01:01いかに幸いなことか
神に逆らう者の計らいに従って歩まず
罪ある者の道にとどまらず
傲慢な者と共に座らず
01:02主の教えを愛し
その教えを昼も夜も口ずさむ人。
01:03その人は流れのほとりに植えられた木。ときが巡り来れば実を結び
葉もしおれることがない。その人のすることはすべて、繁栄をもたらす。
01:04神に逆らう者はそうではない。彼は風に吹き飛ばされるもみ殻。
01:05神に逆らう者は裁きに堪えず
罪ある者は神に従う人の集いに堪えない。
01:06神に従う人の道を主は知っていてくださる。神に逆らう者の道は滅びに至る。
02:01なにゆえ、国々は騒ぎ立ち
人々はむなしく声をあげるのか。
02:02なにゆえ、地上の王は構え、支配者は結束して
主に逆らい、主の油注がれた方に逆らうのか
02:03「我らは、枷をはずし
縄を切って投げ捨てよう」と。
02:04天を王座とする方は笑い
主は彼らを嘲り
02:05憤って、恐怖に落とし
怒って、彼らに宣言される。
02:06「聖なる山シオンで
わたしは自ら、王を即位させた。」
02:07主の定められたところに従ってわたしは述べよう。主はわたしに告げられた。「お前はわたしの子
今日、わたしはお前を生んだ。
02:08求めよ。わたしは国々をお前の嗣業とし
地の果てまで、お前の領土とする。
02:09お前は鉄の杖で彼らを打ち
陶工が器を砕くように砕く。」
02:10すべての王よ、今や目覚めよ。地を治める者よ、諭しを受けよ。
02:11畏れ敬って、主に仕え
おののきつつ、喜び躍れ。
02:12子に口づけせよ
主の憤りを招き、道を失うことのないように。主の怒りはまたたくまに燃え上がる。いかに幸いなことか
主を避けどころとする人はすべて。
03:01【賛歌。ダビデの詩。ダビデがその子
アブサロムを逃れたとき。】
03:02主よ、わたしを苦しめる者は
どこまで増えるのでしょうか。多くの者がわたしに立ち向かい
03:03多くの者がわたしに言います
「彼に神の救いなどあるものか」と。〔セラ
03:04主よ、それでも
あなたはわたしの盾、わたしの栄え
わたしの頭を高くあげてくださる方。
03:05主に向かって声をあげれば
聖なる山から答えてくださいます。〔セラ
03:06身を横たえて眠り
わたしはまた、目覚めます。主が支えていてくださいます。
03:07いかに多くの民に包囲されても
決して恐れません。
03:08主よ、立ち上がってください。わたしの神よ、お救いください。すべての敵の顎を打ち
神に逆らう者の歯を砕いてください。
03:09救いは主のもとにあります。あなたの祝福が
あなたの民の上にありますように。〔セラ
04:01【指揮者によって。伴奏付き。賛歌。ダビデの詩。】
04:02呼び求めるわたしに答えてください
わたしの正しさを認めてくださる神よ。苦難から解き放ってください
憐れんで、祈りを聞いてください。
04:03人の子らよ
いつまでわたしの名誉を辱めにさらすのか
むなしさを愛し、偽りを求めるのか。〔セラ
04:04主の慈しみに生きる人を主は見分けて
呼び求める声を聞いてくださると知れ。
04:05おののいて罪を離れよ。横たわるときも自らの心と語り
そして沈黙に入れ。〔セラ
04:06ふさわしい献げ物をささげて、主に依り頼め。
04:07恵みを示す者があろうかと、多くの人は問います。主よ、わたしたちに御顔の光を向けてください。
04:08人々は麦とぶどうを豊かに取り入れて喜びます。それにもまさる喜びを
わたしの心にお与えください。
04:09平和のうちに身を横たえ、わたしは眠ります。主よ、あなただけが、確かに
わたしをここに住まわせてくださるのです。
05:01【指揮者によって。笛に合わせて。賛歌。ダビデの詩。】
05:02主よ、わたしの言葉に耳を傾け
つぶやきを聞き分けてください。
05:03わたしの王、わたしの神よ
助けを求めて叫ぶ声を聞いてください。あなたに向かって祈ります。
05:04主よ、朝ごとに、わたしの声を聞いてください。朝ごとに、わたしは御前に訴え出て
あなたを仰ぎ望みます。
05:05あなたは、決して
逆らう者を喜ぶ神ではありません。悪人は御もとに宿ることを許されず
05:06誇り高い者は御目に向かって立つことができず
悪を行う者はすべて憎まれます。
05:07主よ、あなたは偽って語る者を滅ぼし
流血の罪を犯す者、欺く者をいとわれます。
05:08しかしわたしは、深い慈しみをいただいて
あなたの家に入り、聖なる宮に向かってひれ伏し
あなたを畏れ敬います。
05:09主よ、恵みの御業のうちにわたしを導き
まっすぐにあなたの道を歩ませてください。わたしを陥れようとする者がいます。
05:10彼らの口は正しいことを語らず、舌は滑らかで
喉は開いた墓、腹は滅びの淵。
05:11神よ、彼らを罪に定め
そのたくらみのゆえに打ち倒してください。彼らは背きに背きを重ねる反逆の者。彼らを追い落としてください。
05:12あなたを避けどころとする者は皆、喜び祝い
とこしえに喜び歌います。御名を愛する者はあなたに守られ
あなたによって喜び誇ります。
05:13主よ、あなたは従う人を祝福し
御旨のままに、盾となってお守りくださいます。
06:01【指揮者によって。伴奏付き。第八調。賛歌。ダビデの詩。】
06:02主よ、怒ってわたしを責めないでください
憤って懲らしめないでください。
06:03主よ、憐れんでください
わたしは嘆き悲しんでいます。主よ、癒してください、わたしの骨は恐れ
06:04わたしの魂は恐れおののいています。主よ、いつまでなのでしょう。
06:05主よ、立ち帰り
わたしの魂を助け出してください。あなたの慈しみにふさわしく
わたしを救ってください。
06:06死の国へ行けば、だれもあなたの名を唱えず
陰府に入れば
だれもあなたに感謝をささげません。
06:07わたしは嘆き疲れました。夜ごと涙は床に溢れ、寝床は漂うほどです。
06:08苦悩にわたしの目は衰えて行き
わたしを苦しめる者のゆえに
老いてしまいました。
06:09悪を行う者よ、皆わたしを離れよ。主はわたしの泣く声を聞き
06:10主はわたしの嘆きを聞き
主はわたしの祈りを受け入れてくださる。
06:11敵は皆、恥に落とされて恐れおののき
たちまち退いて、恥に落とされる。
07:01【シガヨン。ダビデの詩。ベニヤミン人クシュのことについてダビデが主に向かって歌ったもの。】
07:02わたしの神、主よ、あなたを避けどころとします。わたしを助け、追い迫る者から救ってください。
07:03獅子のようにわたしの魂を餌食とする者から
だれも奪い返し、助けてくれないのです。
07:04わたしの神、主よ
もしわたしがこのようなことをしたのなら
わたしの手に不正があり
07:05仲間に災いをこうむらせ
敵をいたずらに見逃したなら
07:06敵がわたしの魂に追い迫り、追いつき
わたしの命を地に踏みにじり
わたしの誉れを塵に伏せさせても当然です。〔セラ
07:07主よ、敵に対して怒りをもって立ち上がり
憤りをもって身を起こし
わたしに味方して奮い立ち
裁きを命じてください。
07:08諸国をあなたの周りに集わせ
彼らを超えて高い御座に再び就いてください。
07:09主よ、諸国の民を裁いてください。主よ、裁きを行って宣言してください
お前は正しい、とがめるところはないと。
07:10あなたに逆らう者を災いに遭わせて滅ぼし
あなたに従う者を固く立たせてください。心とはらわたを調べる方
神は正しくいます。
07:11心のまっすぐな人を救う方
神はわたしの盾。
07:12正しく裁く神
日ごとに憤りを表す神。
07:13立ち帰らない者に向かっては、剣を鋭くし
弓を引き絞って構え
07:14殺戮の武器を備え
炎の矢を射かけられます。
07:15御覧ください、彼らは悪をみごもり
災いをはらみ、偽りを生む者です。
07:16落とし穴を掘り、深くしています
仕掛けたその穴に自分が落ちますように。
07:17災いが頭上に帰り
不法な業が自分の頭にふりかかりますように。
07:18正しくいます主にわたしは感謝をささげ
いと高き神、主の御名をほめ歌います。
08:01【指揮者によって。ギティトに
合わせて。賛歌。ダビデの詩。】
08:02主よ、わたしたちの主よ
あなたの御名は、いかに力強く
全地に満ちていることでしょう。天に輝くあなたの威光をたたえます
08:03幼子、乳飲み子の口によって。あなたは刃向かう者に向かって砦を築き
報復する敵を絶ち滅ぼされます。
08:04あなたの天を、あなたの指の業を
わたしは仰ぎます。月も、星も、あなたが配置なさったもの。
08:05そのあなたが御心に留めてくださるとは
人間は何ものなのでしょう。人の子は何ものなのでしょう
あなたが顧みてくださるとは。
08:06神に僅かに劣るものとして人を造り
なお、栄光と威光を冠としていただかせ
08:07御手によって造られたものをすべて治めるように
その足もとに置かれました。
08:08羊も牛も、野の獣も
08:09空の鳥、海の魚、海路を渡るものも。
08:10主よ、わたしたちの主よ
あなたの御名は、いかに力強く
全地に満ちていることでしょう。
09:01【指揮者によって。ムトラベンに
合わせて。賛歌。ダビデの詩。】
09:02わたしは心を尽くして主に感謝をささげ
驚くべき御業をすべて語り伝えよう。
09:03いと高き神よ、わたしは喜び、誇り
御名をほめ歌おう。
09:04御顔を向けられて敵は退き
倒れて、滅び去った。
09:05あなたは御座に就き、正しく裁き
わたしの訴えを取り上げて裁いてくださる。
09:06異邦の民を叱咤し、逆らう者を滅ぼし
その名を世々限りなく消し去られる。
09:07敵はすべて滅び、永遠の廃虚が残り
あなたに滅ぼされた町々の記憶も消え去った。
09:08主は裁きのために御座を固く据え
とこしえに御座に着いておられる。
09:09御自ら世界を正しく治め
国々の民を公平に裁かれる。
09:10虐げられている人に
主が砦の塔となってくださるように
苦難の時の砦の塔となってくださるように。
09:11主よ、御名を知る人はあなたに依り頼む。あなたを尋ね求める人は見捨てられることがない。
09:12シオンにいます主をほめ歌い
諸国の民に御業を告げ知らせよ。
09:13主は流された血に心を留めて
それに報いてくださる。貧しい人の叫びをお忘れになることはない。
09:14憐れんでください、主よ
死の門からわたしを引き上げてくださる方よ。御覧ください
わたしを憎む者がわたしを苦しめているのを。
09:15おとめシオンの城門で
あなたの賛美をひとつひとつ物語り
御救いに喜び躍ることができますように。
09:16異邦の民は自ら掘った穴に落ち
隠して張った網に足をとられる。
09:17主が現れて裁きをされるとき
逆らう者は
自分の手が仕掛けた罠にかかり〔ヒガヨン・セラ
09:18神に逆らう者、神を忘れる者
異邦の民はことごとく、陰府に退く。
09:19乏しい人は永遠に忘れられることなく
貧しい人の希望は決して失われない。
09:20立ち上がってください、主よ。人間が思い上がるのを許さず
御顔を向けて異邦の民を裁いてください。
09:21主よ、異邦の民を恐れさせ
思い知らせてください
彼らが人間にすぎないことを。〔セラ
10:01主よ、なぜ遠く離れて立ち
苦難の時に隠れておられるのか。
10:02貧しい人が神に逆らう傲慢な者に責め立てられて
その策略に陥ろうとしているのに。
10:03神に逆らう者は自分の欲望を誇る。貪欲であり、主をたたえながら、侮っている。
10:04神に逆らう者は高慢で神を求めず
何事も神を無視してたくらむ。
10:05あなたの裁きは彼にとってはあまりにも高い。彼の道はどのようなときにも力をもち
自分に反対する者に自分を誇示し
10:06「わたしは揺らぐことなく、代々に幸せで
災いに遭うことはない」と心に思う。
10:07口に呪い、詐欺、搾取を満たし
舌に災いと悪を隠す。
10:08村はずれの物陰に待ち伏せし
不運な人に目を付け、罪もない人をひそかに殺す。
10:09茂みの陰の獅子のように隠れ、待ち伏せ
貧しい人を捕えようと待ち伏せ
貧しい人を網に捕えて引いて行く。
10:10不運な人はその手に陥り
倒れ、うずくまり
10:11心に思う
「神はわたしをお忘れになった。御顔を隠し、永久に顧みてくださらない」と。
10:12立ち上がってください、主よ。神よ、御手を上げてください。貧しい人を忘れないでください。
10:13なぜ、逆らう者は神を侮り
罰などはない、と心に思うのでしょう。
10:14あなたは必ず御覧になって
御手に労苦と悩みをゆだねる人を
顧みてくださいます。不運な人はあなたにすべてをおまかせします。あなたはみなしごをお助けになります。
10:15逆らう者、悪事を働く者の腕を挫き
彼の反逆を余すところなく罰してください。
10:16主は世々限りなく王。主の地から異邦の民は消え去るでしょう。
10:17主よ、あなたは貧しい人に耳を傾け
その願いを聞き、彼らの心を確かにし
10:18みなしごと虐げられている人のために
裁きをしてくださいます。この地に住む人は
再び脅かされることがないでしょう。
11:01【指揮者によって。ダビデの詩。】主を、わたしは避けどころとしている。どうしてあなたたちはわたしの魂に言うのか
「鳥のように山へ逃れよ。
11:02見よ、主に逆らう者が弓を張り、弦に矢をつがえ
闇の中から心のまっすぐな人を射ようとしている。
11:03世の秩序が覆っているのに
主に従う人に何ができようか」と。
11:04主は聖なる宮にいます。主は天に御座を置かれる。御目は人の子らを見渡し
そのまぶたは人の子らを調べる。
11:05主は、主に従う人と逆らう者を調べ
不法を愛する者を憎み
11:06逆らう者に災いの火を降らせ、熱風を送り
燃える硫黄をその杯に注がれる。
11:07主は正しくいまし、恵みの業を愛し
御顔を心のまっすぐな人に向けてくださる。
12:01【指揮者によって。第八調。賛歌。ダビデの詩。】
12:02主よ、お救いください。主の慈しみに生きる人は絶え
人の子らの中から
信仰のある人は消え去りました。
12:03人は友に向かって偽りを言い
滑らかな唇、二心をもって話します。
12:04主よ、すべて滅ぼしてください
滑らかな唇と威張って語る舌を。
12:05彼らは言います。「舌によって力を振るおう。自分の唇は自分のためだ。わたしたちに主人などはない。」
12:06主は言われます。「虐げに苦しむ者と
呻いている貧しい者のために
今、わたしは立ち上がり
彼らがあえぎ望む救いを与えよう。」
12:07主の仰せは清い。土の炉で七たび練り清めた銀。
12:08主よ、あなたはその仰せを守り
この代からとこしえに至るまで
わたしたちを見守ってくださいます。
12:09主に逆らう者は勝手にふるまいます
人の子らの中に
卑しむべきことがもてはやされるこのとき。
13:01【指揮者によって。賛歌。ダビデの詩。】
13:02いつまで、主よ
わたしを忘れておられるのか。いつまで、御顔をわたしから隠しておられるのか。
13:03いつまで、わたしの魂は思い煩い
日々の嘆きが心を去らないのか。いつまで、敵はわたしに向かって誇るのか。
13:04わたしの神、主よ、顧みてわたしに答え
わたしの目に光を与えてください
死の眠りに就くことのないように
13:05敵が勝ったと思うことのないように
わたしを苦しめる者が
動揺するわたしを見て喜ぶことのないように。
13:06あなたの慈しみに依り頼みます。わたしの心は御救いに喜び躍り
主に向かって歌います
「主はわたしに報いてくださった」と。
14:01【指揮者によって。ダビデの詩。】神を知らぬ者は心に言う
「神などない」と。人々は腐敗している。忌むべき行いをする。善を行う者はいない。
14:02主は天から人の子らを見渡し、探される
目覚めた人、神を求める人はいないか、と。
14:03だれもかれも背き去った。皆ともに、汚れている。善を行う者はいない。ひとりもいない。
14:04悪を行う者は知っているはずではないか。パンを食らうかのようにわたしの民を食らい
主を呼び求めることをしない者よ。
14:05そのゆえにこそ、大いに恐れるがよい。神は従う人々の群れにいます。
14:06貧しい人の計らいをお前たちが挫折させても
主は必ず、避けどころとなってくださる。
14:07どうか、イスラエルの救いが
シオンから起こるように。主が御自分の民、捕われ人を連れ帰られるとき
ヤコブは喜び躍り
イスラエルは喜び祝うであろう。
15:01【賛歌。ダビデの詩。】主よ、どのような人が、あなたの幕屋に宿り
聖なる山に住むことができるのでしょうか。
15:02それは、完全な道を歩き、正しいことを行う人。心には真実の言葉があり
15:03舌には中傷をもたない人。友に災いをもたらさず、親しい人を嘲らない人。
15:04主の目にかなわないものは退け
主を畏れる人を尊び
悪事をしないとの誓いを守る人。
15:05金を貸しても利息を取らず
賄賂を受けて無実の人を陥れたりしない人。これらのことを守る人は
とこしえに揺らぐことがないでしょう。
16:01【ミクタム。ダビデの詩。】神よ、守ってください
あなたを避けどころとするわたしを。
16:02主に申します。「あなたはわたしの主。あなたのほかにわたしの幸いはありません。」
16:03この地の聖なる人々
わたしの愛する尊い人々に申します。
16:04「ほかの神の後を追う者には苦しみが加わる。わたしは血を注ぐ彼らの祭りを行わず
彼らの神の名を唇に上らせません。」
16:05主はわたしに与えられた分、わたしの杯。主はわたしの運命を支える方。
16:06測り縄は麗しい地を示し
わたしは輝かしい嗣業を受けました。
16:07わたしは主をたたえます。主はわたしの思いを励まし
わたしの心を夜ごと諭してくださいます。
16:08わたしは絶えず主に相対しています。主は右にいまし
わたしは揺らぐことがありません。
16:09わたしの心は喜び、魂は躍ります。からだは安心して憩います。
16:10あなたはわたしの魂を陰府に渡すことなく
あなたの慈しみに生きる者に墓穴を見させず
16:11命の道を教えてくださいます。わたしは御顔を仰いで満ち足り、喜び祝い
右の御手から永遠の喜びをいただきます。
17:01【祈り。ダビデの詩。】主よ、正しい訴えを聞き
わたしの叫びに耳を傾け
祈りに耳を向けてください。わたしの唇に欺きはありません。
17:02御前からわたしのために裁きを送り出し
あなた御自身の目をもって公平に御覧ください。
17:03-4 あなたはわたしの心を調べ、夜なお尋ね
火をもってわたしを試されますが
汚れた思いは何ひとつ御覧にならないでしょう。わたしの口は人の習いに従うことなく
あなたの唇の言葉を守ります。暴力の道を避けて
17:04
17:05あなたの道をたどり
一歩一歩、揺らぐことなく進みます。
17:06あなたを呼び求めます
神よ、わたしに答えてください。わたしに耳を向け、この訴えを聞いてください。
17:07慈しみの御業を示してください。あなたを避けどころとする人を
立ち向かう者から
右の御手をもって救ってください。
17:08瞳のようにわたしを守り
あなたの翼の陰に隠してください。
17:09あなたに逆らう者がわたしを虐げ
貪欲な敵がわたしを包囲しています。
17:10彼らは自分の肥え太った心のとりことなり
口々に傲慢なことを言います。
17:11わたしに攻め寄せ、わたしを包囲し
地に打ち倒そうとねらっています。
17:12そのさまは獲物を求めてあえぐ獅子
待ち伏せる若い獅子のようです。
17:13主よ、立ち上がってください。御顔を向けて彼らに迫り、屈服させてください。あなたの剣をもって逆らう者を撃ち
わたしの魂を助け出してください。
17:14主よ、御手をもって彼らを絶ち、この世から絶ち
命ある者の中から彼らの分を絶ってください。しかし、御もとに隠れる人には
豊かに食べ物をお与えください。子らも食べて飽き、子孫にも豊かに残すように。
17:15わたしは正しさを認められ、御顔を仰ぎ望み
目覚めるときには御姿を拝して
満ち足りることができるでしょう。
18:01【指揮者によって。主の僕の詩。ダビデの詩。主がダビデをすべての敵の手、また、サウルの手から救い出されたとき、彼はこの歌の言葉を主に述べた。】
18:02主よ、わたしの力よ、わたしはあなたを慕う。
18:03主はわたしの岩、砦、逃れ場
わたしの神、大岩、避けどころ
わたしの盾、救いの角、砦の塔。
18:04ほむべき方、主をわたしは呼び求め
敵から救われる。
18:05死の縄がからみつき
奈落の激流がわたしをおののかせ
18:06陰府の縄がめぐり
死の網が仕掛けられている。
18:07苦難の中から主を呼び求め
わたしの神に向かって叫ぶと
その声は神殿に響き
叫びは御前に至り、御耳に届く。
18:08主の怒りは燃え上がり、地は揺れ動く。山々の基は震え、揺らぐ。
18:09御怒りに煙は噴き上がり
御口の火は焼き尽くし、炎となって燃えさかる。
18:10主は天を傾けて降り
密雲を足もとに従え
18:11ケルブを駆って飛び
風の翼に乗って行かれる。
18:12周りに闇を置いて隠れがとし
暗い雨雲、立ちこめる霧を幕屋とされる。
18:13御前にひらめく光に雲は従い
雹と火の雨が続く。
18:14主は天から雷鳴をとどろかせ
いと高き神は御声をあげられ
雹と火の雨が続く。
18:15主の矢は飛び交い
稲妻は散乱する。
18:16主よ、あなたの叱咤に海の底は姿を現し
あなたの怒りの息に世界はその基を示す。
18:17主は高い天から御手を遣わしてわたしをとらえ
大水の中から引き上げてくださる。
18:18敵は力があり
わたしを憎む者は勝ち誇っているが
なお、主はわたしを救い出される。
18:19彼らが攻め寄せる災いの日
主はわたしの支えとなり
18:20わたしを広い所に導き出し、助けとなり
喜び迎えてくださる。
18:21主はわたしの正しさに報いてくださる。わたしの手の清さに応じて返してくださる。
18:22わたしは主の道を守り
わたしの神に背かない。
18:23わたしは主の裁きをすべて前に置き
主の掟を遠ざけない。
18:24わたしは主に対して無垢であろうとし
罪から身を守る。
18:25主はわたしの正しさに応じて返してくださる。御目に対してわたしの手は清い。
18:26あなたの慈しみに生きる人に
あなたは慈しみを示し
無垢な人には無垢に
18:27清い人には清くふるまい
心の曲がった者には背を向けられる。
18:28あなたは貧しい民を救い上げ
高ぶる目を引き下ろされる。
18:29主よ、あなたはわたしの灯を輝かし
神よ、あなたはわたしの闇を照らしてくださる。
18:30あなたによって、わたしは敵軍を追い散らし
わたしの神によって、城壁を越える。
18:31神の道は完全
主の仰せは火で練り清められている。すべて御もとに身を寄せる人に
主は盾となってくださる。
18:32主のほかに神はない。神のほかに我らの岩はない。
18:33神はわたしに力を帯びさせ
わたしの道を完全にし
18:34わたしの足を鹿のように速くし
高い所に立たせ
18:35手に戦いの技を教え
腕に青銅の弓を引く力を帯びさせてくださる。
18:36あなたは救いの盾をわたしに授け
右の御手で支えてくださる。あなたは、自ら降り
わたしを強い者としてくださる。
18:37わたしの足は大きく踏み出し
くるぶしはよろめくことがない。
18:38敵を追い、敵に追いつき
滅ぼすまで引き返さず
18:39彼らを打ち、再び立つことを許さない。彼らはわたしの足もとに倒れ伏す。
18:40あなたは戦う力をわたしの身に帯びさせ
刃向かう者を屈服させ
18:41敵の首筋を踏ませてくださる。わたしを憎む者をわたしは滅ぼす。
18:42彼らは叫ぶが、助ける者は現れず
主に向かって叫んでも答えはない。
18:43わたしは彼らを風の前の塵と見なし
野の土くれのようにむなしいものとする。
18:44あなたはわたしを民の争いから解き放ち
国々の頭としてくださる。わたしの知らぬ民もわたしに仕え
18:45わたしのことを耳にしてわたしに聞き従い
敵の民は憐れみを乞う。
18:46敵の民は力を失い、おののいて砦を出る。
18:47主は命の神。わたしの岩をたたえよ。わたしの救いの神をあがめよ。
18:48わたしのために報復してくださる神よ
諸国の民をわたしに従わせてください。
18:49敵からわたしを救い
刃向かう者よりも高く上げ
不法の者から助け出してください。
18:50主よ、国々の中で
わたしはあなたに感謝をささげ
御名をほめ歌う。
18:51主は勝利を与えて王を大いなる者とし
油注がれた人を、ダビデとその子孫を
とこしえまで
慈しみのうちにおかれる。
19:01【指揮者によって。賛歌。ダビデの詩。】
19:02天は神の栄光を物語り
大空は御手の業を示す。
19:03昼は昼に語り伝え
夜は夜に知識を送る。
19:04話すことも、語ることもなく
声は聞こえなくても
19:05その響きは全地に
その言葉は世界の果てに向かう。そこに、神は太陽の幕屋を設けられた。
19:06太陽は、花婿が天蓋から出るように
勇士が喜び勇んで道を走るように
19:07天の果てを出で立ち
天の果てを目指して行く。その熱から隠れうるものはない。
19:08主の律法は完全で、魂を生き返らせ
主の定めは真実で、無知な人に知恵を与える。
19:09主の命令はまっすぐで、心に喜びを与え
主の戒めは清らかで、目に光を与える。
19:10主への畏れは清く、いつまでも続き
主の裁きはまことで、ことごとく正しい。
19:11金にまさり、多くの純金にまさって望ましく
蜜よりも、蜂の巣の滴りよりも甘い。
19:12あなたの僕はそれらのことを熟慮し
それらを守って大きな報いを受けます。
19:13知らずに犯した過ち、隠れた罪から
どうかわたしを清めてください。
19:14あなたの僕を驕りから引き離し
支配されないようにしてください。そうすれば、重い背きの罪から清められ
わたしは完全になるでしょう。
19:15どうか、わたしの口の言葉が御旨にかない
心の思いが御前に置かれますように。主よ、わたしの岩、わたしの贖い主よ。
20:01【指揮者によって。賛歌。ダビデの詩。】
20:02苦難の日に主があなたに答え
ヤコブの神の御名があなたを高く上げ
20:03聖所から助けを遣わし
シオンからあなたを支えてくださるように。
20:04あなたの供え物をことごとく心に留め
あなたのささげるいけにえを快く受け入れ〔セラ
20:05あなたの心の願いをかなえ
あなたの計らいを実現させてくださるように。
20:06我らがあなたの勝利に喜びの声をあげ
我らの神の御名によって
旗を掲げることができるように。主が、あなたの求めるところを
すべて実現させてくださるように。
20:07今、わたしは知った
主は油注がれた方に勝利を授け
聖なる天から彼に答えて
右の御手による救いの力を示されることを。
20:08戦車を誇る者もあり、馬を誇る者もあるが
我らは、我らの神、主の御名を唱える。
20:09彼らは力を失って倒れるが
我らは力に満ちて立ち上がる。
20:10主よ、王に勝利を与え
呼び求める我らに答えてください。
21:01【指揮者によって。賛歌。ダビデの詩。】
21:02主よ、王はあなたの御力を喜び祝い
御救いのゆえに喜び躍る。
21:03あなたは王の心の望みをかなえ
唇の願い求めるところを拒まず〔セラ
21:04彼を迎えて豊かな祝福を与え
黄金の冠をその頭におかれた。
21:05願いを聞き入れて命を得させ
生涯の日々を世々限りなく加えられた。
21:06御救いによって王の栄光は大いなるものになる。あなたは彼に栄えと輝きを賜る。
21:07永遠の祝福を授け、御顔を向けられると
彼は喜び祝う。
21:08王は主に依り頼む。いと高き神の慈しみに支えられ
決して揺らぐことがない。
21:09あなたの御手は敵のすべてに及び
右の御手はあなたを憎む者に及ぶ。
21:10主よ、あなたが怒りを表されるとき
彼らは燃える炉に投げ込まれた者となり
怒りに呑み込まれ、炎になめ尽くされ
21:11その子らは地から
子孫は人の子らの中から断たれる。
21:12彼らはあなたに向かって悪事をたくらみ
陰謀をめぐらすが、決して成功しない。
21:13かえって、あなたは彼らを引き倒し
彼らに向かって弓を引き絞られる。
21:14御力を表される主をあがめよ。力ある御業をたたえて、我らは賛美の歌をうたう。
22:01【指揮者によって。「暁の雌鹿」に合わせて。賛歌。ダビデの詩。】
22:02わたしの神よ、わたしの神よ
なぜわたしをお見捨てになるのか。なぜわたしを遠く離れ、救おうとせず
呻きも言葉も聞いてくださらないのか。
22:03わたしの神よ
昼は、呼び求めても答えてくださらない。夜も、黙ることをお許しにならない。
22:04だがあなたは、聖所にいまし
イスラエルの賛美を受ける方。
22:05わたしたちの先祖はあなたに依り頼み
依り頼んで、救われて来た。
22:06助けを求めてあなたに叫び、救い出され
あなたに依り頼んで、裏切られたことはない。
22:07わたしは虫けら、とても人とはいえない。人間の屑、民の恥。
22:08わたしを見る人は皆、わたしを嘲笑い
唇を突き出し、頭を振る。
22:09「主に頼んで救ってもらうがよい。主が愛しておられるなら
助けてくださるだろう。」
22:10わたしを母の胎から取り出し
その乳房にゆだねてくださったのはあなたです。
22:11母がわたしをみごもったときから
わたしはあなたにすがってきました。母の胎にあるときから、あなたはわたしの神。
22:12わたしを遠く離れないでください
苦難が近づき、助けてくれる者はいないのです。
22:13雄牛が群がってわたしを囲み
バシャンの猛牛がわたしに迫る。
22:14餌食を前にした獅子のようにうなり
牙をむいてわたしに襲いかかる者がいる。
22:15わたしは水となって注ぎ出され
骨はことごとくはずれ
心は胸の中で蝋のように溶ける。
22:16口は渇いて素焼きのかけらとなり
舌は上顎にはり付く。あなたはわたしを塵と死の中に打ち捨てられる。
22:17犬どもがわたしを取り囲み
さいなむ者が群がってわたしを囲み
獅子のようにわたしの手足を砕く。
22:18骨が数えられる程になったわたしのからだを
彼らはさらしものにして眺め
22:19わたしの着物を分け
衣を取ろうとしてくじを引く。
22:20主よ、あなただけは
わたしを遠く離れないでください。わたしの力の神よ
今すぐにわたしを助けてください。
22:21わたしの魂を剣から救い出し
わたしの身を犬どもから救い出してください。
22:22獅子の口、雄牛の角からわたしを救い
わたしに答えてください。
22:23わたしは兄弟たちに御名を語り伝え
集会の中であなたを賛美します。
22:24主を畏れる人々よ、主を賛美せよ。ヤコブの子孫は皆、主に栄光を帰せよ。イスラエルの子孫は皆、主を恐れよ。
22:25主は貧しい人の苦しみを
決して侮らず、さげすまれません。御顔を隠すことなく
助けを求める叫びを聞いてくださいます。
22:26それゆえ、わたしは大いなる集会で
あなたに賛美をささげ
神を畏れる人々の前で満願の献げ物をささげます。
22:27貧しい人は食べて満ち足り
主を尋ね求める人は主を賛美します。いつまでも健やかな命が与えられますように。
22:28地の果てまで
すべての人が主を認め、御もとに立ち帰り
国々の民が御前にひれ伏しますように。
22:29王権は主にあり、主は国々を治められます。
22:30命に溢れてこの地に住む者はことごとく
主にひれ伏し
塵に下った者もすべて御前に身を屈めます。わたしの魂は必ず命を得
22:31-32 子孫は神に仕え
主のことを来るべき代に語り伝え
成し遂げてくださった恵みの御業を
民の末に告げ知らせるでしょう。
22:32
23:01【賛歌。ダビデの詩。】主は羊飼い、わたしには何も欠けることがない。
23:02主はわたしを青草の原に休ませ
憩いの水のほとりに伴い
23:03魂を生き返らせてくださる。主は御名にふさわしく
わたしを正しい道に導かれる。
23:04死の陰の谷を行くときも
わたしは災いを恐れない。あなたがわたしと共にいてくださる。あなたの鞭、あなたの杖
それがわたしを力づける。
23:05わたしを苦しめる者を前にしても
あなたはわたしに食卓を整えてくださる。わたしの頭に香油を注ぎ
わたしの杯を溢れさせてくださる。
23:06命のある限り
恵みと慈しみはいつもわたしを追う。主の家にわたしは帰り
生涯、そこにとどまるであろう。
24:01【ダビデの詩。賛歌。】地とそこに満ちるもの
世界とそこに住むものは、主のもの。
24:02主は、大海の上に地の基を置き
潮の流れの上に世界を築かれた。
24:03どのような人が、主の山に上り
聖所に立つことができるのか。
24:04それは、潔白な手と清い心をもつ人。むなしいものに魂を奪われることなく
欺くものによって誓うことをしない人。
24:05主はそのような人を祝福し
救いの神は恵みをお与えになる。
24:06それは主を求める人
ヤコブの神よ、御顔を尋ね求める人。〔セラ
24:07城門よ、頭を上げよ
とこしえの門よ、身を起こせ。栄光に輝く王が来られる。
24:08栄光に輝く王とは誰か。強く雄々しい主、雄々しく戦われる主。
24:09城門よ、頭を上げよ
とこしえの門よ、身を起こせ。栄光に輝く王が来られる。
24:10栄光に輝く王とは誰か。万軍の主、主こそ栄光に輝く王。〔セラ
25:01【ダビデの詩。】主よ、わたしの魂はあなたを仰ぎ望み
25:02わたしの神よ、あなたに依り頼みます。どうか、わたしが恥を受けることのないように
敵が誇ることのないようにしてください。
25:03あなたに望みをおく者はだれも
決して恥を受けることはありません。いたずらに人を欺く者が恥を受けるのです。
25:04主よ、あなたの道をわたしに示し
あなたに従う道を教えてください。
25:05あなたのまことにわたしを導いてください。教えてください
あなたはわたしを救ってくださる神。絶えることなくあなたに望みをおいています。
25:06主よ思い起こしてください
あなたのとこしえの憐れみと慈しみを。
25:07わたしの若いときの罪と背きは思い起こさず
慈しみ深く、御恵みのために
主よ、わたしを御心に留めてください。
25:08主は恵み深く正しくいまし
罪人に道を示してくださいます。
25:09裁きをして貧しい人を導き
主の道を貧しい人に教えてくださいます。
25:10その契約と定めを守る人にとって
主の道はすべて、慈しみとまこと。
25:11主よ、あなたの御名のために
罪深いわたしをお赦しください。
25:12主を畏れる人は誰か。主はその人に選ぶべき道を示されるであろう。
25:13その人は恵みに満たされて宿り
子孫は地を継ぐであろう。
25:14主を畏れる人に
主は契約の奥義を悟らせてくださる。
25:15わたしはいつも主に目を注いでいます。わたしの足を網から引き出してくださる方に。
25:16御顔を向けて、わたしを憐れんでください。わたしは貧しく、孤独です。
25:17悩む心を解き放ち
痛みからわたしを引き出してください。
25:18御覧ください、わたしの貧しさと労苦を。どうかわたしの罪を取り除いてください。
25:19御覧ください、敵は増えて行くばかりです。わたしを憎み、不法を仕掛けます。
25:20御もとに身を寄せます。わたしの魂を守り、わたしを助け出し
恥を受けることのないようにしてください。
25:21あなたに望みをおき、無垢でまっすぐなら
そのことがわたしを守ってくれるでしょう。
25:22神よ、イスラエルを
すべての苦難から贖ってください。
26:01【ダビデの詩。】主よ、あなたの裁きを望みます。わたしは完全な道を歩いてきました。主に信頼して、よろめいたことはありません。
26:02主よ、わたしを調べ、試み
はらわたと心を火をもって試してください。
26:03あなたの慈しみはわたしの目の前にあり
あなたのまことに従って歩き続けています。
26:04偽る者と共に座らず
欺く者の仲間に入らず
26:05悪事を謀る者の集いを憎み
主に逆らう者と共に座ることをしません。
26:06主よ、わたしは手を洗って潔白を示し
あなたの祭壇を廻り
26:07感謝の歌声を響かせ
驚くべき御業をことごとく語り伝えます。
26:08主よ、あなたのいます家
あなたの栄光の宿るところをわたしは慕います。
26:09わたしの魂を罪ある者の魂と共に
わたしの命を流血を犯す者の命と共に
取り上げないでください。
26:10彼らの手は汚れた行いに馴れ
その右の手には奪った物が満ちています。
26:11わたしは完全な道を歩きます。わたしを憐れみ、贖ってください。
26:12わたしの足はまっすぐな道に立っています。聖歌隊と共にわたしは主をたたえます。
27:01【ダビデの詩。】主はわたしの光、わたしの救い
わたしは誰を恐れよう。主はわたしの命の砦
わたしは誰の前におののくことがあろう。
27:02さいなむ者が迫り
わたしの肉を食い尽くそうとするが
わたしを苦しめるその敵こそ、かえって
よろめき倒れるであろう。
27:03彼らがわたしに対して陣を敷いても
わたしの心は恐れない。わたしに向かって戦いを挑んで来ても
わたしには確信がある。
27:04ひとつのことを主に願い、それだけを求めよう。命のある限り、主の家に宿り
主を仰ぎ望んで喜びを得
その宮で朝を迎えることを。
27:05災いの日には必ず、主はわたしを仮庵にひそませ
幕屋の奥深くに隠してくださる。岩の上に立たせ
27:06群がる敵の上に頭を高く上げさせてくださる。わたしは主の幕屋でいけにえをささげ、歓声をあげ
主に向かって賛美の歌をうたう。
27:07主よ、呼び求めるわたしの声を聞き
憐れんで、わたしに答えてください。
27:08心よ、主はお前に言われる
「わたしの顔を尋ね求めよ」と。主よ、わたしは御顔を尋ね求めます。
27:09御顔を隠すことなく、怒ることなく
あなたの僕を退けないでください。あなたはわたしの助け。救いの神よ、わたしを離れないでください
見捨てないでください。
27:10父母はわたしを見捨てようとも
主は必ず、わたしを引き寄せてくださいます。
27:11主よ、あなたの道を示し
平らな道に導いてください。わたしを陥れようとする者がいるのです。
27:12貪欲な敵にわたしを渡さないでください。偽りの証人、不法を言い広める者が
わたしに逆らって立ちました。
27:13わたしは信じます
命あるものの地で主の恵みを見ることを。
27:14主を待ち望め
雄々しくあれ、心を強くせよ。主を待ち望め。
28:01【ダビデの詩。】主よ、あなたを呼び求めます。わたしの岩よ
わたしに対して沈黙しないでください。あなたが黙しておられるなら
わたしは墓に下る者とされてしまいます。
28:02嘆き祈るわたしの声を聞いてください。至聖所に向かって手を上げ
あなたに救いを求めて叫びます。
28:03神に逆らう者、悪を行う者と共に
わたしを引いて行かないでください。彼らは仲間に向かって平和を口にしますが
心には悪意を抱いています。
28:04その仕業、悪事に応じて彼らに報いてください。その手のなすところに応じて
彼らに報い、罰してください。
28:05主の御業、御手の業を彼らは悟ろうとしません。彼らを滅ぼし、再び興さないでください。
28:06主をたたえよ。嘆き祈るわたしの声を聞いてくださいました。
28:07主はわたしの力、わたしの盾
わたしの心は主に依り頼みます。主の助けを得てわたしの心は喜び躍ります。歌をささげて感謝いたします。
28:08主は油注がれた者の力、その砦、救い。
28:09お救いください、あなたの民を。祝福してください、あなたの嗣業の民を。とこしえに彼らを導き養ってください。
29:01【賛歌。ダビデの詩。】神の子らよ、主に帰せよ
栄光と力を主に帰せよ
29:02御名の栄光を主に帰せよ。聖なる輝きに満ちる主にひれ伏せ。
29:03主の御声は水の上に響く。栄光の神の雷鳴はとどろく。主は大水の上にいます。
29:04主の御声は力をもって響き
主の御声は輝きをもって響く。
29:05主の御声は杉の木を砕き
主はレバノンの杉の木を砕き
29:06レバノンを子牛のように
シルヨンを野牛の子のように躍らせる。
29:07主の御声は炎を裂いて走らせる。
29:08主の御声は荒れ野をもだえさせ
主はカデシュの荒れ野をもだえさせる。
29:09主の御声は雌鹿をもだえさせ
月満ちぬうちに子を産ませる。神殿のものみなは唱える
「栄光あれ」と。
29:10主は洪水の上に御座をおく。とこしえの王として、主は御座をおく。
29:11どうか主が民に力をお与えになるように。主が民を祝福して平和をお与えになるように。
30:01【賛歌。神殿奉献の歌。ダビデの詩。】
30:02主よ、あなたをあがめます。あなたは敵を喜ばせることなく
わたしを引き上げてくださいました。
30:03わたしの神、主よ、叫び求めるわたしを
あなたは癒してくださいました。
30:04主よ、あなたはわたしの魂を陰府から引き上げ
墓穴に下ることを免れさせ
わたしに命を得させてくださいました。
30:05主の慈しみに生きる人々よ
主に賛美の歌をうたい
聖なる御名を唱え、感謝をささげよ。
30:06ひととき、お怒りになっても
命を得させることを御旨としてくださる。泣きながら夜を過ごす人にも
喜びの歌と共に朝を迎えさせてくださる。
30:07平穏なときには、申しました
「わたしはとこしえに揺らぐことがない」と。
30:08主よ、あなたが御旨によって
砦の山に立たせてくださったからです。しかし、御顔を隠されると
わたしはたちまち恐怖に陥りました。
30:09主よ、わたしはあなたを呼びます。主に憐れみを乞います。
30:10わたしが死んで墓に下ることに
何の益があるでしょう。塵があなたに感謝をささげ
あなたのまことを告げ知らせるでしょうか。
30:11主よ、耳を傾け、憐れんでください。主よ、わたしの助けとなってください。
30:12あなたはわたしの嘆きを踊りに変え
粗布を脱がせ、喜びを帯としてくださいました。
30:13わたしの魂があなたをほめ歌い
沈黙することのないようにしてくださいました。わたしの神、主よ
とこしえにあなたに感謝をささげます。
31:01【指揮者によって。賛歌。ダビデの詩。】
31:02主よ、御もとに身を寄せます。とこしえに恥に落とすことなく
恵みの御業によってわたしを助けてください。
31:03あなたの耳をわたしに傾け
急いでわたしを救い出してください。砦の岩、城塞となってお救いください。
31:04あなたはわたしの大岩、わたしの砦。御名にふさわしく、わたしを守り導き
31:05隠された網に落ちたわたしを引き出してください。あなたはわたしの砦。
31:06まことの神、主よ、御手にわたしの霊をゆだねます。わたしを贖ってください。
31:07わたしは空しい偶像に頼る者を憎み
主に、信頼します。
31:08慈しみをいただいて、わたしは喜び躍ります。あなたはわたしの苦しみを御覧になり
わたしの魂の悩みを知ってくださいました。
31:09わたしを敵の手に渡すことなく
わたしの足を
広い所に立たせてくださいました。
31:10主よ、憐れんでください
わたしは苦しんでいます。目も、魂も、はらわたも
苦悩のゆえに衰えていきます。
31:11命は嘆きのうちに
年月は呻きのうちに尽きていきます。罪のゆえに力はうせ
骨は衰えていきます。
31:12わたしの敵は皆、わたしを嘲り
隣人も、激しく嘲ります。親しい人々はわたしを見て恐れを抱き
外で会えば避けて通ります。
31:13人の心はわたしを死者のように葬り去り
壊れた器と見なします。
31:14ひそかな声が周囲に聞こえ
脅かすものが取り囲んでいます。人々がわたしに対して陰謀をめぐらし
命を奪おうとたくらんでいます。
31:15主よ、わたしはなお、あなたに信頼し
「あなたこそわたしの神」と申します。
31:16わたしにふさわしいときに、御手をもって
追い迫る者、敵の手から助け出してください。
31:17あなたの僕に御顔の光を注ぎ
慈しみ深く、わたしをお救いください。
31:18主よ、あなたを呼びます。わたしを恥に落とすことなく
神に逆らう者をこそ恥に落とし
陰府に落とし、黙らせてください。
31:19偽って語る唇を封じてください
正しい人を侮り、驕り高ぶって語る唇を。
31:20御恵みはいかに豊かなことでしょう。あなたを畏れる人のためにそれを蓄え
人の子らの目の前で
あなたに身を寄せる人に、お与えになります。
31:21御もとに彼らをかくまって
人間の謀から守ってくださいます。仮庵の中に隠し
争いを挑む舌を免れさせてくださいます。
31:22主をたたえよ。主は驚くべき慈しみの御業を
都が包囲されたとき、示してくださいました。
31:23恐怖に襲われて、わたしは言いました
「御目の前から断たれた」と。それでもなお、あなたに向かうわたしの叫びを
嘆き祈るわたしの声を
あなたは聞いてくださいました。
31:24主の慈しみに生きる人はすべて、主を愛せよ。主は信仰ある人を守り
傲慢な者には厳しく報いられる。
31:25雄々しくあれ、心を強くせよ
主を待ち望む人はすべて。
32:01【ダビデの詩。マスキール。】いかに幸いなことでしょう
背きを赦され、罪を覆っていただいた者は。
32:02いかに幸いなことでしょう
主に咎を数えられず、心に欺きのない人は。
32:03わたしは黙し続けて
絶え間ない呻きに骨まで朽ち果てました。
32:04御手は昼も夜もわたしの上に重く
わたしの力は
夏の日照りにあって衰え果てました。〔セラ
32:05わたしは罪をあなたに示し
咎を隠しませんでした。わたしは言いました
「主にわたしの背きを告白しよう」と。そのとき、あなたはわたしの罪と過ちを
赦してくださいました。〔セラ
32:06あなたの慈しみに生きる人は皆
あなたを見いだしうる間にあなたに祈ります。大水が溢れ流れるときにも
その人に及ぶことは決してありません。
32:07あなたはわたしの隠れが。苦難から守ってくださる方。救いの喜びをもって
わたしを囲んでくださる方。〔セラ
32:08わたしはあなたを目覚めさせ
行くべき道を教えよう。あなたの上に目を注ぎ、勧めを与えよう。
32:09分別のない馬やらばのようにふるまうな。それはくつわと手綱で動きを抑えねばならない。そのようなものをあなたに近づけるな。
32:10神に逆らう者は悩みが多く
主に信頼する者は慈しみに囲まれる。
32:11神に従う人よ、主によって喜び躍れ。すべて心の正しい人よ、喜びの声をあげよ。
33:01主に従う人よ、主によって喜び歌え。主を賛美することは正しい人にふさわしい。
33:02琴を奏でて主に感謝をささげ
十弦の琴を奏でてほめ歌をうたえ。
33:03新しい歌を主に向かってうたい
美しい調べと共に喜びの叫びをあげよ。
33:04主の御言葉は正しく
御業はすべて真実。
33:05主は恵みの業と裁きを愛し
地は主の慈しみに満ちている。
33:06御言葉によって天は造られ
主の口の息吹によって天の万象は造られた。
33:07主は大海の水をせき止め
深淵の水を倉に納められた。
33:08全地は主を畏れ
世界に住むものは皆、主におののく。
33:09主が仰せになると、そのように成り
主が命じられると、そのように立つ。
33:10主は国々の計らいを砕き
諸国の民の企てを挫かれる。
33:11主の企てはとこしえに立ち
御心の計らいは代々に続く。
33:12いかに幸いなことか
主を神とする国
主が嗣業として選ばれた民は。
33:13主は天から見渡し
人の子らをひとりひとり御覧になり
33:14御座を置かれた所から
地に住むすべての人に目を留められる。
33:15人の心をすべて造られた主は
彼らの業をことごとく見分けられる。
33:16王の勝利は兵の数によらず
勇士を救うのも力の強さではない。
33:17馬は勝利をもたらすものとはならず
兵の数によって救われるのでもない。
33:18見よ、主は御目を注がれる
主を畏れる人、主の慈しみを待ち望む人に。
33:19彼らの魂を死から救い
飢えから救い、命を得させてくださる。
33:20我らの魂は主を待つ。主は我らの助け、我らの盾。
33:21我らの心は喜び
聖なる御名に依り頼む。
33:22主よ、あなたの慈しみが
我らの上にあるように
主を待ち望む我らの上に。
34:01【ダビデの詩。ダビデがアビメレクの前で狂気の人を装い、追放されたときに。】
34:02どのようなときも、わたしは主をたたえ
わたしの口は絶えることなく賛美を歌う。
34:03わたしの魂は主を賛美する。貧しい人よ、それを聞いて喜び祝え。
34:04わたしと共に主をたたえよ。ひとつになって御名をあがめよう。
34:05わたしは主に求め
主は答えてくださった。脅かすものから常に救い出してくださった。
34:06主を仰ぎ見る人は光と輝き
辱めに顔を伏せることはない。
34:07この貧しい人が呼び求める声を主は聞き
苦難から常に救ってくださった。
34:08主の使いはその周りに陣を敷き
主を畏れる人を守り助けてくださった。
34:09味わい、見よ、主の恵み深さを。いかに幸いなことか、御もとに身を寄せる人は。
34:10主の聖なる人々よ、主を畏れ敬え。主を畏れる人には何も欠けることがない。
34:11若獅子は獲物がなくて飢えても
主に求める人には良いものの欠けることがない。
34:12子らよ、わたしに聞き従え。主を畏れることを教えよう。
34:13喜びをもって生き
長生きして幸いを見ようと望む者は
34:14舌を悪から
唇を偽りの言葉から遠ざけ
34:15悪を避け、善を行い
平和を尋ね求め、追い求めよ。
34:16主は、従う人に目を注ぎ
助けを求める叫びに耳を傾けてくださる。
34:17主は悪を行う者に御顔を向け
その名の記念を地上から絶たれる。
34:18主は助けを求める人の叫びを聞き
苦難から常に彼らを助け出される。
34:19主は打ち砕かれた心に近くいまし
悔いる霊を救ってくださる。
34:20主に従う人には災いが重なるが
主はそのすべてから救い出し
34:21骨の一本も損なわれることのないように
彼を守ってくださる。
34:22主に逆らう者は災いに遭えば命を失い
主に従う人を憎む者は罪に定められる。
34:23主はその僕の魂を贖ってくださる。主を避けどころとする人は
罪に定められることがない。
35:01【ダビデの詩。】主よ、わたしと争う者と争い
わたしと戦う者と戦ってください。
35:02大盾と盾を取り
立ち上がってわたしを助けてください。
35:03わたしに追い迫る者の前に
槍を構えて立ちふさがってください。どうか、わたしの魂に言ってください
「お前を救おう」と。
35:04わたしの命を奪おうとする者は
恥に落とされ、嘲りを受けますように。わたしに災いを謀る者は
辱めを受けて退きますように。
35:05風に飛ぶもみ殻となった彼らが
主の使いに追い払われますように。
35:06道を暗闇に閉ざされ、足を滑らせる彼らに
主の使いが追い迫りますように。
35:07彼らは無実なわたしを滅ぼそうと網を張り
わたしの魂を滅ぼそうと落とし穴を掘りました。
35:08どうか、思わぬ時に破滅が臨み
彼らが自ら張った網に掛かり
破滅に落ちますように。
35:09わたしの魂は主によって喜び躍り
御救いを喜び楽しみます。
35:10わたしの骨はことごとく叫びます。「主よ、あなたに並ぶものはありません。貧しい人を強い者から
貧しく乏しい人を搾取する者から
助け出してくださいます。」
35:11不法の証人が数多く立ち、わたしを追及しますが
わたしの知らないことばかりです。
35:12彼らはわたしの善意に悪意をもってこたえます。わたしの魂を滅ぼそうとして、子供を奪いました。
35:13彼らが病にかかっていたとき
わたしは粗布をまとって断食し、魂を苦しめ
胸の内に祈りを繰り返し
35:14彼らの友、彼らの兄弟となり
母の死を悼む子のように嘆きの衣をまとい
うなだれて行き来したのに
35:15わたしが倒れれば彼らは喜び、押し寄せます。わたしに向かって押し寄せ
わたしの知らないことについてわたしを打ち
とめどもなく引き裂きます。
35:16神を無視する者がわたしを囲んで嘲笑い
わたしに向かって歯をむき出します。
35:17主よ、いつまで見ておられるのですか。彼らの謀る破滅から
わたしの魂を取り返してください。多くの若い獅子からわたしの身を救ってください。
35:18優れた会衆の中であなたに感謝をささげ
偉大な民の中であなたを賛美できますように。
35:19敵が不当に喜ぶことがありませんように。無実なわたしを憎む者が
侮りの目で見ることがありませんように。
35:20彼らは平和を語ることなく
この地の穏やかな人々を欺こうとしています。
35:21わたしに向かえば、大口を開けて嘲笑い
「この目で見た」と言います。
35:22主よ、あなたは御覧になっています。沈黙なさらないでください。わたしの主よ、遠く離れないでください。
35:23わたしの神、わたしの主よ、目を覚まし
起き上がり、わたしのために裁きに臨み
わたしに代わって争ってください。
35:24主よ、わたしの神よ
あなたの正しさによって裁いてください。敵が喜んで
35:25「うまく行った」と心の中で言いませんように。「ひと呑みにした」と言いませんように。
35:26苦難の中にいるわたしを嘲笑う者が
共に恥と嘲りを受け
わたしに対して尊大にふるまう者が
恥と辱めを衣としますように。
35:27わたしが正しいとされることを望む人々が
喜び歌い、喜び祝い
絶えることなく唱えますように
「主をあがめよ
御自分の僕の平和を望む方を」と。
35:28わたしの舌があなたの正しさを歌い
絶えることなくあなたを賛美しますように。
36:01【指揮者によって。主の僕の詩。ダビデの詩。】
36:02神に逆らう者に罪が語りかけるのが
わたしの心の奥に聞こえる。彼の前に、神への恐れはない。
36:03自分の目に自分を偽っているから
自分の悪を認めることも
それを憎むこともできない。
36:04彼の口が語ることは悪事、欺き。決して目覚めようとも、善を行おうともしない。
36:05床の上でも悪事を謀り
常にその身を不正な道に置き
悪を退けようとしない。
36:06主よ、あなたの慈しみは天に
あなたの真実は大空に満ちている。
36:07恵みの御業は神の山々のよう
あなたの裁きは大いなる深淵。主よ、あなたは人をも獣をも救われる。
36:08神よ、慈しみはいかに貴いことか。あなたの翼の陰に人の子らは身を寄せ
36:09あなたの家に滴る恵みに潤い
あなたの甘美な流れに渇きを癒す。
36:10命の泉はあなたにあり
あなたの光に、わたしたちは光を見る。
36:11あなたを知る人の上に
慈しみが常にありますように。心のまっすぐな人の上に
恵みの御業が常にありますように。
36:12神に逆らう者の手が
わたしを追い立てることを許さず
驕る者の足が
わたしに迫ることを許さないでください。
36:13悪事を働く者は必ず倒れる。彼らは打ち倒され
再び立ち上がることはない。
37:01【ダビデの詩。】悪事を謀る者のことでいら立つな。不正を行う者をうらやむな。
37:02彼らは草のように瞬く間に枯れる。青草のようにすぐにしおれる。
37:03主に信頼し、善を行え。この地に住み着き、信仰を糧とせよ。
37:04主に自らをゆだねよ
主はあなたの心の願いをかなえてくださる。
37:05あなたの道を主にまかせよ。信頼せよ、主は計らい
37:06あなたの正しさを光のように
あなたのための裁きを
真昼の光のように輝かせてくださる。
37:07沈黙して主に向かい、主を待ち焦がれよ。繁栄の道を行く者や
悪だくみをする者のことでいら立つな。
37:08怒りを解き、憤りを捨てよ。自分も悪事を謀ろうと、いら立ってはならない。
37:09悪事を謀る者は断たれ
主に望みをおく人は、地を継ぐ。
37:10しばらくすれば、主に逆らう者は消え去る。彼のいた所を調べてみよ、彼は消え去っている。
37:11貧しい人は地を継ぎ
豊かな平和に自らをゆだねるであろう。
37:12主に従う人に向かって
主に逆らう者はたくらみ、牙をむくが
37:13主は彼を笑われる。彼に定めの日が来るのを見ておられるから。
37:14主に逆らう者は剣を抜き、弓を引き絞り
貧しい人、乏しい人を倒そうとし
まっすぐに歩む人を屠ろうとするが
37:15その剣はかえって自分の胸を貫き
弓は折れるであろう。
37:16主に従う人が持っている物は僅かでも
主に逆らう者、権力ある者の富にまさる。
37:17主は御自分に逆らう者の腕を折り
従う人を支えてくださる。
37:18無垢な人の生涯を
主は知っていてくださる。彼らはとこしえに嗣業を持つであろう。
37:19災いがふりかかっても、うろたえることなく
飢饉が起こっても飽き足りていられる。
37:20しかし、主に逆らい敵対する者は必ず滅びる
献げ物の小羊が焼き尽くされて煙となるように。
37:21主に逆らう者は、借りたものも返さない。主に従う人は憐れんで施す。
37:22神の祝福を受けた人は地を継ぐ。神の呪いを受けた者は断たれる。
37:23主は人の一歩一歩を定め
御旨にかなう道を備えてくださる。
37:24人は倒れても、打ち捨てられるのではない。主がその手をとらえていてくださる。
37:25若いときにも老いた今も、わたしは見ていない
主に従う人が捨てられ
子孫がパンを乞うのを。
37:26生涯、憐れんで貸し与えた人には
祝福がその子孫に及ぶ。
37:27悪を避け、善を行えば
とこしえに、住み続けることができる。
37:28主は正義を愛される。主の慈しみに生きる人を見捨てることなく
とこしえに見守り
主に逆らう者の子孫を断たれる。
37:29主に従う人は地を継ぎ
いつまでも、そこに住み続ける。
37:30主に従う人は、口に知恵の言葉があり
その舌は正義を語る。
37:31神の教えを心に抱き
よろめくことなく歩む。
37:32主に逆らう者は待ち構えて
主に従う人を殺そうとする。
37:33主は御自分に従う人がその手中に陥って裁かれ
罪に定められることをお許しにならない。
37:34主に望みをおき、主の道を守れ。主はあなたを高く上げて
地を継がせてくださる。あなたは逆らう者が断たれるのを見るであろう。
37:35主に逆らう者が横暴を極め
野生の木のように勢いよくはびこるのを
わたしは見た。
37:36しかし、時がたてば彼は消えうせ
探しても、見いだすことはできないであろう。
37:37無垢であろうと努め、まっすぐに見ようとせよ。平和な人には未来がある。
37:38背く者はことごとく滅ぼされ
主に逆らう者の未来は断たれる。
37:39主に従う人の救いは主のもとから来る
災いがふりかかるとき
砦となってくださる方のもとから。
37:40主は彼を助け、逃れさせてくださる
主に逆らう者から逃れさせてくださる。主を避けどころとする人を、主は救ってくださる。
38:01【賛歌。ダビデの詩。記念。】
38:02主よ、怒ってわたしを責めないでください。憤って懲らしめないでください。
38:03あなたの矢はわたしを射抜き
御手はわたしを押さえつけています。
38:04わたしの肉にはまともなところもありません
あなたが激しく憤られたからです。骨にも安らぎがありません
わたしが過ちを犯したからです。
38:05わたしの罪悪は頭を越えるほどになり
耐え難い重荷となっています。
38:06負わされた傷は膿んで悪臭を放ちます
わたしが愚かな行いをしたからです。
38:07わたしは身を屈め、深くうなだれ
一日中、嘆きつつ歩きます。
38:08腰はただれに覆われています。わたしの肉にはまともなところもありません。
38:09もう立てないほど打ち砕かれ
心は呻き、うなり声をあげるだけです。
38:10わたしの主よ、わたしの願いはすべて御前にあり
嘆きもあなたには隠されていません。
38:11心は動転し、力はわたしを見捨て
目の光もまた、去りました。
38:12疫病にかかったわたしを
愛する者も友も避けて立ち
わたしに近い者も、遠く離れて立ちます。
38:13わたしの命をねらう者は罠を仕掛けます。わたしに災いを望む者は
欺こう、破滅させよう、と決めて
一日中それを口にしています。
38:14わたしの耳は聞こえないかのように
聞こうとしません。口は話せないかのように、開こうとしません。
38:15わたしは聞くことのできない者
口に抗議する力もない者となりました。
38:16主よ、わたしはなお、あなたを待ち望みます。わたしの主よ、わたしの神よ
御自身でわたしに答えてください。
38:17わたしは願いました
「わたしの足がよろめくことのないように
彼らがそれを喜んで
尊大にふるまうことがないように」と。
38:18わたしは今や、倒れそうになっています。苦痛を与えるものが常にわたしの前にあり
38:19わたしは自分の罪悪を言い表そうとして
犯した過ちのゆえに苦悩しています。
38:20わたしの敵は強大になり
わたしを憎む者らは偽りを重ね
38:21善意に悪意をもってこたえます。わたしは彼らの幸いを願うのに
彼らは敵対するのです。
38:22主よ、わたしを見捨てないでください。わたしの神よ、遠く離れないでください。
38:23わたしの救い、わたしの主よ
すぐにわたしを助けてください。
39:01【指揮者によって。エドトンの詩。賛歌。ダビデの詩。】
39:02わたしは言いました。「わたしの道を守ろう、舌で過ちを犯さぬように。神に逆らう者が目の前にいる。わたしの口にくつわをはめておこう。」
39:03わたしは口を閉ざして沈黙し
あまりに黙していたので苦しみがつのり
39:04心は内に熱し、呻いて火と燃えた。わたしは舌を動かして話し始めた。
39:05「教えてください、主よ、わたしの行く末を
わたしの生涯はどれ程のものか
いかにわたしがはかないものか、悟るように。」
39:06御覧ください、与えられたこの生涯は
僅か、手の幅ほどのもの。御前には、この人生も無に等しいのです。ああ、人は確かに立っているようでも
すべて空しいもの。〔セラ
39:07ああ、人はただ影のように移ろうもの。ああ、人は空しくあくせくし
だれの手に渡るとも知らずに積み上げる。
39:08主よ、それなら
何に望みをかけたらよいのでしょう。わたしはあなたを待ち望みます。
39:09あなたに背いたすべての罪からわたしを救い
神を知らぬ者というそしりを
受けないようにしてください。
39:10わたしは黙し、口を開きません。あなたが計らってくださるでしょう。
39:11わたしをさいなむその御手を放してください。御手に撃たれてわたしは衰え果てました。
39:12あなたに罪を責められ、懲らしめられて
人の欲望など虫けらのようについえます。ああ、人は皆、空しい。〔セラ
39:13主よ、わたしの祈りを聞き
助けを求める叫びに耳を傾けてください。わたしの涙に沈黙していないでください。わたしは御もとに身を寄せる者
先祖と同じ宿り人。
39:14あなたの目をわたしからそらせ
立ち直らせてください
わたしが去り、失われる前に。
40:01【指揮者によって。ダビデの詩。賛歌。】
40:02主にのみ、わたしは望みをおいていた。主は耳を傾けて、叫びを聞いてくださった。
40:03滅びの穴、泥沼からわたしを引き上げ
わたしの足を岩の上に立たせ
しっかりと歩ませ
40:04わたしの口に新しい歌を
わたしたちの神への賛美を授けてくださった。人はこぞって主を仰ぎ見
主を畏れ敬い、主に依り頼む。
40:05いかに幸いなことか、主に信頼をおく人
ラハブを信ずる者にくみせず
欺きの教えに従わない人は。
40:06わたしの神、主よ
あなたは多くの不思議な業を成し遂げられます。あなたに並ぶものはありません。わたしたちに対する数知れない御計らいを
わたしは語り伝えて行きます。
40:07あなたはいけにえも、穀物の供え物も望まず
焼き尽くす供え物も
罪の代償の供え物も求めず
ただ、わたしの耳を開いてくださいました。
40:08そこでわたしは申します。御覧ください、わたしは来ております。わたしのことは
巻物に記されております。
40:09わたしの神よ、御旨を行うことをわたしは望み
あなたの教えを胸に刻み
40:10大いなる集会で正しく良い知らせを伝え
決して唇を閉じません。主よ、あなたはそれをご存じです。
40:11恵みの御業を心に秘めておくことなく
大いなる集会であなたの真実と救いを語り
慈しみとまことを隠さずに語りました。
40:12主よ、あなたも憐れみの心を閉ざすことなく
慈しみとまことによって
いつもわたしをお守りください。
40:13悪はわたしにからみつき、数えきれません。わたしは自分の罪に捕えられ
何も見えなくなりました。その数は髪の毛よりも多く
わたしは心挫けています。
40:14主よ、走り寄ってわたしを救ってください。主よ、急いでわたしを助けてください。
40:15わたしの命を奪おうとねらっている者が
恥を受け、嘲られ
わたしを災いに遭わせようと望む者が
侮られて退き
40:16わたしに向かってはやし立てる者が
恥を受けて破滅しますように。
40:17あなたを尋ね求める人が
あなたによって喜び祝い、楽しみ
御救いを愛する人が
主をあがめよといつも歌いますように。
40:18主よ、わたしは貧しく身を屈めています。わたしのためにお計らいください。あなたはわたしの助け、わたしの逃れ場。わたしの神よ、速やかに来てください。
41:01【指揮者によって。賛歌。ダビデの詩。】
41:02いかに幸いなことでしょう
弱いものに思いやりのある人は。災いのふりかかるとき
主はその人を逃れさせてくださいます。
41:03主よ、その人を守って命を得させ
この地で幸せにしてください。貪欲な敵に引き渡さないでください。
41:04主よ、その人が病の床にあるとき、支え
力を失って伏すとき、立ち直らせてください。
41:05わたしは申します。「主よ、憐れんでください。あなたに罪を犯したわたしを癒してください。」
41:06敵はわたしを苦しめようとして言います。「早く死んでその名も消えうせるがよい。」
41:07見舞いに来れば、むなしいことを言いますが
心に悪意を満たし、外に出ればそれを口にします。
41:08わたしを憎む者は皆、集まってささやき
わたしに災いを謀っています。
41:09「呪いに取りつかれて床に就いた。二度と起き上がれまい。」
41:10わたしの信頼していた仲間
わたしのパンを食べる者が
威張ってわたしを足げにします。
41:11主よ、どうかわたしを憐れみ
再びわたしを起き上がらせてください。そうしてくだされば
彼らを見返すことができます。
41:12そしてわたしは知るでしょう
わたしはあなたの御旨にかなうのだと
敵がわたしに対して勝ち誇ることはないと。
41:13どうか、無垢なわたしを支え
とこしえに、御前に立たせてください。
41:14主をたたえよ、イスラエルの神を
世々とこしえに。アーメン、アーメン。
42:0042(‐43)
42:01【指揮者によって。マスキール。コラの子の詩。】
42:02涸れた谷に鹿が水を求めるように
神よ、わたしの魂はあなたを求める。
42:03神に、命の神に、わたしの魂は渇く。いつ御前に出て
神の御顔を仰ぐことができるのか。
42:04昼も夜も、わたしの糧は涙ばかり。人は絶え間なく言う
「お前の神はどこにいる」と。
42:05わたしは魂を注ぎ出し、思い起こす
喜び歌い感謝をささげる声の中を
祭りに集う人の群れと共に進み
神の家に入り、ひれ伏したことを。
42:06なぜうなだれるのか、わたしの魂よ
なぜ呻くのか。神を待ち望め。わたしはなお、告白しよう
「御顔こそ、わたしの救い」と。
42:07わたしの神よ。わたしの魂はうなだれて、あなたを思い起こす。ヨルダンの地から、ヘルモンとミザルの山から
42:08あなたの注ぐ激流のとどろきにこたえて
深淵は深淵に呼ばわり
砕け散るあなたの波はわたしを越えて行く。
42:09昼、主は命じて慈しみをわたしに送り
夜、主の歌がわたしと共にある
わたしの命の神への祈りが。
42:10わたしの岩、わたしの神に言おう。「なぜ、わたしをお忘れになったのか。なぜ、わたしは敵に虐げられ
嘆きつつ歩くのか。」
42:11わたしを苦しめる者はわたしの骨を砕き
絶え間なく嘲って言う
「お前の神はどこにいる」と。
42:12なぜうなだれるのか、わたしの魂よ
なぜ呻くのか。神を待ち望め。わたしはなお、告白しよう
「御顔こそ、わたしの救い」と。わたしの神よ。
43:01神よ、あなたの裁きを望みます。わたしに代わって争ってください。あなたの慈しみを知らぬ民、欺く者
よこしまな者から救ってください。
43:02あなたはわたしの神、わたしの砦。なぜ、わたしを見放されたのか。なぜ、わたしは敵に虐げられ
嘆きつつ行き来するのか。
43:03あなたの光とまことを遣わしてください。彼らはわたしを導き
聖なる山、あなたのいますところに
わたしを伴ってくれるでしょう。
43:04神の祭壇にわたしは近づき
わたしの神を喜び祝い
琴を奏でて感謝の歌をうたいます。神よ、わたしの神よ。
43:05なぜうなだれるのか、わたしの魂よ
なぜ呻くのか。神を待ち望め。わたしはなお、告白しよう
「御顔こそ、わたしの救い」と。わたしの神よ。
44:01【指揮者によって。コラの子の詩。マスキール。】
44:02神よ、我らはこの耳で聞いています
先祖が我らに語り伝えたことを
先祖の時代、いにしえの日に
あなたが成し遂げられた御業を。
44:03我らの先祖を植え付けるために
御手をもって国々の領土を取り上げ
その枝が伸びるために
国々の民を災いに落としたのはあなたでした。
44:04先祖が自分の剣によって領土を取ったのでも
自分の腕の力によって勝利を得たのでもなく
あなたの右の御手、あなたの御腕
あなたの御顔の光によるものでした。これがあなたのお望みでした。
44:05神よ、あなたこそわたしの王。ヤコブが勝利を得るように定めてください。
44:06あなたに頼って敵を攻め
我らに立ち向かう者を
御名に頼って踏みにじらせてください。
44:07わたしが依り頼むのは自分の弓ではありません。自分の剣によって勝利を得ようともしていません。
44:08我らを敵に勝たせ
我らを憎む者を恥に落とすのは、あなたです。
44:09我らは絶えることなく神を賛美し
とこしえに、御名に感謝をささげます。〔セラ
44:10しかし、あなたは我らを見放されました。我らを辱めに遭わせ、もはや共に出陣なさらず
44:11我らが敵から敗走するままになさったので
我らを憎む者は略奪をほしいままにしたのです。
44:12あなたは我らを食い尽くされる羊として
国々の中に散らされました。
44:13御自分の民を、僅かの値で売り渡し
その価を高くしようともなさいませんでした。
44:14我らを隣の国々の嘲りの的とし
周囲の民が嘲笑い、そしるにまかせ
44:15我らを国々の嘲りの歌とし
多くの民が頭を振って侮るにまかせられました。
44:16辱めは絶えることなくわたしの前にあり
わたしの顔は恥に覆われています。
44:17嘲る声、ののしる声がします。報復しようとする敵がいます。
44:18これらのことがすべてふりかかっても
なお、我らは決してあなたを忘れることなく
あなたとの契約をむなしいものとせず
44:19我らの心はあなたを裏切らず
あなたの道をそれて歩もうとはしませんでした。
44:20あなたはそれでも我らを打ちのめし
山犬の住みかに捨て
死の陰で覆ってしまわれました。
44:21このような我らが、我らの神の御名を忘れ去り
異教の神に向かって
手を広げるようなことがあれば
44:22神はなお、それを探り出されます。心に隠していることを神は必ず知られます。
44:23我らはあなたゆえに、絶えることなく
殺される者となり
屠るための羊と見なされています。
44:24主よ、奮い立ってください。なぜ、眠っておられるのですか。永久に我らを突き放しておくことなく
目覚めてください。
44:25なぜ、御顔を隠しておられるのですか。我らが貧しく、虐げられていることを
忘れてしまわれたのですか。
44:26我らの魂は塵に伏し
腹は地に着いたままです。
44:27立ち上がって、我らをお助けください。我らを贖い、あなたの慈しみを表してください。
45:01【指揮者によって。「ゆり」に合わせて。コラの子の詩。マスキール。愛の歌。】
45:02心に湧き出る美しい言葉
わたしの作る詩を、王の前で歌おう。わたしの舌を速やかに物書く人の筆として。
45:03あなたは人の子らのだれよりも美しく
あなたの唇は優雅に語る。あなたはとこしえに神の祝福を受ける方。
45:04勇士よ、腰に剣を帯びよ。それはあなたの栄えと輝き。
45:05輝きを帯びて進め
真実と謙虚と正義を駆って。右の手があなたに恐るべき力をもたらすように。
45:06あなたの矢は鋭く、王の敵のただ中に飛び
諸国の民はあなたの足もとに倒れる。
45:07神よ、あなたの王座は世々限りなく
あなたの王権の笏は公平の笏。
45:08神に従うことを愛し、逆らうことを憎むあなたに
神、あなたの神は油を注がれた
喜びの油を、あなたに結ばれた人々の前で。
45:09あなたの衣はすべて
ミルラ、アロエ、シナモンの香りを放ち
象牙の宮殿に響く弦の調べはあなたを祝う。
45:10諸国の王女、あなたがめでる女たちの中から
オフィルの金で身を飾った王妃が
あなたの右に立てられる。
45:11「娘よ、聞け。耳を傾けて聞き、そしてよく見よ。あなたの民とあなたの父の家を忘れよ。
45:12王はあなたの美しさを慕う。王はあなたの主。彼の前にひれ伏すがよい。
45:13ティルスの娘よ、民の豪族は贈り物を携え
あなたが顔を向けるのを待っている。」
45:14王妃は栄光に輝き、進み入る。晴れ着は金糸の織り
45:15色糸の縫い取り。彼女は王のもとに導かれて行く
おとめらを伴い、多くの侍女を従えて。
45:16彼女らは喜び躍りながら導かれて行き
王の宮殿に進み入る。
45:17あなたには父祖を継ぐ子らが生まれ
あなたは彼らを立ててこの地の君とする。
45:18わたしはあなたの名を代々に語り伝えよう。諸国の民は世々限りなく
あなたに感謝をささげるであろう。
46:01【指揮者に合わせて。コラの子の詩。アラモト調。歌。】
46:02神はわたしたちの避けどころ、わたしたちの砦。苦難のとき、必ずそこにいまして助けてくださる。
46:03わたしたちは決して恐れない
地が姿を変え
山々が揺らいで海の中に移るとも
46:04海の水が騒ぎ、沸き返り
その高ぶるさまに山々が震えるとも。〔セラ
46:05大河とその流れは、神の都に喜びを与える
いと高き神のいます聖所に。
46:06神はその中にいまし、都は揺らぐことがない。夜明けとともに、神は助けをお与えになる。
46:07すべての民は騒ぎ、国々は揺らぐ。神が御声を出されると、地は溶け去る。
46:08万軍の主はわたしたちと共にいます。ヤコブの神はわたしたちの砦の塔。〔セラ
46:09主の成し遂げられることを仰ぎ見よう。主はこの地を圧倒される。
46:10地の果てまで、戦いを断ち
弓を砕き槍を折り、盾を焼き払われる。
46:11「力を捨てよ、知れ
わたしは神。国々にあがめられ、この地であがめられる。」
46:12万軍の主はわたしたちと共にいます。ヤコブの神はわたしたちの砦の塔。〔セラ
47:01【指揮者によって。コラの子の詩。賛歌。】
47:02すべての民よ、手を打ち鳴らせ。神に向かって喜び歌い、叫びをあげよ。
47:03主はいと高き神、畏るべき方
全地に君臨される偉大な王。
47:04諸国の民を我らに従わせると宣言し
国々を我らの足もとに置かれた。
47:05我らのために嗣業を選び
愛するヤコブの誇りとされた。〔セラ
47:06神は歓呼の中を上られる。主は角笛の響きと共に上られる。
47:07歌え、神に向かって歌え。歌え、我らの王に向かって歌え。
47:08神は、全地の王
ほめ歌をうたって、告げ知らせよ。
47:09神は諸国の上に王として君臨される。神は聖なる王座に着いておられる。
47:10諸国の民から自由な人々が集められ
アブラハムの神の民となる。地の盾となる人々は神のもの。神は大いにあがめられる。
48:01【歌。賛歌。コラの子の詩。】
48:02大いなる主、限りなく賛美される主。わたしたちの神の都にある聖なる山は
48:03高く美しく、全地の喜び。北の果ての山、それはシオンの山、力ある王の都。
48:04その城郭に、砦の塔に、神は御自らを示される。
48:05見よ、王たちは時を定め、共に進んで来た。
48:06彼らは見て、ひるみ、恐怖に陥って逃げ去った。
48:07そのとき彼らを捕えたおののきは
産みの苦しみをする女のもだえ
48:08東風に砕かれるタルシシュの船。
48:09聞いていたことをそのまま、わたしたちは見た
万軍の主の都、わたしたちの神の都で。神はこの都をとこしえに固く立てられる。〔セラ
48:10神よ、神殿にあってわたしたちは
あなたの慈しみを思い描く。
48:11神よ、賛美は御名と共に地の果てに及ぶ。右の御手には正しさが溢れている。
48:12あなたの裁きのゆえに
シオンの山は喜び祝い
ユダのおとめらは喜び躍る。
48:13シオンの周りをひと巡りして見よ。塔の数をかぞえ
48:14城壁に心を向け、城郭に分け入って見よ。後の代に語り伝えよ
48:15この神は世々限りなくわたしたちの神
死を越えて、わたしたちを導いて行かれる、と。
49:01【指揮者によって。コラの子の詩。賛歌。】
49:02諸国の民よ、これを聞け
この世に住む者は皆、耳を傾けよ
49:03人の子らはすべて
豊かな人も貧しい人も。
49:04わたしの口は知恵を語り
わたしの心は英知を思う。
49:05わたしは格言に耳を傾け
竪琴を奏でて謎を解く。
49:06災いのふりかかる日
わたしを追う者の悪意に囲まれるときにも
どうして恐れることがあろうか
49:07財宝を頼みとし、富の力を誇る者を。
49:08神に対して、人は兄弟をも贖いえない。神に身代金を払うことはできない。
49:09魂を贖う値は高く
とこしえに、払い終えることはない。
49:10人は永遠に生きようか。墓穴を見ずにすむであろうか。
49:11人が見ることは
知恵ある者も死に
無知な者、愚かな者と共に滅び
財宝を他人に遺さねばならないということ。
49:12自分の名を付けた地所を持っていても
その土の底だけが彼らのとこしえの家
代々に、彼らが住まう所。
49:13人間は栄華のうちにとどまることはできない。屠られる獣に等しい。
49:14これが自分の力に頼る者の道
自分の口の言葉に満足する者の行く末。〔セラ
49:15陰府に置かれた羊の群れ
死が彼らを飼う。朝になれば正しい人がその上を踏んで行き
誇り高かったその姿を陰府がむしばむ。
49:16しかし、神はわたしの魂を贖い
陰府の手から取り上げてくださる。〔セラ
49:17人に富が増し、その家に名誉が加わるときも
あなたは恐れることはない。
49:18死ぬときは、何ひとつ携えて行くことができず
名誉が彼の後を追って墓に下るわけでもない。
49:19命のある間に、その魂が祝福され
幸福を人がたたえても
49:20彼は父祖の列に帰り
永遠に光を見ることはない。
49:21人間は栄華のうちに悟りを得ることはない。屠られる獣に等しい。

 
詩編 第50編に続く


 
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