 16:06「身分の高い者も低い者もこの地で死に、彼らを葬る者はない。彼らのために嘆く者も、体を傷つける者も、髪をそり落とす者もない。 16:07死者を悼む人を力づけるために、パンを裂く者もなく、死者の父や母を力づけるために、杯を与える者もない。 16:08あなたは酒宴の家に入るな。彼らと共に座って、飲み食いしてはならない。」 16:09万軍の主、イスラエルの神はこう言われる。「見よ、わたしはこのところから、お前たちの目の前から、お前たちが生きているかぎり、喜びの声、祝いの声、花婿の声、花嫁の声を絶えさせる。」 16:10あなたが、この民にこれらの言葉をすべて告げるならば、彼らはあなたに、「なぜ主はこの大いなる災いをもたらす、と言って我々を脅かされるのか。我々は、どのような悪、どのような罪を我々の神、主に対して犯したのか」と言うであろう。 16:11あなたは、彼らに答えるがよい。「お前たちの先祖がわたしを捨てたからだ」と主は言われる。「彼らは他の神々に従って歩み、それに仕え、ひれ伏し、わたしを捨て、わたしの律法を守らなかった。 16:12お前たちは先祖よりも、更に重い悪を行った。おのおのそのかたくなで悪い心に従って歩み、わたしに聞き従わなかった。 16:13わたしは、お前たちをこの地から、お前たちも先祖も知らなかった地へ追放する。お前たちは、そのところで昼も夜も他の神々に仕えるがよい。もはやわたしは、お前たちに恩恵をほどこさない。」 16:14見よ、このような日が来る、と主は言われる。人々はもう、「イスラエルの人々をエジプトから導き上られた主は生きておられる」と言わず、 16:15「イスラエルの子らを、北の国、彼らが追いやられた国々から導き上られた主は生きておられる」と言うようになる。わたしは彼らを、わたしがその先祖に与えた土地に帰らせる。 16:16見よ、わたしは多くの漁師を遣わして、彼らを釣り上げさせる、と主は言われる。その後、わたしは多くの狩人を遣わして、すべての山、すべての丘、岩の裂け目から、彼らを狩り出させる。 16:17わたしの目は、彼らのすべての道に注がれている。彼らはわたしの前から身を隠すこともできず、その悪をわたしの目から隠すこともできない。 16:18まず、わたしは彼らの罪と悪を二倍にして報いる。彼らがわたしの地を、憎むべきものの死体で汚し、わたしの嗣業を忌むべきもので満たしたからだ。 16:19主よ、わたしの力、わたしの砦
苦難が襲うときの逃れ場よ。あなたのもとに
国々は地の果てから来て言うでしょう。「我々の先祖が自分のものとしたのは
偽りで、空しく、無益なものであった。
16:20人間が神を造れようか。そのようなものが神であろうか」と。 16:21それゆえ、わたしは彼らに知らせよう。今度こそ、わたしは知らせる
わたしの手、わたしの力強い業を。彼らはわたしの名が主であることを知る。
17:01ユダの罪は
心の板に、祭壇の角に
鉄のペンで書きつけられ
ダイヤモンドのたがねで刻み込まれて
17:02子孫に銘記させるものとなる。それらは彼らの祭壇であり、アシェラ像である。それらは、どの緑の木の下にも
高い丘、野の山の上にもある。
17:03野から山に登る者よ。わたしはお前の富と宝を
お前の聖なる高台での罪のゆえに
至るところで、敵が奪うにまかせる。
17:04わたしが継がせた嗣業をお前は失う。また、お前を敵の奴隷とし
お前の知らない国に行かせる。わたしの怒りによって火が点じられ
とこしえに燃え続ける。
17:05主はこう言われる。呪われよ、人間に信頼し、肉なる者を頼みとし
その心が主を離れ去っている人は。
17:06彼は荒れ地の裸の木。恵みの雨を見ることなく
人の住めない不毛の地
炎暑の荒れ野を住まいとする。
17:07祝福されよ、主に信頼する人は。主がその人のよりどころとなられる。 17:08彼は水のほとりに植えられた木。水路のほとりに根を張り
暑さが襲うのを見ることなく
その葉は青々としている。干ばつの年にも憂いがなく
実を結ぶことをやめない。
17:09人の心は何にもまして、とらえ難く病んでいる。誰がそれを知りえようか。 17:10心を探り、そのはらわたを究めるのは
主なるわたしである。それぞれの道、業の結ぶ実に従って報いる。
17:11しゃこが自分の産まなかった卵を集めるように
不正に富をなす者がいる。人生の半ばで、富は彼を見捨て
ついには、神を失った者となる。
17:12栄光の御座、いにしえよりの天
我らの聖所、
17:13イスラエルの希望である主よ。あなたを捨てる者は皆、辱めを受ける。あなたを離れ去る者は
地下に行く者として記される。生ける水の源である主を捨てたからだ。
17:14主よ、あなたがいやしてくださるなら
わたしはいやされます。あなたが救ってくださるなら
わたしは救われます。あなたをこそ、わたしはたたえます。
17:15御覧ください。彼らはわたしに言います。「主の言葉はどこへ行ってしまったのか。それを実現させるがよい」と。 17:16わたしは、災いが速やかに来るよう
あなたに求めたことはありません。痛手の日を望んだこともありません。あなたはよくご存じです。わたしの唇から出たことは
あなたの御前にあります。
17:17わたしを滅ぼす者とならないでください。災いの日に、あなたこそわが避け所です。 17:18わたしを迫害する者が辱めを受け
わたしは辱めを受けないようにしてください。彼らを恐れさせ
わたしを恐れさせないでください。災いの日を彼らに臨ませ
彼らをどこまでも打ち砕いてください。
17:19主はわたしにこう言われた。「行って、ユダの王たちが出入りする民の子らの門や、エルサレムのすべての門に立ち、 17:20彼らに言うがよい。これらの門を入るユダの王たち、ユダのすべての者、エルサレムのすべての住民よ、主の言葉を聞け。 17:21主はこう言われる。あなたたちは、慎んで、安息日に荷を運ばないようにしなさい。エルサレムのどの門からも持ち込んではならない。 17:22また安息日に、荷をあなたたちの家から持ち出してはならない。どのような仕事もしてはならない。安息日を聖別しなさい。 17:23それをわたしはあなたたちの先祖に命じたが、彼らは聞き従わず、耳を貸そうともしなかった。彼らはうなじを固くして、聞き従わず、諭しを受け入れようとしなかった。 17:24主は言われる。もし、あなたたちがわたしに聞き従い、安息日にこの都の門から荷を持ち込まず、安息日を聖別し、その日には何の仕事もしないならば、 17:25ダビデの王座に座る王たち、高官たち、すなわち車や馬に乗る王や高官、ユダの人々、エルサレムの住民が、常にこの都の門から入り、この都には、とこしえに人が住むであろう。 17:26ユダの町々、エルサレムの周囲、ベニヤミンの地、シェフェラ、山地、ネゲブなどから、人々は焼き尽くす献げ物、いけにえ、穀物の献げ物、乳香をもたらし、主の神殿への感謝の献げ物とする。 17:27もし、あなたたちがわたしに聞き従わず、安息日を聖別せず、安息日に荷を運んで、エルサレムの門を入るならば、わたしはエルサレムの門に火を放つ。その火はエルサレムの城郭を焼き尽くし、消えることはないであろう。」 18:01主からエレミヤに臨んだ言葉。 18:02「立って、陶工の家に下って行け。そこでわたしの言葉をあなたに聞かせよう。」 18:03わたしは陶工の家に下って行った。彼はろくろを使って仕事をしていた。 18:04陶工は粘土で一つの器を作っても、気に入らなければ自分の手で壊し、それを作り直すのであった。 18:05そのとき主の言葉がわたしに臨んだ。 18:06「イスラエルの家よ、この陶工がしたように、わたしもお前たちに対してなしえないと言うのか、と主は言われる。見よ、粘土が陶工の手の中にあるように、イスラエルの家よ、お前たちはわたしの手の中にある。 18:07あるとき、わたしは一つの民や王国を断罪して、抜き、壊し、滅ぼすが、 18:08もし、断罪したその民が、悪を悔いるならば、わたしはその民に災いをくだそうとしたことを思いとどまる。 18:09またあるときは、一つの民や王国を建て、また植えると約束するが、 18:10わたしの目に悪とされることを行い、わたしの声に聞き従わないなら、彼らに幸いを与えようとしたことを思い直す。」 18:11今、ユダの人々とエルサレムの住民に言うがよい。「主はこう言われる。見よ、わたしはお前たちに災いを備え、災いを計画している。お前たちは皆、悪の道から立ち帰り、お前たちの道と行いを正せ。」 18:12彼らは言った。「それは無駄です。我々は我々の思いどおりにし、おのおのかたくなな悪い心のままにふるまいたいのだから。」 18:13それゆえ、主はこう言われる。「国々に尋ねて見よ。誰がこのようなことを聞いたであろうか。おとめイスラエルはおぞましいことをした。 18:14シャダイの岩壁から
レバノンの雪が消え去るだろうか。遠くから流れる冷たい水が涸れることがあろうか。
18:15しかし、わたしの民はわたしを忘れ
むなしいものに香をたいた。彼らは自分たちの道、昔からの道につまずき
整えられていない、不確かな道を歩んだ。
18:16わたしは彼らの地を恐怖の的とし
いつまでも嘲られるものとする。通りかかる者は皆、おののき、頭を振る。
18:17東風のように、わたしは彼らを敵の前に散らす。災いの日に
わたしは彼らに背を向け、顔を向けない。」
18:18彼らは言う。「我々はエレミヤに対して計略をめぐらそう。祭司から律法が、賢者から助言が、預言者から御言葉が失われることはない。舌をもって彼を打とう。彼の告げる言葉には全く耳を傾けまい。」 18:19主よ、わたしに耳を傾け
わたしと争う者の声を聞いてください。
18:20悪をもって善に報いてもよいでしょうか。彼らはわたしの命を奪おうとして
落とし穴を掘りました。御前にわたしが立ち、彼らをかばい
あなたの怒りをなだめようとしたことを
御心に留めてください。
18:21彼らの子らを飢饉に遭わせ
彼らを剣に渡してください。妻は子を失い、やもめとなり
夫は殺戮され
若者は戦いで剣に打たれますように。
18:22突然、彼らに一団の略奪者を
襲いかからせてください
彼らの家から叫ぶ声が聞こえるように。彼らはわたしを捕らえようと落とし穴を掘り
足もとに罠を仕掛けました。
18:23主よ、あなたはご存じです
わたしを殺そうとする彼らの策略を。どうか彼らの悪を赦さず
罪を御前から消し去らないでください。彼らが御前に倒されるよう
御怒りのときに彼らをあしらってください。
19:01主はこう言われる。「行って、陶器師の壺を買い、民の長老と、長老格の祭司を幾人か連れて、 19:02陶片の門を出たところにある、ベン・ヒノムの谷へ出て行き、そこでわたしがあなたに語る言葉を呼ばわって、 19:03言うがいい。ユダの王たち、エルサレムの住民よ、主の言葉を聞け。イスラエルの神、万軍の主はこう言われる。見よ、わたしは災いをこのところにもたらす。それを聞く者は耳鳴りがする。 19:04それは彼らがわたしを捨て、このところを異教の地とし、そこで彼らも彼らの先祖もユダの王たちも知らなかった他の神々に香をたき、このところを無実の人の血で満たしたからである。 19:05彼らはバアルのために聖なる高台を築き、息子たちを火で焼き、焼き尽くす献げ物としてバアルにささげた。わたしはこのようなことを命じもせず、語りもせず、心に思い浮かべもしなかった。 19:06それゆえ、見よ、と主は言われる。このところがもはやトフェトとか、ベン・ヒノムの谷とか呼ばれることなく、殺戮の谷と呼ばれる日が来る。 19:07わたしはユダとエルサレムの策略をこのところで砕く。わたしは彼らを剣によって、敵の前に倒し、その命を奪おうとする者の手に渡し、彼らの死体を空の鳥、野の獣の餌食とする。 19:08わたしはこの都を恐怖の的とし、嘲られるものとする。通りかかる者は皆、恐怖を抱き、その打撃を見て嘲る。 19:09彼らの敵と命を奪おうとする者が彼らを悩ますとき、その悩みと苦しみの中で、わたしは彼らに自分の息子や娘の肉を食らい、また互いに肉を食らうに至らせる。 19:10あなたは、共に行く人々の見ているところで、その壺を砕き、 19:11彼らに言うがよい。万軍の主はこう言われる。陶工の作った物は、一度砕いたなら元に戻すことができない。それほどに、わたしはこの民とこの都を砕く。人々は葬る場所がないのでトフェトに葬る。 19:12わたしはこのようにこのところとその住民とに対して行う、と主は言われる。そしてこの都をトフェトのようにする。 19:13エルサレムの家々、ユダの王たちの家々は、トフェトのように汚れたものとなる。これらの家はすべて、屋上で人々が天の万象に香をたき、他の神々にぶどう酒の献げ物をささげた家だ。」 19:14エレミヤは、主が預言させるために遣わされたトフェトから帰って来て、主の神殿の庭に立ち、民のすべてに向かって言った。 19:15「イスラエルの神、万軍の主はこう言われる。見よ、わたしはこの都と、それに属するすべての町々に、わたしが告げたすべての災いをもたらす。彼らはうなじを固くし、わたしの言葉に聞き従おうとしなかったからだ。」 20:01主の神殿の最高監督者である祭司、イメルの子パシュフルは、エレミヤが預言してこれらの言葉を語るのを聞いた。 20:02パシュフルは預言者エレミヤを打たせ、主の家の上のベニヤミン門に拘留した。 20:03翌日、パシュフルがエレミヤの拘留を解いたとき、エレミヤは彼に言った。「主はお前の名をパシュフルではなく、『恐怖が四方から迫る』と呼ばれる。 20:04主はこう言われる。見よ、わたしはお前を『恐怖』に引き渡す。お前も、お前の親しい者も皆。彼らは敵の剣に倒れ、お前は自分の目でそれを見る。わたしはユダの人をことごとく、バビロンの王の手に渡す。彼は彼らを捕囚としてバビロンに連れ去り、また剣にかけて殺す。 20:05わたしはこの都に蓄えられている物、労して得た物、高価な物、ユダの王たちの宝物をすべて敵の手に渡す。彼らはそれを奪い取り、バビロンへ運び去る。 20:06パシュフルよ、お前は一族の者と共に、捕らえられて行き、バビロンに行って死に、そこに葬られる。お前も、お前の偽りの預言を聞いた親しい者らも共に。」 20:07主よ、あなたがわたしを惑わし
わたしは惑わされて
あなたに捕らえられました。あなたの勝ちです。わたしは一日中、笑い者にされ
人が皆、わたしを嘲ります。
20:08わたしが語ろうとすれば、それは嘆きとなり
「不法だ、暴力だ」と叫ばずにはいられません。主の言葉のゆえに、わたしは一日中
恥とそしりを受けねばなりません。
20:09主の名を口にすまい
もうその名によって語るまい、と思っても
主の言葉は、わたしの心の中
骨の中に閉じ込められて
火のように燃え上がります。押さえつけておこうとして
わたしは疲れ果てました。わたしの負けです。
20:10わたしには聞こえています
多くの人の非難が。「恐怖が四方から迫る」と彼らは言う。「共に彼を弾劾しよう」と。わたしの味方だった者も皆
わたしがつまずくのを待ち構えている。「彼は惑わされて
我々は勝つことができる。彼に復讐してやろう」と。
20:11しかし主は、恐るべき勇士として
わたしと共にいます。それゆえ、わたしを迫害する者はつまずき
勝つことを得ず、成功することなく
甚だしく辱めを受ける。それは忘れられることのない
とこしえの恥辱である。
20:12万軍の主よ
正義をもって人のはらわたと心を究め
見抜かれる方よ。わたしに見させてください
あなたが彼らに復讐されるのを。わたしの訴えをあなたに打ち明け
お任せします。
20:13主に向かって歌い、主を賛美せよ。主は貧しい人の魂を
悪事を謀る者の手から助け出される。
20:14呪われよ、わたしの生まれた日は。母がわたしを産んだ日は祝福されてはならない。 20:15呪われよ、父に良い知らせをもたらし
あなたに男の子が生まれたと言って
大いに喜ばせた人は。
20:16その人は、憐れみを受けることなく
主に滅ぼされる町のように
朝には助けを求める叫びを聞き
昼には鬨の声を聞くであろう。
20:17その日は、わたしを母の胎内で殺さず
母をわたしの墓とせず
はらんだその胎を
そのままにしておかなかったから。
20:18なぜ、わたしは母の胎から出て労苦と嘆きに遭い
生涯を恥の中に終わらねばならないのか。
21:01ゼデキヤ王に派遣されて、マルキヤの子パシュフルとマアセヤの子、祭司ゼファニヤが来たとき、主からエレミヤに臨んだ言葉。彼らは言った。 21:02「どうか、わたしたちのために主に伺ってください。バビロンの王ネブカドレツァルがわたしたちを攻めようとしています。主はこれまでのように驚くべき御業を、わたしたちにもしてくださるかもしれません。そうすれば彼は引き上げるでしょう。」 21:03エレミヤは彼らに答えた。「ゼデキヤにこう言いなさい。 21:04イスラエルの神、主はこう言われる。見よ、お前たちを包囲しているバビロンの王やカルデア人と、お前たちは武器を手にして戦ってきたが、わたしはその矛先を城壁の外から転じさせ、この都の真ん中に集める。 21:05わたしは手を伸ばし、力ある腕をもってお前たちに敵対し、怒り、憤り、激怒して戦う。 21:06そして、この都に住む者を、人も獣も撃つ。彼らは激しい疫病によって死ぬ。 21:07その後、と主は言われる。わたしはユダの王ゼデキヤとその家臣、その民のうち、疫病、戦争、飢饉を生き延びてこの都に残った者を、バビロンの王ネブカドレツァルの手、敵の手、命を奪おうとする者の手に渡す。バビロンの王は彼らを剣をもって撃つ。ためらわず、惜しまず、憐れまない。 21:08あなたはこの民に向かって言うがよい。主はこう言われる。見よ、わたしはお前たちの前に命の道と死の道を置く。 21:09この都にとどまる者は、戦いと飢饉と疫病によって死ぬ。この都を出て包囲しているカルデア人に、降伏する者は生き残り、命だけは助かる。 21:10わたしは、顔をこの都に向けて災いをくだし、幸いを与えない、と主は言われる。この都はバビロンの王の手に渡され、火で焼き払われる。」 21:11ユダの王家に対して。「主の言葉を聞け。 21:12ダビデの家よ、主はこう言われる。朝ごとに正しい裁きを行え。搾取されている人を
虐げる者の手から救い出せ。わたしが火のような怒りを
発することのないように。お前たちの悪事のゆえにその火は燃え
消す者はいないであろう。
21:13谷に臨んで座する者よ、平野の岩よ
見よ、わたしはお前に向かう、と主は言われる。『誰が我々に襲いかかるであろうか
誰が我々の住まいに攻め寄せるだろうか』と
言う者よ
21:14わたしはお前たちの悪事の結果に従って報いると
主は言われる。わたしは火を周囲の森に放ち
火はすべてを焼き尽くす。」
22:01主はこう言われる。ユダの王の宮殿へ行き、そこでこの言葉を語って、 22:02言え。「ダビデの王位に座るユダの王よ、あなたもあなたの家臣も、ここの門から入る人々も皆、主の言葉を聞け。 22:03主はこう言われる。正義と恵みの業を行い、搾取されている者を虐げる者の手から救え。寄留の外国人、孤児、寡婦を苦しめ、虐げてはならない。またこの地で、無実の人の血を流してはならない。 22:04もし、あなたたちがこの言葉を熱心に行うならば、ダビデの王位に座る王たちは、車や馬に乗って、この宮殿の門から入ることができる、王も家臣も民も。 22:05しかし、もしこれらの言葉に聞き従わないならば、わたしは自らに誓って言う――と主は言われる――この宮殿は必ず廃虚となる。」 22:06主はユダの王の宮殿についてこう言われる。あなたは、わたしにとってギレアドの森
レバノンの頂のようであった。しかし、わたしはあなたを荒れ野とし
人の住まない町にする。
22:07わたしは滅ぼす者を聖別し
おのおの武器を手にしてあなたを攻めさせる。彼らはあなたの最上のレバノン杉を切り倒し
火に投ずる。
22:08多くの国の人々がこの都を通りかかって、互いに尋ね、「なぜ主は、この大いなる都にこのようになさったのか」と聞くならば、 22:09「彼らがその神、主の契約を捨てて他の神々を拝み、仕えたからだ」と答えるであろう。 22:10死んだ王のために泣くな。彼のために嘆くな。引いて行かれる王のために泣き叫べ。彼が再び帰って
生まれ故郷を見ることはない。
22:11父ヨシヤに代わって王となったが、このところから引いて行かれたユダの王、ヨシヤの子シャルムについて主はこう言われる。「彼は再びここに帰ることはない。 22:12彼は捕囚となっているそのところで死に、この国を再び見ることはない。」 22:13災いだ、恵みの業を行わず自分の宮殿を
正義を行わずに高殿を建て
同胞をただで働かせ
賃金を払わない者は。
22:14彼は言う。「自分のために広い宮殿を建て
大きな高殿を造ろう」と。彼は窓を大きく開け
レバノン杉で覆い、朱色に塗り上げる。
22:15あなたは、レバノン杉を多く得れば
立派な王だと思うのか。あなたの父は、質素な生活をし
正義と恵みの業を行ったではないか。そのころ、彼には幸いがあった。
22:16彼は貧しい人、乏しい人の訴えを裁き
そのころ、人々は幸いであった。こうすることこそ
わたしを知ることではないか、と主は言われる。
22:17あなたの目も心も不当な利益を追い求め
無実の人の血を流し、虐げと圧制を行っている。
22:18それゆえ、ユダの王、ヨシヤの子ヨヤキムについて
主はこう言われる。だれひとり、「ああ、わたしの兄弟
ああ、わたしの姉妹」と言って彼の死を悼み
「ああ、主よ、ああ陛下よ」と言って、悼む者はない。
22:19彼はろばを埋めるように埋められる。引きずり出されて投げ捨てられる
エルサレムの門の外へ。
22:20お前はレバノンに登って叫び
バシャンで声をあげ
アバリムから叫ぶがよい。お前の愛人たちは皆、打ち破られる。
22:21お前が栄えていたころ、わたしが何か言うと
お前は、「聞きたくない」と言った。これが、お前の若い時からの態度であった。お前はわたしの声に聞き従ったことはない。
22:22お前の牧者たちは風に追われ
愛人たちは、捕らえられて行く。そのとき、お前は自分のあらゆる悪のゆえに
恥を受け、卑しめられる。
22:23レバノンに住み
レバノン杉に巣を作っている者よ
産婦の苦しみのような苦痛が襲うとき
お前はどんなに呻くことか。
22:24「わたしは生きている」と主は言われる。「ユダの王、ヨヤキムの子コンヤは、もはやわたしの右手の指輪ではない。わたしはあなたを指から抜き取る。 22:25わたしはあなたを、あなたの命をねらっている者の手、あなたが恐れている者の手、バビロンの王ネブカドレツァルとカルデア人の手に渡す。 22:26わたしはあなたと、あなたを産んだ母を、生まれたところとは別の国へ追放する。あなたたちはそこで死ぬ。 22:27彼らが帰りたいと切に願っている国へ帰ることはできない。」 22:28この人、コンヤは砕け、卑しめられた壺か。だれも惜しまない器か。なぜ彼と彼の子孫は追放され
知らない国へ追いやられるのか。
22:29大地よ、大地よ、大地よ、主の言葉を聞け。 22:30主はこう言われる。「この人を、子供が生まれず
生涯、栄えることのない男として記録せよ。彼の子孫からは
だれひとり栄えてダビデの王座にすわり
ユダを治める者が出ないからである。」
23:01「災いだ、わたしの牧場の羊の群れを滅ぼし散らす牧者たちは」と主は言われる。 23:02それゆえ、イスラエルの神、主はわたしの民を牧する牧者たちについて、こう言われる。「あなたたちは、わたしの羊の群れを散らし、追い払うばかりで、顧みることをしなかった。わたしはあなたたちの悪い行いを罰する」と主は言われる。 23:03「このわたしが、群れの残った羊を、追いやったあらゆる国々から集め、もとの牧場に帰らせる。群れは子を産み、数を増やす。 23:04彼らを牧する牧者をわたしは立てる。群れはもはや恐れることも、おびえることもなく、また迷い出ることもない」と主は言われる。 23:05見よ、このような日が来る、と主は言われる。わたしはダビデのために正しい若枝を起こす。王は治め、栄え
この国に正義と恵みの業を行う。
23:06彼の代にユダは救われ
イスラエルは安らかに住む。彼の名は、「主は我らの救い」と呼ばれる。
23:07それゆえ、見よ、このような日が来る、と主は言われる。人々はもはや、「イスラエルの人々をエジプトの国から導き上った主は生きておられる」と言って誓わず、 23:08「イスラエルの家の子孫を、北の国や、彼が追いやられた国々から導き上り、帰らせて自分の国に住まわせた主は生きておられる」と言って誓うようになる。 23:09預言者たちについて。わたしの心臓はわたしのうちに破れ
骨はすべて力を失った。わたしは酔いどれのように
酒にのまれた男のようになった。それは、主のゆえ
その聖なる言葉のゆえである。
23:10姦淫する者がこの国に満ちている。国土は呪われて喪に服し
荒れ野の牧場も干上がる。彼らは悪の道を走り
不正にその力を使う。
23:11預言者も祭司も汚れ
神殿の中でさえわたしは彼らの悪を見たと
主は言われる。
23:12それゆえ、彼らの道は
すべる岩のようになり
彼らは暗闇の中を追われて倒れる。わたしが彼らに災いを
彼らを罰する年を臨ませるからだと
主は言われる。
23:13わたしは、サマリアの預言者たちに
あるまじき行いを見た。彼らはバアルによって預言し
わが民イスラエルを迷わせた。
23:14わたしは、エルサレムの預言者たちの間に
おぞましいことを見た。姦淫を行い、偽りに歩むことである。彼らは悪を行う者の手を強め
だれひとり悪から離れられない。彼らは皆、わたしにとってソドムのよう
彼らと共にいる者はゴモラのようだ。
23:15それゆえ、万軍の主は預言者たちについて
こう言われる。見よ、わたしは彼らに苦よもぎを食べさせ
毒の水を飲ませる。エルサレムの預言者たちから
汚れが国中に広がったからだ。
23:16万軍の主はこう言われる。お前たちに預言する預言者たちの
言葉を聞いてはならない。彼らはお前たちに空しい望みを抱かせ
主の口の言葉ではなく、自分の心の幻を語る。
23:17わたしを侮る者たちに向かって
彼らは常に言う。「平和があなたたちに臨むと
主が語られた」と。また、かたくなな心のままに歩む者に向かって
「災いがあなたたちに来ることはない」と言う。
23:18誰が主の会議に立ち
また、その言葉を見聞きしたか。誰が耳を傾けて、その言葉を聞いたか。
23:19見よ、主の嵐が激しく吹き
つむじ風が巻き起こって
神に逆らう者らの頭上に渦を巻く。
23:20主の怒りは
思い定められた事を成し遂げるまではやまない。終わりの日に、お前たちは
このことをはっきりと悟る。
23:21わたしが遣わさないのに
預言者たちは走る。わたしは彼らに語っていないのに
彼らは預言する。
23:22もし、彼らがわたしの会議に立ったのなら
わが民にわたしの言葉を聞かせ
彼らの悪い道、悪の行いから
帰らせることができたであろう。
23:23わたしはただ近くにいる神なのか、と主は言われる。わたしは遠くからの神ではないのか。 23:24誰かが隠れ場に身を隠したなら
わたしは彼を見つけられないと言うのかと
主は言われる。天をも地をも、わたしは満たしているではないかと
主は言われる。
23:25わたしは、わが名によって偽りを預言する預言者たちが、「わたしは夢を見た、夢を見た」と言うのを聞いた。 23:26いつまで、彼らはこうなのか。偽りを預言し、自分の心が欺くままに預言する預言者たちは、 23:27互いに夢を解き明かして、わが民がわたしの名を忘れるように仕向ける。彼らの父祖たちがバアルのゆえにわたしの名を忘れたように。 23:28夢を見た預言者は夢を解き明かすがよい。しかし、わたしの言葉を受けた者は、忠実にわたしの言葉を語るがよい。もみ殻と穀物が比べものになろうかと
主は言われる。
23:29このように、わたしの言葉は火に似ていないか。岩を打ち砕く槌のようではないか、と主は言われる。 23:30それゆえ、見よ、わたしは仲間どうしでわたしの言葉を盗み合う預言者たちに立ち向かう、と主は言われる。 23:31見よ、わたしは自分の舌先だけで、その言葉を「託宣」と称する預言者たちに立ち向かう、と主は言われる。 23:32見よ、わたしは偽りの夢を預言する者たちに立ち向かう、と主は言われる。彼らは、それを解き明かして、偽りと気まぐれをもってわが民を迷わせた。わたしは、彼らを遣わしたことも、彼らに命じたこともない。彼らはこの民に何の益ももたらさない、と主は言われる。 23:33もし、この民が――預言者であれ祭司であれ――あなたに、「主の託宣(マッサ)とは何か」と問うならば、彼らに、「お前たちこそ重荷(マッサ)だ。わたしはお前たちを投げ捨てる、と主は言われる」と答えるがよい。 23:34預言者にせよ、祭司にせよ、民にせよ、「主の託宣だ」と言う者があれば、わたしはその人とその家を罰する。 23:35お前たちは、ただ隣人や兄弟の間で互いに、「主は何とお答えになりましたか。主は何とお語りになりましたか」とだけ言うがよい。 23:36「主の託宣だ」という言い方を二度としてはならない。なぜなら、お前たちは勝手に自分の言葉を託宣とし、生ける神で
ある我らの神、万軍の主の言葉を曲げたからだ。
23:37預言者にはただ、「主は何とお答えになりましたか。主は何とお語りになりましたか」と言うがよい。 23:38もし、お前たちが、「主の託宣だ」と言うなら、主はこう言われる。「お前たちは、『主の託宣だ』と言ってはならないと命じておいたのに、『主の託宣だ』というこの言葉を語ったので、 23:39見よ、わたしはお前たちを全く退け、お前たちと父祖たちに与えたこの都と共に、お前たちをわたしの前から捨て去る。 23:40そしてお前たちに、決して忘れえない永久の恥と永久の辱めを与える。」 24:01主がわたしに示された。見よ、主の神殿の前に、いちじくを盛った二つの籠が置いてあった。それは、バビロンの王ネブカドレツァルが、ユダの王、ヨヤキムの子エコンヤ、ユダの高官たち、それに工匠や鍛冶をエルサレムから捕囚としてバビロンに連れて行った後のことであった。 24:02一つの籠には、初なりのいちじくのような、非常に良いいちじくがあり、もう一つの籠には、非常に悪くて食べられないいちじくが入っていた。 24:03主はわたしに言われた。「エレミヤよ、何が見えるか。」わたしは言った。「いちじくです。良い方のいちじくは非常に良いのですが、悪い方は非常に悪くて食べられません。」 24:04そのとき、主の言葉がわたしに臨んだ。 24:05「イスラエルの神、主はこう言われる。このところからカルデア人の国へ送ったユダの捕囚の民を、わたしはこの良いいちじくのように見なして、恵みを与えよう。 24:06彼らに目を留めて恵みを与え、この地に連れ戻す。彼らを建てて、倒さず、植えて、抜くことはない。 24:07そしてわたしは、わたしが主であることを知る心を彼らに与える。彼らはわたしの民となり、わたしは彼らの神となる。彼らは真心をもってわたしのもとへ帰って来る。 24:08主はまたこう言われる。ユダの王ゼデキヤとその高官たち、エルサレムの残りの者でこの国にとどまっている者、エジプトの国に住み着いた者を、非常に悪くて食べられないいちじくのようにする。 24:09わたしは彼らを、世界のあらゆる国々の恐怖と嫌悪の的とする。彼らはわたしが追いやるあらゆるところで、辱めと物笑いの種、嘲りと呪いの的となる。 24:10わたしは彼らに剣、飢饉、疫病を送って、わたしが彼らと父祖たちに与えた土地から滅ぼし尽くす。」


 
エレミヤ書25章に続く
 
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