01:01第三十年の四月五日のことである。わたしはケバル川の河畔に住んでいた捕囚の人々の間にいたが、そのとき天が開かれ、わたしは神の顕現に接した。 01:02それは、ヨヤキン王が捕囚となって第五年の、その月の五日のことであった。 01:03カルデアの地ケバル川の河畔で、主の言葉が祭司ブジの子エゼキエルに臨み、また、主の御手が彼の上に臨んだ。 01:04わたしが見ていると、北の方から激しい風が大いなる雲を巻き起こし、火を発し、周囲に光を放ちながら吹いてくるではないか。その中、つまりその火の中には、琥珀金の輝きのようなものがあった。 01:05またその中には、四つの生き物の姿があった。その有様はこうであった。彼らは人間のようなものであった。 01:06それぞれが四つの顔を持ち、四つの翼を持っていた。 01:07脚はまっすぐで、足の裏は子牛の足の裏に似ており、磨いた青銅が輝くように光を放っていた。 01:08また、翼の下には四つの方向に人間の手があった。四つとも、それぞれの顔と翼を持っていた。 01:09翼は互いに触れ合っていた。それらは移動するとき向きを変えず、それぞれ顔の向いている方向に進んだ。 01:10その顔は人間の顔のようであり、四つとも右に獅子の顔、左に牛の顔、そして四つとも後ろには鷲の顔を持っていた。 01:11顔はそのようになっていた。翼は上に向かって広げられ、二つは互いに触れ合い、ほかの二つは体を覆っていた。 01:12それらはそれぞれの顔の向いている方向に進み、霊の行かせる所へ進んで、移動するときに向きを変えることはなかった。 01:13生き物の姿、彼らの有様は燃える炭火の輝くようであり、松明の輝くように生き物の間を行き巡っていた。火は光り輝き、火から稲妻が出ていた。 01:14そして生き物もまた、稲妻の光るように出たり戻ったりしていた。 01:15わたしが生き物を見ていると、四つの顔を持つ生き物の傍らの地に一つの車輪が見えた。 01:16それらの車輪の有様と構造は、緑柱石のように輝いていて、四つとも同じような姿をしていた。その有様と構造は車輪の中にもう一つの車輪があるかのようであった。 01:17それらが移動するとき、四つの方向のどちらにも進むことができ、移動するとき向きを変えることはなかった。 01:18車輪の外枠は高く、恐ろしかった。車輪の外枠には、四つとも周囲一面に目がつけられていた。 01:19生き物が移動するとき、傍らの車輪も進み、生き物が地上から引き上げられるとき、車輪も引き上げられた。 01:20それらは霊が行かせる方向に、霊が行かせる所にはどこにでも進み、車輪もまた、共に引き上げられた。生き物の霊が、車輪の中にあったからである。 01:21生き物が進むときには車輪も進み、生き物が止まるときには車輪も止まった。また、生き物が地上から引き上げられるとき、車輪も共に引き上げられた。生き物の霊が、車輪の中にあったからである。 01:22生き物の頭上には、恐れを呼び起こす、水晶のように輝く大空のようなものがあった。それは生き物の頭上に高く広がっていた。 01:23大空の下では、生き物の一対の翼がまっすぐに伸びて互いに触れ合い、他の一対の翼が体を覆っていた。すなわち、それぞれの一対の翼が彼らの体を覆っていた。 01:24それらが移動するとき、翼の羽ばたく音をわたしは聞いたが、それは大水の音のように、全能なる神の御声のように聞こえ、また、陣営のどよめきのようにも聞こえた。それらが止まっているとき、翼は垂れていた。 01:25生き物の頭上にある大空から音が響いた。それらが止まっているとき、翼は垂れていた。 01:26生き物の頭上にある大空の上に、サファイアのように見える王座の形をしたものがあり、王座のようなものの上には高く人間のように見える姿をしたものがあった。 01:27腰のように見えるところから上は、琥珀金が輝いているようにわたしには見えた。それは周りに燃えひろがる火のように見えた。腰のように見えるところから下は、火のように見え、周囲に光を放っていた。 01:28周囲に光を放つ様は、雨の日の雲に現れる虹のように見えた。これが主の栄光の姿の有様であった。わたしはこれを見てひれ伏した。そのとき、語りかける者があって、わたしはその声を聞いた。 02:01彼はわたしに言われた。「人の子よ、自分の足で立て。わたしはあなたに命じる。」 02:02彼がわたしに語り始めたとき、霊がわたしの中に入り、わたしを自分の足で立たせた。わたしは語りかける者に耳を傾けた。 02:03主は言われた。「人の子よ、わたしはあなたを、イスラエルの人々、わたしに逆らった反逆の民に遣わす。彼らは、その先祖たちと同様わたしに背いて、今日この日に至っている。 02:04恥知らずで、強情な人々のもとに、わたしはあなたを遣わす。彼らに言いなさい、主なる神はこう言われる、と。 02:05彼らが聞き入れようと、また、反逆の家なのだから拒もうとも、彼らは自分たちの間に預言者がいたことを知るであろう。 02:06人の子よ、あなたはあざみと茨に押しつけられ、蠍の上に座らされても、彼らを恐れてはならない。またその言葉を恐れてはならない。彼らが反逆の家だからといって、彼らの言葉を恐れ、彼らの前にたじろいではならない。 02:07たとえ彼らが聞き入れようと拒もうと、あなたはわたしの言葉を語らなければならない。彼らは反逆の家なのだ。 02:08人の子よ、わたしがあなたに語ることを聞きなさい。あなたは反逆の家のように背いてはならない。口を開いて、わたしが与えるものを食べなさい。」 02:09わたしが見ていると、手がわたしに差し伸べられており、その手に巻物があるではないか。 02:10彼がそれをわたしの前に開くと、表にも裏にも文字が記されていた。それは哀歌と、呻きと、嘆きの言葉であった。 03:01彼はわたしに言われた。「人の子よ、目の前にあるものを食べなさい。この巻物を食べ、行ってイスラエルの家に語りなさい。」 03:02わたしが口を開くと、主はこの巻物をわたしに食べさせて、 03:03言われた。「人の子よ、わたしが与えるこの巻物を胃袋に入れ、腹を満たせ。」わたしがそれを食べると、それは蜜のように口に甘かった。 03:04主はわたしに言われた。「人の子よ、イスラエルの家に行き、わたしの言葉を彼らに語りなさい。 03:05まことに、あなたは、不可解な言語や難しい言葉を語る民にではなく、イスラエルの家に遣わされる。 03:06あなたは聞き取ることができない不可解な言語や難しい言葉を語る多くの民に遣わされるのではない。もしわたしがあなたをそれらの民に遣わすのなら、彼らはあなたに聞き従うであろう。 03:07しかし、イスラエルの家は、あなたに聞こうとはしない。まことに、彼らはわたしに聞こうとしない者だ。まことにイスラエルの家はすべて、額も硬く心も硬い。 03:08今やわたしは、あなたの顔を彼らの顔のように硬くし、あなたの額を彼らの額のように硬くする。 03:09あなたの額を岩よりも硬いダイヤモンドのようにする。彼らが反逆の家だからといって、彼らを恐れ、彼らの前にたじろいではならない。」 03:10更に主は言われた。「人の子よ、わたしがあなたに語るすべての言葉を心におさめ、耳に入れておきなさい。 03:11そして捕囚となっている同胞のもとに行き、たとえ彼らが聞き入れようと拒もうと、『主なる神はこう言われる』と言いなさい。」 03:12そのとき、霊がわたしを引き上げた。わたしは背後に、大きなとどろく音を聞いた。主の栄光が、その御座から上るときの音である。 03:13あの生き物の翼が互いに触れ合う音、生き物の傍らの車輪の音、かの大きなとどろく音を聞いた。 03:14霊はわたしを引き上げて連れ去った。わたしは苦々しく、怒りに燃える心をもって出て行ったが、主の御手がわたしを強く捕らえていた。 03:15こうしてわたしは、ケバル川の河畔のテル・アビブに住む捕囚民のもとに来たが、彼らの住んでいるそのところに座り、ぼう然として七日間、彼らの間にとどまっていた。 03:16七日の後、主の言葉がわたしに臨んだ。 03:17「人の子よ、わたしはあなたを、イスラエルの家の見張りとする。わたしの口から言葉を聞くなら、あなたはわたしに代わって彼らに警告せねばならない。 03:18わたしが悪人に向かって、『お前は必ず死ぬ』と言うとき、もしあなたがその悪人に警告して、悪人が悪の道から離れて命を得るように諭さないなら、悪人は自分の罪のゆえに死ぬが、彼の死の責任をあなたに問う。 03:19しかし、あなたが悪人に警告したのに、悪人が自分の悪と悪の道から立ち帰らなかった場合には、彼は自分の罪のゆえに死に、あなたは自分の命を救う。 03:20また、正しい人が自分の正しい生き方を離れて不正を行うなら、わたしは彼をつまずかせ、彼は死ぬ。あなたが彼に警告しなかったので、彼は自分の過ちのゆえに死ぬ。彼がなしてきた正しい生き方は覚えられない。また彼の死の責任をわたしはあなたに問う。 03:21しかし、あなたが正しい人に過ちを犯さないように警告し、彼が過ちを犯さなければ、彼は警告を受け入れたのだから命を得、あなたも自分の命を救う。」 03:22主の御手が、そこで、わたしに臨んだ。主はわたしに言われた。「立って、平野に出て行きなさい。そこでわたしはあなたに語る。」 03:23わたしが立って平野に出て行くと、そこにケバル川の河畔で見た栄光と同じ主の栄光がとどまっているではないか。わたしはひれ伏した。 03:24霊がわたしの中に入り、わたしを自分の足で立たせた。そのとき彼はわたしに語りかけ、わたしに言われた。「あなたは自分の家に入って閉じこもりなさい。 03:25人の子よ、あなたは縄をかけられ、縛られ、彼らの所へ出て行けないようにされる。 03:26また、わたしはあなたの舌を上顎につかせ、ものが言えないようにする。こうして彼らを責める者としてのあなたの役割は終わる。まことに彼らは反逆の家だ。 03:27しかし、わたしが語りかけるとき、あなたの口を開く。そこであなたは彼らに言わねばならない。主なる神はこう言われる。聞き入れようとする者は聞き入れよ。拒もうとする者は拒むがよい。彼らは反逆の家だから。」 04:01人の子よ、れんがを一つ取って目の前に置き、その上に都であるエルサレムを刻みなさい。 04:02そして、これを包囲し、これに向かって堡塁を建て、塁を築き、陣営を敷き、破城槌を周囲に配備しなさい。 04:03自ら鉄の板を取り、それを自分と都との間に鉄の壁とし、あなたの顔を都に向けなさい。こうして都は包囲される。あなたがそれを包囲するのだ。これはイスラエルの家に対するしるしである。 04:04左脇を下にして横たわり、イスラエルの家の罪を負いなさい。あなたは横たわっている日の数だけ、彼らの罪を負わなければならない。 04:05わたしは彼らの罪の年数を、日の数にして、三百九十日と定める。こうして、あなたはイスラエルの家の罪を負わねばならない。 04:06その期間が終わったら、次に右脇を下にして横たわり、ユダの家の罪を四十日間負わねばならない。各一年を一日として、それをあなたに課す。 04:07あなたは包囲されたエルサレムに顔を向け、腕をまくり上げて、これに向かって預言しなさい。 04:08わたしがあなたに縄をかけるので、あなたはその包囲の日が終わるまで、一方の脇から他の脇へと寝返りを打つことができなくなる。 04:09あなたは小麦、大麦、そら豆、ひら豆、きび、裸麦を取って、一つの器に入れ、パンを作りなさい。あなたが脇を下にして横たわっている日数、つまり三百九十日間、それを食べなさい。 04:10あなたの食べる食物の分量は一日につき二十シェケルで、それを一定の間隔をおいて食べなければならない。 04:11あなたの飲む水の分量は六分の一ヒンで、それを一定の間隔をおいて飲まなければならない。 04:12大麦のパン菓子のようにそれを食べなければならない。それを人々の目の前で人糞で焼きなさい。 04:13更に主は言われた。「このようにイスラエルの人々はわたしが追いやる先の国々で、汚れたパンを食べる。」 04:14そこで、わたしは言った。「ああ、主なる神よ、わたしはわが身を汚したことがありません。若いころから今に至るまで、死んだ動物や、野獣が引き裂いた動物の肉を食べたことはなく、定められた日数を過ぎたいけにえの肉を口に入れたこともありません。」 04:15主はわたしに言われた。「あなたが人糞の代わりに牛糞を用いることをわたしは許す。あなたはその上でパンを焼くがよい。」 04:16また、主はわたしに言われた。「人の子よ、わたしはエルサレムのパンをつるして蓄える棒を折る。彼らはおびえながらパンの目方を量って食べ、硬直した様で水を升で量って飲むようになる。 04:17彼らは罪のゆえにパンにも水にも事欠き、やせ衰えて、互いに恐れに取りつかれる。」 05:01人の子よ、あなたは鋭い剣を取って理髪師のかみそりのようにそれを手に持ち、あなたの髪の毛とひげをそり、その毛を秤にかけて分けなさい。 05:02その三分の一は包囲の期間が終わったときに都の中で火で燃やし、ほかの三分の一は都の周りで剣で打ち、残り三分の一は風に乗せて散らしなさい。わたしは剣を抜いてその後を追う。 05:03あなたはその中から毛を少し取って着物の裾に包み、 05:04更にその幾らかを取って火に投げ入れ、火で燃やしなさい。そこからまた火が出て、イスラエルの全家に及ぶであろう。 05:05主なる神はこう言われる。「これはエルサレムのことである。わたしはこの都を国々の中に置き、その周りを諸国が取り巻くようにした。 05:06しかし、この都はそれらの国々よりも、いっそうわたしの裁きに逆らい、周りの諸国より激しくわたしの掟に逆らった。まことに彼らはわたしの裁きを拒み、わたしの掟に従って歩もうとしなかった。」 05:07それゆえ、主なる神はこう言われる。「お前たちが周りの国々よりもいっそうかたくなで、わたしの掟に従って歩まず、わたしの裁きを行わず、周りの国々で定められている裁きほどにも行わなかったので、 05:08主なる神はこう言われる。わたしもお前に立ち向かい、国々の目の前でお前の中で裁きを行う。 05:09わたしがお前に対して行うことは、わたしが今まで行ったこともなければ、またこれから再び行うこともないようなことである。それはお前が行ったあらゆる忌まわしいことのゆえである。 05:10それゆえ、お前の中で親がその子を食べ、子がその親を食べるようなことが起こる。わたしはお前に対して裁きを行い、残っている者をすべてあらゆる方向に散らせてしまう。 05:11それゆえ――わたしは生きている、と主なる神は言われる――お前はあらゆる憎むべきものと忌まわしいものをもってわたしの聖所を汚したので、わたしもまた必ずお前をそり落とす。わたしは憐れみの目をかけず、同情もしない。 05:12お前の中で三分の一は疫病で死んだり、飢えで息絶えたりし、三分の一は都の周りで剣にかけられて倒れ、残る三分の一は、わたしがあらゆる方向に散らし、剣を抜いてその後を追う。 05:13わたしは彼らに向かって怒れるだけ怒り、憤りに身をまかせて、恨みを晴らす。そのとき、主であるわたしが憤れるだけ憤り、熱情をもって語ったということを彼らは知るようになる。 05:14わたしはお前を廃虚とし、すべての旅人の目にも、周りの国々にも、嘲りの的とする。 05:15わたしが怒りと憤りと激しい懲らしめをもってお前を裁くとき、お前は周りの国々の嘲りとそしりの的となり、教訓となり脅威となる。主なるわたしがこれを告げる。 05:16わたしは滅びに定められた者に対して悲惨な飢えの矢を放つ。お前たちを滅ぼすためにそれを放つとき、わたしは飢えをますますひどくし、パンをつるして蓄える棒を折る。 05:17わたしは飢えと狂暴な獣をお前たちに送り込み、子供たちを奪わせる。疫病と流血はお前の中を通り抜ける。またわたしは剣をお前に臨ませる。主なるわたしがこれを告げる。」 06:01主の言葉がわたしに臨んだ。 06:02「人の子よ、顔をイスラエルの山々に向け、それに向かって預言して、 06:03言え。イスラエルの山々よ、主なる神の言葉を聞け。主なる神は、山と丘、川と谷に向かって、こう言われる。わたしは剣をお前たちに臨ませ、聖なる高台を破壊する。 06:04祭壇は荒れ果て、香炉台は砕かれる。また、わたしは、お前たちの中の殺された者を、偶像の前に投げ捨てる。 06:05わたしはイスラエルの人々の死体をその偶像の前に置き、お前たちの骨を祭壇の周りにまき散らす。 06:06お前たちの住む所はどこにおいても、町は廃虚とされ、聖なる高台は荒らされる。祭壇も廃虚とされて荒らされ、偶像は粉々に砕かれ、香炉台は打ち壊され、こうしてお前たちの作ったものは一掃される。 06:07また、殺された者がお前たちの真ん中に倒れる。そのとき、お前たちはわたしが主であることを知るようになる。 06:08しかし、お前たちが諸国に散らされるとき、わたしはお前たちのために、剣を逃れた者を諸国民の間に残しておく。 06:09お前たちのうちで逃れた者は、捕囚として連れ去られる先の国々でわたしを思い起こす。わたしを離れ去る姦淫の心と、偶像にひかれる姦淫の目をわたしが打ち砕くからだ。そして彼らは自ら行った悪のゆえに、その忌まわしいすべてのことのゆえに、自分を嫌悪するようになる。 06:10そして彼らは、わたしが主であり、理由もなくこの災いを彼らにくだすと告げたのではなかったことを知るようになる。 06:11主なる神はこう言われる。手をたたき、足を踏み鳴らして、イスラエルの家の忌まわしいすべての悪事を嘆け。彼らは剣と、飢饉と、疫病によって倒れるからだ。 06:12遠くにいる者は疫病で死に、近くにいる者は剣で倒れる。それを免れ、生き残る者も飢饉で死ぬ。こうしてわたしは彼らに対して怒りを注ぎ尽くす。 06:13殺された者たちが、祭壇の周りの偶像の間や、高い丘の上、山々の頂で、またすべての緑豊かな木、すべての茂った樫の木の下、あるいはかつて、あらゆる偶像に宥めの香りをささげた場所で倒れるとき、お前たちは、わたしが主であることを知るようになる。 06:14わたしは彼らに向かって手を伸ばし、この地を荒廃させ、荒れ野からリブラに至るまで、彼らが住むすべての地を荒れ果てたところとする。そのとき、彼らは、わたしが主であることを知るようになる。」 07:01主の言葉がわたしに臨んだ。 07:02「人の子よ、言いなさい。主なる神がイスラエルの地に向かってこう言われる。終わりが来る。地の四隅に終わりが来る。 07:03今こそ終わりがお前の上に来る。わたしは怒りを送り
お前の行いに従って裁き
忌まわしいすべてのことをお前に報いる。
07:04わたしは、お前に慈しみの目を注がず
憐れみをかけることもしない。お前の行いをわたしは報いる。お前の忌まわしいことはお前の中にとどまる。そのとき、お前たちは
わたしが主であることを知るようになる。
07:05主なる神はこう言われる。災いに続く災いが来る。 07:06終わりが来る。終わりが来る。終わりの時がお前のために熟す。今や見よ、その時が来る。 07:07この地に住む者よ、お前の順番が来た。時は来た。その日は近い。それは大混乱の日で、山々には喜びの声が絶える。 07:08今や、わたしはお前に向かって憤りを注ぎ
お前に対して、わが怒りを注ぎ尽くす。わたしは、お前の行いに従って裁き
忌まわしいすべてのことをお前に報いる。
07:09わたしは慈しみの目を注がず
憐れみをかけることもしない。お前の行いに応じてわたしは報いる。お前の忌まわしいことはお前の中にとどまる。そのとき、お前たちは知るようになる
わたしが、お前たちを打つ主であることを。
07:10見よ、その日を。今やその日が来る。順番が巡って来る。王杖に花が咲き、傲慢の芽が萌え出た。 07:11不法が起こって、背きの王杖となった。彼らのものはひとつも残らず、群衆は絶える。彼らの騒ぎも残らず、嘆きの声すら絶える。 07:12時が来る。その日が到来する。買う者も喜ぶな、売る者も悲しむな。怒りが、国の群衆すべてに及ぶからだ。 07:13売る者がたとえ生き長らえても
売った物を買い戻すことはできない。すべての群衆に対する審判の幻が
撤回されないからだ。罪のゆえに、だれひとり命を保つことはできない。
07:14角笛が吹き鳴らされ、準備がすべて整っても
だれひとり戦いに出る者はない。わたしの怒りが群衆のすべてに及ぶからだ。
07:15外には剣があり、内には疫病と飢饉がある。野にいる者は、剣にかけられて死に
町にいる者は、飢えと疫病が滅ぼす。
07:16たとえ、逃れた者たちが逃れて山に行っても
皆、おのおの自分の罪のゆえに
谷間の鳩のように嘆く。
07:17手は力なく垂れ
膝は水のように力を失う。
07:18彼らは粗布を身にまとい、戦慄が彼らを包む。どの顔も恥を表し、髪はみなそり落とされる。 07:19彼らは銀を外に投げ捨て
金は汚れたものとなる。主の怒りの日には、銀も金も
彼らを救うことができないからだ。銀も金も、彼らの飢えを鎮めることができず
腹を満たすこともできない。かえって、それは彼らをつまずかせ罪を犯させた。
07:20彼らは美しい飾りを驕り高ぶるために用い
憎むべき忌まわしい偶像を造った。それゆえ、わたしはそれを汚れたものとし
07:21戦利品として、他国人の手に渡し
分捕物として、地上の悪人たちに与える。彼らはそれを汚す。
07:22わたしは彼らから顔をそむける。彼らはわたしの宝を汚し
乱暴な者が襲いかかって汚す。
07:23鎖を用意せよ。この地は流血の罪に満ち
都は不法に満ちているからだ。
07:24わたしは諸国から悪者どもを来させ
彼らの家を奪い取らせる。わたしは力ある者の誇りを挫く。彼らの聖所は汚される。
07:25恐怖が臨む。彼らが平和を求めても、どこにもない。 07:26災いに災いが続き
悪い知らせが相次いで来る。彼らが幻を預言者に求めても得ず
律法は祭司から失われ
助言は長老たちから失われる。
07:27王は嘆き
君侯たちは恐怖にとらわれ
国の民の手は震える。わたしは彼らの行いに従って報い
彼らの法に従って彼らを裁く。そのとき、彼らは
わたしが主であることを知るようになる。」
08:01第六年の六月五日のことである。わたしは自分の家に座っており、ユダの長老たちがわたしの前に座っていた。そのとき、主なる神の御手がわたしの上に下った。 08:02わたしが見ていると、人の有様のような姿があるではないか。その腰のように見えるところから下は火であり、腰から上は琥珀金の輝きのように光輝に満ちた有様をしていた。 08:03彼が手の形をしたものを差し伸べて、わたしの髪の毛の房をつかむと、霊はわたしを地と天の間に引き上げ、神の幻のうちにわたしをエルサレムへと運び、北に面する内側の門の入り口に連れて行った。そこには、激怒を起こさせる像が収められていた。 08:04そこには、かつてわたしが平野で見た有様と同じような、イスラエルの神の栄光があった。 08:05彼がわたしに、「人の子よ、目を上げて北の方を見なさい」と言ったので、北の方に目を上げると、門の北側に祭壇があり、入り口にはまさにその激怒を招く像があるではないか。 08:06彼はわたしに言った。「人の子よ、イスラエルの人々がわたしを聖所から遠ざけるために行っている甚だ忌まわしいことを見るか。しかし、あなたは更に甚だしく忌まわしいことを見る。」 08:07彼はわたしを庭の入り口に連れて行った。見ると、壁に一つの穴があるではないか。 08:08彼がわたしに、「人の子よ、壁に穴をうがちなさい」と言ったので、壁に穴をうがつと、そこに一つの入り口があるではないか。 08:09彼は、「入って、彼らがここで行っている邪悪で忌まわしいことを見なさい」と言った。 08:10入って見ていると、周りの壁一面に、あらゆる地を這うものと獣の憎むべき像、およびイスラエルの家のあらゆる偶像が彫り込まれているではないか。 08:11その前に、イスラエルの長老七十人が、シャファンの子ヤアザンヤを中心にして立っていた。彼らは、それぞれ香炉を手にしており、かぐわしい煙が立ち昇っていた。 08:12彼はわたしに言った。「人の子よ、イスラエルの家の長老たちが、闇の中でおのおの、自分の偶像の部屋で行っていることを見たか。彼らは、主は我々を御覧にならない。主はこの地を捨てられたと言っている。」 08:13彼はまた、わたしに言った。「あなたは、彼らが行っている更に甚だしく忌まわしいことを見る」と。 08:14彼はわたしを、主の神殿の北に面した門の入り口に連れて行った。そこには、女たちがタンムズ神のために泣きながら座っているではないか。 08:15そこで彼はわたしに言った。「人の子よ、見たか。あなたは、これより更に甚だしく忌まわしいことを見る」と。 08:16彼はわたしを主の神殿の中庭に連れて行った。すると、主の聖所の入り口で、廊と祭壇の間に、二十五人ほどの人がいて、主の聖所を背にし、顔を東に向けていた。彼らは東に向かって太陽を拝んでいるではないか。 08:17彼はわたしに言った。「人の子よ、見たか。ユダの家がここで数々の忌まわしいことを行っているのは些細なことであろうか。彼らはこの地を不法で満たした。また、わたしの鼻に木の枝を突きつけて、わたしを更に怒らせようとしている。 08:18わたしも憤って行い、慈しみの目を注ぐことも、憐れみをかけることもしない。彼らがわたしの耳に向かって大声をあげても、わたしは彼らに聞きはしない。」 09:01彼は大声でわたしの耳に語った。「この都を罰する者たちよ、おのおの破壊する道具を手にして近寄れ。」 09:02すると、北に面する上の門に通ずる道から、六人の男がそれぞれ突き崩す道具を手にしてやって来るではないか。そのうちの一人は亜麻布をまとい、腰に書記の筆入れを着けていた。彼らはやって来ると、青銅の祭壇の傍らに立った。 09:03すると、ケルビムの上にとどまっていたイスラエルの神の栄光はそこから昇って、神殿の敷居の方に向かい、亜麻布をまとい、腰に書記の筆入れを着けた者に呼びかけた。 09:04主は彼に言われた。「都の中、エルサレムの中を巡り、その中で行われているあらゆる忌まわしいことのゆえに、嘆き悲しんでいる者の額に印を付けよ。」 09:05また、他の者たちに言っておられるのが、わたしの耳に入った。「彼の後ろについて都の中を巡れ。打て。慈しみの目を注いではならない。憐れみをかけてはならない。 09:06老人も若者も、おとめも子供も人妻も殺して、滅ぼし尽くさなければならない。しかし、あの印のある者に近づいてはならない。さあ、わたしの神殿から始めよ。」彼らは、神殿の前にいた長老たちから始めた。 09:07主はまた彼らに言われた。「神殿を汚し、その庭を、殺された者で満たせ。さあ、出て行くのだ。」彼らは出て行き、都の人々を打った。 09:08彼らが打っているとき、わたしはひとり残され、顔を伏せ、助けを求めて言った。「ああ、主なる神よ、エルサレムの上に憤りを注いで、イスラエルの残りの者をすべて滅ぼし尽くされるのですか。」 09:09主はわたしに言われた。「イスラエルとユダの家の罪はあまりにも大きい。この地は流血に満ち、この都は不正に満ちている。彼らは、『主はこの地を見捨てられた。主は顧みられない』と言っている。 09:10それゆえ、わたしも彼らに慈しみの目を注がず、憐れみをかけることもしない。彼らの行いの報いを、わたしは彼らの頭上に帰する。」 09:11そのとき、亜麻布をまとい腰に筆入れを着けている者が報告して言った。「わたしは、あなたが命じられたとおりにいたしました。」 10:01わたしが見ていると、ケルビムの頭上の大空の上に、サファイアの石のようで、形は王座のように見えるものがあるではないか。それはケルビムの上に見えた。 10:02主は亜麻布をまとった者に向かって言われた。「ケルビムの下の回転するものの間に入れ。そして、ケルビムの間にある燃える炭火を両手に満たし、それを都の上にまき散らせ」と。彼は、わたしの目の前で入って行った。 10:03その人が入って行ったとき、ケルビムは神殿の南側に止まっており、雲が中庭を満たしていた。 10:04主の栄光はケルビムの上から立ち上がり、神殿の敷居に向かった。神殿は雲で満たされ、庭は主の栄光の輝きで満たされた。 10:05ケルビムの翼の羽ばたく音は外庭にまで聞こえ、全能の神が語られる御声のようであった。 10:06主が亜麻布をまとった人に命じて、「火を、回転するものの間、ケルビムの間から取れ」と言われたので、彼は来て、車輪の傍らに立った。 10:07すると、ケルビムのひとりが、手をケルビムの間から、ケルビムの間にある火に向かって伸ばして火を取り上げ、亜麻布をまとった者の両手に置いた。その人は火を受け取って、出て行った。 10:08ケルビムには、その翼の下に、人間の手の形が見えていた。 10:09わたしが見ていると、四つの車輪が、ケルビムの傍らにあるではないか。一つの車輪が、ひとりのケルビムの傍らに、また一つの車輪が、ひとりのケルビムの傍らにというように、それぞれの傍らにあって、それらの車輪の有様は緑柱石のように輝いていた。 10:10それぞれの形の有様は、四つとも同じで、一つの車輪がもう一つの車輪の中にあるかのようであった。 10:11それらが移動するときは、四つの方向に進み、移動するときに、向きを変えることはなかった。先頭のケルビムが向かうところに他のものも従って進み、向きを変えなかったからである。 10:12ケルビムの全身、すなわち、背中、両手、翼と、車輪にはその周囲一面に目がつけられていた。ケルビムの車輪は四つともそうであった。 10:13それらの車輪は「回転するもの」と呼ばれているのが、わたしの耳に聞こえた。 10:14ケルビムにはそれぞれ四つの顔があり、第一の顔はケルビムの顔、第二の顔は人間の顔、第三の顔は獅子の顔、そして第四の顔は鷲の顔であった。 10:15ケルビムは上った。これがケバル川のほとりでわたしが見たあの生き物である。 10:16ケルビムが移動するとき、車輪もその傍らを進み、ケルビムが翼を広げて地上から上るとき、車輪もその傍らを離れて回ることはなかった。 10:17ケルビムが止まると、車輪も止まり、ケルビムが上ると、車輪も共に上った。生き物の霊がその中にあったからである。 10:18主の栄光は神殿の敷居の上から出て、ケルビムの上にとどまった。 10:19ケルビムは翼を広げ、傍らの車輪と共に出て行くとき、わたしの目の前で地から上って行き、主の神殿の東の門の入り口で止まった。イスラエルの神の栄光は高くその上にあった。 10:20これがケバル川の河畔で、わたしがイスラエルの神のもとにいるのを見たあの生き物である。わたしは、それがケルビムであることを知った。 10:21そのそれぞれに四つの顔と四つの翼があり、翼の下には人間の手の形をしたものがあった。 10:22これらの顔の形は、まさしく、わたしがケバル川の河畔で見た顔であった。それらは同じような有様をしており、おのおのまっすぐに進んで行った。 11:01霊はまた、わたしを引き上げ、主の神殿の東に面する東の門へ運んで行った。門の入り口に二十五人の男がおり、その中に民の指導者であるアズルの子ヤザンヤと、ベナヤの子ペラトヤがいるのをわたしは見た。 11:02主はわたしに言われた。「人の子よ、この人々はこの都の中で悪をたくらみ、悪い計画を立てている。 11:03彼らは、『家をすぐに建てる必要はない。この都は鍋で、我々は肉だ』と言っている。 11:04それゆえ、彼らに向かって預言せよ。人の子よ、預言せよ。 11:05また、主の霊がわたしに降り、主は言われた。あなたは言わねばならない。主はこう言われる。イスラエルの家よ、お前たちはそのように言い張っている。わたしはお前たちが心に抱いていることを知っている。 11:06しかし、お前たちはこの都の中で殺される者を数多く出し、路上は殺された者で満たされる。 11:07それゆえ、主なる神はこう言われる。お前たちがこの都の中に積み上げる殺された者こそ、その肉にほかならず、都は鍋である。しかしわたしは、お前たちをそこから引き出す。 11:08お前たちは剣を恐れているが、わたしはお前たちの上に剣を臨ませる、と主なる神は言われる。 11:09わたしは、お前たちをそこから引き出して、異国人の手に渡し、お前たちに対する裁きを行う。 11:10お前たちは剣に撃たれて倒れる。わたしはイスラエルの国境でお前たちを裁く。そのとき、お前たちは、わたしが主であることを知るようになる。 11:11この都が、お前たちにとって鍋となることはない。お前たちがその中で肉となることもない。わたしは、イスラエルの国境でお前たちを裁く。 11:12そのとき、お前たちは、わたしが主であることを知るようになる。お前たちはわたしの掟に従って歩まず、わたしの法を行わず、かえって周囲の国々のならわしに従ってきた。」 11:13わたしが預言していると、ベナヤの子ペラトヤは死んだ。わたしは倒れ伏し、大声で叫んで言った。「ああ、主なる神よ。イスラエルの残りの者を滅ぼし尽くされるのですか」と。 11:14主の言葉がわたしに臨んだ。 11:15「人の子よ、エルサレムの住民は、あなたの兄弟たち、すなわちあなたの親族である兄弟たち、およびイスラエルの家のすべての者に対して言っている。『主から遠く離れておれ。この土地は我々の所有地として与えられている。』 11:16それゆえ、あなたは言わねばならない。主なる神はこう言われる。『確かに、わたしは彼らを遠くの国々に追いやり、諸国に散らした。しかしわたしは、彼らが行った国々において、彼らのためにささやかな聖所となった。』 11:17それゆえ、あなたは言わねばならない。主なる神はこう言われる。『わたしはお前たちを諸国の民の間から集め、散らされていた諸国から呼び集め、イスラエルの土地を与える。 11:18彼らは帰って来て、あらゆる憎むべきものと、あらゆる忌まわしいものをその地から取り除く。 11:19わたしは彼らに一つの心を与え、彼らの中に新しい霊を授ける。わたしは彼らの肉から石の心を除き、肉の心を与える。 11:20彼らがわたしの掟に従って歩み、わたしの法を守り行うためである。こうして、彼らはわたしの民となり、わたしは彼らの神となる。 11:21しかし、憎むべきもの、忌まわしいものに心を寄せている者には、彼らの行ってきたことが頭上にふりかかるようにする』」と主なる神は言われる。 11:22そのとき、ケルビムは翼を広げ、車輪もまた共に行った。イスラエルの神の栄光は高くその上にあった。 11:23主の栄光は都の中から昇り、都の東にある山の上にとどまった。 11:24霊はわたしを引き上げ、カルデアの方に運び、わたしを幻のうちに、神の霊によって、捕囚の民のもとに連れて行った。こうして、わたしの見た幻は、わたしを離れて上って行った。 11:25わたしは、主が示されたすべてのことを、捕囚の民に語り聞かせた。 12:01主の言葉がわたしに臨んだ。 12:02「人の子よ、あなたは反逆の家の中に住んでいる。彼らは見る目を持っていながら見ず、聞く耳を持っていながら聞かない。まことに彼らは反逆の家である。 12:03それゆえ、人の子よ、あなたは捕囚の荷物を造り、白昼彼らの目の前で捕らわれの身となって行きなさい。あなたのいる所から他の場所へ、彼らの目の前で捕らわれの身となって行きなさい。彼らは反逆の家であるが、あるいは、それに目を留めるかもしれない。 12:04あなたは、白昼彼らの目の前で、自分の荷物を、捕囚の荷物として持ち出しなさい。また、夕方彼らの目の前で捕囚の民が出て行くように、出て行きなさい。 12:05彼らの目の前で、壁に穴をうがち、そこから荷物を運び出しなさい。 12:06彼らの目の前で、荷物を肩に担ぎ、暗闇の中で運び出しなさい。顔を覆ってこの土地を見ないようにしなさい。わたしはあなたを、イスラエルの家に対するしるしとする。」 12:07わたしは命じられたとおりに行った。わたしは、白昼彼らの目の前で、自分の荷物を捕囚の荷物として運び出し、夕方、手で壁に穴をうがち、暗闇の中で肩に担いで運び出した。 12:08朝になって、主の言葉がわたしに臨んだ。 12:09「人の子よ、反逆の家、イスラエルの家は、あなたに向かって、『何をしているのか』と尋ねなかったか。 12:10あなたは、彼らに言わねばならない。主なる神はこう言われる。この託宣は、エルサレムの首長と、そこにいるイスラエルの家すべてにかかわる。 12:11あなたは言わねばならない。『わたしは、あなたたちのためのしるしである。わたしがやって見せたようなことが、彼らに起こる。彼らは捕囚として、捕囚の地へ行く。 12:12彼らの中の首長も、暗闇の中で荷物を肩に担ぎ、壁に運び出すための穴をうがって出て行く。彼は目でこの土地を見ないように顔を覆う。』 12:13わたしは、彼の上に網を広げ、彼はわたしの罠にかかる。その彼をわたしはカルデアの地、バビロンに連れて行くが、彼はその地を見ることはできず、そこで死ぬ。 12:14わたしは、彼を取り巻くすべての従者と軍隊とを、四方にまき散らし、剣を抜いてその後を追う。 12:15わたしが彼らを国々の中に散らし、諸国にまき散らすとき、彼らは、わたしが主なる神であることを知るようになる。 12:16しかし、わたしは彼らの中から少数の人々を残し、剣と飢えと疫病から守る。彼らが自分たちの行った忌まわしいすべてのことを、行く先々の国の中で語り聞かせるためである。そのとき、彼らは、わたしが主であることを知るようになる。」 12:17主の言葉がわたしに臨んだ。 12:18「人の子よ、震えながらパンを食べ、恐れ、おびえながら水を飲み、 12:19国の民に言いなさい。主なる神は、イスラエルの土地にいるエルサレムの住民に向かってこう言われる。彼らはおびえながらパンを食べ、硬直した様で水を飲むようになる。その地が住民すべての不法のゆえに、地を満たしていたものを失い、荒れ廃れるからである。 12:20人の住んでいた町々は荒れ果て、この地は荒廃に帰する。そのとき、お前たちは、わたしが主であることを知るようになる。」 12:21また、主の言葉がわたしに臨んだ。 12:22「人の子よ、イスラエルの土地について伝えられている、『日々は長引くが、幻はすべて消えうせる』というこのことわざは、お前たちにとって一体何か。 12:23それゆえ、彼らに言いなさい。主なる神はこう言われる。『わたしはこのことわざをやめさせる。彼らは再びイスラエルで、このことわざを用いることはない』と。かえって彼らにこう語りなさい。『その日は近く、幻はすべて実現する。』 12:24もはや、イスラエルの家には、むなしい幻はひとつもない。気休めの占いもない。 12:25なぜなら、主なるわたしが告げる言葉を告げるからであり、それは実現され、もはや、引き延ばされることはない。反逆の家よ、お前たちの生きている時代に、わたしは自分の語ることを実行する、と主なる神は言われる。」 12:26主の言葉がわたしに臨んだ。 12:27「人の子よ、イスラエルの家は言っているではないか。『彼の見た幻ははるか先の時についてであり、その預言は遠い将来についてである』と。 12:28それゆえ、彼らに言いなさい。主なる神はこう言われる。わたしが告げるすべての言葉は、もはや引き延ばされず、実現される、と主なる神は言われる。」 13:01主の言葉がわたしに臨んだ。 13:02「人の子よ、イスラエルの預言者たちに向かって、預言しなさい。自分の心のままに預言する者たちに向かって預言し、言いなさい。主の言葉を聞け。 13:03主なる神はこう言われる。災いだ、何も示されることなく、自分の霊の赴くままに歩む愚かな預言者たちは。 13:04イスラエルよ、お前の預言者たちは廃虚にいる山犬のようだ。 13:05お前たちは、主の日の戦いに耐えるために、城壁の破れ口に上ろうとせず、イスラエルの家を守る石垣を築こうともしない。 13:06彼らはむなしい幻を見、欺きの占いを行い、主から遣わされてもいないのに、『主は言われる』と言って、その言葉が成就するのを待っている。 13:07お前たちが見ているのはむなしい幻、お前たちが口にしているのは欺きの占いではないか。わたしが語ってもいないのに、『主は言われる』と言っている。 13:08それゆえ、主なる神はこう言われる。お前たちはむなしいことを語り、欺きの幻を見ているので、わたしはお前たちに立ち向かう、と主なる神は言われる。 13:09わたしの手は、むなしい幻を見る預言者たちと、欺きを占う占い師たちに向けられる。彼らはわたしの民の集いに加えられず、イスラエルの家の記録にも記されず、イスラエルの土地に入ることもできない。そのとき、お前たちはわたしが主なる神であることを知るようになる。 13:10平和がないのに、彼らが『平和だ』と言ってわたしの民を惑わすのは、壁を築くときに漆喰を上塗りするようなものだ。 13:11漆喰を上塗りする者に言いなさい。『それは、はがれ落ちる』と。豪雨が襲えば、雹よ、お前たちも石のように落ちてくるし、暴風も突如として起こる。 13:12壁が崩れ落ちれば、『先に施した上塗りはどこに行ったのか』とお前たちは言われるに違いない。 13:13それゆえ、主なる神はこう言われる。わたしは憤りをもって、暴風を起こし、怒りをもって豪雨を降らせ、怒り狂って雹を石のように降らせ、すべてを破壊する。 13:14お前たちが漆喰を塗った壁をわたしは破壊し、地面に打ちつけて、その基礎をむき出しにする。それが崩れ落ちるとき、お前たちもその中で滅びる。そのとき、お前たちは、わたしが主であることを知るようになる。 13:15わたしは、壁とそれに漆喰を塗った者たちに対し怒りを注ぎ尽くし、『壁もなくなり、それに上塗りをした者たちもいなくなった』とお前たちに言う。 13:16エルサレムに預言するイスラエルの預言者たちよ。平和がないのに、都のために平和の幻を見る者たちよ、と主なる神は言われる。 13:17人の子よ、自分の心のままに預言するあなたの民の娘たちに顔を向け、彼女らに預言しなさい。 13:18あなたは言わねばならない。主なる神はこう言われる。災いだ、人々の魂を捕らえようとして、どの手首にも呪術のひもを縫い付け、どんな大きさの頭にも合わせて呪術の頭巾を作る女たちよ。お前たちはわたしの民の魂を捕らえ、自分たちの仲間の魂を生かしておこうとする。 13:19お前たちは、ひと握りの大麦とひとかけらのパンのゆえに、わが民の前でわたしを汚し、欺きの言葉に聞き入るわが民を欺くことによって、死ぬべきではない者を殺し、生きるべきではない者を生かしている。 13:20それゆえ、主なる神はこう言われる。わたしは、お前たちが、人々の魂を鳥を捕らえるように捕らえるために、使っている呪術のひもに立ち向かい、それをお前たちの腕から引きちぎり、お前たちが鳥を捕らえるように捕らえた魂を解き放つ。 13:21また、わたしはお前たちの頭巾を引き裂き、わが民をお前たちの手から救い出す。二度と、彼らがお前たちの手に捕らえられることはない。そのときお前たちは、わたしが主であることを知るようになる。 13:22お前たちは、わたしが苦しめようとはしていないのに、神に従う者の心を偽りをもって苦しめ、神に逆らう者の手を強め、彼らが悪の道から立ち帰って、命を得ることができないようにしている。 13:23それゆえ、もはやお前たちがむなしい幻を見ることも占いをすることもなくなる。わたしは、お前たちの手からわが民を救い出す。そのときお前たちは、わたしが主であることを知るようになる。」 14:01イスラエルの長老数名がわたしのもとに来て、わたしの前に座った。 14:02そのとき、主の言葉がわたしに臨んだ。 14:03「人の子よ、この人々は偶像を心に抱き、彼らをつまずかせる罪を目の前に置いている。それなのに、わたしは彼らの求めに応じられようか。 14:04それゆえ、彼らと語り、彼らに告げなさい。主なる神はこう言われる。イスラエルの家の者で、偶像を心に抱き、つまずかせる罪を目の前に置いていながら、預言者のもとに来る者には、だれに対しても、主なるわたし自身が、彼の多くの偶像のゆえに答えよう。 14:05それは、偶像のゆえにわたしから離れ去ったイスラエルの家の心をすべて、わたしが捕らえるためである。 14:06それゆえ、あなたはイスラエルの家に言いなさい。主なる神はこう言われる。悔い改めて、お前たちの偶像から離れ、すべての忌まわしいものから顔を背けよ。 14:07イスラエルの家の者と、イスラエルの中に寄留している外国人のうち、わたしから離れて偶像を心に抱き、つまずかせる罪を目の前に置いていながら、わたしに尋ねようと預言者のもとに来る者には、だれに対しても、主なるわたし自身が答えよう。 14:08わたしはその者に向かって顔を向け、彼をしるしとし、ことわざとして、わが民の中から断つ。そのときお前たちは、わたしが主であることを知るようになる。 14:09もし、預言者が惑わされて言葉を語ることがあるなら、主なるわたし自身がその預言者を惑わしたのである。わたしは彼の上に手を伸べ、わが民イスラエルの中から絶ち滅ぼす。 14:10彼らは共に自分の罪を負う。尋ねる者の罪は、預言者の罪と同じである。 14:11それは、イスラエルの家がもはやわたしから迷い出ず、あらゆる背きによって二度と自分を汚さないためである。こうして、彼らはわたしの民となり、わたしは彼らの神となる」と主なる神は言われる。 14:12主の言葉がわたしに臨んだ。 14:13「人の子よ、もし、ある国がわたしに対して不信を重ね、罪を犯すなら、わたしは手をその上に伸ばし、パンをつるして蓄える棒を折り、その地に飢饉を送って、そこから人も家畜も絶ち滅ぼす。 14:14たとえ、その中に、かの三人の人物、ノア、ダニエル、ヨブがいたとしても、彼らはその正しさによって自分自身の命を救いうるだけだ、と主なる神は言われる。 14:15もし、わたしが悪い獣をその国に横行させ、それによって住む人がいなくなり、獣を恐れて通る人がないために国が荒れ廃れるなら、 14:16その中に、かの三人の人物がいたとしても――わたしは生きている、と主なる神は言われる――彼らは自分の息子、娘たちすら救うことができない。彼らは自分自身を救いうるだけであり、その国は荒廃に帰するであろう。 14:17また、もしわたしが剣をその国に送って、『剣よ、この国を行き巡れ』と言って、その国から人も家畜も絶ち滅ぼすなら、 14:18たとえ、その中にかの三人の人物がいたとしても――わたしは生きている、と主なる神は言われる――彼らは自分の息子、娘たちすら救うことができない。彼らは自分自身を救いうるだけである。 14:19また、もしわたしがその国に疫病を送り、わたしの怒りをその上に血と共に注ぎ、そこから人も家畜も絶ち滅ぼすなら、 14:20たとえ、その中にノア、ダニエル、ヨブがいたとしても――わたしは生きている、と主なる神は言われる――彼らは自分の息子、娘たちすら救うことができない。彼らはその正しさによって、自分自身の命を救いうるだけである。 14:21まことに、主なる神はこう言われる。わたしがこの四つの厳しい裁き、すなわち、剣、飢饉、悪い獣、疫病をエルサレムに送り、そこから人も家畜も絶ち滅ぼすとき、 14:22そこに、わずかの者が残されるであろう。息子、娘たちは逃れて救い出され、お前たちの所に出て来る。お前たちは彼らの歩みと行いを見るとき、わたしがエルサレムにくだした災い、わたしがそこに臨ませたすべてのことについて慰められる。 14:23お前たちは、彼らの歩みと行いとを見て、それによって慰められ、わたしがそこで行ったすべてのことは、理由なく行ったのではないことを知るようになる」と主なる神は言われる。 15:01主なる神の言葉がわたしに臨んだ。 15:02「人の子よ、ぶどうの木は森の木々の中で、枝のあるどの木よりもすぐれているであろうか。 15:03ぶどうの木から、何か役に立つものを作るための木材がとれるだろうか。それで、何かの器物を掛ける釘を作ることができるだろうか。 15:04それが火に投げ込まれると、火はその両端を焼き、真ん中も焦がされてしまう。それでも何かの役に立つだろうか。 15:05完全なときでさえ何も作れないのに、まして火に焼かれて焦げてしまったら、もはや何の役にも立たないではないか。 15:06それゆえ、主なる神はこう言われる。わたしが薪として火に投げ込んだ、森の木の中のぶどうの木のように、わたしはエルサレムの住民を火に投げ入れる。 15:07わたしは顔を彼らに向ける。彼らが火から逃れても、火は彼らを食い尽くす。わたしが顔を彼らに向けるとき、彼らはわたしが主なる神であることを知るようになる。 15:08わたしはこの地を荒廃させる。彼らがわたしに不信を重ねたからである」と主なる神は言われる。 16:01主の言葉がわたしに臨んだ。 16:02「人の子よ、エルサレムにその忌まわしいことを知らせなさい。 16:03あなたは言わねばならない。主なる神は、エルサレムに対してこう言われる。お前の出身、お前の生まれはカナン人の地。父はアモリ人、母はヘト人である。 16:04誕生について言えば、お前の生まれた日に、お前のへその緒を切ってくれる者も、水で洗い、油を塗ってくれる者も、塩でこすり、布にくるんでくれる者もいなかった。 16:05だれもお前に目をかけず、これらのことの一つでも行って、憐れみをかける者はいなかった。お前が生まれた日、お前は嫌われて野に捨てられた。 16:06しかし、わたしがお前の傍らを通って、お前が自分の血の中でもがいているのを見たとき、わたしは血まみれのお前に向かって、『生きよ』と言った。血まみれのお前に向かって、『生きよ』と言ったのだ。 16:07わたしは、野の若草のようにお前を栄えさせた。それでお前は、健やかに育ち、成熟して美しくなり、胸の形も整い、髪も伸びた。だが、お前は裸のままであった。 16:08その後、わたしがお前の傍らを通ってお前を見たときには、お前は愛される年ごろになっていた。そこでわたしは、衣の裾を広げてお前に掛け、裸を覆った。わたしはお前に誓いを立てて、契約を結び、お前は、わたしのものになった、と主なる神は言われる。 16:09わたしはお前を水で洗い、血を洗い落とし、油を塗った。 16:10そして、美しく織った服を着せ、上質の革靴を履かせ、亜麻布を頭にかぶらせ、絹の衣を掛けてやった。 16:11わたしはまた、装身具をお前につけ、腕には腕輪、首には首飾りをつけた。 16:12また、鼻に飾りの輪を、耳には耳輪を、頭には美しい冠をかぶらせた。 16:13こうして、お前は金銀で身を飾り、亜麻布と絹とで美しく織った服を身に着けた。そして小麦粉と蜂蜜と油を食物とした。こうしてお前は非常に美しくなり、女王のようになった。 16:14その美しさのゆえに、お前の名は国々の間に広まった。わたしがお前を装わせた装いには、少しも欠けるところがなかったからである、と主なる神は言われる。 16:15それなのに、お前はその美しさを頼みとし、自分の名声のゆえに姦淫を行った。お前は通りかかる者すべてにこびを売り、身をまかせた。 16:16また、自分の着物の中から選び出して、華やかな床をしつらえ、その上で姦淫を行った。このようなことは、かつてなかったし、これからもあってはならないことだ。 16:17お前はまた、わたしが与えた金銀の美しい品々を取って男の像を造り、それと姦淫を行った。 16:18お前は美しく織った服をとってそれらの像に着せ、わたしの油と香をその前に供えた。 16:19また、お前はわたしが与えた食物、お前を養ってきた小麦粉、油、蜜をその前に供えて、宥めの香りとした、と主なる神は言われる。 16:20お前はまた、わたしのために産んだお前の息子、娘たちをとり、偶像の食物として供えた。お前の姦淫はまだ足りないのか。 16:21お前はわたしの子供たちを殺し、火に焼いて偶像にささげた。 16:22お前は、あらゆる忌まわしいことや姦淫を行っているあいだ、幼いときに裸で血の中をもがいていたことを思い起こさなかった。 16:23ああ、なんと災いなことか、お前は、と主なる神は言われる。すべての悪事の後に、 16:24お前は祭儀台を設け、すべての広場に高い所を造り、 16:25すべての四つ辻には高い所を設けて、お前の美しさを汚した。また、傍らを通るすべての者に両脚を広げ、姦淫を重ねた。 16:26お前はまた、肉欲の強い隣国エジプト人たちと姦淫を行い、姦淫を重ねてわたしを怒らせた。 16:27わたしは手をお前の上に伸ばして、お前の分け前を奪い、敵であるペリシテの女たちに渡し、その意のままにさせる。彼女たちはお前のみだらな行いにあきれ果てている。 16:28それでも、お前は飽き足らず、アシュルの人々と姦淫を行った。彼らと姦淫を行ってもまだ飽きず、 16:29商業の地カルデアと淫行を重ねたが、それでもなお飽き足らなかった。 16:30お前の心はなんとひどい熱病にかかっていることか、と主なる神は言われる。厚かましい淫婦が行うこれらすべてのことをしているとは。 16:31お前はすべての四つ辻に祭儀台を設け、すべての広場に高い所を造った。お前は報酬を受け取ることを潔しとしなかったから、娼婦とは違っていた。 16:32お前は、自分の夫の代わりに外国の男と通じる淫行の妻だ。 16:33すべての娼婦に対して人は金を払う。ところが、お前はすべてお前を愛する者に、お前の方から贈り物をし、賄賂を贈り、姦淫をするために人々を四方からお前のもとに来させる。 16:34お前の姦淫は他の女たちとは逆である。だれも、お前を誘って姦淫したのではない。お前が報酬を支払われるのではなく、お前の方から報酬を支払っているところが逆である。 16:35それゆえ、姦淫の女よ、主の言葉を聞け。 16:36主なる神はこう言われる。お前が、愛を求める者と姦淫するために、欲情を注ぎ、裸をさらしたために、また、すべての忌まわしい偶像と、それにささげたお前の息子たちの血のゆえに、 16:37わたしは、お前がもてなしたすべての愛人たち、お前の好きだった者も嫌いだった者もすべて集める。わたしは彼らを至るところからお前のもとに集め、お前の裸を彼らにさらす。彼らはお前の裸をくまなく見る。 16:38わたしは、お前を淫行と流血のゆえに裁く。また、怒りと熱情をもって、お前の流血に報いる。 16:39更にわたしは、お前を彼らの手に渡す。彼らはお前の祭儀台を倒し、高い所を破壊し、お前の着物をはぎ取り、美しい飾りを取り去ってお前を裸にする。 16:40彼らは群衆を駆り立ててお前に向かわせ、石を投げさせ、剣で切りつけさせる。 16:41彼らは火でお前の家を焼き、多くの女たちの見ている前でお前を裁く。こうして、わたしはお前に姦淫をやめさせる。お前は二度と報酬を支払わない。 16:42わたしがお前に対する怒りを静め、わたしの熱情がお前から離れるとき、わたしの心は休まり、もはや怒ることはない。 16:43お前が、若い日々のことを思い起こさず、これらすべてのことでわたしを怒らせたので、わたしもまた、お前の行いを頭上に報いる、と主なる神は言われる。お前はすべての忌まわしいことに加えて、この悪事を行ったではないか。 16:44お前についてことわざを語る者は、すべて、ことわざを用いてこう言う。『この母にしてこの娘あり』と。 16:45お前は、自分の夫と息子たちを捨てた母の娘であり、自分の夫と息子たちを捨てた姉妹たちの一人である。お前の母はヘト人、父はアモリ人である。 16:46お前の姉はサマリアであり、彼女とその娘たちはお前の北に住んでいる。また、お前の南に住んでいるお前の妹はソドムとその娘たちである。 16:47お前は彼女たちの道を歩んで、忌まわしいことを行ったばかりでなく、やがて、すべての道において、彼女たちよりもいっそう堕落した。 16:48わたしは生きている、と主なる神は言われる。お前の妹であるソドムも、その娘たちも、お前とお前の娘たちが行ったようなことはしなかった。 16:49お前の妹ソドムの罪はこれである。彼女とその娘たちは高慢で、食物に飽き安閑と暮らしていながら、貧しい者、乏しい者を助けようとしなかった。 16:50彼女たちは傲慢にも、わたしの目の前で忌まわしいことを行った。そのために、わたしが彼女たちを滅ぼしたのは、お前の見たとおりである。 16:51また、サマリアは、お前の過ちの半分も過ちを犯さなかった。お前は彼女たちよりも多くの忌まわしいことを行った。お前が行ったすべての忌まわしいことに比べれば、お前の姉妹は正しい者のようにさえ見えた。 16:52お前は、姉妹よりも忌まわしいことを行った罪によって、彼女たちの咎を軽くした恥辱を負わねばならない。お前は自分の姉妹を正しい者のようにしたことを恥じ、その恥辱を負わねばならない。 16:53わたしは、捕らわれた彼女たちを帰らせる。すなわち、捕らわれたソドムとその娘たち、捕らわれたサマリアとその娘たち、および彼女たちと共に捕らわれたお前たちを帰らせる。 16:54お前は自分の不名誉を負わねばならない。また、お前が彼女たちを慰める結果となったすべての行いのゆえに、不名誉を負わねばならない。 16:55お前の妹であるソドムと、その娘たちは元の姿に帰り、サマリアとその娘たちも元の姿に帰り、また、お前と娘たちも元の姿に帰るであろう。 16:56お前が高慢になったとき、妹ソドムのうわさは既にお前の口にも上っていたではないか。 16:57それは、お前の悪があらわになる前のことである。しかし今では、アラムの娘たちとその周囲の者たち、および、お前を周囲から侮っているペリシテの娘たちに嘲られている。 16:58お前は自分の悪と忌まわしい行いとの責めを負わねばならない、と主は言われる。 16:59主なる神はこう言われる。お前が行ったように、わたしもお前に対して行う。お前は誓いを軽んじ、契約を破った。 16:60だが、わたしは、お前の若い日にお前と結んだわたしの契約を思い起こし、お前に対して永遠の契約を立てる。 16:61お前は自分の道を思い起こし、姉たちと妹たちを受け入れるとき、恥を負うであろう。わたしは、彼女たちを娘としてお前に与える。しかしお前が契約を守ったからではない。 16:62わたしがお前と契約を立てるとき、お前はわたしが主であることを知るようになる。 16:63こうして、お前が行ったすべてのことについて、わたしがお前を赦すとき、お前は自分のしたことを思い起こして恥じ、自分の不名誉のゆえに、二度と口を開くことはできなくなる」と主なる神は言われる。 17:01主の言葉がわたしに臨んだ。 17:02「人の子よ、イスラエルの家に向かって謎をかけ、たとえを語りなさい。 17:03あなたは言わねばならない。主なる神はこう言われる。大きな翼と長い羽をもち
彩り豊かな羽毛に覆われた大鷲が
レバノンに飛来する。その鷲はレバノン杉の梢を切り取り
17:04その頂の若い枝を折って
商業の地に運び、商人の町に置いた。
17:05また、その地の種を取って苗床に蒔き
苗を豊かな水のほとりに柳のように植えた。
17:06やがてそれは育ち
低く生い茂るぶどうの木となった。その枝は鷲の方に向かって伸び
根はその鷲の下に張り
若枝を広げ、つるの伸びたぶどうの木となった。
17:07また、もう一羽の大鷲がいた。これも大きな翼と多くの羽毛を持っていた。このぶどうの木は
その植えられていた場所から
根をこの鷲の方に向け
若枝をこの鷲の方に伸ばして
水を得ようとした。
17:08このぶどうの木は
枝を伸ばし、実を結ぶ
立派なぶどうの木となるように
水の豊かなよい地に植えられていた。
17:09語れ。主なる神はこう言われる。このぶどうの木は成長するだろうか。その根は引き抜かれ
実はもぎ取られないだろうか。芽生えた葉はすべてしおれてしまわないだろうか。それはしおれてしまう。それを根から引き抜くのに
大きな力も、多くの人も必要としない。
17:10それは植えられはしたが
果たして成長するだろうか。東風が吹きつけたなら
しおれてしまわないだろうか。その芽を出した場所で、しおれるであろう。
17:11主なる神の言葉がわたしに臨んだ。 17:12さあ、この反逆の家に語りなさい。このたとえが何を意味するか、お前たちには分からないのか。バビロンの王がエルサレムに来て、王とその家来たちを捕らえ、彼らをバビロンへ連れて行った。 17:13そして、王の子らの一人を選び、これと契約を結び、誓いを立てさせ、更に、この国の有力者をも連れて行った。 17:14それは、この王国が高ぶることなく従順になり、契約を守り続けるようにさせるためであった。 17:15しかし、彼は王に背き、エジプトに使者を送って馬と軍勢を得ようとした。果たして、それでうまくいくだろうか。こんなことをして助かるだろうか。契約を破っておきながら、助かるだろうか。 17:16わたしは生きている、と主なる神は言われる。彼は、自分を王位につけた大王に対する誓いを軽んじ、彼との契約を破ったので、大王の国バビロンで必ず死ぬ。 17:17戦いになって、塁が築かれ、堡塁が建てられ、多くの命が滅ぼされようとも、ファラオは彼のために、強力な軍隊や多数の兵隊をもって戦いはしない。 17:18彼は誓いを軽んじ、契約を破った。彼は約束をしながら、これらすべての事を行った。彼は逃れることができない。 17:19それゆえ、主なる神はこう言われる。わたしは生きている。わたしは、彼が軽んじたわたしの誓いと、彼が破ったわたしの契約とを、必ず彼の頭上に報いる。 17:20わたしは彼の上に網を広げ、彼はわたしの罠にかかる。わたしは彼をバビロンへ連れて行き、彼がわたしに対して行った背信のゆえに、その地で彼を裁く。 17:21彼の全軍の中で、逃れた者もすべて剣に倒れ、更に残った者がいても四方に散らされる。そのとき、お前たちは、主であるわたしが語ったことを知るようになる。 17:22主なる神はこう言われる。わたしは高いレバノン杉の梢を切り取って植え、その柔らかい若枝を折って、高くそびえる山の上に移し植える。 17:23イスラエルの高い山にそれを移し植えると、それは枝を伸ばし実をつけ、うっそうとしたレバノン杉となり、あらゆる鳥がそのもとに宿り、翼のあるものはすべてその枝の陰に住むようになる。 17:24そのとき、野のすべての木々は、主であるわたしが、高い木を低くし、低い木を高くし、また生き生きとした木を枯らし、枯れた木を茂らせることを知るようになる。」主であるわたしがこれを語り、実行する。 18:01主の言葉がわたしに臨んだ。 18:02「お前たちがイスラエルの地で、このことわざを繰り返し口にしているのはどういうことか。『先祖が酢いぶどうを食べれば
子孫の歯が浮く』と。
18:03わたしは生きている、と主なる神は言われる。お前たちはイスラエルにおいて、このことわざを二度と口にすることはない。 18:04すべての命はわたしのものである。父の命も子の命も、同様にわたしのものである。罪を犯した者、その人が死ぬ。 18:05もし、ある人が正しく、正義と恵みの業を行うなら、 18:06すなわち、山の上で偶像の供え物を食べず、イスラエルの家の偶像を仰ぎ見ず、隣人の妻を犯さず、生理中の女性に近づかず、 18:07人を抑圧せず、負債者の質物を返し、力ずくで奪わず、飢えた者に自分のパンを与え、裸の者に衣服を着せ、 18:08利息を天引きして金を貸さず、高利を取らず、不正から手を引き、人と人との間を真実に裁き、 18:09わたしの掟に従って歩み、わたしの裁きを忠実に守るなら、彼こそ正しい人で、彼は必ず生きる、と主なる神は言われる。 18:10彼に生まれた息子が乱暴者で、これらの事の一つでも行う人の血を流し、 18:11自分自身はこれらすべての事の一つですら行わず、かえって山の上で偶像の供え物を食べ、隣人の妻を犯し、 18:12貧しい者、乏しい者を抑圧し、力ずくで奪い、質物を返さず、偶像を仰ぎ見て忌まわしいことを行い、 18:13利息を天引きして金を貸し、高利を取るならば、彼は生きることができようか。彼は生きることはできない。彼はこれらの忌まわしいことをしたのだから、必ず死ぬ。その死の責任は彼にある。 18:14ところで、その人にまた息子が生まれ、彼が父の行ったすべての過ちを見て省み、このような事を行わないなら、 18:15すなわち、山の上で偶像の供え物を食べず、イスラエルの家の偶像を仰ぎ見ず、隣人の妻を犯さず、 18:16人を抑圧せず、質物を取らず、力ずくで奪わず、飢えた者に自分のパンを与え、裸の者に衣服を着せ、 18:17貧しい者の抑圧から手を引き、天引きの利息や高利を取らず、わたしの裁きを行い、わたしの掟に従って歩むなら、彼は父の罪のゆえに死ぬことはない。必ず生きる。 18:18彼の父は搾取を行い、兄弟のものを力ずくで奪い、自分の民の中で善くない事をしたので、自分の罪のゆえに死んだのである。 18:19それなのにお前たちは、『なぜ、子は父の罪を負わないのか』と言う。しかし、その子は正義と恵みの業を行い、わたしの掟をことごとく守り、行ったのだから、必ず生きる。 18:20罪を犯した本人が死ぬのであって、子は父の罪を負わず、父もまた子の罪を負うことはない。正しい人の正しさはその人だけのものであり、悪人の悪もその人だけのものである。 18:21悪人であっても、もし犯したすべての過ちから離れて、わたしの掟をことごとく守り、正義と恵みの業を行うなら、必ず生きる。死ぬことはない。 18:22彼の行ったすべての背きは思い起こされることなく、行った正義のゆえに生きる。 18:23わたしは悪人の死を喜ぶだろうか、と主なる神は言われる。彼がその道から立ち帰ることによって、生きることを喜ばないだろうか。 18:24しかし、正しい人でも、その正しさから離れて不正を行い、悪人がするようなすべての忌まわしい事を行うなら、彼は生きることができようか。彼の行ったすべての正義は思い起こされることなく、彼の背信の行為と犯した過ちのゆえに彼は死ぬ。 18:25それなのにお前たちは、『主の道は正しくない』と言う。聞け、イスラエルの家よ。わたしの道が正しくないのか。正しくないのは、お前たちの道ではないのか。 18:26正しい人がその正しさから離れて不正を行い、そのゆえに死ぬなら、それは彼が行った不正のゆえに死ぬのである。 18:27しかし、悪人が自分の行った悪から離れて正義と恵みの業を行うなら、彼は自分の命を救うことができる。 18:28彼は悔い改めて、自分の行ったすべての背きから離れたのだから、必ず生きる。死ぬことはない。 18:29それなのにイスラエルの家は、『主の道は正しくない』と言う。イスラエルの家よ、わたしの道が正しくないのか。正しくないのは、お前たちの道ではないのか。 18:30それゆえ、イスラエルの家よ。わたしはお前たちひとりひとりをその道に従って裁く、と主なる神は言われる。悔い改めて、お前たちのすべての背きから立ち帰れ。罪がお前たちをつまずかせないようにせよ。 18:31お前たちが犯したあらゆる背きを投げ捨てて、新しい心と新しい霊を造り出せ。イスラエルの家よ、どうしてお前たちは死んでよいだろうか。 18:32わたしはだれの死をも喜ばない。お前たちは立ち帰って、生きよ」と主なる神は言われる。 19:01イスラエルの君侯たちのために、あなたは悲しみの歌をうたって、 19:02言いなさい。お前の母は獅子たちの中にあって
どんな雌獅子だったろうか。お前の母は子獅子の間に伏し
若獅子たちを育てた。
19:03お前の母は子獅子の中から一頭を取り上げた。その子獅子は若獅子に成長し
獲物を取ることを覚え
人々を餌食とした。
19:04しかし、諸国の民は子獅子について聞いた。罠に捕らえられ、鉤にかけられて
エジプトの地へ連れて行かれたと。
19:05お前の母は期待が破れ、望みがうせたのを見て
別の子獅子を取り、若獅子に育てた。
19:06この子獅子は獅子たちの間を歩き回り
若獅子に成長し
獲物を取ることを覚え
人々を餌食とした。
19:07彼は彼らの城郭を破壊し、町々を荒廃させた。そのほえたける声に
地と地を満たすものはおびえた。
19:08諸国民は周囲の国々から彼に立ち向かい
彼の上に網を広げ
彼は罠に捕らえられた。
19:09彼は鉤にかけられ、籠に入れられ
バビロンの王のもとに連れて行かれた。彼らは獄に彼を閉じ込め
二度とその声が、イスラエルの山々に
聞こえないようにした。
19:10お前の母は水のほとりに植えられた
園のぶどうの木のようだ。多くの水のゆえに
豊かに実を結ぶ枝を張った。
19:11その木には
支配者たちの杖となる強い枝があった。丈は雲間に届くほど高くなり
丈高く、枝が多いゆえに際立って見えた。
19:12怒りによって、木は引き抜かれ
地に投げ捨てられた。東風はその実を枯らし
強い枝はもぎ取られて枯れ
火がそれを焼き尽くした。
19:13今や、その木は
荒れ野に、乾いた水なき地に
移し植えられた。
19:14また、若枝の茂る太い枝から
火が出て、実を焼き尽くした。それゆえ、この木には
支配者の杖となる強い枝はなくなった。この歌は悲しみの歌。悲しみの歌としてうたわれた。
20:01第七年の五月のことであった。その月の十日に、イスラエルの長老たち数人が、主の御心を問うために来て、わたしの前に座った。 20:02そのとき、主の言葉がわたしに臨んだ。 20:03「人の子よ、イスラエルの長老たちに語り、彼らに言いなさい。主なる神はこう言われる。お前たちはわたしの意志を問うために来たのか。わたしは生きている。お前たちが尋ねても、わたしは答えない、と主なる神は言われる。 20:04あなたは彼らを裁くのか。人の子よ。彼らを裁くのなら、彼らの先祖たちの行った忌まわしいことを彼らに告げなさい。 20:05彼らに言いなさい、と主なる神はこう言われる。わたしがイスラエルを選んだ日に、わたしはヤコブの家の子孫に誓い、エジプトの地で彼らにわたしを知らせたとき、彼らに誓って、わたしはお前たちの神、主であると言った。 20:06その日、わたしは彼らに誓い、わたしは彼らをエジプトの地から連れ出して、彼らのために探し求めた土地、乳と蜜の流れる地、すべての国々の中で最も美しい土地に導く、と言った。 20:07わたしはまた、彼らに言った。『おのおの、目の前にある憎むべきものを投げ捨てよ。エジプトの偶像によって自分を汚してはならない。わたしはお前たちの神、主である』と。 20:08しかし、彼らはわたしに逆らい、わたしに聞き従おうとはしなかった。おのおの、目の前の憎むべきものを投げ捨てず、エジプトの偶像を捨てようとはしなかった。そこで、わたしは言った。『わたしは憤りを彼らの上に注ぎ、エジプトの地でわたしの怒りを浴びせる』と。 20:09しかし、わたしはわが名のために、彼らがその中に住んでいる諸国民の目の前では、わが名を汚すことがないようにした。その諸国民の目の前で、わたしはイスラエルをエジプトの地から導き出して、わたしを示したのである。 20:10わたしは、彼らをエジプトの地から連れ出し、荒れ野に導いた。 20:11そして、彼らにわたしの掟を与え、わたしの裁きを示した。人がそれを行えば、それによって生きることができる。 20:12また、わたしは、彼らにわたしの安息日を与えた。これは、わたしと彼らとの間のしるしとなり、わたしが彼らを聖別する主であることを、彼らが知るためであった。 20:13しかし、イスラエルの家は荒れ野でわたしに背き、人がそれを行えば生きることができるわたしの掟に歩まず、わたしの裁きを退け、更に、わたしの安息日を甚だしく汚した。それゆえ、わたしは荒れ野で、憤りを彼らの上に注ぎ、彼らを滅ぼし尽くそうとした。 20:14しかし、わが名のために、わたしがイスラエルを連れ出したときに見ていた諸国民の前で、わが名を汚すことがないようにした。 20:15ただし、荒れ野で彼らに誓い、わたしが与えた土地、乳と蜜の流れる地、すべての国々の中で最も美しい土地に、彼らを導き入れることはしないと告げた。 20:16それは、彼らがわたしの裁きを退け、わたしの掟に従って歩まず、わたしの安息日を汚したからだ。彼らの心は、自分たちの偶像にひかれていたのである。 20:17それでも、わたしの目は彼らを憐れんで、彼らを滅ぼさなかった。彼らを荒れ野で滅ぼし尽くすことはしなかった。 20:18わたしは、荒れ野で彼らの子供たちに語った。『お前たちの父祖の掟に従って歩んではならない。彼らの裁きを守ってはならない。また、彼らの偶像で自らを汚してはならない。 20:19わたしはお前たちの神、主である。お前たちは、わたしの掟に従って歩み、わたしの裁きを守り行い、 20:20わたしの安息日を聖別して、わたしとお前たちとの間のしるしとし、わたしがお前たちの神、主であることを知れ』と。 20:21しかし、子供たちもわたしに背き、人がそれを行えば生きることができるわたしの掟に歩まず、わたしの裁きを守り行わず、わたしの安息日を汚した。それゆえ、わたしは荒れ野で彼らの上に憤りを注ぎ、怒りを浴びせる、と言った。 20:22しかし、わたしは手を引き戻し、わが名のために、わたしがイスラエルを連れ出したときに見ていた諸国民の前でわたしの名を汚すことがないようにした。 20:23ただし、わたしは荒れ野で彼らに誓い、彼らを諸国民の間に散らし、諸国に追いやると告げた。 20:24なぜなら、彼らがわたしの裁きを行わず、わたしの掟を退け、わたしの安息日を汚し、彼らの父祖の偶像に目をひかれていたからである。 20:25わたしもまた、良くない掟と、それによって生きることができない裁きを彼らに与えた。 20:26また、彼らが初子をすべてささげたとき、わたしは彼らの献げ物によって彼らを汚した。それは、わたしが彼らを荒廃させ、わたしが主であることを知らせるためであった。 20:27それゆえ、イスラエルの家に語りなさい。人の子よ、彼らに言いなさい。主なる神はこう言われる。お前たちの父祖は、わたしに対して裏切りを行い、またもや、わたしを冒涜した。 20:28わたしが与えると誓ったその地に彼らを導き入れたとき、彼らは高い丘や茂った木を見ると、どこででも、いけにえをささげ、わたしを怒らせる供え物をささげた。彼らはまた、そこで宥めの香りをたき、ぶどう酒の献げ物を注ぎかけた。 20:29わたしは彼らに言った。『お前たちが通う聖なる高台は一体何か』と。それゆえ、今日までその場所の名は、聖なる高台と呼ばれている。 20:30それゆえ、イスラエルの家に言いなさい。主なる神はこう言われる。お前たちは父祖の歩みに従って自らを汚し、彼らの憎むべき偶像と姦淫を行ってきた。 20:31また、自分の子供を献げ物として火の中を通らせ、すべての偶像によって今日に至るまで自らを汚している。それなのに、イスラエルの家よ、わたしはお前たちの求めに応じられようか。わたしは生きている、と主なる神は言われる。わたしは決してお前たちの求めには応じない。 20:32お前たちは、『我々は諸国民のように、また、世界各地の種族のように、木や石の偶像に仕えよう』と言っているが、お前たちが心に思うそのようなことは決して実現しない。 20:33わたしは生きている、と主なる神は言われる。わたしは必ず、強い手と伸ばした腕と、溢れる憤りをもって、お前たちを治める。 20:34強い手と伸ばした腕と、溢れる憤りをもって、わたしはお前たちを諸国の民の中から連れ出し、散らされた国々から集める。 20:35わたしはお前たちを、諸国の民の荒れ野に導き、顔と顔を合わせてお前たちを裁く。 20:36お前たちの父祖をエジプトの国の荒れ野で裁いたように裁く、と主なる神は言われる。 20:37わたしは、お前たちを牧者の杖の下を通らせて、契約のきずなのもとに導く。 20:38わたしはお前たちの中から、わたしに逆らい、背く者を分離する。わたしは、彼らを寄留の地から連れ出すが、彼らはイスラエルの土地に入ることはできない。そのとき、お前たちはわたしが主であることを知るようになる。 20:39お前たちイスラエルの家よ、主なる神はこう言われる。おのおの自分の偶像のもとに行き、それに仕えよ。その後、お前たちは必ずわたしに聞き従い、二度と偶像に贈り物をささげて、わたしの聖なる名を汚すことはなくなる。 20:40わたしの聖なる山、イスラエルの高い山で、と主なる神は言われる。そこにおいてのみ、この地にいるイスラエルの家はすべて、こぞってわたしに仕える。そこでのみ、わたしは彼らを受け入れ、その所で、献げ物と聖なる最上の供え物を求める。 20:41わたしは、宥めの香りと共に、お前たちを受け入れる。わたしが諸国の民の中から連れ出し、散らされていた国々から集めるとき、わたしは諸国民の前で、お前たちに自分を聖なる者として示す。 20:42わたしが、先祖に与えると誓った地、イスラエルの土地に導き入れるとき、お前たちはわたしが主であることを知るようになる。 20:43その所で、お前たちは自分の歩んだ道、自分を汚したすべての行いを思い起こし、自分の行ったあらゆる悪のゆえに自分を嫌悪するようになる。 20:44お前たちの悪い道や堕落した行いによることなく、わが名のゆえに、わたしが働きかけるとき、イスラエルの家よ、お前たちはわたしが主であることを知るようになる」と主なる神は言われる。 21:01主の言葉がわたしに臨んだ。 21:02「人の子よ、顔をテマンに向け、ダロムに向かって言葉を注ぎ出し、ネゲブの野の森に向かって預言せよ。 21:03ネゲブの森に言いなさい。主の言葉を聞け。主なる神はこう言われる。わたしはお前に火をつける。火は、お前の中の青木も枯れ木も焼き尽くす。燃え盛る炎は消えず、地の面は南から北まで、ことごとく焦土と化す。 21:04生ける者は皆、主なるわたしがそれを焼き尽くしたことを認めるようになる。その火は消えることがない。」 21:05そのとき、わたしは言った。「ああ、主なる神よ、彼らはわたしについて、『彼はことわざを語る者にすぎないではないか』と言っています」と。 21:06そのとき、主の言葉がわたしに臨んだ。 21:07「人の子よ、顔をエルサレムに向け、聖所に向かって言葉を注ぎ出し、イスラエルの地に対して預言せよ。 21:08イスラエルの地に向かって言いなさい。主はこう言われる。わたしはお前に立ち向かい、わたしの剣の鞘をはらい、お前たちの中の正しい者も悪い者も切り捨てる。 21:09わたしがお前たちの中から、正しい者も悪い者も切り捨てるために、わたしの剣は鞘を離れ、南から北まで、すべての生ける者に向かう。 21:10そのとき、生ける者は皆、主なるわたしが剣を鞘から抜いたことを知るようになる。剣は二度と鞘には戻らない。 21:11人の子よ、呻け。人々の前で腰をよろめかし、苦しみ呻け。 21:12人々があなたに、『どうして呻いているのか』と問うならば、彼らに答えて言いなさい。『この知らせが届いたからだ』と。すべての人は勇気を失い、手は力なく垂れ、すべての霊は力を失い、すべての膝は水のように力を失う。知らせは届いた。それは実現する」と主なる神は言われる。 21:13主の言葉がわたしに臨んだ。 21:14「人の子よ、預言して言いなさい。主なる神はこう言われる。剣だ。剣が研がれ、磨かれた。 21:15殺戮のためにそれは研がれ
稲妻のように磨かれた。我らは喜びうるか
わが子の王笏が
他のすべての杖を侮るのを。
21:16この剣は磨くために渡され
手に握られる。また、殺す者の手に渡されるために
研がれ、磨かれる。
21:17泣き叫べ、人の子よ。剣がわが民に臨む。また、イスラエルのすべての君侯に臨む。彼らはわが民と共に
剣の前に投げ出される。それゆえ、お前は腿を打って悲しめ。
21:18それは試みを経たものである。もし、それが侮る杖でないとしたら、一体何であろう、と主なる神は言われる。 21:19人の子よ、手を打ち鳴らして預言しなさい。剣は二倍になり、また三倍になる。それは殺戮の剣
彼らを貫く大いなる殺戮の剣。
21:20それにより、人々の心は溶け
つまずく者が増える。すべての門に、殺戮の剣をわたしは送る。ああ、剣は稲妻のようにきらめき
殺すために、引き抜かれる。
21:21刃を鋭くせよ。右に向かい、また、左に向かい
お前の向かう所へどこへでも。
21:22わたしもまた手を打ち鳴らし
憤りに身をまかせよう。」主なるわたしがこれを語った。
21:23主の言葉がわたしに臨んだ。 21:24「人の子よ、あなたはバビロンの王の剣が来るために、二つの道を用意せよ。二つの道を一つの国から延ばし、それぞれの町へ至る道が分かれる地点に標識を作り、 21:25剣が、アンモン人のラバおよびユダの堅固な都エルサレムに進みうるように道を備えなさい。 21:26バビロンの王は二つの道の分かれる地点に立ち、そこで占いを行う。彼は矢を振り、テラフィムに問い、肝臓を見る。 21:27彼の右の手に、エルサレムに対する占いが出る。占いは破城槌を置き、殺戮を宣言し、戦いの呼び声をあげ、門に向かって破城槌を置き、塁を築き、堡塁を建てよ、と命ずる。 21:28それはエルサレムの民の目には空しい占いのように思われる。彼らは自分のために立てられた誓いに頼っている。しかし、それは彼らの罪を思い起こさせ、彼らは捕らわれの身となる。 21:29それゆえ、主なる神はこう言われる。お前たちは罪を思い起こされ、背きがあらわにされ、過ちが自らのすべての行いによって示され、まさにこれらのことが思い起こされたゆえに、お前たちは敵の手に捕らえられる。 21:30悪に汚れたイスラエルの君主よ、お前の日が、終わりの刑罰の時にやって来る。 21:31主なる神はこう言われる。頭巾をはずし、冠を取れ。これはこのままであるはずがない。高い者は低くされ、低い者は高くされる。 21:32荒廃、荒廃、荒廃をわたしは都にもたらす。かつてこのようなことが起こったことはない。それは権威を身に帯びた者が到来するまでである。わたしは権威を彼に与える。」 21:33人の子よ、あなたは預言して言いなさい。主なる神は、アンモン人とその嘲りに対してこう言われる。あなたは言いなさい。「剣よ。剣は殺戮のために抜かれ、きらめくまでに磨き上げられる。 21:34彼らがお前に空しい幻を示し、欺きの占いを行ったゆえに、剣は悪に汚れた者どもの首に置かれる。彼らの日が、終わりの刑罰の時にやって来る。 21:35剣をもとの鞘に納めよ。お前が創造された場所、お前の出身地で、わたしはお前を裁く。 21:36わたしは憤りをお前の上に注ぎかけ、怒りの火をお前に吹きつける。わたしは、滅ぼすことにたけた荒々しい者たちの手にお前を渡す。 21:37火はお前を焼き尽くし、お前の血は国の真ん中に流されるが、お前は思い出されることもない。」主なるわたしがこれを語った。 22:01主の言葉がわたしに臨んだ。 22:02「人の子よ、あなたはこの流血の都を裁くのか。それならば、この都にそのすべての忌まわしいことを知らせよ。 22:03そして言いなさい。主なる神はこう言われる。自らの真ん中に血を流し、自分の時を来させようとする都よ。自分のために偶像を造って、自らを汚す都よ。 22:04流した血によってお前は罪を負い、造った偶像によって汚される。こうしてお前は自分の日を近づかせ、自分の年を来させる。それゆえ、わたしはお前を諸国民の嘲りの的とし、すべての国々の笑いものとする。 22:05近くの者も遠くの者も、自分の名を汚して混乱に満ちているお前を嘲笑うだろう。 22:06イスラエルの君侯たちは、お前の中でおのおの力を振るい、血を流している。 22:07父と母はお前の中で軽んじられ、お前の中に住む他国人は虐げられ、孤児や寡婦はお前の中で苦しめられている。 22:08お前はわたしの聖なるものをさげ
すみ、わたしの安息日を汚した。
22:09お前の中には、血を流すために人を中傷する者がおり、山の上の聖所で食事し、お前の中で恥ずべき事を行う者たちがいる。 22:10またお前の中には、父を辱めたり、生理中の女性を犯す者たちがいる。 22:11ある者は隣人の妻と忌まわしい事を行い、ある者は、恥ずべき事を行って嫁を犯し、またある者は異母姉妹を凌辱する。 22:12お前の中には賄賂を取って流血の罪を犯す者、利息を天引きして金を貸したり、高利を取って隣人を抑圧する者がいる。お前はわたしを忘れた、と主なる神は言われる。 22:13わたしは、お前が得た不正の利益に対し、またお前の中で流された血に対して、わたしの手を打ち鳴らす。 22:14わたしが裁きを行う日に、お前の心は耐えられようか。お前の手の力はうせないだろうか。主であるわたしが、これを語りこれを行う。 22:15わたしはお前を諸国民の間に散らし、国々にまき散らす。わたしはお前の汚れを取り除く。 22:16お前は諸国民の前で自分の罪によって汚される。こうして、お前はわたしが主であることを知るようになる。」 22:17主の言葉がわたしに臨んだ。 22:18「人の子よ、イスラエルの家はわたしにとって金滓のようになった。彼らは炉の中で、みな銀、銅、錫、鉄、鉛などであった。ところが彼らは金滓となってしまった。 22:19それゆえ、主なる神はこう言われる。お前たちがみな金滓となったので、わたしはお前たちをエルサレムの真ん中に集める。 22:20銀、銅、鉄、鉛、錫が炉の中に集められ、火を吹きつけて溶かされるように、わたしも怒りと憤りをもってお前たちを集め、火を吹きつけて溶かす。 22:21わたしがお前たちを集め、わたしの怒りの火を吹きつけると、お前たちはその中で溶ける。 22:22銀が炉の中で溶けるように、お前たちもその中で溶ける。そのとき、お前たちは主なるわたしが、憤りをお前たちの上に注いだことを知るようになる。」 22:23主の言葉がわたしに臨んだ。 22:24「人の子よ、エルサレムに語りなさい。お前は憤りの日に、雨も降らず清められることもない土地だ。 22:25都の中に預言者たちの陰謀がある。獅子がほえ、獲物を引き裂くように、都の中で人々は食われ、富や財宝が奪われ、やもめの数は増した。 22:26祭司たちはわたしの律法を犯し、わたしの聖なるものを汚した。彼らは聖と俗とを区別せず、
浄と汚れの区別を教えず、わたしの安息日に目を覆った。こうして、わたしは彼らの間で汚されている。
22:27また、高官たちは都の中で獲物を引き裂く狼のようだ。彼らは不正の利を得るために、血を流し、人々を殺す。 22:28また、預言者たちは、城壁に漆喰で上塗りをした。彼らは空しい幻を見、欺きの占いをし、主が語られないのに、『主なる神はこう言われる』と言う。 22:29国の民は抑圧を行い、強奪をした。彼らは貧しい者、乏しい者を苦しめ、寄留の外国人を不当に抑圧した。 22:30この地を滅ぼすことがないように、わたしは、わが前に石垣を築き、石垣の破れ口に立つ者を彼らの中から探し求めたが、見いだすことができなかった。 22:31それゆえ、わたしは憤りを彼らの上に注ぎ、怒りの火によって彼らを滅ぼし、彼らの行いの報いをその頭上に返す」と主なる神は言われる。 23:01主の言葉がわたしに臨んだ。 23:02「人の子よ、かつて二人の女性がいた。彼女たちは同じ母の娘であった。 23:03彼女たちはエジプトで淫行を行った。まだ若いのに淫行を行った。その地で、彼女たちの乳房は握られ、処女の乳首は摘まれた。 23:04彼女たちの名は、姉はオホラ、妹はオホリバといった。彼女たちはわたしのものとなり、息子、娘たちを産んだ。彼女たちの名前であるオホラはサマリア、オホリバはエルサレムのことである。 23:05オホラはわたしのもとにいながら、姦淫を行い、その愛人である戦士アッシリア人に欲情を抱いた。 23:06それは紫の衣を着た高官、知事、長官という皆、好ましい男たち、馬に乗る騎士たちであった。 23:07彼女はこの者どもと姦淫を行ったが、彼らは皆、アッシリアの支配者たちであった。彼女は欲情を抱いていたすべての者、およびその偶像によって身を汚した。 23:08彼女はエジプト以来の淫行から離れなかった。人々は彼女の若いときに彼女と寝て、処女の乳首を摘み、淫行を彼女に注いだからである。 23:09それゆえ、わたしは彼女をその愛人の手に、彼女が欲情を抱いたアッシリアの人々の手に渡した。 23:10彼らは彼女の裸をあらわにし、彼女の息子、娘たちを奪い、ついに彼女を剣で殺した。このように彼らは彼女を裁き、彼女は女たちの物笑いとなった。 23:11妹オホリバはこれを見たが、彼女の欲情は姉よりも激しく、その淫行は姉よりもひどかった。 23:12彼女はアッシリアの人々に欲情を抱いた。彼らは知事、長官、戦士、盛装した者、馬に乗る騎兵たちで、皆、好ましい男たちであった。 23:13彼女が自らを汚すのをわたしは見たが、二人とも同じ仕方であった。 23:14彼女は淫行を更に加え、次には壁に浮き彫りされた人々、朱色に描かれたカルデア人の像に目を留めた。 23:15彼らは腰に帯を締め、頭には端を垂らすターバンを巻いており、皆、指揮官のようであった。彼らはカルデア出身のバビロン人の様子をしていた。 23:16彼女が彼らの有様に目を留めると欲情を抱き、使者をカルデアの彼らのもとに遣わした。 23:17そこで、バビロンの人々は愛の床を共にするために彼女のもとに来り、淫行をもって彼女を汚した。彼女は彼らと共に自分を汚したが、やがてその心は彼らから離れた。 23:18彼女がこれ見よがしに姦淫を行い、裸をあらわにしたので、わたしの心は、姉から離れたように彼女からも離れた。 23:19彼女は、かつてエジプトの地で淫行を行った若いころを思い起こして、淫行を重ねた。 23:20彼女は、ろばのような肉をもち、馬のような精をもった者の側女であることに欲情を燃やした。 23:21このように、彼女はエジプトでその若い乳房を握られ、乳首を摘まれた若い日の不貞を再び味わった。 23:22それゆえ、オホリバよ。主なる神はこう言われる。わたしは、お前の心が離れた愛人どもを呼び起こし、お前に立ち向かわせ、彼らを周囲からお前のもとに来させる。 23:23それはバビロンの人々とカルデアのすべての人々、ペコド、ショア、コアおよびアッシリアのすべての人々である。彼らは皆、好ましい男たちで、知事、長官、指揮官、戦士、すべて馬に乗る者たちである。 23:24彼らは、武装した戦車、車、軍勢をもってお前を攻め、大盾、小盾、兜をもってお前を取り囲む。わたしが裁きを彼らにゆだねたので、彼らは自分たちの裁きの仕方でお前を裁く。 23:25わたしは熱情をもってお前に立ち向かい、彼らは憤りをもってお前をあしらう。彼らはお前の鼻と耳をそぎ取り、残った者は剣に倒れる。彼らはお前の息子、娘たちを連れ去り、残った者は火で焼き尽くされる。 23:26彼らはお前の衣服をはぎ取り、美しい飾りを奪う。 23:27わたしはお前の不貞と、エジプトの地にいたとき以来の淫行をやめさせる。お前はそれらに目を向けず、もはやエジプトを思い起こさない。 23:28主なる神はこう言われる。わたしはお前が憎む者の手に、既にお前の心が離れてしまった者の手にお前を渡す。 23:29彼らは憎しみをもってお前をあしらい、労苦によって得たものを奪い、お前を裸にして捨てる。お前の淫行と不貞と姦淫は、裸にされて暴かれる。 23:30これらのことが臨むのは、お前が諸国民と姦淫を行い、彼らの偶像によって身を汚したためである。 23:31お前は姉の歩んだ道を歩んだので、わたしは彼女の杯をお前の手に渡す。 23:32主なる神はこう言われる。姉の杯を、お前は飲まねばならぬ
深くて大きい杯を。お前は嘲られ、侮られる。杯は満ち溢れている。
23:33お前は酔いと悲しみで満たされる。恐れと滅びの杯
お前の姉サマリアの杯
23:34お前はそれを飲み干して
杯のかけらまでかまねばならない。そして自分の乳房をかき裂く。わたしがこれを語ったからだと
主なる神が言われる。
23:35それゆえ、主なる神はこう言われる。お前はわたしを忘れ、わたしを後ろに投げ捨てたのだから、不貞と淫行の責めを自分で負わねばならぬ。 23:36主はわたしに言われた。人の子よ、あなたはオホラとオホリバを裁くのか。あなたは彼女らにその忌まわしいことを告げ知らせるがよい。 23:37彼女たちは姦淫を行い、その手には血がある。彼女たちは自分の偶像と姦淫を行った。そしてわたしのために産んだ彼女たちの息子らさえ、食物として偶像にささげた。 23:38更に、彼女たちはわたしに対して次のことを行った。すなわち、その日にわたしの聖所を汚し、わたしの安息日を汚した。 23:39彼女たちはその息子を殺して偶像にささげたその日に、わたしの聖所に来てそれを汚した。このようなことを、彼女たちはわたしの家の中で行った。 23:40また、彼女たちは遠くから来る者たちのために人を遣わした。彼らのもとに使者が遣わされた。そして、彼らがやって来ると、彼女は彼らのために身を洗い、目にくま取りをし、飾り物で身を飾り、 23:41華やかなベッドに座った。また、その前に宴の座を用意し、わたしの香と油をそこに置いた。 23:42そこには、軽薄な群衆、荒れ野から連れて来られた多くの人々の騒ぎの声が起こった。彼らは彼女たちの手に、腕輪をはめ、頭には美しい冠をかぶせた。 23:43わたしは、淫行に疲れ果てた彼女について言った。今も彼らは彼女と淫行を重ねるのか。また彼女も。 23:44やはり、彼らは彼女のもとへ行った。遊女のもとに行くように、彼らはこの不貞の女オホラとオホリバのもとへ行った。 23:45正しい人々は、姦淫の女の裁きと血を流す者の裁きに従って、彼女たちを裁く。彼女たちが姦淫の女であり、その手が血に染まっているからである。 23:46主なる神はこう言われる。彼女たちのために会衆を召集せよ。彼女らを恐怖と略奪の的とせよ。 23:47会衆は彼女らを石で打ち殺し、剣で切り倒す。また、彼女らの息子、娘たちを殺し、家を火で焼く。 23:48こうして、わたしはこの地の不貞をやめさせる。すべての女たちはこれに学び、お前たちの不貞に従うことはない。 23:49お前たちの不貞の報いはお前たちに帰し、お前たちは偶像による過ちの責めを負わねばならない。そのとき、お前たちはわたしが主なる神であることを知るようになる。」 24:01第九年の十月十日のことである。その月の十日に、主の言葉がわたしに臨んだ。 24:02「人の子よ、この日付、まさにこの日を書き記しなさい。バビロンの王は、まさにこの日にエルサレムの攻城を始めた。 24:03あなたは反逆の家に対してたとえを語り、彼らに言いなさい。主なる神はこう言われる。据えよ、鍋を据えよ。またその中に水を注げ。 24:04それに肉の切れを入れよ。腿や肩肉、すべて上質の肉切れを集め
最上の骨で鍋を満たせ。
24:05また、最上の羊を取り
その下に骨を積み重ねよ。これを十分に沸騰させ
中の骨まで煮えるようにせよ。
24:06それゆえ、主なる神はこう言われる。災いだ、流血の都よ。錆のついた鍋、その錆は取り除きえない。肉を一切れ一切れ取り出せ。くじがそのために引かれることはない。 24:07流血が都の中にあるからだ。彼女は血を裸の岩の上に流し
土で覆うために地面に注ぐことをしなかった。
24:08わたしは復讐のため憤りをかき立て
彼女の血を裸の岩の上に流し
それが覆われないようにした。
24:09それゆえ、主なる神はこう言われる。災いだ、流血の都よ。わたしもまた、薪の山を大きくする。 24:10まきを積み重ね、火をつけよ。肉を煮込んで肉汁を作り、骨を焦がせ。 24:11鍋を空にして炭火にのせ
熱して、青銅が赤くなるまで焼け。汚れがその中で溶け、錆がなくなるように。
24:12しかし、努力のかいもなく
厚い錆は火でも取り除きえない。
24:13不貞によってお前が汚れたので、わたしは清めようとしたが、お前は汚れから清くならなかった。わたしが憤りを晴らすまでは、清くなることは決してない。 24:14主なるわたしが語ったのだ。それは実現する。わたしがそれを行う。わたしはそれをやめず、惜しまず、憐れみもしない。お前の道と行いに従って、お前は裁かれる」と主なる神は言われる。 24:15主の言葉がわたしに臨んだ。 24:16「人の子よ、わたしはあなたの目の喜びを、一撃をもってあなたから取り去る。あなたは嘆いてはならない。泣いてはならない。涙を流してはならない。 24:17声をあげずに悲しめ。死者の喪に服すな。頭にターバンを巻き、足に靴を履きなさい。口ひげを覆うな。嘆きのパンを食べてはならない。」 24:18朝、わたしは人々に語っていた。その夕、わたしの妻は死んだ。翌朝、わたしは命じられたとおりに行った。 24:19人々はわたしに尋ねた。「あなたが行っているこれらの事は、我々にどんな意味があるのか告げてくれないか」と。 24:20そこでわたしは、彼らに語った。「主の言葉がわたしに臨んだ。 24:21イスラエルの家に言いなさい。主なる神はこう言われる。わたしは、わたしの聖所を汚す。それはお前たちの誇る砦であり、目の喜び、心の慕うものであった。お前たちが残してきた息子、娘たちは、剣によって滅びる。 24:22わたしがしたように、お前たちもするようになる。お前たちは口ひげを覆ってはならない。嘆きのパンを食べてはならない。 24:23頭にターバンを巻き、足に靴を履け。また、嘆いてはならない。泣いてはならない。お前たちは自分の罪のゆえに衰え、互いに嘆くようになる。 24:24エゼキエルは、お前たちにとってしるしとなる。すべて彼が行ったように、お前たちもするであろう。すべてが実現したとき、お前たちは、わたしが主なる神であることを知るようになる。」 24:25人の子よ、わたしが彼らから、その砦、栄光の喜び、目の喜び、心の望みであるもの、息子、娘たちを取り去る日、 24:26その日、逃れて来た者が来てあなたの耳に告げる。 24:27その日に、あなたは逃れて来た者に向かって口を開いて語り、もはや黙しているな。あなたは彼らに対してしるしとなり、彼らはわたしが主であることを知るようになる。 25:01主の言葉がわたしに臨んだ。 25:02「人の子よ、顔をアンモン人に向けて、彼らに預言せよ。 25:03アンモン人に言いなさい。主なる神の言葉を聞け、主なる神はこう言われる。お前はわたしの聖所が汚され、イスラエルの地が荒らされ、ユダの家が捕囚となって行ったことを、あはは、と言って嘲った。 25:04それゆえ、わたしはお前を東の人々に渡して彼らに所有させる。彼らはお前の中に陣営を張り、住まいを定める。彼らはお前の果実を食べ、お前の乳を飲む。 25:05わたしは都ラバを、らくだが草をはむ所とし、アンモンの地を羊の憩う所とする。そのとき、お前たちはわたしが主であることを知るようになる。 25:06主なる神はこう言われる。お前は手を打ち、足を踏み鳴らし、イスラエルの地に対する嘲りの思いに満ちて喜んだ。 25:07それゆえ、わたしはお前に向かって手を伸ばし、お前を国々の略奪にゆだね、諸国民の中から断ち、諸国から一掃して滅ぼし尽くす。そのとき、お前はわたしが主であることを知るようになる。」 25:08主なる神はこう言われる。「モアブとセイルは、『ユダの家も他のすべての国のようになった』と言った。 25:09それゆえ、わたしはモアブの脇腹を引き裂き、この国の町々をすべて、その誇りであるベト・エシモト、バアル・メオン、キルヤタイムをはじめひとつ残らず滅ぼし尽くす。 25:10わたしは、アンモン人と共にモアブを東の人々に渡して所有させる。アンモン人が諸国民の間で思い起こされることはない。 25:11わたしはモアブに裁きを行う。そのとき、彼らはわたしが主であることを知るようになる。」 25:12主なる神はこう言われる。「エドムはユダの家に復讐をした。彼らはその復讐によって、大いに罪を犯した。 25:13それゆえ、主なる神はこう言われる。わたしはエドムに向かって手を伸ばし、その中から人と獣を断って荒れ地とする。彼らはテマンからデダンにいたるまで剣で倒れる。 25:14わたしは、わが民イスラエルによってエドムに復讐する。彼らは、わたしの怒りと憤りのままにエドムに対して行う。そのとき、彼らはわたしの復讐を知るようになる」と主なる神は言われる。 25:15主なる神はこう言われる。「ペリシテ人は復讐し、嘲りの思いをもって大いに仇を報い、昔からの憎しみにかられて滅ぼそうとした。 25:16それゆえ、主なる神はこう言われる。わたしは手をペリシテ人に向かって伸ばし、クレタ人を断ち、海辺に残っている者を一掃する。 25:17わたしは、彼らを憤りをもって懲らしめ、大いに復讐する。わたしが彼らに仇を報いるとき、彼らはわたしが主であることを知るようになる。」



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