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26:01第十一年、その月の第一日に、主の言葉がわたしに臨んだ。 26:02「人の子よ、ティルスがエルサレムを嘲る。『ああ、諸国民の門であったお前は打ち破られ、わたしのものになった。わたしは富み、お前は廃れる。』 26:03それゆえ、主なる神はこう言われる。ティルスよ、わたしがお前に立ち向かう。わたしは、海が波を巻き起こすように
多くの国々をお前に立ち向かわせる。
26:04彼らはティルスの城壁を倒し、塔を破壊する。わたしはその土くれまでぬぐい去り
ティルスを裸の岩にする。
26:05ティルスは海の中にある網干し場となる。これはわたし自身が語ったことだと
主なる神は言われる。ティルスは諸国民に略奪され
26:06陸にある周囲の町々も剣で滅ぼされる。そのとき彼らは
わたしが主であることを知るようになる。
26:07主なる神はこう言われる。わたしは、王の王であるバビロンの王、ネブカドレツァルを北からティルスに来させる。彼は馬と戦車と騎兵と多くの軍勢を引き連れてくる。 26:08彼は陸にある周囲の町々を剣で滅ぼし
お前に向かって堡塁を築き
塁を積み、大盾を立てる。
26:09彼は破城槌で城壁を突き崩し
鉄の棒で塔を打ち壊す。
26:10軍馬が怒濤のように襲い
土煙がお前を覆う。打ち破られた町に敵が突入するように
彼らがお前の城門に攻め入るとき
騎兵と戦車の車輪の音で城壁は揺れ動く。
26:11軍馬のひづめで、町並みはすべて踏みにじられ
民は剣で殺され、巨大な柱は地に倒れる。
26:12彼らは財宝を奪い、商品を略奪し
城壁を破壊し、華やかな宮殿を壊し
石や木や土くれまで海に投げ込む。
26:13わたしはお前の騒がしい歌声をやめさせ
竪琴の音が再び聞かれることはない。
26:14わたしはお前を裸の岩にする。お前は網干し場となり
再び建て直されることはない。これは主なるわたしが語ったことだと
主なる神は言われる。
26:15主なる神は、ティルスに向かってこう言われる。お前の中で、倒れた者が呻き、虐殺が行われるとき、町の倒れ落ちる響きで、島々は揺れ動かないだろうか。 26:16海の支配者たちは、皆その座から降り、礼服を取り去り、美しく織った衣服を脱ぐ。彼らは恐怖を身にまとい、地に座り、絶え間なく震えながらお前を見て驚きあきれる。 26:17彼らはお前に向かって嘆きの歌をうたって言う。ああ、あなたは滅びてしまった。海のかなたから来て住み着き
誉れある町となったのに。この町とそこに住む民は海のつわものとなり
海に住むすべての者を震え上がらせたのに。
26:18今や、その島々はあなたの倒れた日におののき
海の島々は、あなたの終わりを見て恐れる。
26:19まことに、主なる神はこう言われる。わたしは、お前を住む者のない町のように荒れ果てた町とし、淵から水を湧き上がらせ、大水で覆う。 26:20こうしてわたしは、穴に下る者たちと共に、お前をいにしえの民の中に落とす。また、お前を穴に下る者たちと共に、永遠の昔からの廃虚のような深い地に住まわせ、お前が生ける者の地で栄誉をもって住むことができないようにする。 26:21わたしはお前を恐怖に落とす。それゆえ、お前は無に帰する。人が探し求めても、お前は永久に見いだされることはない」と主なる神は言われる。 27:01主の言葉がわたしに臨んだ。 27:02「人の子よ、あなたはティルスのために、嘆きの歌をうたいなさい。 27:03海の出入り口を支配し、多くの島々を巡り、諸国の民と取り引きを行うティルスに向かって言いなさい。主なる神はこう言われる。ティルスよ、お前は言う。『わたしの姿は美しさの極み』と。 27:04お前の国境は海の真ん中にある。お前を築いた者は、お前の美しさを完全にした。 27:05彼らはセニルの檜でお前の外板を造り
レバノンの杉で、帆柱を立てた。
27:06バシャンの樫の木で、櫂を造り
キティムの島々の糸杉に象牙をはめこみ
甲板を造った。
27:07美しく織ったエジプトの麻が
お前の帆となり、旗となり
エリシャの海岸から得た紫と赤紫の毛織物が
甲板の日よけとなった。
27:08シドンとアルワドの住民が漕ぎ手となり
ティルスよ、熟練した者が
乗り込んで水夫となり
27:09ゲバルの老練な者が乗り込んで
水漏れを繕う者となった。海のすべての船と船乗りたちは
お前のもとに来て、物品を引き渡した。
27:10ペルシア、リディア、プトの人々は
お前の部隊に入って戦士となり
盾と兜をお前の中に掛け
お前を美しく飾り立てた。
27:11アルワドとキリキアの人々は城壁の上をくまなく囲んで立ち、ガマディムの人々は塔を固めていた。彼らは小盾を城壁の周りにくまなく掛け、それはお前の美しさを完成した。 27:12タルシシュはお前の豊かな富のゆえに商いに来て、銀、鉄、錫、鉛をお前の商品と交換した。 27:13ヤワン、トバル、メシェクの人々は取り引きを行い、彼らは奴隷と青銅の製品をお前の物品と交換した。 27:14彼らはベト・トガルマから、馬、軍馬、らばを仕入れて、お前の商品と交換した。 27:15ロドス島の人々はお前と取り引きを行い、多くの島々はお前の下で商いをし、彼らは象牙と黒檀を貢ぎ物として献上した。 27:16アラムはお前の豊かな産物のゆえに商いに来て、トルコ石、赤紫の毛織物、美しく織った布地、上質の亜麻織物、さんご、赤めのうをお前の商品と交換した。 27:17ユダとイスラエルの国もまた、お前と取り引きを行い、ミニトの小麦、きび、蜜、油、乳香を、お前の物品と交換した。 27:18ダマスコはお前の多くの産物と豊かな富のゆえに商いをし、ヘルボンのぶどう酒とツァハルの羊毛を運んで来た。 27:19ウザル地方のウェ
ダンとヤワンは、お前の商品と交換し、銑鉄、桂皮、香水萱をお前の物品と取り替えた。
27:20デダンは乗馬用の粗い布地で、お前と取り引きを行った。 27:21アラブの人々とケダルの首長たちもまた、お前の下で商いをし、小羊、雄羊、山羊を商った。 27:22シェバとラマの商人たちは、お前と取り引きを行い、極上のあらゆる香料、あらゆる宝石、黄金をお前の商品と交換した。 27:23ハラン、カンネ、エデンとシェバの商人たち、アシュルとキルマドは、お前と取り引きを行った。 27:24彼らはお前と取り引きを行い、豪華な衣服、紫の衣、美しく織った布地、多彩な敷物、堅く丈夫によった綱で、お前と取り引きを行った。 27:25タルシシュの船はお前の物品を運び回った。お前は荷を重く積み
海の真ん中を進んだ。
27:26漕ぎ手がお前を大海原に漕ぎ出したが
東風がお前を打ち砕いた
海の真ん中で。
27:27お前の富、商品、物品、船乗り、水夫、水漏れを繕う者、物品を交換する者、船上のすべての戦士、すべての乗組員たちは、お前が滅びる日に海の真ん中に沈む。 27:28水夫たちの叫び声で、町を取りまく地は震える。 27:29櫂を漕ぐ者は皆、その船から降り
船乗りと水夫たちは皆、陸に立ち
27:30お前のために声をあげて、いたく泣き叫ぶ。彼らは頭に塵をかぶり、灰の中で転げ回る。 27:31彼らはお前のために頭をそり
粗布を身にまとい
お前のために心を痛めて泣き
痛ましい悲しみの声をあげる。
27:32また嘆きの声をあげて、哀歌をうたい
お前のために挽歌をうたう。誰が海の真ん中で
ティルスと同じようになっただろうか。
27:33お前は海を越えて商品を輸出し
多くの国々の民を飽き足らせ
豊かな富と産物で、地上の王たちを富ませた。
27:34今、お前は海で難破し、水中深く沈んだ。お前の積み荷とすべての乗組員は沈んだ。 27:35海沿いの国々の住民は皆、お前のことで驚き
王たちは恐れおののき、顔はゆがんでいた。
27:36諸国の民の商人は
口笛を吹いて、お前を嘲る。お前は人々に恐怖を引き起こし
とこしえに消えうせる。」
28:01主の言葉がわたしに臨んだ。 28:02「人の子よ、ティルスの君主に向かって言いなさい。主なる神はこう言われる。お前の心は高慢になり、そして言った。『わたしは神だ。わたしは海の真ん中にある神々の住みかに住まう』と。しかし、お前は人であって神ではない。ただ、自分の心が神の心のようだ、と思い込んでいるだけだ。 28:03お前はダニエルよりも賢く、いかなる奥義もお前には隠されていない。 28:04お前は知恵と悟りによって富を積み、金銀を宝庫に蓄えた。 28:05お前は取り引きに知恵を大いに働かせて富を増し加え、お前の心は富のゆえに高慢になった。 28:06それゆえ、主なる神はこう言われる。お前は自分の心が神の心のようだと思い込んでいる。 28:07それゆえ、わたしはお前に対して諸国の中でも最も暴虐な外国人を立ち向かわせる。彼らはお前の知恵の誇りに向かって剣を抜き、お前の栄華を汚し、 28:08お前を陰府に突き落とす。お前は海の真ん中で切り倒されて死ぬ。 28:09お前は自分を殺す者の前でもなお、『わたしは神だ』と言い張るのか。お前は人であって、神ではなく、切り倒す者の手にある。 28:10お前は割礼のない者として、外国人の手にかかって死ぬ。まことにわたしがこのことを語った」と主なる神は言われる。 28:11主の言葉がわたしに臨んだ。 28:12「人の子よ、ティルスの王に対して嘆きの歌をうたい、彼に言いなさい。主なる神はこう言われる。お前はあるべき姿を印章としたものであり
知恵に満ち、美しさの極みである。
28:13お前は神の園であるエデンにいた。あらゆる宝石がお前を包んでいた。ルビー、黄玉、紫水晶
かんらん石、縞めのう、碧玉
サファイア、ざくろ石、エメラルド。それらは金で作られた留め金で
お前に着けられていた。それらはお前が創造された日に整えられた。
28:14わたしはお前を
翼を広げて覆うケルブとして造った。お前は神の聖なる山にいて
火の石の間を歩いていた。
28:15お前が創造された日から
お前の歩みは無垢であったが
ついに不正がお前の中に
見いだされるようになった。
28:16お前の取り引きが盛んになると
お前の中に不法が満ち
罪を犯すようになった。そこで、わたしはお前を神の山から追い出し
翼で覆うケルブであるお前を
火の石の間から滅ぼした。
28:17お前の心は美しさのゆえに高慢となり
栄華のゆえに知恵を堕落させた。わたしはお前を地の上に投げ落とし
王たちの前で見せ物とした。
28:18お前は悪行を重ね、不正な取り引きを行って
自分の聖所を汚した。それゆえ、わたしはお前の中から火を出させ
お前を焼き尽くさせた。わたしは見ている者すべての前で
お前を地上の灰にした。
28:19諸国の民のなかで、お前を知っていた者は皆
お前のゆえにぼう然とする。お前は人々に恐怖を引き起こし
とこしえに消えうせる。」
28:20主の言葉がわたしに臨んだ。 28:21「人の子よ、あなたの顔をシドンに向けて預言しなさい。 28:22主なる神はこう言われる。シドンよ、わたしはお前に立ち向かう。わたしの栄光がお前の真ん中で現される。わたしはその中で裁きを行い
自分の聖なることを示す。そのとき彼らは
わたしが主であることを知るようになる。
28:23わたしは、町の中に疫病を送り
また、通りに血を流れさせる。剣が周囲から迫るとき
殺された者がその中に倒れる。そのとき彼らは
わたしが主であることを知るようになる。
28:24イスラエルの家には二度と、彼らを侮辱する周囲のすべての人々の突き刺す茨や、痛みを与えるとげが臨むことはない。そのとき、彼らはわたしが主なる神であることを知るようになる。 28:25主なる神はこう言われる。わたしがイスラエルの家を、彼らの散らされた諸国の民の中から集めるとき、彼らによって、わたしは自分の聖なることを諸国民の前に示す。彼らは、わたしがわたしの僕ヤコブに与えた土地に住む。 28:26彼らはそこに安らかに住み、家を建て、ぶどう園を植え、安らかに住み着く。彼らを侮辱する周囲のすべての人々に、わたしが裁きを行うからである。そのとき彼らは、わたしが彼らの神、主であることを知るようになる。」 29:01第十年の十月十二日に主の言葉がわたしに臨んだ。 29:02「人の子よ、あなたの顔をエジプトの王ファラオに向けて、王とエジプトの全土に対して預言し、 29:03語って言いなさい。主なる神はこう言われる。エジプトの王、ファラオよ
わたしはお前に立ち向かう。ナイル川の真ん中に横たわる巨大なわによ
お前は言う。『ナイル川はわたしのもの
わたしが自分のために造ったものだ』と。
29:04わたしはお前の顎に鉤をかけ
うろこにナイル川の魚をつけさせ
ナイル川の真ん中から引き上げる
お前のうろこについた川のすべての魚と共に。
29:05わたしはお前を荒れ野に捨てる
ナイル川のすべての魚と共に。お前は地面に倒れたままで
引き取る者も、葬る者もない。わたしは野の獣、空の鳥に
お前を食物として与える。
29:06エジプトのすべての住民は
わたしが主であることを知るようになる。お前は、イスラエルの家にとって
葦の杖にすぎない。
29:07彼らがお前の手をつかむと
お前は折れ、彼らの肩は砕けた。彼らが寄りかかると、お前は裂け
彼らの腰はすべてふらついた。
29:08それゆえ、主なる神はこう言われる。わたしはお前に剣を臨ませ、お前の中から人も獣も絶ち滅ぼす。 29:09エジプトの地は荒野に変わり、廃虚となる。そのとき、彼らはわたしが主であることを知るようになる。お前が、『ナイル川はわたしのもの、わたしが造ったものだ』と言ったからだ。 29:10それゆえ、わたしはお前とお前のナイル川に立ち向かい、エジプトの地を廃虚とし、ミグドルからセベネを経て、クシュの境に至るまで荒野にする。 29:11もはや人の足はそこを通らず、動物の足すら通ることなく、こうして四十年の間住む人はない。 29:12わたしはエジプト人の地を、荒れ果てた国々の中で、最も荒れ果てた地とする。その町々は荒れ廃れた町々の中で、四十年の間最も荒れ果てたものとなる。わたしはエジプト人を諸国民の中に散らし、国々の間に追いやる。 29:13まことに主なる神はこう言われる。四十年が終わると、わたしは散らされていた諸国民の間からエジプト人を集める。 29:14わたしはエジプトの繁栄を回復する。わたしは彼らを出身地である上エジプト人の地に帰らせる。そこで彼らはささやかな王国を造る。 29:15それは他の王国よりも低く、もはや彼らが他の国々の上に立つことはない。彼らが他の国々を踏みつけることがないように、わたしは彼らを小さくする。 29:16イスラエルの家は、もはや、彼らに頼らず、かつて彼らを頼みにして犯した罪を思い起こす。そのとき、彼らはわたしが主なる神であることを知るようになる。」 29:17第二十七年の一月一日に、主の言葉がわたしに臨んだ。 29:18「人の子よ、バビロンの王ネブカドレツァルはティルスに対し、軍隊を差し向けて労苦の多い戦いを行わせた。すべての戦士の頭ははげ、肩は擦りむけてしまった。しかし、王もその軍隊も、ティルスに対して費やした労苦の報酬を何も得なかった。 29:19それゆえ、主なる神はこう言われる。わたしはバビロンの王ネブカドレツァルにエジプトの土地を与える。彼はその富を運び去り、戦利品を分捕り、略奪をほしいままにする。こうして、エジプトは彼の軍隊の報酬となる。 29:20ティルスに対して費やした王の働きの報いとして、わたしは王にエジプトの土地を与える。彼らが、わたしに代わって、このことをしたからである、と主なる神は言われる。 29:21その日、わたしはイスラエルの家のために一つの角を生えさせ、彼らの間にあってその口を開かせる。そのとき、彼らはわたしが主であることを知るようになる。」 30:01主の言葉がわたしに臨んだ。 30:02「人の子よ、預言して言いなさい。主なる神はこう言われる。泣き叫べ、ああ、その日は災いだ。 30:03その日は近い。主の日は近い。それは密雲の日、諸国民の裁きの時である。 30:04剣がエジプトに臨み、戦慄がクシュを襲う。エジプトで、人々は刺されて倒れ
富は奪い去られ、国の基は覆される。
30:05クシュ、プト、リディア、諸種族の群れ、クブおよびその他の同盟国の住民も、彼らと共に剣で倒れる。 30:06主はこう言われる。エジプトを支える者は倒れ
その驕れる力は覆る。ミグドルからセベネに至るまで
人々は剣に倒れる、と主なる神は言われる。
30:07荒れ果てた国々の中でも、エジプトの荒廃は甚だしく、荒れ廃れた町々の中でも、その町々は甚だしい廃虚となる。 30:08わたしがエジプトに火を放って、これを助ける者がすべて滅ぼされるとき、彼らはわたしが主であることを知るようになる。 30:09その日、わたしのもとから使者が船で出発し、安心しているクシュをおののかせる。エジプトの日に、戦慄が彼らを襲う。その日が来るからである。 30:10主なる神がこう言われる。わたしはバビロンの王ネブカドレツァルの手によってエジプトの富を絶つ。 30:11彼とその軍隊、諸国の中で最も凶暴な軍隊が、この国を滅ぼすために動員される。彼らは剣を抜いてエジプトを攻め、この国を殺された者で満たす。 30:12わたしはナイル川を干上がらせ、この国を悪しき者たちの手に売り渡し、他国の人々によって、その地とその地を満たしているものを滅ぼし尽くす、と主なるわたしが告げる。 30:13主なる神はこう言われる。わたしは偶像を打ち壊し、メンフィスから偽りの神々を絶つ。エジプトの国には、もはや支配者がいなくなる。わたしはエジプトの地に恐れを与える。 30:14わたしは上エジプトを滅ぼし、ツォアンに火を放ち、テーベに裁きを下す。 30:15また、わが憤りをエジプトの砦であるシンに注ぎ、テーベの富を絶つ。 30:16わたしはエジプトに火を放つ。シンは苦しみにもだえ、テーベは引き裂かれ、メンフィスは白昼、敵に襲われる。 30:17オンとピ・ベセトの若者たちは剣に倒れ、他の人々は捕囚として連れ去られる。 30:18わたしがテハフネヘスで、エジプトの軛を砕くとき、そこでは昼も暗くなり、その驕れる力は絶たれる。密雲が町を覆い、その娘たちも捕囚として連れ去られる。 30:19わたしがエジプトに裁きを行うとき、彼らはわたしが主であることを知るようになる。」 30:20第十一年の一月七日に、主の言葉がわたしに臨んだ。 30:21「人の子よ、わたしはエジプトの王ファラオの腕を折った。見よ、彼の腕は手当てを受けて巻かれることなく、力を補う添え木を当てて巻かれることもないので、剣を取ることができない。 30:22それゆえ、主なる神はこう言われる。わたしはエジプトの王ファラオに立ち向かい、その強い腕と折られた腕を共に打ち砕き、その手から剣を落とさせる。 30:23わたしはエジプトの人々を諸国民の中に散らし、国々の間に追いやる。 30:24わたしはバビロンの王の腕を強め、その手に剣を与える。わたしはファラオの腕を折る。彼はバビロンの王の前で、刺された者のように呻き声を発する。 30:25わたしはバビロンの王の腕を強くする。ファラオの腕は弱くなる。わたしがバビロンの王の手に剣を与え、彼がそれをエジプトの地に伸ばすとき、彼らはわたしが主であることを知るようになる。 30:26わたしがエジプトの人々を諸国民の中に散らし、国々の間に追いやるとき、彼らはわたしが主であることを知るようになる。」 31:01第十一年の三月一日に、主の言葉がわたしに臨んだ。 31:02「人の子よ、エジプトの王ファラオとその軍勢に向かって言いなさい。お前の偉大さは誰と比べられよう。 31:03見よ、あなたは糸杉、レバノンの杉だ。その枝は美しく、豊かな陰をつくり
丈は高く、梢は雲間にとどいた。
31:04水がそれを育て、淵がそれを大きくした。淵から流れる川は杉の周りを潤し
水路は野のすべての木に水を送った。
31:05その丈は野のすべての木より高くなり
豊かに注ぐ水のゆえに
大枝は茂り、若枝は伸びた。
31:06大枝には空のすべての鳥が巣を作り
若枝の下では野のすべての獣が子を産み
多くの国民が皆、その木陰に住んだ。
31:07丈は高く、枝は長く伸びて美しかった。豊かな水に根をおろしていたからだ。 31:08神の園の杉もこれに及ばず
樅の木も、その大枝に比べえず
すずかけの木もその若枝と競いえず
神の園のどの木も美しさを比べえなかった。
31:09わたしが、多くの枝で美しく飾ったので
神の園エデンのすべての木もうらやんだ。
31:10それゆえ、主なる神はこう言われる。彼の丈は高くされ、その梢を雲の間に伸ばしたので、心は驕り高ぶった。 31:11わたしは彼を諸国の民の最も強い者の手に渡す。その者は彼を悪行に応じて扱う。わたしは彼を追放する。 31:12諸国の最も凶暴な民である異国人が彼を切り倒し、山々の上に捨てる。その枝はすべての谷間に落ち、若枝は切られて地のすべての谷を埋める。地上のすべての民は、その木陰から逃げ去り、彼を捨てる。 31:13彼の倒された幹には、空のすべての鳥が住み
若枝のもとには、野のすべての獣がやどる。
31:14もはや、水のほとりの木もすべて丈を高くしえず、梢を雲の間に伸ばしえず、水に潤う木も、高ぶってそびえ立つことはできない。彼らはすべて死に渡され、穴に下る人の子らと共に地の深き所へ行く。 31:15主なる神はこう言われる。彼が陰府に下る日に、わたしは彼のゆえに淵を喪に服させ、彼を覆う。わたしが川をせき止めるので、豊かな水も干上がる。またレバノンに彼の弔いをさせるので、野のすべての木も、彼のゆえにしおれる。 31:16穴に下る者と共に彼を陰府に下すとき、わたしは彼の倒れる音で諸国民を揺り動かす。そのとき地の深き所で、エデンのすべての木も、レバノンのえり抜きの美しい木も、水に潤うすべての木も、再び慰められる。 31:17彼らも、彼と共に陰府に、剣で倒れた者たちのところに下って行った。かつて諸国民の間で、彼の陰に宿っていた仲間たちも共に。 31:18お前は、エデンの木のなかで、栄光と偉大さを誰と比べられたか。しかし、お前はエデンの木々と共に地の深き所に落とされ、割礼のない者の間で、剣によって倒された者と共に住むであろう。これがファラオとそのすべての軍勢の運命である」と主なる神は言われる。 32:01第十二年の十二月一日に、主の言葉がわたしに臨んだ。 32:02「人の子よ、エジプトの王ファラオに向かって嘆きの歌をうたい、彼に言いなさい。国々の中で若獅子である者よ
お前は滅びに定められた。お前は水中のわにのようだ。川の中であばれ回り
足で水をかき混ぜ、流れを濁らせた。
32:03主なる神はこう言われる。わたしは多くの民を集め
お前の上に網として広げる。彼らはこの地引き網でお前を引き上げる。
32:04わたしは、お前を大地に投げ出し
野に投げ捨てる。空のすべての鳥をお前の上にやどらせ
地上のすべての獣にお前を
食べさせて、飽かせる。
32:05わたしはお前の肉を山の上に捨て
お前の腐った肉で谷を満たす。
32:06わたしはお前の流れ出た血を
大地にのませ、山に注ぐ。お前の血で谷間も満たされる。
32:07お前が消えうせるとき
わたしは空を覆い、星を暗くする。また、太陽を雲で覆い、月も光を放たない。
32:08空に輝くすべての光を
わたしはお前の上で暗くする。また、お前の地を闇で覆うと
主なる神は言われる。
32:09わたしはお前の破滅を、お前の知らない国々の民に知らせ、多くの民の心をいらだたせる。 32:10わたしはお前のゆえに多くの民をぼう然とさせる。わたしが彼らの前で剣を振りかざすと、王たちもお前のゆえに毛が逆立つ。お前の倒れる日、彼らはそれぞれ命に不安を感じて絶え間なく震える。 32:11まことに、主なる神はこう言われる。バビロンの王の剣がお前に臨む。 32:12わたしは勇士たちの剣で、お前の軍勢を倒す。彼らは皆、諸国の中で最も凶暴な者だ。彼らはエジプトの誇りを踏みにじる。その軍勢も皆滅ぼされる。 32:13わたしはすべての家畜を
豊かな水のほとりから追いやる。人の足はもはやその水を濁さず
家畜のひづめもこれを濁さない。
32:14そのとき、わたしはその水を澄ませ
流れを油のように静かに流れさせると
主なる神は言われる。
32:15わたしはエジプトの地を荒廃させ
その地を満たしているものを荒れるにまかせる。わたしがそこに住むすべての者を撃つとき
彼らは、わたしが主であることを知るようになる。
32:16これは嘆きの歌。彼らは悲しんでこれを歌う。国々の娘たちも、悲しんでこれを歌う。彼らはエジプトとそのすべての軍勢のために
悲しんでこの歌をうたう」と
主なる神は言われる。
32:17第十二年のその月の十五日に、主の言葉がわたしに臨んだ。 32:18「人の子よ、あなたと諸国の娘たちは
エジプトとその貴族たちのために泣き悲しめ。わたしは彼らを地の低い所に下らせる
穴に下って行く者と共に。
32:19お前はだれよりも美しいと思っていたのか。下って行き、割礼のない者と共に横たわれ。 32:20彼らは剣で殺された者の間に倒れる。エジプトは剣に渡された。エジプトとその軍勢はすべて運び去られた。 32:21陰府の中から、最も強い勇士たちが
エジプトとその同盟者たちに語る
割礼のない者、剣で殺された者たちは
下ってきてそこに横たわる、と。
32:22そこには、アシュルとその仲間がすべており
彼らの墓はその周りにある。彼らは皆、剣で殺され、倒れた者である。
32:23アッシリアの墓は穴の最も深い所にあり
その周りには仲間たちの墓がある。彼らは皆、剣で殺され、倒れた者
かつて、生ける者の地で恐れられていた。
32:24そこには、エラムとそのすべての軍勢がいる。彼らの墓はその周りにある。彼らは皆、剣で殺され、倒れた者
割礼のない者で、地の最も低い所に下って行く。生ける者の地で恐れられていたが
穴に下る者と共に恥を負う。
32:25殺された者たちの間に、床が設けられた
エラムとそのすべての軍勢のために。彼らの墓はその周りにある。彼らは皆、割礼のない者、剣で殺された者。生ける者の地で恐れられていたが
穴に下る者と共に恥を負い
殺された者の間に置かれる。
32:26そこには、メシェクとトバルと
そのすべての軍勢がいる。彼らの墓はその周囲にある。皆、割礼のない者、剣で殺された者。生ける者の地で恐れられていた。
32:27彼らは、遠い昔に倒れた勇士たちと共に
横たわることはない。この人々は、武器をもって陰府に下り
剣を頭の下に、盾を骨の上に置いていた。これらの勇士は
生ける者の地で恐れられていた。
32:28お前は割礼のない者の間に
剣で殺された者と共に
打ち砕かれて横たわる。
32:29そこには、エドムがその王たちと
すべての君侯たちと共にいる。彼らは力をもっていたが
剣で殺された者と共に置かれ
割礼のない者、穴に下る者と共に横たわる。
32:30そこには、北のすべての君主たち
シドンのすべての人々がいる。彼らは殺された者と共に下る。彼らはその力のゆえに恐れられていたが
辱められ、割礼のない者、剣で殺された者と
共に横たわる。彼らは、穴に下る者と共に恥を負う。
32:31ファラオは彼らを見て
失ったすべての軍勢について慰められる。ファラオも、そのすべての軍隊も剣で殺されたと
主なる神は言われる。
32:32まことに、わたしは生ける者の地に
恐れを置いた。ファラオとそのすべての軍勢は
割礼のない者の間に
剣で殺された者と共に横たわる」と
主なる神は言われる。
33:01主の言葉がわたしに臨んだ。 33:02「人の子よ、あなたの同胞に語りかけ、彼らに言いなさい。わたしがある国に向かって剣を送るとき、その国の民は彼らの中から一人の人を選んで見張りとする。 33:03彼は剣が国に向かって臨むのを見ると、角笛を吹き鳴らして民に警告する。 33:04角笛の音を聞いた者が、聞いていながら警告を受け入れず、剣が彼に臨んで彼を殺したなら、血の責任は彼自身にある。 33:05彼は角笛の音を聞いても警告を受け入れなかったのだから、血の責任は彼にある。彼が警告を受け入れていれば、自分の命を救いえたはずである。 33:06しかし、見張りが、剣の臨むのを見ながら、角笛を吹かず、民が警告を受けぬままに剣が臨み、彼らのうちから一人の命でも奪われるなら、たとえその人は自分の罪のゆえに死んだとしても、血の責任をわたしは見張りの手に求める。 33:07人の子よ、わたしはあなたをイスラエルの家の見張りとした。あなたが、わたしの口から言葉を聞いたなら、わたしの警告を彼らに伝えねばならない。 33:08わたしが悪人に向かって、『悪人よ、お前は必ず死なねばならない』と言うとき、あなたが悪人に警告し、彼がその道から離れるように語らないなら、悪人は自分の罪のゆえに死んでも、血の責任をわたしはお前の手に求める。 33:09しかし、もしあなたが悪人に対してその道から立ち帰るよう警告したのに、彼がその道から立ち帰らなかったのなら、彼は自分の罪のゆえに死に、あなたは自分の命を救う。 33:10人の子よ、イスラエルの家に言いなさい。お前たちはこう言っている。『我々の背きと過ちは我々の上にあり、我々はやせ衰える。どうして生きることができようか』と。 33:11彼らに言いなさい。わたしは生きている、と主なる神は言われる。わたしは悪人が死ぬのを喜ばない。むしろ、悪人がその道から立ち帰って生きることを喜ぶ。立ち帰れ、立ち帰れ、お前たちの悪しき道から。イスラエルの家よ、どうしてお前たちは死んでよいだろうか。 33:12人の子よ、あなたの同胞に言いなさい。正しい人の正しさも、彼が背くときには、自分を救うことができない。また、悪人の悪も、彼がその悪から立ち帰るときには、自分をつまずかせることはない。正しい人でも、過ちを犯すときには、その正しさによって生きることはできない。 33:13正しい人に向かって、わたしが、『お前は必ず生きる』と言ったとしても、もし彼が自分自身の正しさに頼って不正を行うなら、彼のすべての正しさは思い起こされることがなく、彼の行う不正のゆえに彼は死ぬ。 33:14また、悪人に向かって、わたしが、『お前は必ず死ぬ』と言ったとしても、もし彼がその過ちから立ち帰って正義と恵みの業を行うなら、 33:15すなわち、その悪人が質物を返し、奪ったものを償い、命の掟に従って歩き、不正を行わないなら、彼は必ず生きる。死ぬことはない。 33:16彼の犯したすべての過ちは思い起こされず、正義と恵みの業を行った者は必ず生きる。 33:17それなのに、あなたの同胞は言っている。『主の道は正しくない』と。しかし正しくないのは彼らの道である。 33:18正しい人でも、正しさから離れて不正を行うなら、その不正のゆえに彼は死ぬ。 33:19また、悪人でも、悪から離れて正義と恵みの業を行うなら、それゆえに彼は生きる。 33:20それなのに、お前たちは言っている。『主の道は正しくない』と。イスラエルの家よ、わたしは人をそれぞれの道に従って裁く。」 33:21我々の捕囚の第十二年十月五日に、エルサレムから逃れた者がわたしのもとに来て言った。「都は陥落した」と。 33:22その逃れた者が来る前の晩、主の手がわたしの上に置かれ、翌朝、彼がわたしのもとに来る前に、主はわたしの口を開かれた。口が開かれて、わたしはもはや黙していなかった。 33:23主の言葉がわたしに臨んで言った。 33:24「人の子よ、イスラエルの土地のこれらの廃虚に住む者は言っている。『アブラハムはただひとりのとき、この土地を所有していた。我々の数は多い。我々にこの土地は所有として与えられている』と。 33:25それゆえ、彼らに言いなさい。主なる神はこう言われる。お前たちは血のついたまま肉を食べ、偶像に向かって目を上げ、人の血を流している。それでも、お前たちはこの土地を所有できるのか。 33:26お前たちは剣を頼みとし、忌まわしいことを行い、おのおの隣人の妻を犯している。それでも、お前たちはこの土地を所有できるのか。 33:27それゆえ、彼らにこう言いなさい。主なる神はこう言われる。わたしは生きている。廃虚にいる者たちは必ず剣に倒れる。野にいる者はすべて、獣に餌食として与え、砦と洞穴にいる者たちは疫病によって死ぬ。 33:28わたしはこの土地を荒れ地とし、荒廃した土地とする。この土地が誇った力はうせ、イスラエルの山々は荒れ果て、そこを通る者はなくなる。 33:29彼らが行ったすべての忌まわしいことのゆえに、わたしがこの土地を荒れ地とし、荒廃した地にするとき、彼らはわたしが主であることを知るようになる。 33:30人の子よ、あなたの同胞は城壁の傍らや家の戸口に立ってあなたのことを語り、互いに語り合っている。『さあ、行って、どんな言葉が主から出るのか、聞こうではないか』と。 33:31そして、彼らはあなたのもとに来る。民は来て、あなたの前に座り、あなたの言葉を聞きはするが、それを行いはしない。彼らは口では好意を示すが、心は利益に向かっている。 33:32見よ、あなたは彼らにとって、楽器にあわせて美しい声でうたうみだらな歌の歌い手のようだ。彼らはあなたの語ることを聞くが、それを行いはしない。 33:33しかし、そのことが起こるとき――見よ、それは近づいている――彼らは自分たちの中に預言者がいたことを知るようになる。」 34:01主の言葉がわたしに臨んだ。 34:02「人の子よ、イスラエルの牧者たちに対して預言し、牧者である彼らに語りなさい。主なる神はこう言われる。災いだ、自分自身を養うイスラエルの牧者たちは。牧者は群れを養うべきではないか。 34:03お前たちは乳を飲み、羊毛を身にまとい、肥えた動物を屠るが、群れを養おうとはしない。 34:04お前たちは弱いものを強めず、病めるものをいやさず、傷ついたものを包んでやらなかった。また、追われたものを連れ戻さず、失われたものを探し求めず、かえって力ずくで、苛酷に群れを支配した。 34:05彼らは飼う者がいないので散らされ、あらゆる野の獣の餌食となり、ちりぢりになった。 34:06わたしの群れは、すべての山、すべての高い丘の上で迷う。また、わたしの群れは地の全面に散らされ、だれひとり、探す者もなく、尋ね求める者もない。 34:07それゆえ、牧者たちよ。主の言葉を聞け。 34:08わたしは生きている、と主なる神は言われる。まことに、わたしの群れは略奪にさらされ、わたしの群れは牧者がいないため、あらゆる野の獣の餌食になろうとしているのに、わたしの牧者たちは群れを探しもしない。牧者は群れを養わず、自分自身を養っている。 34:09それゆえ牧者たちよ、主の言葉を聞け。 34:10主なる神はこう言われる。見よ、わたしは牧者たちに立ち向かう。わたしの群れを彼らの手から求め、彼らに群れを飼うことをやめさせる。牧者たちが、自分自身を養うことはもはやできない。わたしが彼らの口から群れを救い出し、彼らの餌食にはさせないからだ。 34:11まことに、主なる神はこう言われる。見よ、わたしは自ら自分の群れを探し出し、彼らの世話をする。 34:12牧者が、自分の羊がちりぢりになっているときに、その群れを探すように、わたしは自分の羊を探す。わたしは雲と密雲の日に散らされた群れを、すべての場所から救い出す。 34:13わたしは彼らを諸国の民の中から連れ出し、諸国から集めて彼らの土地に導く。わたしはイスラエルの山々、谷間、また居住地で彼らを養う。 34:14わたしは良い牧草地で彼らを養う。イスラエルの高い山々は彼らの牧場となる。彼らはイスラエルの山々で憩い、良い牧場と肥沃な牧草地で養われる。 34:15わたしがわたしの群れを養い、憩わせる、と主なる神は言われる。 34:16わたしは失われたものを尋ね求め、追われたものを連れ戻し、傷ついたものを包み、弱ったものを強くする。しかし、肥えたものと強いものを滅ぼす。わたしは公平をもって彼らを養う。 34:17お前たち、わたしの群れよ。主なる神はこう言われる。わたしは羊と羊、雄羊と雄山羊との間を裁く。 34:18お前たちは良い牧草地で養われていながら、牧草の残りを足で踏み荒らし、自分たちは澄んだ水を飲みながら、残りを足でかき回すことは、小さいことだろうか。 34:19わたしの群れは、お前たちが足で踏み荒らした草を食べ、足でかき回した水を飲んでいる。 34:20それゆえ、主なる神は彼らにこう言われる。わたし自身が、肥えた羊とやせた羊の間を裁く。 34:21お前たちは、脇腹と肩ですべての弱いものを押しのけ、角で突き飛ばし、ついには外へ追いやった。 34:22しかし、わたしはわが群れを救い、二度と略奪にさらされないようにする。そして、羊と羊との間を裁く。 34:23わたしは彼らのために一人の牧者を起こし、彼らを牧させる。それは、わが僕ダビデである。彼は彼らを養い、その牧者となる。 34:24また、主であるわたしが彼らの神となり、わが僕ダビデが彼らの真ん中で君主となる。主であるわたしがこれを語る。 34:25わたしは彼らと平和の契約を結ぶ。悪い獣をこの土地から断ち、彼らが荒れ野においても安んじて住み、森の中でも眠れるようにする。 34:26わたしは、彼らとわたしの丘の周囲に祝福を与え、季節に従って雨を降らせる。それは祝福の雨となる。 34:27野の木は実を結び、地は産物を生じ、彼らは自分の土地に安んじていることができる。わたしが彼らの軛の棒を折り、彼らを奴隷にした者の手から救い出すとき、彼らはわたしが主であることを知るようになる。 34:28彼らは二度と諸国民の略奪に遭うことなく、この土地の獣も彼らを餌食にしない。彼らは安らかに住み、彼らを恐れさせるものはない。 34:29わたしは彼らのためにすぐれた苗床を起こす。この土地には二度と凶作が臨むことはなく、彼らが諸国民に辱められることは二度とない。 34:30そのとき、彼らはわたしが彼らと共にいる主なる神であり、彼らはわが民イスラエルの家であることを知るようになる、と主なる神は言われる。 34:31お前たちはわたしの群れ、わたしの牧草地の群れである。お前たちは人間であり、わたしはお前たちの神である」と主なる神は言われる。 35:01主の言葉がわたしに臨んだ。 35:02「人の子よ、顔をセイル山に向け、それに向かって預言し、 35:03彼に語りなさい。主なる神はこう言われる。セイル山よ、わたしはお前に立ち向かう。わたしはお前に向かって手を伸ばし
お前を荒れ果てた廃虚とする。
35:04わたしはお前の町々を荒れ地とする。お前が廃虚になったとき
お前はわたしが主であることを知るようになる。
35:05お前は果てしない敵意を抱き、イスラエルの子らが災いに遭い、最後の刑罰を受けたとき、彼らを剣に渡したからである。 35:06それゆえ、わたしは生きている、と主なる神は言われる。わたしはお前の血を流させ、血がお前につきまとう。血に飢えた憎しみのゆえに、血がお前につきまとう。 35:07わたしはセイル山を荒れ果てた廃虚とし、行き来する者がないようにする。 35:08わたしは山々を殺された者で満たす。お前の丘にも谷にも、あらゆる谷間にも、剣で殺された者が倒れる。 35:09わたしはお前を永久に荒れ果てた地とする。お前の町々には住む者がなくなる。そのとき、お前たちは
わたしが主であることを知るようになる。
35:10それはお前が、『この二つの国、二つの土地はわたしのものとなる。我々はそれを占領する』と言ったからである。しかしそこに、主がおられた。 35:11それゆえ、わたしは生きている、と主なる神は言われる。お前が彼らを憎んで行った怒りとねたみに応じて、わたしもお前に行う。わたしがお前を裁くとき、わたしは彼らに知られるようになる。 35:12そしてお前は、主であるわたしがお前のもろもろの嘲りを聞いたことを知るようになる。お前はイスラエルの山々について言った。『それは荒れ果てて、我々の餌食となった』と。 35:13お前たちはわたしに向かって大口をたたき、わたしに向かって多くの言葉を重ねた。わたしはそれを聞いた。 35:14主なる神はこう言われる。わたしはお前を荒れ地とする。全世界はそれを喜ぶ。 35:15お前がイスラエルの家の嗣業の荒れ果てたのを喜んだように、わたしもお前に同じようにする。セイル山よ、エドムの全地よ、お前は荒れ地となる。そのとき、彼らはわたしが主であることを知るようになる。」 36:01「人の子よ、あなたはイスラエルの山々に預言して言いなさい。イスラエルの山々よ、主の言葉を聞け。 36:02主なる神はこう言われる。敵がお前たちに向かって、『ああ、永遠の丘が今や我々の所有となった』と言っている。 36:03それゆえ預言して言いなさい。主なる神はこう言われる。お前たちは周囲の者に荒らされ、踏みにじられ、他の国々の所有となったので、人々の口にのぼり、うわさされるものとなった。 36:04それゆえ、イスラエルの山々よ、主なる神の言葉を聞け。主なる神は、山と丘、谷と低地、荒れ果てた廃虚、また周囲の他の国々から略奪され侮られ、捨てられた町々に向かってこう言われる。 36:05それゆえ、主なる神はこう言われる。わたしは燃える熱情をもって、他の国々とエドムに対して語る。彼らはみな、心底からはしゃぎ、嘲って、わたしの土地を取り、自分の所有とし、牧草地を略奪した者だ。 36:06それゆえ、イスラエルの地に向かって預言し、その山々と丘、谷と低地に語りなさい。主なる神はこう言われる。わたしは熱情と憤りをもって語った。それはお前たちが国々から辱めを受けたからである。 36:07それゆえ、主なる神はこう言われる。わたしは手を上げて誓う。必ず、お前の周囲の国々は自分の恥を負う。 36:08しかし、お前たちイスラエルの山々よ、お前たちは枝を出し、わが民イスラエルのために実を結ぶ。彼らが戻って来るのは間近である。 36:09わたしはお前たちのために、お前たちのもとへと向かう。お前たちは耕され、種を蒔かれる。 36:10わたしはお前たちの上に、イスラエル全家の人口をことごとく増やす。町々には人が住むようになり、廃虚は建て直される。 36:11わたしはお前たちの上に人と家畜を増やす。彼らは子を産んで増える。わたしはお前たちを昔のように人の住むところとし、初めのときよりも更に栄えさせる。そのとき、お前たちはわたしが主であることを知るようになる。 36:12わたしはお前たちの上に人々を、すなわちわが民イスラエルを歩ませる。彼らがお前を所有し、お前は彼らの嗣業となる。二度と彼らの子たちを失わせることはない。 36:13主なる神はこう言われる。人々はお前たちについて、『お前は人間を食らう地、自分の民の子を失わせる地だ』と言っている。 36:14それゆえ、お前は二度と人間を食らうことはなく、二度と自分の民の子を失わせることはない、と主なる神は言われる。 36:15わたしは二度と国々の辱めの声をお前に聞こえさせず、諸国の民の侮りを二度と受けさせない。お前も自分の民を二度とつまずかせることはない」と主なる神は言われる。 36:16主の言葉がわたしに臨んだ。 36:17「人の子よ、イスラエルの家は自分の土地に住んでいたとき、それを自分の歩みと行いによって汚した。その歩みは、わたしの前で生理中の女の汚れのようであった。 36:18それゆえ、わたしは憤りを彼らの上に注いだ。彼らが地の上に血を流し、偶像によってそれを汚したからである。 36:19わたしは彼らを国々の中に散らし、諸国に追いやり、その歩みと行いに応じて裁いた。 36:20彼らはその行く先の国々に行って、わが聖なる名を汚した。事実、人々は彼らについて、『これは主の民だ、彼らは自分の土地から追われて来たのだ』と言った。 36:21そこでわたしは、イスラエルの家がその行った先の国々で汚したわが聖なる名を惜しんだ。 36:22それゆえ、イスラエルの家に言いなさい。主なる神はこう言われる。イスラエルの家よ、わたしはお前たちのためではなく、お前たちが行った先の国々で汚したわが聖なる名のために行う。 36:23わたしは、お前たちが国々で汚したため、彼らの間で汚されたわが大いなる名を聖なるものとする。わたしが彼らの目の前で、お前たちを通して聖なるものとされるとき、諸国民は、わたしが主であることを知るようになる、と主なる神は言われる。 36:24わたしはお前たちを国々の間から取り、すべての地から集め、お前たちの土地に導き入れる。 36:25わたしが清い水をお前たちの上に振りかけるとき、お前たちは清められる。わたしはお前たちを、すべての汚れとすべての偶像から清める。 36:26わたしはお前たちに新しい心を与え、お前たちの中に新しい霊を置く。わたしはお前たちの体から石の心を取り除き、肉の心を与える。 36:27また、わたしの霊をお前たちの中に置き、わたしの掟に従って歩ませ、わたしの裁きを守り行わせる。 36:28お前たちは、わたしが先祖に与えた地に住むようになる。お前たちはわたしの民となりわたしはお前たちの神となる。 36:29わたしはお前たちを、すべての汚れから救う。わたしは穀物に呼びかけ、それを増やし、お前たちに飢えを送ることはしない。 36:30わたしが木の実と畑の作物を豊かにするので、二度と飢饉のために、国々の間で恥をこうむることはない。 36:31そのとき、お前たちは自分の悪い歩み、善くない行いを思い起こし、罪と忌まわしいことのゆえに、自分自身を嫌悪する。 36:32わたしがこれを行うのは、お前たちのためではないことを知れ、と主なる神は言われる。イスラエルの家よ、恥じるがよい。自分の歩みを恥ずかしく思え。 36:33主なる神はこう言われる。わたしがお前たちをすべての罪から清める日に、わたしは町々に人を住まわせ、廃虚を建て直す。 36:34荒れ果てた地、そこを通るすべての人に荒れ地と見えていた土地が耕されるようになる。 36:35そのとき人々は、『荒れ果てていたこの土地がエデンの園のようになった。荒れ果て破壊されて廃虚となった町々が、城壁のある人の住む町になった』と言う。 36:36お前たちの周囲に残された国々も、主であるわたしがこの破壊された所を建て直し、荒れ果てていたところに植物を植えたことを知るようになる。主であるわたしが、これを語り、これを行う。 36:37主なる神はこう言われる。わたしは、再びイスラエルの家の願いを受け入れ、彼らのために行う。わたしは彼らの人口を羊の群れのように増やす。 36:38祭りの時に、エルサレムが聖別された羊で満ち溢れるように、廃虚であった町々は人の群れで満たされる。そのとき、彼らはわたしが主なる神であることを知るようになる。」 37:01主の手がわたしの上に臨んだ。わたしは主の霊によって連れ出され、ある谷の真ん中に降ろされた。そこは骨でいっぱいであった。 37:02主はわたしに、その周囲を行き巡らせた。見ると、谷の上には非常に多くの骨があり、また見ると、それらは甚だしく枯れていた。 37:03そのとき、主はわたしに言われた。「人の子よ、これらの骨は生き返ることができるか。」わたしは答えた。「主なる神よ、あなたのみがご存じです。」 37:04そこで、主はわたしに言われた。「これらの骨に向かって預言し、彼らに言いなさい。枯れた骨よ、主の言葉を聞け。 37:05これらの骨に向かって、主なる神はこう言われる。見よ、わたしはお前たちの中に霊を吹き込む。すると、お前たちは生き返る。 37:06わたしは、お前たちの上に筋をおき、肉を付け、皮膚で覆い、霊を吹き込む。すると、お前たちは生き返る。そして、お前たちはわたしが主であることを知るようになる。」 37:07わたしは命じられたように預言した。わたしが預言していると、音がした。見よ、カタカタと音を立てて、骨と骨とが近づいた。 37:08わたしが見ていると、見よ、それらの骨の上に筋と肉が生じ、皮膚がその上をすっかり覆った。しかし、その中に霊はなかった。 37:09主はわたしに言われた。「霊に預言せよ。人の子よ、預言して霊に言いなさい。主なる神はこう言われる。霊よ、四方から吹き来れ。霊よ、これらの殺されたものの上に吹きつけよ。そうすれば彼らは生き返る。」 37:10わたしは命じられたように預言した。すると、霊が彼らの中に入り、彼らは生き返って自分の足で立った。彼らは非常に大きな集団となった。 37:11主はわたしに言われた。「人の子よ、これらの骨はイスラエルの全家である。彼らは言っている。『我々の骨は枯れた。我々の望みはうせ、我々は滅びる』と。 37:12それゆえ、預言して彼らに語りなさい。主なる神はこう言われる。わたしはお前たちの墓を開く。わが民よ、わたしはお前たちを墓から引き上げ、イスラエルの地へ連れて行く。 37:13わたしが墓を開いて、お前たちを墓から引き上げるとき、わが民よ、お前たちはわたしが主であることを知るようになる。 37:14また、わたしがお前たちの中に霊を吹き込むと、お前たちは生きる。わたしはお前たちを自分の土地に住まわせる。そのとき、お前たちは主であるわたしがこれを語り、行ったことを知るようになる」と主は言われる。 37:15主の言葉がわたしに臨んだ。 37:16「人の子よ、あなたは一本の木を取り、その上に『ユダおよびそれと結ばれたイスラエルの子らのために』と書き記しなさい。また、別の木をとり、その上には『エフライムの木であるヨセフおよびそれと結ばれたイスラエルの全家のために』と書き記しなさい。 37:17それらを互いに近づけて一本の木としなさい。それらはあなたの手の中で一つとなる。 37:18あなたの民の子らがあなたに向かって、『これらはあなたにとって何を意味するのか告げてくれないか』と言うとき、 37:19彼らに語りなさい。主なる神はこう言われる。わたしはエフライムの手の中にあるヨセフの木、およびそれと結ばれたイスラエルの諸部族を取り、それをユダの木につないで一本の木とする。それらはわたしの手の中で一つとなる。 37:20あなたがその上に書き記した木は、彼らの目の前であなたの手にある。 37:21そこで、彼らに語りなさい。主なる神はこう言われる。わたしはイスラエルの子らを、彼らが行っていた国々の中から取り、周囲から集め、彼らの土地に連れて行く。 37:22わたしはわたしの地、イスラエルの山々で彼らを一つの国とする。一人の王が彼らす
べての王となる。彼らは二度と二つの国となることなく、二度と二つの王国に別れることはない。
37:23彼らは二度と彼らの偶像や憎むべきもの、もろもろの背きによって汚されることはない。わたしは、彼らが過ちを犯したすべての背信から彼らを救い清める。そして、彼らはわたしの民となり、わたしは彼らの神となる。 37:24わたしの僕ダビデは彼らの王となり、一人の牧者が彼らすべての牧者となる。彼らはわたしの裁きに従って歩み、わたしの掟を守り行う。 37:25彼らはわたしがわが僕ヤコブに与えた土地に住む。そこはお前たちの先祖が住んだ土地である。彼らも、その子らも、孫たちも、皆、永遠に至るまでそこに住む。そして、わが僕ダビデが永遠に彼らの支配者となる。 37:26わたしは彼らと平和の契約を結ぶ。それは彼らとの永遠の契約となる。わたしは彼らの住居を定め、彼らを増し加える。わたしはまた、永遠に彼らの真ん中にわたしの聖所を置く。 37:27わたしの住まいは彼らと共にあり、わたしは彼らの神となり、彼らはわたしの民となる。 37:28わたしの聖所が永遠に彼らの真ん中に置かれるとき、諸国民は、わたしがイスラエルを聖別する主であることを知るようになる。」 38:01主の言葉がわたしに臨んだ。 38:02「人の子よ、マゴグの地のゴグ、すなわちメシェクとトバルの総首長に対して顔を向け、彼に預言して、 38:03言いなさい。主なる神はこう言われる。メシェクとトバルの総首長ゴグよ、わたしはお前に立ち向かう。 38:04わたしはお前を立ち帰らせ、お前の顎に鉤をかけて、お前とその全軍、馬と騎兵を連れ出す。彼らは皆完全に武装した大集団で、大盾と小盾を持ち、皆剣を持っている。 38:05ペルシア、クシュ、プトが彼らと共におり、皆、盾を持ち、兜をかぶっている。 38:06ゴメルとそのすべての軍隊、北の果てのベト・トガルマとそのすべての軍隊、それに多くの国民がお前と共にいる。 38:07備えをせよ。お前も、お前のもとに召集されるすべての集団も備えをせよ。お前は彼らの監督となれ。 38:08多くの日の後、お前は呼び出され、また、多くの年を経た後、一つの国を襲う。それは長く荒れ廃れていたイスラエルの山々で、そこには、剣の恐れから解放され、多くの民の中から集められた民がいる。彼らは多くの民の中から連れ出されて、今は皆、安らかに暮らしている。 38:09お前は嵐のように上って来て、地を覆う雲のように襲いかかる。お前とお前の全軍、お前と共にいる多くの民は。 38:10主なる神はこう言われる。その日、お前の心に言葉が浮かぶ。お前は悪い計画を立て、 38:11そして言う。『わたしは囲いのない国へ攻め上る。城壁もかんぬきも門もなく安らかに生活している静かな国を襲う』と。 38:12お前はかつて廃虚であったが、今は人の住んでいる国、諸国民のもとから集められ、国の中心の山々に住み、家畜や財産を持っている民に対して手を上げ、戦利品を奪い、ほしいままに略奪しようとしている。 38:13シェバとデダン、タルシシュの商人たち、およびその富豪たちはすべてお前に言う。『お前は戦利品を奪うために来たのか。お前はほしいままに略奪するために集団を組んだのか。金銀を運び去り、家畜や財産を手に入れ、多くの戦利品を奪おうとするのか』と。 38:14それゆえ、人の子よ、ゴグに対して預言して言いなさい。主なる神はこう言われる。わが民イスラエルが安らかに暮らしているとき、お前はいきり立つのか。 38:15お前は北の果ての自分の所から、多くの民を伴って来る。彼らは皆、馬に乗っている大集団、大軍団だ。 38:16お前はわが民イスラエルに向かって、地を覆う雲のように上って来る。そのことは、終わりの日に起こる。わたしはお前を、わたしの地に連れて来る。それは、ゴグよ、わたしが国々の前で、お前を通して自分の聖なることを示し、彼らがわたしを知るようになるためである。 38:17主なる神はこう言われる。お前は、遠い昔、わたしが僕であるイスラエルの預言者たちを通して語ったその者ではないか。この預言者たちは、長年にわたって、彼らに向かってわたしがお前を来させる、と語った。 38:18ゴグがイスラエルの地を襲う日、まさにその日に、と主なる神は言われる。わたしの憤りは激しく燃え上がる。 38:19わたしは熱情と怒りの火をもって語る。必ずその日に、イスラエルの地には大地震が起こる。 38:20海の魚、空の鳥、野の獣、地の上を這うすべてのもの、および地上のすべての人間は、わたしの前に震える。山々は裂け、崖は崩れ、すべての城壁は地に倒れる。 38:21わたしはすべての山の上で、ゴグに向かって剣を呼び寄せる、と主なる神は言われる。人はおのおの、剣をその兄弟に向ける。 38:22わたしは疫病と流血によって彼を裁く。わたしは彼とその軍勢、また、彼と共にいる多くの民の上に、大雨と雹と火と硫黄を注ぐ。 38:23わたしは自らの偉大さと聖とを多くの国々の前に示す。そのとき、彼らはわたしが主であることを知るようになる。 39:01人の子よ、あなたはゴグに向かい預言して言いなさい。主なる神はこう言われる。メシェクとトバルの総首長ゴグよ。わたしはお前に立ち向かう。 39:02わたしはお前を立ち帰らせ、お前を導いて北の果てから連れ上り、イスラエルの山々に来させる。 39:03そして、お前の左手から弓を叩き落とし、右手から矢を落とさせる。 39:04お前とそのすべての軍隊も、共にいる民も、イスラエルの山の上で倒れる。わたしはお前をあらゆる種類の猛禽と野の獣の餌食として与える。 39:05お前は野の上に倒れる。まことにわたしがこれを語った、と主なる神は言われる。 39:06わたしは、火をマゴグと海岸地方に安らかに住む者たちに送る。そのとき、彼らはわたしが主であることを知るようになる。 39:07わたしは、わが民イスラエルの中にわが聖なる名を知らせる。わたしはわが聖なる名を二度と汚させない。そのとき、諸国民はわたしが主であり、イスラエルの中の聖なる者であることを知るようになる。 39:08このことは到来し、実現する、と主なる神は言われる。それは、わたしが語った日である。 39:09イスラエルの町々に住む者は出て来て、もろもろの武器、すなわち盾と大盾、弓矢、棍棒、槍を火で燃やす。彼らはそれで七年間火を燃やし続ける。 39:10彼らは、野から木を取ってくることも、森から薪を集めることもない。彼らは武器で火を燃やすからである。彼らは戦利品を取り返し、略奪されたものを奪い返す、と主なる神は言われる。 39:11その日、わたしはゴグのために、イスラエルの中のよく知られている場所を墓地として与える。それは海の東の旅人の谷である。その墓は旅人の道をふさいでしまう。人々はそこにゴグとすべての軍勢を埋め、そこをゴグの軍勢の谷と呼ぶようになる。 39:12イスラエルの家はその地を清めるため、七か月の間彼らを埋める。 39:13その地のすべての民は彼らを埋め、わたしが栄光を受ける日に民はその名を知られるようになる、と主なる神は言われる。 39:14民は、常に国中を行き巡る人々を選び、彼らにその土地に残っている侵入者たちを埋めさせ、その地を清めさせる。彼らは七か月の終わりまで、残っている者を探すであろう。 39:15国中を行き巡る者たちが行き巡り、人間の骨を見付けると、埋める者がそれをゴグの軍勢の谷に埋め終わるまで、その傍らに標識を立てておく。 39:16そこで、ハモナ(軍勢)という名の町ができる。こうして、彼らはその土地を清める。 39:17人の子よ、主なる神はこう言われる。あらゆる種類の猛禽と、あらゆる種類の野の獣に語りなさい。お前たちは集まれ。来て、わたしがお前たちのために屠ったわたしの犠牲に向かい周囲から集まれ。それはイスラエルの山々の上での大いなる犠牲である。お前たちはその肉を食らい、その血を飲め。 39:18勇士たちの肉を食らい、国の支配者たちの血を飲め。それは雄羊、小羊、雄山羊、雄牛であり、みなバシャンの肥えた動物たちである。 39:19お前たちは、わたしがお前たちのために屠った犠牲から、飽きるまで脂肪を食べ、酔うまで血を飲むがよい。 39:20お前たちはわたしの食卓で、馬や騎兵、勇士やすべての兵士たちの肉を飽きるまで食べる、と主なる神は言われる。 39:21わたしは国々の間にわが栄光を現し、国々はすべてわたしの行う裁きと、彼らの上に置くわたしの手を見る。 39:22その日から後、イスラエルの家はわたしが彼らの神、主であることを知るようになる。 39:23国々は、イスラエルの家がわたしに不信の行為を行ったために捕囚となったこと、また、わたしが顔を隠し、彼らを敵の手に渡したため、彼らは皆、剣に倒れたことを知るようになる。 39:24わたしは、彼らの汚れと罪に応じて行い、わたしの顔を隠した。 39:25それゆえ、主なる神はこう言われる。今やわたしはヤコブの繁栄を回復し、イスラエルの全家をわが聖なる名のゆえに熱い思いをもって憐れむ。 39:26彼らは自分の土地に安らかに住み、脅かす者がいなくなるとき、わたしに背いた恥とすべての不信の罪の責めを担う。 39:27わたしが彼らを諸国の民の中から帰らせ、敵の地から集めるとき、わたしは国々の前で、彼らを通して自分の聖なることを示す。 39:28わたしは彼らを国々に捕囚として送ったが、自分の土地に集めて、もはや、かの地には残さない。そのとき、彼らはわたしが彼らの神、主であることを知るようになる。 39:29わたしは二度とわが顔を彼らに隠すことなく、わが霊をイスラエルの家に注ぐ」と主なる神は言われる。 40:01我々が捕囚になってから二十五年、都が破壊されてから十四年目、その年の初めの月の十日、まさにその日に、主の手がわたしに臨み、わたしをそこへ連れて行った。 40:02神の幻によって、わたしはイスラエルの地に伴われ、非常に高い山の上に下ろされた。その南側に都のように建設された物があった。 40:03主がわたしをそこへ連れて行くと、その姿が青銅のように輝いている一人の人が門の傍らに立っており、手には麻縄と測り竿を持っていた。 40:04その人はわたしに向かって言った。「人の子よ、自分の目で見、自分の耳で聞き、わたしがこれから示す、すべてのことを心に留めなさい。あなたがここに連れて来られたのは、それを示すためです。あなたが見ることを、すべてイスラエルの家に告げなさい。」 40:05見ると、神殿の周囲を囲んでいる外壁があった。その人は六アンマの測り竿を手に持っていた。ここでいう一アンマは、普通のアンマに一トファを加えた長さである。彼がその壁を測ると、その厚さも、高さも一竿であった。 40:06彼は東の方に向いている門を入った。その石段を上って、門の敷居を測ると、奥行きは一竿、つまり最初の敷居の奥行きは一竿であった。 40:07そして、控えの間は奥行きも間口も一竿、控えの間と控えの間の間隔は五アンマであり、廊門を内側に抜けるところにある門の敷居の奥行きは一竿であった。 40:08廊門の奥行きを測ると、 40:09八アンマで、そこには厚さ二アンマの脇柱があり、それが内側の廊門であった。 40:10東の方に向いている門の控えの間は、通路の両側に三つずつあった。三つの部屋は同じ寸法であり、それに両側の脇柱も同じ寸法であった。 40:11門の入り口の幅を測ると、十アンマで、門全体の幅は十三アンマであった。 40:12それぞれの控えの間にある仕切りの厚さは一アンマ、向こう側の仕切りも一アンマであった。控えの間は両側ともに六アンマであった。 40:13門を、一方の控えの間の端から他方の控えの間の端まで測ると、二十五アンマであり、控えの間の入り口と入り口は向かい合っていた。 40:14廊門を測ると、六十アンマあり、柱は門に沿って庭の周囲を取り囲んでいた。 40:15正面入り口の門の前面から、内側に面した廊門の前面までは五十アンマであった。 40:16明かり取りの格子窓が、両側の門の内側の控えの間にも脇柱にもつけられており、同じように廊の内側にも、明かり取りの格子窓が向かい合ってつけられていた。脇柱にはなつめやしの飾りがあった。 40:17更に、彼はわたしを外庭に連れて行った。すると、そこに部屋があった。庭の周りには敷石があった。敷石に沿って、その周りには三十の部屋があった。 40:18敷石は門の両側にあり、門の奥行きと同じ幅で敷き詰められていた。それが下の敷石である。 40:19下の庭の広さを、下の門の内側から内庭の門の外側までの距離で測ると、百アンマあった。これが東側であり、北側も同じであった。 40:20外庭に続いて、北の方に向いている門があった。彼はその長さと幅を測った。 40:21控えの間は、両側に三部屋ずつあり、脇柱と廊は最初の門と同じ寸法であり、門の奥行きは五十アンマ、幅は二十五アンマであった。 40:22明かり取りの格子窓と廊となつめやしの飾りは東の方に向いている門と同じ寸法であった。それから七段の石段を上って入ると、その先に廊があった。 40:23内庭の門は、東の門と同じように、北の外門に相対していた。門から門までを測ると、百アンマであった。 40:24更に、彼はわたしを南の方へ連れて行った。すると、南の門があった。その脇柱と廊を測ると、やはり前と同じ寸法であった。 40:25脇柱と廊の周りには、前と同じように明かり取りの格子窓があった。門の奥行きは五十アンマ、幅は二十五アンマであった。 40:26七段の石段を上ると、その先に廊があり、なつめやしの飾りが一つずつ両側の脇柱にあった。 40:27内庭の門は南の方に向いており、この門から南に向いている外門までを測ると、百アンマであった。 40:28更に、彼は南に向いている門から、わたしを内庭に連れて行った。南の門を測ると、前の場合と同じ寸法であった。 40:29控えの間と脇柱と廊も前の場合と同じ寸法であり、脇柱と廊の周りには明かり取りの格子窓があった。門の奥行きは五十アンマ、幅は二十五アンマであった。 40:30その周囲の廊の長さは二十五アンマ、幅は五アンマであった。 40:31廊は外庭に向き、脇柱にはなつめやしの飾りがあり、石段は八段であった。 40:32更に、彼はわたしを内庭の東側に連れて行った。門を測ると、前と同じ寸法であった。 40:33控えの間と脇柱と廊も前と同じ寸法であった。脇柱と廊の周りには、明かり取りの格子窓があった。門の奥行きは五十アンマ、幅は二十五アンマであった。 40:34廊は外庭に向き、なつめやしの飾りが両側の脇柱に付けられており、石段は八段であった。 40:35更に、彼はわたしを北の門に連れて行った。彼がこれを測ると、前と同じ寸法であった。 40:36控えの間、脇柱、廊、その周囲の明かり取りの格子窓も同じであった。門の奥行きは五十アンマ、幅は二十五アンマであった。 40:37廊は外庭に向き、なつめやしの飾りが両側の脇柱に付けられていた。石段は八段であった。 40:38また一つの部屋があって、その入り口は門の脇柱のそばにあった。そこで、人々は焼き尽くす献げ物の動物を洗うのである。 40:39門の廊の両側には、それぞれ、二つの聖卓があった。この上で焼き尽くす献げ物、贖罪の献げ物、賠償の献げ物の動物が屠られる。 40:40北の門の入り口に上って行くと、廊門の外の片側に二つの聖卓があり、また、廊門の他の側にも二つの聖卓があった。 40:41つまり廊門の内側と外側に、それぞれ四つの聖卓が置かれ、聖卓は全部で八つあり、その上で動物を屠るのであった。 40:42焼き尽くす献げ物に用いる四つの聖卓は、長さ一アンマ半、幅も一アンマ半、そして、高さは一アンマの切り石であった。この上に、焼き尽くす献げ物と和解の献げ物を屠る道具を置くのである。 40:43一トファの長さの二またの鉤が部屋の内側の周りに列をなして付けられていた。献げ物の肉は、そこから聖卓の上に置かれる。 40:44内庭には、内門の外側に歌い手の部屋がある。一つは北の門の傍らにあって南の方へ向いており、もう一つは東の門の傍らにあって、北の方へ向いていた。 40:45彼はわたしに言った。「南の方へ向いている部屋は、神殿の務めを行う祭司のためである。 40:46北の方へ向いている部屋は、祭壇の務めを行う祭司のためである。」彼らはツァドクの子らであり、彼らだけが、レビ人の中で、主に近づいて仕えることが許される。 40:47彼が内庭を測ると、長さは百アンマ、幅も百アンマの正方形であり、神殿の前には祭壇があった。 40:48それから、彼はわたしを神殿の廊に連れて行った。廊の両側の脇柱を測ると、それぞれ五アンマであった。門の両側の壁の幅はそれぞれ三アンマ、 40:49廊門の幅は二十アンマ、奥行きは十二アンマであった。そして十段の石段を上った両側の脇柱の傍らにそれぞれ一本の円柱があった。 41:01彼はわたしを拝殿に連れて行った。まず、脇柱を測ると、こちら側の幅は六アンマ、あちら側の幅も六アンマであった。これが脇柱の幅である。 41:02入り口の幅は十アンマ、入り口の両側の壁の幅はこちら側が五アンマ、あちら側も五アンマであった。拝殿の奥行きを測ると四十アンマ、その横幅は二十アンマであった。 41:03内部に入って、次の入り口の脇柱の厚さを測ると二アンマ、その入り口自体の幅は六アンマ、入り口の両側の壁の幅はそれぞれ七アンマであった。 41:04更に、拝殿の奥の面まで奥行きを測ると二十アンマ、その横幅も二十アンマであった。そして彼はわたしに、「ここが至聖所である」と言った。 41:05彼が神殿の壁の厚さを測ると六アンマ、脇間の幅は四アンマで、神殿の周囲を囲んでいた。 41:06脇間の上には脇間があって、三階建になっていた。各階に三十の脇間があった。神殿の壁には、周囲に突き出た所があって、脇間の支えになっていた。神殿の壁には、支えが差し込まれていないからである。 41:07回廊となっている神殿の脇間は上にいくほど広くなっており、神殿は各階ごとに回廊がついている。しかも、階が上がるごとに広くなっている。地階から最上階へは中間の階を経て上っていく。 41:08次にわたしは、神殿の周囲が一段と高く舗装されているのを見た。それは脇間の土台で、その高さはちょうど一竿、または六アンマであった。 41:09脇間の外側の壁の厚さは五アンマであった。そして、空き地が神殿の脇間と、 41:10神殿を取りまく周囲の部屋との間にあり、その横幅は二十アンマであった。 41:11脇間の入り口については、一つが北へ、他の一つが南へ向いており、その間に空き地があった。この空き地は周囲にあって、その幅は五アンマであった。 41:12神殿の西側にある神域に面した別殿は奥行き七十アンマ、建物の周囲の壁は厚さ五アンマ、建物の横幅は九十アンマであった。 41:13神殿を測ると、奥行きは百アンマであり、神域と別殿の奥行きとその壁の厚さを合計すると百アンマであった。 41:14神殿の正面は、神域に面する裏側と同じくその幅は百アンマであり、 41:15神域に面し、その裏側にある別殿の横幅を測ると、その両側のテラスを含めて百アンマであった。奥の拝殿とその前の廊と、 41:16敷居、明かり取りの格子窓、敷居の前の三方にある周りのテラスは、それぞれ周囲を板ではり巡らされていた。その床から窓まで、それから窓枠も板張りであった。 41:17そして、入り口の上まで、また、神殿の内側と外側にも、更に周囲の壁にも内側と外側に、くまなく、 41:18ケルビムとなつめやしの模様が刻まれていた。なつめやしは、ケルビムとケルビムの間にあった。ケルビムには二つの顔があって、 41:19人間の顔はこちらのなつめやしに向き、獅子の顔はあちらのなつめやしに向いていた。それは神殿の周りにも刻まれていた。 41:20床から入り口の鴨居の上まで、神殿の壁にはケルビムとなつめやしが刻まれていた。 41:21拝殿の入り口には四つの側柱があった。聖所の前にあったのは、 41:22木製の祭壇で、その高さは三アンマ、長さは二アンマであり、四隅には縁があった。その台と側面は木製であった。彼はわたしに、「これは主の前に置かれた聖卓である」と言った。 41:23拝殿には、二つの扉があって、聖所にも 41:24二つの扉があった。それぞれの扉は二つに折れるようになっていた。一つの扉は二枚となっており、他方の扉も二枚になっていた。 41:25それらの拝殿の扉には、壁に刻まれているのと同じように、ケルビムとなつめやしが刻まれていた。廊の正面の外側には、木製の格子がついていた。 41:26そして、明かり取りの格子窓と、なつめやしの模様が、廊の両側と神殿の脇間と差し掛け屋根にほどこされていた。 42:01それから、彼はわたしを北側の方の外庭に連れて行き、神域と別殿に対して北側にある部屋に入らせた。 42:02その北側の正面の横幅は百アンマ、その奥行きは五十アンマであった。 42:03内庭に向かい合って二十アンマのところに、また、外庭の敷石にも向かい合って、三段の階段状の建物があった。 42:04それらの部屋の前には、幅十アンマの通路があり、内庭に沿って幅一アンマの道があった。部屋の入り口は北側にあった。 42:05その最上階に並んでいる部屋は狭くなっていた。それは、テラスが建物の地階と中間の階より、より多くの場所をとっていたからである。 42:06この建物は三段になっていた。そこには外庭にあるような柱がなかった。そのため、この建物は地面から地階、中間の階と順次に狭くなっていた。 42:07また、外庭に通じる部屋に沿う外側には境壁があった。この長さは部屋に沿って五十アンマであった。 42:08外庭に面した部屋の長さが五十アンマだからである。こうして、建物の全長は百アンマとなる。 42:09これらの部屋の下の方には、東側からの入り口があって、外庭から入れるようになっていた。 42:10そこから外庭の境壁が始まっていた。東側にも、神域と別殿とに沿って部屋があった。 42:11その前には道があった。この部屋の形は北側の部屋と同じであり、横幅も奥行きも同じであった。また出口と、その配置、入り口もみな同じ形であった。 42:12南側の部屋の入り口のうち、一つは道の角にあった。その道は丈夫な隔離壁に面しており、東から入るようになっていた。 42:13彼はわたしに言った。「神域に面した北側の部屋と南側の部屋は、いずれも神聖な部屋である。この場所で、主に近づく祭司たちが最も神聖なものを食べる。またそこに、彼らは最も神聖なものを置く。それは穀物の献げ物、贖罪の献げ物、賠償の献げ物である。この場所が神聖だからである。 42:14祭司たちが聖所に入ったときは、聖所からそのまま外庭へ出てはならない。務めの時に身に着けた衣服はそこに置く。なぜなら、それは神聖だからである。彼らは別の衣服に着替えて、民のいる所に近づかねばならない。」 42:15彼が神殿内の測量を終わると、東に面している門からわたしを外へ連れ出し、そして、彼は周囲を測った。 42:16彼が東側を測り竿で測ると、長さはその測り竿で五百アンマであった。 42:17また、移動して北側を測り竿で測ると、長さは測り竿で五百アンマであった。次に転じて、 42:18南側を測り竿で測ると、長さはその測り竿で五百アンマ。 42:19彼が西側に転じて、測り竿で測ると、その長さはその測り竿で五百アンマであった。 42:20彼は四方を測ったが、外壁は全体を囲んでおり、その長さは五百アンマ、幅も五百アンマであった。それは、聖なるものを俗なるものから区別するためであった。 43:01それから、彼はわたしを東の方に向いている門に導いた。 43:02見よ、イスラエルの神の栄光が、東の方から到来しつつあった。その音は大水のとどろきのようであり、大地はその栄光で輝いた。 43:03わたしが見た幻は、このような幻であった。それは彼が町を滅ぼすために来たとき、わたしが見た幻と同じであった。その幻は、わたしがケバル川の河畔で見た幻と同じであった。わたしはひれ伏した。 43:04主の栄光は、東の方に向いている門から神殿の中に入った。 43:05霊はわたしを引き上げ、内庭に導いた。見よ、主の栄光が神殿を満たしていた。 43:06わたしは神殿の中から語りかける声を聞いた。そのとき、かの人がわたしの傍らに立っていた。 43:07彼はわたしに言った。「人の子よ、ここはわたしの王座のあるべき場所、わたしの足の裏を置くべき場所である。わたしは、ここで、イスラエルの子らの間にとこしえに住む。二度とイスラエルの家は、民も王たちも、淫行によって、あるいは王たちが死ぬとき、その死体によって、わが聖なる名を汚すことはない。 43:08彼らがその敷居をわたしの敷居の脇に据え、彼らの門柱をわたしの門柱の傍らに立てたので、わたしと彼らとの間は、壁一つの隔りとなった。彼らは忌まわしいものを造って、わが聖なる名を汚したので、わたしは怒りをもって彼らを滅ぼした。 43:09今、わたしのもとから、淫行と王たちの死体を遠ざけよ。そうすれば、わたしは彼らの間にとこしえに住む。 43:10人の子よ、あなたはイスラエルの家にこの神殿を示しなさい。それは彼らが自分の罪を恥じ、神殿のあるべき姿を測るためである。 43:11もし彼らが行ってきたすべてのことを恥じたならば、神殿の計画と施設と出入り口、そのすべての計画とすべての掟、計画と律法をすべて彼らに知らせなさい。それを彼らの目の前で書き記し、そのすべての計画と掟に従って施工させなさい。 43:12以下は山の頂の神殿に関する律法である。周囲を区切られたこの領域はすべて最も神聖である。見よ、これが神殿に関する律法である。 43:13祭壇の大きさをアンマで示すと、次のとおりである。ただし、これは普通のアンマに一トファを加えたものである。祭壇の土台の周囲の溝は深さ一アンマ、幅一アンマで、溝の周囲の縁取りの高さは一ゼレトである。祭壇の台座は、次のようである。 43:14地下の溝から下の段までの高さは二アンマ、その幅は一アンマで、中段から上段までの高さは四アンマ、その幅は一アンマである。 43:15祭壇の炉の高さは四アンマで、炉の四隅には四つの角が出ている。 43:16この炉は長さ十二アンマ、幅十二アンマの正方形である。 43:17これを支える中段の四辺は長さ十四アンマ、幅十四アンマである。その周囲の縁は高さ二分の一アンマ、周りの溝の幅は一アンマである。祭壇の階段は東に向いている。」 43:18彼はわたしに言った。「人の子よ、主なる神はこう言われる。以下は焼き尽くす献げ物をささげ、血を注ぐ祭壇を造る時の掟である。 43:19ツァドクの子孫であるレビ人の祭司だけが、わたしに仕えるためにわたしに近づくことができる、と主なる神は言われる。あなたは彼らに贖罪の献げ物である若い雄牛を与えなさい。 43:20あなたはその血を取って、祭壇の四つの角と土台の四隅と周囲の縁に注ぎ、それを清め贖いなさい。 43:21あなたは、贖罪の献げ物の雄牛を取って、それを聖所の外の神殿の定められた場所で焼きなさい。 43:22その翌日、あなたは無傷の雄山羊を贖罪の献げ物としてささげ、それによって、雄牛で清めたように、祭壇を清めなさい。 43:23あなたは、清めを完了したのち、無傷の若い雄牛と、群れの中から選んだ無傷の雄羊をささげなさい。 43:24あなたは、それらを主の前にささげ、祭司たちはその上に塩をまき、焼き尽くす献げ物として主にささげる。 43:25あなたは、七日の間、毎日、贖罪の献げ物の雄山羊をささげ、また若い雄牛と群れの中から選んだ無傷の雄羊を選んでささげなさい。 43:26七日の間、彼らは祭壇を贖い、清めて、奉献しなければならない。 43:27これらの日が終わると、八日目以後、祭司たちはあなたたちの焼き尽くす献げ物と和解の献げ物を祭壇にささげる。そして、わたしはあなたたちを受け入れる」と主なる神は言われる。 44:01それから、彼はわたしを東に面した聖所の外の門の方へ連れ戻した。門は閉じられていた。 44:02主はわたしに言われた。「この門は閉じられたままにしておく。開いてはならない。だれもここを通ってはならない。イスラエルの神、主がここから入られたからである。それゆえ、閉じられたままにしておく。 44:03しかし君主だけは、ここに君主として座り、主の前で食物を食べてもよい。ただし門の廊から入り、またそこから出て行かなければならない。」 44:04それから、彼はわたしを北の門を通って神殿の前に連れて行った。わたしが見ると、主の栄光が主の神殿を満たしていた。わたしはひれ伏した。 44:05主はわたしに言われた。「人の子よ、わたしがあなたに、主の神殿に関して語るすべてのこと、そのすべての掟とすべての律法に心を留め、自分の目で見、自分の耳で聞きなさい。特に、神殿に入ってよい者と、聖所から排除すべき者すべてに注意しなさい。 44:06それから、反逆する者であるイスラエルの家に向かって言いなさい。主なる神はこう言われる。イスラエルの家よ、お前たちのすべての忌まわしい行いは既に十分である。 44:07お前たちは心に割礼を受けず、体にも割礼を受けていない外国人を、わたしの聖所の中に引き入れてとどまらせ、彼らにわたしの食物として脂身と血をささげさせ、わたしの神殿を汚し、すべての忌まわしい行いによってわたしの契約を破った。 44:08お前たちはわたしの聖所の務めを守らず、お前たちの代わりに外国人をわたしの聖所で務めを行う者にした。 44:09主なる神はこう言われる。心に割礼を受けず、体にも割礼を受けていないすべての外国人、すなわちイスラエルの子らの中に住んでいるすべての外国人は、わたしの聖所に入ってはならない。 44:10レビ人は、イスラエルが迷ったとき、わたしから離れて偶像に従い迷ったので、その罪を負わねばならない。 44:11彼らはわたしの聖所で奉仕するが、神殿のそれぞれの門に詰めて神殿の雑務を行う。彼らは、民のために焼き尽くす献げ物と会食の献げ物の動物を屠り、民の前で彼らに仕える。 44:12彼らは民の偶像礼拝を助け、イスラエルの家のつまずきとし、罪を犯させたからである。それゆえ、わたしは手を上げて誓う、と主なる神は言われる。彼らは自分の罪を負わねばならない。 44:13彼らは、祭司としてわたしに仕えるために近づくことはできない。また、最も神聖な、わたしの聖なるいかなるものにも触れることはできない。彼らは自分の犯した恥ずべきこと、忌まわしいことの責任を負わねばならない。 44:14わたしは、彼らを神殿の雑務を行う者とし、神殿で行われるさまざまな仕事を与える。 44:15イスラエルの子らが迷って、わたしから離れたとき、わたしの聖所の務めを守ったレビ人の祭司であるツァドクの子孫は、わたしに近づき仕えることができる。彼らはわたしの前に立って、脂肪と血をささげねばならない、と主なる神は言われる。 44:16彼らはわたしの聖所に入ることができる。彼らはわたしの聖卓に近づいて、わたしに仕え、務めを行う。 44:17彼らが内庭の門に入るときは、亜麻布の衣服を着なければならない。内庭の門と神殿で仕えるときは、羊毛のものを身に着けてはならない。 44:18頭には亜麻布のターバンをかぶり、腰には亜麻布の短いズボンをはかねばならない。汗が出るようなものを着てはならない。 44:19彼らが民のいる外庭に出て行くときは、務めを行うときに着用した衣服を脱ぎ、神聖な部屋に置き、別の衣服を着なければならない。彼らがその衣服で民に神聖さを移すことがないためである。 44:20祭司は頭をそってはならない。また髪を伸ばしてはならない。頭髪はきちんと刈り込んでおかねばならない。 44:21祭司はだれでも、内庭に入るとき、ぶどう酒を飲んでいてはならない。 44:22彼らは、寡婦や離婚された女を妻にめとってはならない。イスラエルの家の血筋を引く処女をめとらねばならない。しかし、祭司の妻で寡婦になった者は、めとってもよい。 44:23彼らは、わたしの民に聖と俗の区別を示し、また、汚れたものと清いものの区別を教えねばならない。 44:24争いのあるときは、彼らが裁く者として臨み、わたしの裁きによって裁かねばならない。彼らは、わたしが定めたすべての祝祭日に、わたしの律法と掟を守らねばならない。また、わたしの安息日を聖別しなければならない。 44:25祭司は、死人の出た家に入って自分の身を汚してはならない。ただし父、母、息子、娘、兄弟、および未婚の姉妹の場合は、身を汚してもよい。 44:26祭司は、身を清めたのち、七日間、待たねばならない。 44:27再び聖所で仕えるために、聖所の内庭に入る日には、贖罪の献げ物をささげねばならない、と主なる神は言われる。 44:28彼らは嗣業を持たない。わたしが彼らの嗣業である。あなたたちはイスラエルにおいて彼らに財産を与えてはならない。わたしが彼らの財産である。 44:29彼らは穀物の献げ物、贖罪の献げ物、賠償の献げ物としてささげられたものを食べることができる。イスラエルにおいてささげられたものは、ことごとく彼らに与えられる。 44:30あらゆる初物の献げ物の中で最良のものはすべて、また、あなたたちがささげるすべてのものの中で最良の献げ物はすべて、祭司のものとなる。あなたたちが初物の麦粉で作ったものも祭司に与えねばならない。あなたたちの家に祝福をもたらすためである。 44:31祭司は、鳥でも獣でも、自然に死んだものにせよ、かみ殺されたものにせよ、すべて死んでいたものを食べてはならない。」 45:01「あなたたちが、国を嗣業として割り当てるときは、土地の一部を聖なる献げ物として主にささげねばならない。その土地は、長さ二万五千アンマ、幅二万アンマであり、この領域は周囲全体にわたって聖なるものとなる。 45:02このうち縦横五百アンマの正方形の区域を聖所の境内とし、その周囲に幅五十アンマの放牧地を設けねばならない。 45:03あなたは、この地域から長さ二万五千アンマ、幅一万アンマを測り、そこに最も聖なる聖所を設けねばならない。 45:04それは、この地の聖なる場所であって、神殿に仕える祭司たちのものとなる。彼らは主に仕えるために近づくことができる。それは、彼らの家を建てる場所であって、聖所の聖域でもある。 45:05また、もう一つの長さ二万五千アンマ、幅一万アンマの地域は神殿に仕えるレビ人の所有となり、彼らの住む町となる。 45:06あなたたちは、聖なる献げ物としてささげた献納地に沿って、幅五千アンマ、長さ二万五千アンマの区域を都の所有にしなければならない。これは、イスラエルの家全体のものである。 45:07君主の領地は、聖なる献納地と都の所有地の両側にあって、聖なる献納地と都の所有地に隣接し、西側は西の方に、東側は東の方に広がっている。その長さは一つの部族の割り当て地の西の境から東の境に及ぶ長さに相当する。 45:08これは、君主がイスラエルにおいて所有する土地である。わたしが立てた君主たちは、もはやわが民を虐げない。彼らはその他の土地をイスラエルの家とその部族にゆだねる。」 45:09主なる神はこう言われる。イスラエルの君主たちよ、もう十分だ。不法と強奪をやめよ。正義と恵みの業を行い
わが民を追い立てることをやめよと
主なる神は言われる。
45:10「あなたたちは、正確な天秤、正確なエファ升、正確なバト升を用いなさい。 45:11そのエファ升とバト升は、同じ量の入れ物でなければならない。一バトは一ホメルの十分の一であり、一エファは一ホメルの十分の一である。その測定はホメルによる。 45:12一シェケルは二十ゲラである。二十シェケル、二十五シェケル、十五シェケルの合計が一マネである。 45:13あなたたちがささげるべき献げ物の割合は、次のとおりである。小麦については、一ホメルにつき六分の一エファ。大麦については、一ホメルにつき六分の一エファ。 45:14油についての掟は――油はバト升を用いる――一コルから十分の一バト。十バトは一ホメルであり、同様に十バトは一コルである。 45:15また、イスラエルの牧羊地から二百匹の群れにつき羊一匹である。これらのものを穀物の献げ物、焼き尽くす献げ物、和解の献げ物としてささげ、彼らの贖いとせよ、と主なる神は言われる。 45:16国のすべての民はこれらの献げ物をイスラエルの君主にもたらさねばならない。 45:17そして君主は、焼き尽くす献げ物、穀物の献げ物、ぶどう酒の献げ物を、巡礼の祭り、新月の祭り、安息日、およびイスラエルの家に定められたすべての祝日にささげねばならない。君主は、イスラエルの家の贖いのために、贖罪の献げ物、穀物の献げ物、焼き尽くす献げ物、和解の献げ物をささげねばならない。」 45:18主なる神はこう言われる。「一月一日に、あなたは無傷の雄牛の子一頭を取って、聖所を清めねばならない。 45:19祭司は贖罪のいけにえの血を取って、それを神殿の門柱と祭壇の台となっている段の四隅と、内庭の門柱に塗らねばならない。 45:20また、その月の七日に、あなたは、誤って罪を犯した者、また知らないで罪を犯した者のために、同じようにして神殿を清めねばならない。 45:21一月十四日に、あなたたちは、過越祭を七日の間祝い、酵母を入れないパンを食べねばならない。 45:22君主はこの日、自分自身のため、また、国のすべての民のために、贖罪の献げ物の雄牛をささげねばならない。 45:23その祭りの七日の間、焼き尽くす献げ物として、無傷の雄牛七頭と雄羊七匹を七日の間毎日、主にささげねばならない。また、贖罪の献げ物として、雄山羊を毎日ささげねばならない。 45:24更に、穀物の献げ物を雄牛一頭について一エファ、雄羊一匹について一エファささげねばならない。一エファごとに油一ヒンを添えなさい。 45:25七月十五日の祭りにも、同じように七日の間、贖罪の献げ物、焼き尽くす献げ物、穀物の献げ物と油をささげねばならない。」 46:01主なる神はこう言われる。「内庭の東向きの門は、仕事をする六日の間、閉じておかねばならない。安息日には門を開く。また、新月の日にも門を開かねばならない。 46:02君主は外から門の廊を通って中に入り、祭司たちが焼き尽くす献げ物と和解の献げ物をささげている間、門柱の傍らに立っていなければならない。そして、門の敷居の所で礼拝した後、出て行く。門は夕方まで閉じてはならない。 46:03国の民は、安息日と新月に、門の入り口の所で主に向かって礼拝しなければならない。 46:04君主が、安息日に主にささげる焼き尽くす献げ物は、無傷の小羊六匹と無傷の雄羊一匹である。 46:05また、穀物の献げ物は、雄羊一匹について麦粉一エファ、小羊については、彼が望むだけの穀物の献げ物をささげる。また、麦粉一エファについて油一ヒンを添える。 46:06新月の日にささげるものは、無傷の雄牛の子一頭、そして、小羊六匹、雄羊一匹である。これらも無傷でなければならない。 46:07この雄牛一頭について一エファ、雄羊一匹についても一エファの穀物をささげねばならない。そして、小羊については、そのときに可能なだけの穀物をささげねばならない。麦粉一エファについては、油一ヒンを添える。 46:08君主が入るときは、門の廊を通って入り、また、そこを通って出て行かねばならない。 46:09しかし国の民が、定められた祝日に主の前に入るときは北の門を通って、礼拝に来た者は南の門を通って出て行き、南の門を通って来た者は、北の門を通って出て行かねばならない。入って来た門を通って帰ってはならない。真向かいの門から出て行かねばならない。 46:10君主は彼らの間にあって、彼らが入るときに入り、彼らが出るときに出て行かねばならない。 46:11巡礼の祭りと定められた祝日とに、穀物の献げ物は、雄牛一頭について麦粉一エファ、雄羊一匹について麦粉一エファ、小羊については、彼が望むだけの穀物の献げ物をささげる。また、麦粉一エファについて、油一ヒンを添える。 46:12また、君主が、随意の献げ物をささげるとき、それが焼き尽くす献げ物であれ、和解の献げ物であれ、随意に主にささげようとするときは、彼のために、東に面した門を開かねばならない。そして、彼は安息日に行うように焼き尽くす献げ物、または和解の献げ物をささげることができる。彼はささげ終わると出て行く。彼が出て行った後、門は閉じられる。 46:13あなたは、朝ごとに無傷の一歳の小羊一匹を、日ごとの焼き尽くす献げ物として、主にささげねばならない。朝ごとに、それをささげねばならない。 46:14あなたは、朝ごとにそれに添えて穀物の献げ物をささげねばならない。すなわち、朝ごとに上等の小麦粉六分の一エファと、それに振りかける油三分の一ヒンである。これは、主にささげる穀物の献げ物であり、変わることのない永遠の掟である。 46:15朝ごとに、小羊一匹と穀物の献げ物と油をささげねばならない。これは、変わることのない朝ごとの焼き尽くす献げ物である。」 46:16主なる神はこう言われる。「君主が、その子のだれかに嗣業を贈与するならば、それはその子の所有地となり、それは嗣業に含まれる。 46:17君主が家臣のだれかに嗣業の一部を贈与すれば、それは解放の年まで彼のものとなる。しかしその後、君主に返さねばならない。君主の嗣業を所有できるのは、その子らだけである。 46:18君主は民の嗣業を取り上げてはならない。彼らの所有地を奪ってはならない。自分の所有地は自分の子らに相続させねばならない。それは、わが民の一人でも、その所有地から追い立てられることがないためである。」 46:19彼はまた、門の傍らにある入り口から、北に面した祭司の聖なる部屋にわたしを連れて行った。そこには西向きの隅に一つの場所があった。 46:20彼はわたしに言った。「ここは、祭司たちが賠償の献げ物と贖罪の献げ物を煮、穀物の献げ物を焼くところである。これらのものを外庭に持ち出して、神聖さを民に移すことがないためである。」 46:21彼はわたしを外庭に連れ出して、庭の四隅を回らせた。庭のそれぞれの隅には、また庭があった。 46:22四隅の庭は、それぞれ囲まれた庭であり、長さ四十アンマ、幅三十アンマであった。四つの庭は同じ大きさで、四隅にあった。 46:23四つとも、その周囲は石壁で囲まれており、また、石垣を巡らせた煮る場所が設けられていた。 46:24彼はわたしに言った。「ここは、神殿に仕える者たちが、民のささげるいけにえを煮る場所である。」 47:01彼はわたしを神殿の入り口に連れ戻した。すると見よ、水が神殿の敷居の下から湧き上がって、東の方へ流れていた。神殿の正面は東に向いていた。水は祭壇の南側から出て神殿の南壁の下を流れていた。 47:02彼はわたしを北の門から外へ回らせ、東に向かう外の門に導いた。見よ、水は南壁から流れていた。 47:03その人は、手に測り縄を持って東の方に出て行き、一千アンマを測り、わたしに水の中を渡らせると、水はくるぶしまであった。 47:04更に一千アンマを測って、わたしに水を渡らせると、水は膝に達した。更に、一千アンマを測って、わたしに水を渡らせると、水は腰に達した。 47:05更に彼が一千アンマを測ると、もはや渡ることのできない川になり、水は増えて、泳がなければ渡ることのできない川になった。 47:06彼はわたしに、「人の子よ、見ましたか」と言って、わたしを川岸へ連れ戻した。 47:07わたしが戻って来ると、川岸には、こちら側にもあちら側にも、非常に多くの木が生えていた。 47:08彼はわたしに言った。「これらの水は東の地域へ流れ、アラバに下り、海、すなわち汚れた海に入って行く。すると、その水はきれいになる。 47:09川が流れて行く所ではどこでも、群がるすべての生き物は生き返り、魚も非常に多くなる。この水が流れる所では、水がきれいになるからである。この川が流れる所では、すべてのものが生き返る。 47:10漁師たちは岸辺に立ち、エン・ゲディからエン・エグライムに至るまで、網を広げて干す所とする。そこの魚は、いろいろな種類に増え、大海の魚のように非常に多くなる。 47:11しかし、その沢と沼はきれいにならず、塩を取ることができる。 47:12川のほとり、その岸には、こちら側にもあちら側にも、あらゆる果樹が大きくなり、葉は枯れず、果実は絶えることなく、月ごとに実をつける。水が聖所から流れ出るからである。その果実は食用となり、葉は薬用となる。」 47:13主なる神はこう言われる。「あなたたちが、イスラエルの十二部族に土地を嗣業として割り当てるときの境界線は、次のとおりである。ヨセフの割り当て地は二倍である。 47:14あなたたちは、土地を平等に割り当てねばならない。この土地は、わたしがあなたたちの先祖に与える、と手を上げて誓ったものである。この土地は、あなたたちに嗣業として割り当てられる。 47:15以下が土地の境界線である。北の端は大海からヘトロンの方へ、レボ・ハマト、ツェダド、 47:16ベロタ、シブライム――それはダマスコの国境とハマトの国境の間にある――を経て、ハウランの境界線に臨むハツァル・ティコンに及ぶ。 47:17こうして、境界線は海から始まり、ダマスコの国境の北にあるハツァル・エノンに至る。ハマトの国境は更に北にある。これが北の端である。 47:18東の端はハウランとダマスコの間を通り、更にギレアドとイスラエルの土地の間、つまりヨルダンを経て東の海に接する地域からタマルに及ぶ。これが東の端である。 47:19南の端は、南の方に向かってタマルからカデシュのメリバの泉に至り、大海に注ぐ川に及ぶ。これが南方、南の端である。 47:20西の端は大海で、レボ・ハマトに向かい合った地域に及んでいる。これが西の端である。 47:21あなたたちは、この土地を自分たちイスラエルの各部族に分けねばならない。 47:22この土地を、あなたたち自身とあなたたちの間に滞在し、あなたたちの間で子をもうけるにいたった外国人に、くじで嗣業として割り当てねばならない。彼らをイスラエルの子らの中で同じ資格のある者として扱わねばならない。あなたたちと共に彼らにも嗣業をくじでイスラエルの部族の間に割り当てねばならない。 47:23外国人には、その滞在している部族の中で嗣業を与えねばならない」と主なる神は言われる。 48:01部族の名は次のとおりである。「北の限界は、ヘトロンの道からレボ・ハマトを経てハツァル・エナンに至る。これがダマスコとの国境である。その北側にハマトがある。その東の端から海までがダン族のものである。これが一部族。 48:02ダン族の境界線に沿って、東の端から西の端までがアシェル族のものである。これが一部族。 48:03アシェル族の境界線に沿って、東の端から西の端までがナフタリ族のものである。これが一部族。 48:04ナフタリ族の境界線に沿って、東の端から西の端までがマナセ族のものである。これが一部族。 48:05マナセ族の境界線に沿って、東の端から西の端までがエフライム族のものである。これが一部族。 48:06エフライム族の境界線に沿って、東の端から西の端までがルベン族のものである。これが一部族。 48:07ルベン族の境界線に沿って、東の端から西の端までがユダ族のものである。これが一部族。 48:08ユダ族の境界線に沿って、東の端から西の端までは、あなたたちがささげる献納地にしなければならない。その幅は二万五千アンマで、長さは東の端から西の端に及ぶ各部族の割り当て地の長さと同じである。その中央に聖所が置かれる。 48:09あなたたちが主にささげる献納地は、長さ二万五千アンマ、幅は一万アンマである。 48:10祭司のものである聖なる献納地の広さは、次のとおりである。北側の長さは二万五千アンマ、西側の幅は一万アンマ、東側の幅は一万アンマ、南側の長さは二万五千アンマである。その中央に主の聖所が置かれる。 48:11この聖別された土地は祭司たち、つまりツァドクの子孫である祭司のものである。彼らはイスラエルの子らが迷ったとき、レビ人たちが迷ったように迷うことなく、わたしの務めを守った。 48:12彼らの献納地は、国の献納地のなかで最も神聖であり、レビ人の領地に沿っている。 48:13レビ人のものは祭司の領地に沿っており、長さ二万五千アンマ、幅一万アンマである。両者を合わせた全体の長さは二万五千アンマ、幅は二万アンマである。 48:14その一部でも売却したり、交換したりしてはならない。この最良の土地を譲り渡してはならない。それは主に属する聖なるものだからである。 48:15幅五千アンマ、長さ二万五千アンマの残りの土地は一般用であり、居住地として、また牧草地として都に属するものである。都はその中央に置かれる。 48:16都の大きさは、次のとおりである。北側は四千五百アンマ、南側も四千五百アンマ、東側も四千五百アンマ、西側も四千五百アンマである。 48:17都の牧草地は北へ二百五十アンマ、南へ二百五十アンマ、東へ二百五十アンマ、西へ二百五十アンマである。 48:18都の両側に残された土地は聖なる献納地に沿い、長さは東へ一万アンマ、西へ一万アンマである。それは聖なる献納地に沿っている。この土地の産物は都で働く人々の食糧になる。 48:19都で働く人々は、イスラエルの全部族から出た人々でありこの土地を耕す。 48:20献納地は全体で二万五千アンマ四方である。あなたたちは聖なる献納地を都の所有地と合わせてささげねばならない。 48:21聖なる献納地と都の所有地の両側にある残りの土地は、君主のものである。それは献納地の二万五千アンマの長さに沿っており、そこから東の境までである。西の方も二万五千アンマの長さに沿い、そこから西の境までである。それは部族の割り当て地に沿っており、君主のものである。その中央には神殿の聖所のある聖なる献納地がある。 48:22君主の所有地は、レビ族の所有地と都の所有地の両側にあって、ユダ族の境界線とベニヤミン族の境界線の間にある。それは君主のものである。 48:23また残りの部族については、東の端から西の端まで、先ずベニヤミン族のものである。これが一部族。 48:24次に、ベニヤミン族の境界線に沿って、東の端から西の端まで、シメオン族のものである。これが一部族。 48:25次に、シメオン族の境界線に沿って、東の端から西の端まで、イサカル族のものである。これが一部族。 48:26次に、イサカル族の境界線に沿って、東の端から西の端まで、ゼブルン族のものである。これが一部族。 48:27次に、ゼブルン族の境界線に沿って、東の端から西の端まで、ガド族のものである。これが一部族。 48:28ガド族の境界線に沿って、南側に南の境界線が延びている。それはタマルからカデシュのメリバの泉を経て、大海に注ぐ川に達する。 48:29これが、あなたたちが嗣業としてイスラエルの各部族に割り当てるべき土地である。以上が彼らの割り当て地である」と主なる神は言われる。 48:30都の出口は、次のとおりである。北側は長さ四千五百アンマである。 48:31都の門はイスラエルの部族の名にしたがって、北の方に三つの門がある。ルベンの門が一つ、ユダの門が一つ、レビの門が一つである。 48:32東側も長さ四千五百アンマである。そこに三つの門がある。ヨセフの門が一つ、ベニヤミンの門が一つ、ダンの門が一つである。 48:33南側も長さ四千五百アンマである。そこに三つの門がある。シメオンの門が一つ、イサカルの門が一つ、ゼブルンの門が一つである。 48:34西側も長さ四千五百アンマである。そこに三つの門がある。ガドの門が一つ、アシェルの門が一つ、ナフタリの門が一つである。 48:35都の周囲は一万八千アンマである。この都の名は、その日から、「主がそこにおられる」と呼ばれる。


 
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