イザヤ書21章


21:01海の荒れ野についての託宣。ネゲブに吹き荒れるつむじ風のように彼は来る
荒れ野から、恐ろしい地から。
21:02厳しい幻が、わたしに示された。「欺く者は欺き続け
荒らす者は荒らし続けている。上れ、エラムよ
包囲せよ、メディアよ
わたしは呻きをすべて終わらせる。」
21:03それゆえ、わたしの腰は激しくもだえ
産婦の痛みのような痛みにとらえられた。わたしは驚きのあまり、聞くこともできず
恐れのあまり、見ることもできない。
21:04わが心は乱れ、おののきが、わたしを打ちのめす。楽しみにしていた夕暮れは
かえって、わたしを恐怖に突き落とした。
21:05宴は広げられ、座は整えられ
人々は飲み食いしていた。「立て、武将たちよ
盾に、油を塗れ。」
21:06わが主はわたしにこう言われた。「さあ、見張りを立てよ。見るところを報告させよ。
21:07彼は見るであろう。二頭立ての戦車を
ろばに乗る者、らくだに乗る者を。耳をそばだてて聞け、油断するな。」
21:08見張りは叫んだ。「わが主よ、見張り台に
わたしは一日中立ち尽くし
歩哨の部署に
わたしは夜通しついていた。
21:09見よ、あそこにやって来た
二頭立ての戦車を駆る者が。」その人は叫んで、言った。「倒れた、倒れた、バビロンが。神々の像はすべて砕かれ、地に落ちた。」
21:10打たれ、踏みにじられたわたしの民よ
わたしは、あなたたちに告げた
イスラエルの神、万軍の主から
わたしが聞いたことを。
21:11ドマについての託宣。セイルから、わたしを呼ぶ者がある。「見張りの者よ、今は夜の何どきか
見張りの者よ、夜の何どきなのか。」
21:12見張りの者は言った。「夜明けは近づいている、しかしまだ夜なのだ。どうしても尋ねたいならば、尋ねよ
もう一度来るがよい。」
21:13荒れ地についての託宣。荒れ地の茂みで夜を明かせ
デダンの隊商よ。
21:14渇いた者を迎えるために
水を持って来るがよい。テマの地の住民よ
パンをもって、逃れてきた者を出迎えよ。
21:15彼らは剣、抜き身の剣
引き絞られた弓
戦いの苦しみを逃れてきたのだから。
21:16まことに、主はわたしにこう言われた。雇い人の年期のように、一年たてば
ケダルの栄光はすべて尽きる。
21:17ケダルの勇士らの弓も残り少なくなる。イスラエルの神、主が語られた。
22:01幻の谷についての託宣。どうしたのか、お前たちが皆、屋上にいるのは。
22:02騒音に満たされ、どよめく都
喜びに浮かれた町よ。お前の死者たちは、剣に倒れたのではない
戦って死んだのではない。
22:03お前の将校たちはすべて逃げ出したが
弓を引くこともなく捕らえられた。遠くに逃げた者も皆
見つけられ、共に捕らえられた。
22:04それゆえ、わたしは言う。「わたしから目をそらしてくれ。わたしは激しく泣く。あえてわたしを慰めるな。娘なるわが民が滅びたのだ。」
22:05混乱と蹂躙と崩壊の日が
万軍の主なる神から来る。幻の谷に、騒音が響き渡り
山に向かって叫ぶ声がある。
22:06エラムは矢筒を取り上げ
戦車には人が乗り、馬がつながれた。また、キルは盾の覆いをはずした。
22:07お前の最も豊かな平野は
戦車と馬で満たされ
彼らは城門の前に陣取り
22:08ユダの防備をはぎ取った。その日には、お前たちは
森の家の武器に目を向けた。
22:09また、ダビデの町に破れの多いのを見て
下の池の水を集めた。
22:10エルサレムの家を数え
家々を倒して、城壁の破れをふさごうとした。
22:11二つの城壁の間に水溜めを造り
古い池の水を入れた。しかし、お前たちは、都を造られた方に目を向けず
遠い昔に都を形づくられた方を
見ようとしなかった。
22:12その日には、万軍の主なる神が布告された。嘆くこと、泣くこと
髪をそり、粗布をまとうことを。
22:13しかし、見よ、彼らは喜び祝い
牛を殺し、羊を屠り
肉を食らい、酒を飲んで言った。「食らえ、飲め、明日は死ぬのだから」と。
22:14万軍の主はわたしの耳に告げられた。「お前たちが死ぬまで
この罪は決して赦されることがない」と
万軍の主なる神が言われた。
22:15万軍の主なる神はこう言われた。「さあ行け、あの家令のところへ。宮廷を支配しているシェブナのところへ。」
22:16ここでお前は何をしているのか
ここでお前は何者だというのか。ここに自分の墓を掘るとは何事か。高い所に墓を掘り
岩をえぐって住みかを造ろうとする者よ。
22:17見よ、主はお前を放り出される。人よ、主はお前を衣のように巻き
22:18ターバンのように丸めてまりを作り
広大な地へ放り出される。そこでお前は死に
そこに、お前の誇る馬車も捨てられる。主人の家に恥をもたらす者よ。
22:19わたしは、お前をその地位から追う。お前はその職務から退けられる。
22:20その日には、わたしは、わが僕、ヒルキヤの子エルヤキムを呼び、
22:21彼にお前の衣を着せ、お前の飾り帯を締めさせ、お前に与えられていた支配権を彼の手に渡す。彼はエルサレムの住民とユダの家の父となる。
22:22わたしは彼の肩に、ダビデの家の鍵を置く。彼が開けば、閉じる者はなく、彼が閉じれば、開く者はないであろう。
22:23わたしは、彼を確かなところに打ち込み、かなめとする。彼は、父の家にとって栄光の座に着く。
22:24彼の父の家の栄光はすべて、彼の上に掛けられる。木の芽から葉に至るまで、また、小さな器もすべて、鉢からあらゆる壺に至るまで。
22:25だが、その日には、と万軍の主は言われる。確かなところに打ち込まれていたかなめは抜け落ち、それに掛けられていた重荷は、壊され、落ち、断たれる、と主が語られた。
23:01ティルスについての託宣。泣き叫べ、タルシシュの船よ。ティルスは破壊され、住む家もなくなった。キティムの地から帰るやいなや
彼らはそのことを知らされた。
23:02嘆け、海辺の住人たち
シドンの貿易商たちよ。お前の使者たちは海を渡り
23:03大いなる水を越えて行き
シホルの穀物、ナイルの収穫がお前の収入となり
お前は国々の行き交う場所であった。
23:04うろたえよ、海の砦シドンよ。海がこう言っている。「わたしは産みの苦しみをしない。子を産み、若者を育て
おとめらを、はぐくむことはできない」と。
23:05この知らせがエジプトに達したとき
人々はおののいた
ティルスについての知らせを聞いたときのように。
23:06渡って行け、タルシシュに。泣き叫べ、海辺の住人たちよ。
23:07これがお前たちの陽気だった海辺の町か。町の初めは、遠い昔にさかのぼり
足である船は、移住の地を求めて
遠くへ市民を運んだ。
23:08ティルスに対してこのように定めた者は誰か。ティルスは王冠を戴き、その貿易商人たちは貴族。取り引きする者らは世界に重んじられていた。
23:09それを定められたのは万軍の主である。ティルスの誇る美しさをことごとく汚し
世界に重んじられていた者をすべて
辱めることを。
23:10娘タルシシュよ
ナイルのように、お前の国を越えて行け
もはや、遮るものはない。
23:11主は御手を海に伸ばして国々を震わせ
カナンに命じて、その砦を破壊される。
23:12主は言われた。「お前は、二度と陽気な町ではありえない。犯された娘である、おとめシドンよ
立て、キティムへ渡れ。しかし、そこでもお前は休みを得ない」と。
23:13カルデアの地もそのようだ。それはもはや存在しない民。アッシリアは、彼らを荒野の獣に渡した。人々は見張りの塔を建て
館を建て連ねたが
すべては廃虚に帰している。
23:14泣き叫べ、タルシシュの船よ
お前たちの砦は破壊されてしまった。
23:15その日が来ると
ティルスは、一人の王の生涯に等しい七十年の間
忘れられているが
その七十年が終わると
ティルスは遊女の歌にうたわれているようになる。
23:16「竪琴を取れ、町を巡れ
忘れられた遊女よ。巧みに奏でよ、多くの歌をうたえ
思い出されるために。」
23:17七十年が終わると、主はティルスを顧みられる。そのとき、彼女は再び遊女の報酬を取り、地上にある世界のすべての国々と姦淫する。
23:18しかし彼女の利益と報酬は、主の聖なるものとなり、積み上げられも、蓄えられもしない。主の御前に住む者たちの利益となり、彼らは飽きるほど食べ、華やかに装う。
24:01見よ、主は地を裸にして、荒廃させ
地の面をゆがめて住民を散らされる。
24:02民も祭司も、僕も主人も、女の僕も女主人も
売る者も買う者も、貸す者も借りる者も
債権者も債務者も、すべて同じ運命になる。
24:03地は全く裸にされ、強奪に遭う。主がこの言葉を語られた。
24:04地は乾き、衰え
世界は枯れ、衰える。地上の最も高貴な民も弱り果てる。
24:05地はそこに住む者のゆえに汚された。彼らが律法を犯し、掟を破り
永遠の契約を棄てたからだ。
24:06それゆえ、呪いが地を食い尽くし
そこに住む者は罪を負わねばならなかった。それゆえ、地に住む者は焼き尽くされ
わずかの者だけが残された。
24:07新しい酒は乾き、ぶどうのつるは枯れる。心の朗らかだった人々も皆、ため息をつく。
24:08太鼓の音は絶え、陽気な人々の騒ぎは終わり
竪琴の音も絶えた。
24:09酒を飲んで歌う人々もいなくなり
甘い酒も、飲んでみれば苦い。
24:10混乱の町は破壊され
どの家も閉ざされ、入る者もない。
24:11巷には酒を求めて叫ぶ声がある。喜びはことごとくうせ
地上の楽しみは取り去られた。
24:12都には荒廃だけが残り
騒ぎのうちに城門は打ち倒された。
24:13世界のただ中、諸民族の間で
オリーブを探して打ち尽くすようなことが
収穫の後になお
ぶどうを探すようなことが起こる。
24:14彼らは声をあげ、主の威光を喜び歌い
海から叫び声をあげる。
24:15それゆえ、あなたたちは東の地でも主を尊び
海の島々でも、イスラエルの神、主の御名を尊べ。
24:16地の果てから、歌声が聞こえる。「主に従う人に誉れあれ」と。しかし、わたしは思った。「わたしは衰える、わたしは衰える
わたしは災いだ。欺く者が欺き
欺く者の欺きが欺く。」
24:17地に住む者よ、恐怖と穴と罠がお前に臨む。
24:18恐怖の知らせを逃れた者は、穴に落ち込み
穴から這い上がった者は、罠に捕らえられる。天の水門は開かれ、地の基は震え動く。
24:19地は裂け、甚だしく裂け
地は砕け、甚だしく砕け
地は揺れ、甚だしく揺れる。
24:20地は、酔いどれのようによろめき
見張り小屋のようにゆらゆらと動かされる。地の罪は、地の上に重く
倒れて、二度と起き上がることはない。
24:21その日が来れば、主が罰せられる
高い天では、天の軍勢を
大地の上では、大地の王たちを。
24:22彼らは捕虜が集められるように、牢に集められ
獄に閉じ込められる。多くの日がたった後、彼らは罰せられる。
24:23月は辱められ、太陽は恥じる
万軍の主がシオンの山、エルサレムで王となり
長老たちの前に、主の栄光が現されるとき。
25:01主よ、あなたはわたしの神
わたしはあなたをあがめ
御名に感謝をささげます。あなたは驚くべき計画を成就された
遠い昔からの揺るぎない真実をもって。
25:02あなたは都を石塚とし
城壁のある町を瓦礫の山とし
異邦人の館を都から取り去られた。永久に都が建て直されることはないであろう。
25:03それゆえ、強い民もあなたを敬い
暴虐な国々の都でも人々はあなたを恐れる。
25:04まことに、あなたは弱い者の砦
苦難に遭う貧しい者の砦
豪雨を逃れる避け所
暑さを避ける陰となられる。暴虐な者の勢いは壁をたたく豪雨
25:05乾ききった地の暑さのようだ。あなたは雲の陰が暑さを和らげるように
異邦人の騒ぎを鎮め
暴虐な者たちの歌声を低くされる。
25:06万軍の主はこの山で祝宴を開き
すべての民に良い肉と古い酒を供される。それは脂肪に富む良い肉とえり抜きの酒。
25:07主はこの山で
すべての民の顔を包んでいた布と
すべての国を覆っていた布を滅ぼし
25:08死を永久に滅ぼしてくださる。主なる神は、すべての顔から涙をぬぐい
御自分の民の恥を
地上からぬぐい去ってくださる。これは主が語られたことである。
25:09その日には、人は言う。見よ、この方こそわたしたちの神。わたしたちは待ち望んでいた。この方がわたしたちを救ってくださる。この方こそわたしたちが待ち望んでいた主。その救いを祝って喜び躍ろう。
25:10主の御手はこの山の上にとどまる。モアブは主の下に踏みにじられる
わらが踏みつけられて堆肥の山にされるように。
25:11モアブはそこで手を広げる
泳ぐ人が泳ごうとして手を広げるように。しかし、巧みな手の業を重ねても
主はその誇りを打ち倒される。
25:12主はお前の城壁の砦と塔を砕き
打ち倒して地の塵に伏させる。
26:01その日には、ユダの地でこの歌がうたわれる。我らには、堅固な都がある。救いのために、城壁と堡塁が築かれた。
26:02城門を開け
神に従い、信仰を守る民が入れるように。
26:03堅固な思いを、あなたは平和に守られる
あなたに信頼するゆえに、平和に。
26:04どこまでも主に信頼せよ、主こそはとこしえの岩。
26:05主は高い所に住まう者を引きおろし
築き上げられた都を打ち倒し
地に打ち倒して、塵に伏させる。
26:06貧しい者の足がそれを踏みにじり
弱い者の足が踏みつけて行く。
26:07神に従う者の行く道は平らです。あなたは神に従う者の道をまっすぐにされる。
26:08主よ、あなたの裁きによって定められた道を歩み
わたしたちはあなたを待ち望みます。あなたの御名を呼び、たたえることは
わたしたちの魂の願いです。
26:09わたしの魂は夜あなたを捜し
わたしの中で霊はあなたを捜し求めます。あなたの裁きが地に行われるとき
世界に住む人々は正しさを学ぶでしょう。
26:10神に逆らう者は、憐れみを受けても
正しさを学ぶことがありません。公正の行われている国で不正を行い
主の威光を顧みようとしません。
26:11主よ、あなたの高く上げられた御手を
彼らは仰ごうとしません。民に対するあなたの熱情を仰がせ
彼らに恥を受けさせてください。敵対する者に向けられるあなたの火が
彼らを焼き尽くしますように。
26:12主よ、平和をわたしたちにお授けください。わたしたちのすべての業を
成し遂げてくださるのはあなたです。
26:13わたしたちの神なる主よ
あなた以外の支配者が我らを支配しています。しかしわたしたちは
あなたの御名だけを唱えます。
26:14死者が再び生きることはなく
死霊が再び立ち上がることはありません。それゆえ、あなたは逆らう者を罰し、滅ぼし
彼らの記憶をすべて無に帰されました。
26:15主よ、あなたはその民を増やされました。あなたはその民を増やし、栄光を示し
その土地の境を四方に広げられました。
26:16主よ、苦難に襲われると
人々はあなたを求めます。あなたの懲らしめが彼らに臨むと
彼らはまじないを唱えます。
26:17妊婦に出産のときが近づくと
もだえ苦しみ、叫びます。主よ、わたしたちもあなたの御前で
このようでした。
26:18わたしたちははらみ、産みの苦しみをしました。しかしそれは風を産むようなものでした。救いを国にもたらすこともできず
地上に住む者を
産み出すこともできませんでした。
26:19あなたの死者が命を得
わたしのしかばねが立ち上がりますように。塵の中に住まう者よ、目を覚ませ、喜び歌え。あなたの送られる露は光の露。あなたは死霊の地にそれを降らせられます。
26:20さあ、わが民よ、部屋に入れ。戸を堅く閉ざせ。しばらくの間、隠れよ
激しい憤りが過ぎ去るまで。
26:21見よ、主はその御座を出て
地に住む者に、それぞれの罪を問われる。大地はそこに流された血をあらわに示し
殺された者をもはや隠そうとはしない。
27:01その日、主は
厳しく、大きく、強い剣をもって
逃げる蛇レビヤタン
曲がりくねる蛇レビヤタンを罰し
また海にいる竜を殺される。
27:02その日には、見事なぶどう畑について喜び歌え。
27:03主であるわたしはその番人。常に水を注ぎ
害する者のないよう、夜も昼もそれを見守る。
27:04わたしは、もはや憤っていない。茨とおどろをもって戦いを挑む者があれば
わたしは進み出て、彼らを焼き尽くす。
27:05そうではなく、わたしを砦と頼む者は
わたしと和解するがよい。和解をわたしとするがよい。
27:06時が来れば、ヤコブは根を下ろし
イスラエルは芽を出し、花を咲かせ
地上をその実りで満たす。
27:07主は、彼を撃った者を撃たれたように
彼をも撃たれたか。彼を殺した者を殺されたように
彼をも殺されたか。
27:08あなたは彼と争って
彼を追い立て、追放された。東風の日に、激しい風をもって
彼を吹き払われた。
27:09それゆえ、ヤコブの咎はこのようにして贖われ
罪が除かれると、その結果はこのようになる。すなわち、祭壇の石はことごとく
砕けた石膏のようになり
アシェラの柱や香炉台は
再び建つことがなくなる。
27:10城壁に囲まれた都は孤立し
置き去りになり、見捨てられて荒れ野となる。子牛はそこで草をはみ、そこに伏し
また、小枝をも食い尽くす。
27:11枝は枯れて折れ、女たちが来てそれを燃やす。これは全く分別のない民だ。それゆえ、造り主は憐れみをかけず
その民を形づくられた方は恵みを与えられない。
27:12その日が来ると
ユーフラテスの流れからエジプトの大河まで
主は穂を打つように打たれる。しかし、イスラエルの人々よ
あなたたちは、ひとりひとり拾い集められる。
27:13その日が来ると、大きな角笛が吹き鳴らされ
アッシリアの地に失われて行った者も
エジプトの地に追いやられた者も来て
聖なる山、エルサレムで主にひれ伏す。
28:01災いだ、エフライムの酔いどれの誇る冠は。その麗しい輝きは
肥沃な谷にある丘を飾っているが
しぼんでゆく花にすぎない。酒の酔いによろめく者よ
28:02見よ、主は強く激しい力を持っておられる。主は、激しく降る雹、破壊をもたらす大風
激しく押し流す洪水のように
御手をもって地に投げ倒し
28:03エフライムの酔いどれの誇る冠を
御足で踏みにじられる。
28:04肥沃な谷にある丘を飾っているその麗しい輝きは
しぼんでゆく花だ。夏に先がける初なりのいちじくのように
それを見る者は、見るやいなや
手に取って呑み込んでしまう。
28:05その日には、万軍の主が民の残りの者にとって
麗しい冠、輝く花輪となられる。
28:06裁きの座に着く者には、裁きの霊となり
敵の攻撃を城門で押し返す者には
雄々しい力となられる。
28:07彼らもまた、ぶどう酒を飲んでよろめき
濃い酒のゆえに迷う。祭司も預言者も濃い酒を飲んでよろめき
ぶどう酒に飲まれてしまう。濃い酒のゆえに迷い
幻を見るとき、よろめき
裁きを下すとき、つまずく。
28:08どの食卓にも吐いた物が溢れ
至るところに汚物がある。
28:09誰に知るべきことを教え
お告げを説き明かそうというのか。乳離れした子にか、乳房を離れた幼子にか。
28:10「ツァウ・ラ・ツァウ、ツァウ・ラ・ツァウ
(命令に命令、命令に命令)
カウ・ラ・カウ、カウ・ラ・カウ
(規則に規則、規則に規則)
しばらくはここ、しばらくはあそこ」と
彼らは言う。
28:11確かに、主はどもる唇と異国の言葉で
この民に語られる。
28:12主が彼らに言っておかれたことはこうだ。「これこそが安息である。疲れた者に安息を与えよ。これこそ憩いの場だ」と。しかし、彼らは聞こうとはしなかった。
28:13それゆえ、主の言葉は、彼らにとってこうなる。「ツァウ・ラ・ツァウ、ツァウ・ラ・ツァウ
(命令に命令、命令に命令)
カウ・ラ・カウ、カウ・ラ・カウ
(規則に規則、規則に規則)
しばらくはここ、しばらくはあそこ。」彼らは歩むとき、つまずいて倒れ
打ち砕かれ、罠にかかって、捕らえられる。
28:14嘲る者らよ、主の言葉を聞け
エルサレムでこの民を治める者らよ。
28:15お前たちは言った。「我々は死と契約を結び、陰府と協定している。洪水がみなぎり溢れても、我々には及ばない。我々は欺きを避け所とし、偽りを隠れがとする。」
28:16それゆえ、主なる神はこう言われる。「わたしは一つの石をシオンに据える。これは試みを経た石
堅く据えられた礎の、貴い隅の石だ。信ずる者は慌てることはない。
28:17わたしは正義を測り縄とし
恵みの業を分銅とする。雹は欺きという避け所を滅ぼし
水は隠れがを押し流す。
28:18お前たちが死と結んだ契約は取り消され
陰府と定めた協定は実行されない。洪水がみなぎり、溢れるとき
お前たちは、それに踏みにじられる。」
28:19洪水は溢れる度にお前たちを捕らえる。それは朝ごとに溢れ、昼も夜も溢れる。この御告げを説き明かせば
ただ恐怖でしかない。
28:20寝床は短くて身を伸ばすことができず
覆いは狭くて身を覆うことができない。
28:21主はペラツィム山のときのように立ち上がり
ギブオンの谷のときのように憤られる。それは御業を果たされるため。しかし、その御業は未知のもの。また、働きをされるため。しかし、その働きは敵意あるもの。
28:22今、嘲ることをやめなければ
お前たちの縄目は厳しくなる。わたしは定められた滅びについて聞いた。それは万軍の主なる神から出て国全体に及ぶ。
28:23聞け、わたしの声に耳を向けよ。聞け、わたしの言うことに耳を傾けよ。
28:24種を蒔くために
耕す者は一日中耕すだけだろうか。土を起こして、畝を造るだけだろうか。
28:25畑の面を平らにしたなら
いのんどとクミンの種は、広く蒔き散らし
小麦は畝に、大麦は印をしたところに
裸麦は畑の端にと、種を蒔くではないか。
28:26神はふさわしい仕方を彼に示し、教えられる。
28:27いのんどは打穀機で打たず
クミンの上に打穀車を引き回すことはしない。いのんどは棒で打ち
クミンは杖で打つ。
28:28穀物はいつまでも打穀して砕くことはない。打穀車の車輪と馬がその上を回っても
砕き尽くすことはない。
28:29これもまた万軍の主から出たことである。主の計らいは驚くべきもので
大いなることを成し遂げられる。
29:01ああ、アリエルよ、アリエルよ
ダビデが陣を張った都よ。年毎に、祭りの数を増し、巡り来らせよ。
29:02そのとき、わたしはアリエルを苦しめる。アリエルには嘆きと、ため息が臨み
祭壇の炉(アリエル)のようになる。
29:03わたしはお前を囲んで陣を張り
砦を築き、城壁を建てる。
29:04お前は倒されて地の下から語り
お前の言葉は塵の下から鈍く響く。亡霊のようなお前の声は地の下から聞こえ
お前の言葉は塵の下からかすかに響く。
29:05群がる外敵は砂塵のようになり
群がる暴虐の者らは
吹き去られるもみ殻のようになる。そのことは突然、瞬く間に起こる。
29:06万軍の主によってお前は顧みられる。雷鳴、地震、大音響と共に
つむじ風、嵐、焼き尽くす炎のうちに。
29:07アリエルを群がって攻撃する国はすべて
夢か夜の幻のようになる。彼女を攻撃し、取り囲み
苦しめる者はすべて。
29:08「飢えた者が夢を見た。見よ、彼は食べていた。だが目覚めてみると、彼は空腹のままであった。渇いた者が夢を見た。見よ、彼は飲んでいた。だが、目覚めてみると、疲れ果てて渇いたままだ。」シオンの山に群がって戦いを挑んだ国は
すべてこのようになる。
29:09ためらえ、立ちすくめ。目をふさげ、そして見えなくなれ。酔っているが、ぶどう酒のゆえではない。よろめいているが、濃い酒のゆえではない。
29:10主はお前たちに深い眠りの霊を注ぎ
お前たちの目である預言者の目を閉ざし
頭である先見者を覆われた。
29:11それゆえすべての幻は、お前たちにとって封じられた書物の中の言葉のようだ。字の読める人に渡して、「どうぞ、読んでください」と頼んでも、その人は「封じられているから読めない」と答える。
29:12字の読めない人に渡して、「どうぞ、読んでください」と頼んでも、「わたしは字が読めない」と答える。
29:13主は言われた。「この民は、口でわたしに近づき
唇でわたしを敬うが
心はわたしから遠く離れている。彼らがわたしを畏れ敬うとしても
それは人間の戒めを覚え込んだからだ。
29:14それゆえ、見よ、わたしは再び
驚くべき業を重ねて、この民を驚かす。賢者の知恵は滅び
聡明な者の分別は隠される。」
29:15災いだ、主を避けてその謀を深く隠す者は。彼らの業は闇の中にある。彼らは言う。「誰が我らを見るものか
誰が我らに気づくものか」と。
29:16お前たちはなんとゆがんでいることか。陶工が粘土と同じに見なされうるのか。造られた者が、造った者に言いうるのか
「彼がわたしを造ったのではない」と。陶器が、陶工に言いうるのか
「彼には分別がない」と。
29:17なおしばらくの時がたてば
レバノンは再び園となり
園は森林としても数えられる。
29:18その日には、耳の聞こえない者が
書物に書かれている言葉をすら聞き取り
盲人の目は暗黒と闇を解かれ、見えるようになる。
29:19苦しんでいた人々は再び主にあって喜び祝い
貧しい人々は
イスラエルの聖なる方のゆえに喜び躍る。
29:20暴虐な者はうせ、不遜な者は滅び
災いを待ち構える者は皆、断たれる。
29:21彼らは言葉をもって人を罪に定め
町の門で弁護する者を罠にかけ
正しい者を不当に押しのける。
29:22それゆえ、アブラハムを贖われた主は
ヤコブの家に向かって、こう言われる。「もはや、ヤコブは恥を受けることはない。もはや顔が青ざめることもない。」
29:23彼はその子らと共に
民の内にわが手の業を見てわが名を聖とする。彼らはヤコブの聖なる者を聖とし
イスラエルの神を畏るべきものとする。
29:24心の迷った者も知ることを得
つぶやく者も正しく語ることを学ぶ。
30:01災いだ、背く子らは、と主は言われる。彼らは謀を立てるが
わたしによるのではない。盟約の杯を交わすが
わたしの霊によるのではない。こうして、罪に罪を重ねている。
30:02彼らはわたしの託宣を求めず
エジプトへ下って行き
ファラオの砦に難を避け
エジプトの陰に身を寄せる。
30:03しかし、ファラオの砦はお前たちの恥となり
エジプトの陰に身を寄せることは辱めとなる。
30:04たとえ高官らがツォアンにおり
使者らがハネスに遣わされても
30:05彼らはすべて益を与えぬ国のゆえに
うろたえるだけだ。その国は助けにならず、益を与えず
恥と嘲りの種になるだけだ。
30:06ネゲブの獣についての託宣。彼らはその富をろばの背に
宝をらくだのこぶに載せて
ほえたける雌獅子や雄獅子
蝮や、飛び回る炎の蛇が住む
悩みと苦しみの道を経て
益を与えることのない国に赴く。
30:07エジプトの助けは空しくはかない。それゆえ、わたしはこれを
「つながれたラハブ」と呼ぶ。
30:08今、行って、このことを彼らの前で
板に書き、書に記せ。それを後の日のため、永遠の証しとせよ。
30:09まことに、彼らは反逆の民であり
偽りの子ら、主の教えを聞こうとしない子らだ。
30:10彼らは先見者に向かって、「見るな」と言い
預言者に向かって
「真実を我々に預言するな。滑らかな言葉を語り、惑わすことを預言せよ。
30:11道から離れ、行くべき道をそれ
我々の前でイスラエルの聖なる方について
語ることをやめよ」と言う。
30:12それゆえ
イスラエルの聖なる方はこう言われる。「お前たちは、この言葉を拒み
抑圧と不正に頼り、それを支えとしているゆえ
30:13この罪は、お前たちにとって
高い城壁に破れが生じ、崩れ落ちるようなものだ。崩壊は突然、そして瞬く間に臨む。
30:14その崩壊の様は陶器師の壺が砕けるようだ。容赦なく粉砕され
暖炉から火を取り
水槽から水をすくう破片も残らないようだ。」
30:15まことに、イスラエルの聖なる方
わが主なる神は、こう言われた。「お前たちは、立ち帰って
静かにしているならば救われる。安らかに信頼していることにこそ力がある」と。しかし、お前たちはそれを望まなかった。
30:16お前たちは言った。「そうしてはいられない、馬に乗って逃げよう」と。それゆえ、お前たちは逃げなければならない。また「速い馬に乗ろう」と言ったゆえに
あなたたちを追う者は速いであろう。
30:17一人の威嚇によって、千人はもろともに逃れ
五人の威嚇によって、お前たちは逃れる。残る者があっても、山頂の旗竿のように
丘の上の旗のようになる。
30:18それゆえ、主は恵みを与えようとして
あなたたちを待ち
それゆえ、主は憐れみを与えようとして
立ち上がられる。まことに、主は正義の神。なんと幸いなことか、すべて主を待ち望む人は。
30:19まことに、シオンの民、エルサレムに住む者よ
もはや泣くことはない。主はあなたの呼ぶ声に答えて
必ず恵みを与えられる。主がそれを聞いて、直ちに答えてくださる。
30:20わが主はあなたたちに
災いのパンと苦しみの水を与えられた。あなたを導かれる方は
もはや隠れておられることなく
あなたの目は常に
あなたを導かれる方を見る。
30:21あなたの耳は、背後から語られる言葉を聞く。「これが行くべき道だ、ここを歩け
右に行け、左に行け」と。
30:22そのとき、あなたは銀で覆った像と
金をはり付けた像を汚し
それを汚れたもののようにまき散らし
「消えうせよ」と言う。
30:23主は、あなたが地に蒔く種に雨を与えられる。地の産み出す穀物は豊かに実る。その日には
あなたの家畜は広い牧場で草をはみ
30:24地を耕す牛やろばは
ふるいや箕でえり分け
発酵させた飼葉を食べる。
30:25大いなる殺戮の日、塔の倒れるとき
そびえ立つすべての山、高い丘の上に
水路が造られて、水を運ぶ。
30:26主が民の傷を包み
重い打ち傷をいやされる日
月の光は太陽の光になり
太陽の光は七倍になり
七つの日の光となる。
30:27見よ、主の御名は遠くから来る
怒りに燃え、立ち昇る濃い煙を伴って。その唇は憤りに満ち
舌は焼き尽くす火のようだ。
30:28主の霊は、首にまで達する水が
涸れ谷にみなぎり溢れるように臨む。主は国々を欺きのふるいでふるい
迷わす手綱を諸国民の顎にかけられる。
30:29あなたたちは祭りを祝う夜のように歌い
笛に合わせて進む者のように心楽しみ
主の山に来て
イスラエルの岩なる神にまみえる。
30:30主は威厳ある声を聞かせ
荒れ狂う怒り、焼き尽くす火の炎
打ちつける雨と石のような雹と共に
御腕を振り下ろし、それを示される。
30:31主がその鞭をもって打たれるとき
アッシリアは主の声のゆえにおののく。
30:32主が彼に下そうと定められた
杭の一打ちごとに
太鼓と竪琴が鳴らされ
主は御腕を振るって彼らと戦われる。
30:33焼き場は既に用意され
王のために深く広く造られ
燃やすための木が積まれ
多くの薪が置かれ
主の息が焼き尽くす硫黄の流れのように
そこに臨む。
31:01災いだ、助けを求めてエジプトに下り
馬を支えとする者は。彼らは戦車の数が多く
騎兵の数がおびただしいことを頼りとし
イスラエルの聖なる方を仰がず
主を尋ね求めようとしない。
31:02しかし、主は知恵に富む方。災いをもたらし
御言葉を無に帰されることはない。立って、災いをもたらす者の家
悪を行う者に味方する者を攻められる。
31:03エジプト人は人であって、神ではない。その馬は肉なるものにすぎず、霊ではない。主が御手を伸ばされると
助けを与える者はつまずき
助けを受けている者は倒れ、皆共に滅びる。
31:04まことに、主はわたしにこう言われた。獅子や若獅子が獲物を捕らえて、うなるとき
多くの羊飼いがそれに対して
呼び集められても
獅子はその声を恐れず
喚声にたじろぐことはない。万軍の主は、そのように
シオンの山とその丘の上に降って戦われる。
31:05翼を広げた鳥のように
万軍の主はエルサレムの上にあって守られる。これを守り、助け、かばって救われる。
31:06イスラエルの人々よ、あなたたちが背き続けてきた方に立ち帰れ。
31:07その日、人々はそれぞれ、かつて、自分の手で造り、それをもって罪を犯した銀の偶像と金の偶像を退ける。
31:08アッシリアは倒れる
人間のものではない剣によって。人間のものではない剣が彼らを食い尽くす。彼らは剣を恐れて逃げ
その若者たちは労役に服す。
31:09岩ですら恐れのゆえにその場から動き
その長たちは旗を捨てて逃げ去ると
主は言われる。主はシオンに火を
エルサレムに炉を持っておられる。
32:01見よ、正義によって
一人の王が統治し
高官たちは、公平をもって支配する。
32:02彼らはそれぞれ
風を遮り、雨を避ける所のように
また、水のない地を流れる水路のように
乾ききった地の大きな岩陰のようになる。
32:03見る者の目は曇らされず
聞く者の耳は良く聞き分ける。
32:04軽率な心も知ることを学び
どもる舌も速やかに語る。
32:05もはや、愚かな者が高貴な人とは呼ばれず
ならず者が貴い人と言われることもない。
32:06愚かな者は愚かなことを語り
その心は災いをたくらむ。神を無視し、主について迷わすことを語り
飢えている者をむなしく去らせ
渇いている者の水を奪う。
32:07ならず者の手管は災いをもたらす。彼は謀をめぐらし
貧しい者が正当な申し立てをしても
乏しい者を偽りの言葉で破滅に落とす。
32:08高貴な人は高貴なことをはかり
高貴なことを擁護する。
32:09憂いなき女たちよ、起きて、わが声を聞け。安んじている娘たちよ
わが言葉に耳を傾けよ。
32:10安んじている女たちよ
一年余りの時を経て
お前たちは慌てふためく。ぶどうの収穫が無に帰し
取り入れの時が来ないからだ。
32:11憂いなき女たちはおののく
安んじている女たちは慌てふためく。衣を脱ぎ、裸になって
腰に粗布をまとえ。
32:12ぶどう畑のために、胸を打って嘆け
美しい畑、実り豊かであったぶどうの木のために
32:13茨といらくさに覆われたわが民の畑のために
喜びの家、陽気な町のために。
32:14宮殿は捨てられ、町のにぎわいはうせ
見張りの塔のある砦の丘は
とこしえに裸の山となり
野ろばが喜び
家畜の群れが草をはむ所となる。
32:15ついに、我々の上に
霊が高い天から注がれる。荒れ野は園となり
園は森と見なされる。
32:16そのとき、荒れ野に公平が宿り
園に正義が住まう。
32:17正義が造り出すものは平和であり
正義が生み出すものは
とこしえに安らかな信頼である。
32:18わが民は平和の住みか、安らかな宿
憂いなき休息の場所に住まう。
32:19しかし、森には雹が降る。町は大いに辱められる。
32:20すべての水のほとりに種を蒔き
牛やろばを自由に放つあなたたちは
なんと幸いなことか。
33:01災いだ、略奪されもしないのに、略奪し
欺かれもしないのに、欺く者は。お前は略奪し尽くしたときに、略奪され
欺き終えたときに、欺かれる。
33:02主よ、我らを憐れんでください。我々はあなたを待ち望みます。朝ごとに、我らの腕となり
苦難のとき、我らの救いとなってください。
33:03どよめきの声によって、もろもろの民は逃げ
あなたが立ち上がられると、国々は散る。
33:04いなごが奪い去るように、戦利品を奪い去り
ばったが跳ねるように
人々はそれに飛びつく。
33:05主は、はるかに高い天に住まわれ
シオンに正義と恵みの業を満たされる。
33:06主はあなたの時を堅く支えられる。知恵と知識は救いを豊かに与える。主を畏れることは宝である。
33:07見よ、アリエルの人々は巷で叫び
平和の使者たちはいたく嘆く。
33:08大路は嘆き、荒れ果て、道行く者は絶える。人は契約を破り、証人を退け
人を人と思うこともない。
33:09大地は嘆き、衰え
レバノンは辱められて、枯れ
シャロンは荒れ地となり
バシャンとカルメルは裸になる。
33:10今や、わたしは身を起こすと
主は言われる。今や、わたしは立ち上がり
今や、自らを高くする。
33:11枯れ草をはらみ、わらを産め
火のような霊がお前たちをなめ尽くす。
33:12もろもろの民は、焼かれて石灰となり
切られた茨が、火に燃やされる。
33:13遠くにいる者よ
わたしの成し遂げたことを聞け。近くにいる者よ、わたしの力強い業を知れ。
33:14シオンで罪人は恐れ
神を無視する者はおののきに捕らえられた。我々のうち、誰が
焼き尽くす火の中にとどまりえようか。我々のうち、誰が
とこしえに燃える炉の中にとどまりえようか。
33:15正義に歩み、正しいことを語り
虐げによる利益を退け
手を振って、賄賂を拒み
耳をふさいで、流血の謀を聞かず
目を閉じて、悪を見ようとしない者
33:16このような人は、高い所に住む。その高い塔は堅固な岩。彼の糧は備えられ、水は絶えることがない。
33:17あなたの目は麗しく装った王を仰ぎ
遠く隔たった地を見る。
33:18あなたの心はかつての恐怖を思って言う。あのとき、数を調べた者はどこにいるのか
量った者はどこにいるのか
やぐらを数えた者はどこにいるのか、と。
33:19あの傲慢な民をあなたはもはや見ない。その民の唇は重くて聞き分けることができず
舌はどもるので理解しえなかった。
33:20シオンを仰ぎ見よ、我らの祝祭の都を。あなたの目はエルサレムを見る。それは安らかな住まい
移されることのない天幕。その杭は永遠に抜かれることなく
一本の綱も断たれることはない。
33:21まことに、そこにこそ
主の威光は我らのために現れる。そこには多くの川、幅広い流れがある。櫓をこぐ舟はそこを通らず
威容を誇る船もそこを過ぎることはない。
33:22まことに、主は我らを正しく裁かれる方。主は我らに法を与えられる方。主は我らの王となって、我らを救われる。
33:23お前の船の綱はゆるみ
帆柱の基を固くすることも
帆を張ることもできない。そのとき、多くの戦利品が分配され
足の弱い者も獲物を奪う。
33:24都に住む者はだれも病を訴えることはない。都に住む民は罪を赦される。
34:01もろもろの国よ、近づいて聞け
もろもろの民よ、耳を傾けよ。聞け、大地とそこに満ちるすべてのもの
世界とそこに生ずるすべてのものよ。
34:02主はすべての国に向かって憤りを発し
怒りは、その全軍に及ぶ。主は絶滅することを定め
彼らを屠るために渡された。
34:03刺し貫かれた人々は投げ捨てられ
死骸は悪臭を放ち
山々はその血によって溶ける。
34:04天の全軍は衰え
天は巻物のように巻き上げられる。ぶどうの葉がしおれ
いちじくの葉がしおれるように
その全軍は力を失う。
34:05天において、わが剣は血に浸されている。見よ、剣はエドムの上に下る
絶滅に定められた民を裁くために。
34:06まことに、主の剣は血にまみれ
脂肪を滴らす。小羊と雄山羊の血にまみれ
雄羊の腎臓の脂肪を滴らす。主がボツラでいけにえを屠り
エドムの地で大いなる殺戮をなさるからだ。
34:07野牛は彼らと共に倒れ
子牛は雄羊と共に倒れ
彼らの土地は血に浸され
その土地は脂肪を滴らす。
34:08まことに、主は報復の日を定められる
シオンにかかわる争いを正すための年を。
34:09エドムの涸れ谷は変わってピッチとなり
その土は硫黄となる。その土地はピッチとなって燃え上がる。
34:10夜も昼も消えることなく
とこしえに、煙を立ち昇らせ
代々にわたって廃虚となり
永遠にそこを通る人はない。
34:11ふくろうと山あらしがその土地を奪い
みみずくと烏がそこに住む。主はその上に混乱を測り縄として張り
空虚を錘として下げられる。
34:12その土地の貴族たちには
もはや、王国と名付くべきものはなく
高官たちもすべて無に帰する。
34:13その城郭は茨が覆い
その砦にはいらくさとあざみが生え
山犬が住み
駝鳥の宿るところとなる。
34:14荒野の獣はジャッカルに出会い
山羊の魔神はその友を呼び
夜の魔女は、そこに休息を求め
休む所を見つける。
34:15ふくろうは、そこに巣を作って卵を産み
卵をかえして、雛を翼の陰に集める。そこに鳶も、雌も雄も共に集まる。
34:16主の書に尋ね求め、読んでみよ。これらのものに、ひとつも欠けるものはない。雌も雄も、それぞれ対を見いださぬことはない。それは、主の口が命じ
主の霊が集めたものだからである。
34:17主は彼らの分をくじによって定め
御手の測り縄によって土地を分け
とこしえに彼らの所有とされる。代々にわたって、彼らはそこに住む。
35:01荒れ野よ、荒れ地よ、喜び躍れ
砂漠よ、喜び、花を咲かせよ
野ばらの花を一面に咲かせよ。
35:02花を咲かせ
大いに喜んで、声をあげよ。砂漠はレバノンの栄光を与えられ
カルメルとシャロンの輝きに飾られる。人々は主の栄光と我らの神の輝きを見る。
35:03弱った手に力を込め
よろめく膝を強くせよ。
35:04心おののく人々に言え。「雄々しくあれ、恐れるな。見よ、あなたたちの神を。敵を打ち、悪に報いる神が来られる。神は来て、あなたたちを救われる。」
35:05そのとき、見えない人の目が開き
聞こえない人の耳が開く。
35:06そのとき
歩けなかった人が鹿のように躍り上がる。口の利けなかった人が喜び歌う。荒れ野に水が湧きいで
荒れ地に川が流れる。
35:07熱した砂地は湖となり
乾いた地は水の湧くところとなる。山犬がうずくまるところは
葦やパピルスの茂るところとなる。
35:08そこに大路が敷かれる。その道は聖なる道と呼ばれ
汚れた者がその道を通ることはない。主御自身がその民に先立って歩まれ
愚か者がそこに迷い入ることはない。
35:09そこに、獅子はおらず
獣が上って来て襲いかかることもない。解き放たれた人々がそこを進み
35:10主に贖われた人々は帰って来る。とこしえの喜びを先頭に立てて
喜び歌いつつシオンに帰り着く。喜びと楽しみが彼らを迎え
嘆きと悲しみは逃げ去る。
36:01ヒゼキヤ王の治世第十四年に、アッシリアの王センナケリブが攻め上り、ユダの砦の町をことごとく占領した。
36:02アッシリアの王は、ラキシュからラブ・シャケを大軍と共にヒゼキヤ王のいるエルサレムに遣わした。彼は布さらしの野に至る大通りに沿って上の貯水池から来る水路の傍らに立ち止まった。
36:03ヒルキヤの子である宮廷長エルヤキム、書記官シェブナ、アサフの子である補佐官ヨアが彼の前に出て行った。
36:04そこで、ラブ・シャケは彼らに言った。「ヒゼキヤに伝えよ。大王、アッシリアの王はこう言われる。なぜこんな頼りないものに頼っているのか。
36:05ただ舌先だけの言葉が戦略であり、戦力であるのかとわたしは言う。今お前は誰を頼みにしてわたしに刃向かうのか。
36:06今お前はエジプトというあの折れかけの葦の杖を頼みにしているが、それはだれでも寄りかかる者の手を刺し貫くだけだ。エジプトの王ファラオは、自分を頼みとするすべての者にとってそのようになる。
36:07お前は、『我々は我々の神、主に依り頼む』と言っているが、ヒゼキヤはユダとエルサレムに向かい、『この祭壇の前で礼拝せよ』と言って、その主の聖なる高台と祭壇を取り除いたのではなかったか。
36:08今わが主君、アッシリアの王とかけをせよ。もしお前の方でそれだけの乗り手を準備できるなら、こちらから二千頭の馬を与えよう。
36:09戦車について、騎兵についてエジプトなどを頼みにしているお前に、どうしてわが主君の家臣のうちの最も小さい総督の一人すら追い返すことができようか。
36:10わたしは今、主とかかわりなくこの地を滅ぼしに来たのだろうか。主がわたしに、『この地に向かって攻め上り、これを滅ぼせ』とお命じになったのだ。」
36:11エルヤキムとシェブナとヨアは、ラブ・シャケに願った。「僕どもはアラム語が分かります。どうぞアラム語でお話しください。城壁の上にいる民が聞いているところで、わたしどもにユダの言葉で話さないでください。」
36:12だがラブ・シャケは言った。「わが主君がこれらのことを告げるためにわたしを遣わしたのは、お前の主君やお前のためだけだとでもいうのか。城壁の上に座っている者たちのためにも遣わしたのではないか。彼らもお前たちと共に自分の糞尿を飲み食いするようになるのだから。」
36:13ラブ・シャケは立ってユダの言葉で大声で呼ばわり、こう言い放った。「大王、アッシリアの王の言葉を聞け。
36:14王はこう言われる。『ヒゼキヤにだまされるな。彼はお前たちを救い出すことはできない。
36:15ヒゼキヤは、お前たちに、主が必ず我々を救い出してくださる。決してこの都がアッシリアの王の手に渡されることはない、と言って主に依り頼ませようとするが、そうさせてはならない。』
36:16ヒゼキヤの言うことを聞くな。アッシリアの王がこう言われるからだ。『わたしと和を結び、降伏せよ。そうすればお前たちは皆、自分のぶどうといちじくの実を食べ、自分の井戸の水を飲むことができる。
36:17やがてわたしは来て、お前たちをお前たちの地と同じような地、穀物と新しいぶどう酒の地、パンとぶどう畑の地に連れて行く』と。
36:18ヒゼキヤが、『主は我々を救い出してくださる』と言っても、惑わされるな。諸国の神々は、それぞれ自分の地をアッシリア王の手から救い出すことができたであろうか。
36:19ハマトやアルパドの神々はどこに行ったのか。セファルワイムの神々はどこに行ったのか。サマリアをわたしの手から救い出した神があっただろうか。
36:20これらの国々のすべての神々のうち、どの神が自分の国をわたしの手から救い出したか。それでも主はエルサレムをわたしの手から救い出すと言うのか。」
36:21しかし彼らは、答えてはならないと王に戒められていたので、押し黙ってひと言も答えなかった。
36:22ヒルキヤの子である宮廷長エルヤキム、書記官シェブナ、アサフの子である補佐官ヨアは衣を裂き、ヒゼキヤのもとに来てラブ・シャケの言葉を伝えた。
37:01ヒゼキヤ王はこれを聞くと衣を裂き、粗布を身にまとって主の神殿に行った。
37:02また彼は宮廷長エルヤキム、書記官シェブナ、および祭司の長老たちに粗布をまとわせ、預言者、アモツの子イザヤのもとに遣わした。
37:03彼らはイザヤに言った。「ヒゼキヤはこう言われる。『今日は苦しみと、懲らしめと、辱めの日、胎児は産道に達したが、これを産み出す力がない。
37:04生ける神をののしるために、その主君、アッシリアの王によって遣わされて来たラブ・シャケのすべての言葉を、あなたの神、主は恐らく聞かれたことであろう。あなたの神、主はお聞きになったその言葉をとがめられるであろうが、ここに残っている者のために祈ってほしい。』」
37:05ヒゼキヤ王の家臣たちがイザヤのもとに来ると、
37:06イザヤは言った。「あなたたちの主君にこう言いなさい。『主なる神はこう言われる。あなたは、アッシリアの王の従者たちがわたしを冒涜する言葉を聞いても、恐れてはならない。
37:07見よ、わたしは彼の中に霊を送り、彼がうわさを聞いて自分の地に引き返すようにする。彼はその地で剣にかけられて倒される。』」
37:08ラブ・シャケは、王がラキシュをたったということを聞いて引き返し、リブナを攻撃しているアッシリアの王と落ち合った。
37:09王はそこでクシュの王ティルハカについて、「あなたと戦いを交えようと軍を進めている」との知らせを受けた。これを聞いて、彼はヒゼキヤに使者を遣わして言わせた。
37:10「ユダの王ヒゼキヤにこう言え。お前が依り頼んでいる神にだまされ、エルサレムはアッシリアの王の手に渡されることはない、と思ってはならない。
37:11お前はアッシリアの王たちがすべての国々を滅ぼし去るために行ったことを聞いているであろう。それでも、お前だけが救い出されると言うのか。
37:12わたしの先祖たちはゴザン、ハラン、レツェフおよびテラサルにいたエデンの人々を打ち滅ぼしたが、これらの諸国の神々は彼らを救いえたであろうか。
37:13ハマトの王、アルパドの王、セファルワイムの町の王、ヘナやイワの王はどこに行ったのか。」
37:14ヒゼキヤはこの手紙を使者の手から受け取って読むと、主の神殿に上って行った。ヒゼキヤはそれを主の前に広げ、
37:15主の前で祈った。
37:16「ケルビムの上に座しておられるイスラエルの神、万軍の主よ。あなただけが地上のすべての王国の神であり、あなたこそ天と地をお造りになった方です。
37:17主よ、耳を傾けて聞いてください。主よ、目を開いて御覧ください。生ける神をののしるために人を遣わしてきたセンナケリブのすべての言葉を聞いてください。
37:18主よ、確かにアッシリアの王たちはすべての王国とその国土を荒らし、
37:19その神々を火に投げ込みましたが、それらは神ではなく、木や石であって、人間が手で造ったものにすぎません。彼らはこれを滅ぼしてしまいました。
37:20わたしたちの神、主よ、どうか今、わたしたちを彼の手から救い、地上のすべての王国が、あなただけが主であることを知るに至らせてください。」
37:21アモツの子イザヤは、ヒゼキヤに人を遣わして言った。「イスラエルの神、主はこう言われる。あなたはアッシリアの王センナケリブのことでわたしに祈った。
37:22主がアッシリアの王に向かって告げられた言葉はこうである。おとめである、娘シオンは
お前を辱め、お前を嘲る。娘エルサレムは
お前に背を向け、頭を振る。
37:23お前は誰をののしり、侮ったのか
誰に向かって大声をあげ
高慢な目つきをしたのか。イスラエルの聖なる方に向かってではなかったか。
37:24お前は家来を送って
主をののしって言った。『わたしは多くの戦車を率いて
山々の高みに駆け登り
レバノンの奥深く進み
最も高く伸びたレバノン杉も
最も見事な糸杉も切り倒した。その果てに達した高みは
木の生い茂る森林であった。
37:25わたしは井戸を掘って水を飲んだが
エジプトのナイルの水流はことごとく
足の裏で踏みつけて干上がらせた。』
37:26お前は聞いたことがないのか
はるか昔にわたしが計画を立てていたことを。いにしえの日に心に描いたことを
わたしは今実現させた。お前はこうして砦の町々を
瓦礫の山にすることとなった。
37:27力を失ったその住民は
打ちのめされて恥に覆われ
野の草、青草のように
穂をつける前にしなびる
屋根に生える草のようになった。
37:28お前が座っているのも
出て行くのも、入って来るのも
わたしは知っている。またわたしに向かって怒りに震えていることも。
37:29お前がわたしに向かって怒りに震え
その驕りがわたしの耳にまで昇ってきたために
わたしはお前の鼻に鉤をかけ
口にくつわをはめ
お前が来た道を通って帰って行くようにする。
37:30あなたにそのことを示すしるしはこうである。今年は落ち穂から生じた穀物を食べ、二年目は自然に生じたものを食べ、三年目には種を蒔いて刈り入れ、ぶどう畑を作り、その実りを食べる。
37:31ユダの家の中で難を免れ、残った者たちは再び根を下ろし、上には実を結ぶ。
37:32エルサレムから、残った者が
シオンの山から、難を免れた者が現れ出る。万軍の主の熱情がこれを成就される。
37:33それゆえ
主はアッシリアの王についてこう言われる。彼がこの都に入城することはない。またそこに矢を射ることも
盾を持って向かって来ることも
都に対して土塁を築くこともない。
37:34彼は来た道を引き返し
この都に入城することはない、と主は言われる。
37:35わたしはこの都を守り抜いて救う
わたし自らのために、わが僕ダビデのために。」
37:36主の御使いが現れ、アッシリアの陣営で十八万五千人を撃った。朝早く起きてみると、彼らは皆死体となっていた。
37:37アッシリアの王センナケリブは、そこをたって帰って行き、ニネベに落ち着いた。
37:38彼が自分の神ニスロクの神殿で礼拝しているときに、二人の息子アドラメレクとサルエツェルが彼を剣にかけて殺した。彼らはアララトの地に逃亡し、センナケリブに代わってその子エサル・ハドンが王となった。
38:01そのころ、ヒゼキヤは死の病にかかった。預言者、アモツの子イザヤが訪ねて来て、「主はこう言われる。『あなたは死ぬことになっていて、命はないのだから、家族に遺言をしなさい』」と言った。
38:02ヒゼキヤは顔を壁に向けて、主にこう祈った。
38:03「ああ、主よ、わたしがまことを尽くし、ひたむきな心をもって御前を歩み、御目にかなう善いことを行ってきたことを思い起こしてください。」こう言って、ヒゼキヤは涙を流して大いに泣いた。
38:04主の言葉がイザヤに臨んだ。
38:05「ヒゼキヤのもとに行って言いなさい。あなたの父祖ダビデの神、主はこう言われる。わたしはあなたの祈りを聞き、涙を見た。見よ、わたしはあなたの寿命を十五年延ばし、
38:06アッシリアの王の手からあなたとこの都を救い出す。わたしはこの都を守り抜く。」
38:07ここに主によって与えられるしるしがあります。それによって、主は約束なさったことを実現されることが分かります。
38:08「見よ、わたしは日時計の影、太陽によってアハズの日時計に落ちた影を、十度後戻りさせる。」太陽は陰の落ちた日時計の中で十度戻った。
38:09病気であったが、その病気が治って命を得たユダの王ヒゼキヤの記した歌、ミクタブ。
38:10わたしは思った。人生の半ばにあって行かねばならないのか
陰府の門に残る齢をゆだねるのか、と。
38:11わたしは思った。命ある者の地にいて主を見ることもなくなり
消えゆく者の国に住む者に加えられ
もう人を見ることもない、と。
38:12わたしの生涯は羊飼いの天幕のように
引き抜かれ、取り去られてしまった。わたしはわたしの命を織物のように巻き終わり
糸から切り離されてしまった。昼も夜も
あなたはわたしの息の根を止めようとされる。
38:13夜明けまでわたしはそれを甘んじて受け
獅子に砕かれるように
わたしの骨はことごとく砕かれてしまう。昼も夜も
あなたはわたしの息の根を止めようとされる。
38:14つばめや鶴のように
わたしはすすり泣きの声をあげ
鳩のようにわたしは呻く。天を仰いでわたしの目は弱り果てる。わが主よ、わたしは責めさいなまれています。どうかわたしの保証人となってください。
38:15わたしは何と言えば答えてもらえるのか
そのようなことをなさる主に。わたしは心に苦痛を抱きながら
すべての年月をあえぎ行かねばならないのか。
38:16主が近くにいてくだされば、人々は生き続けます。わたしの霊も絶えず生かしてください。わたしを健やかにし、わたしを生かしてください。
38:17見よ、わたしの受けた苦痛は
平和のためにほかならない。あなたはわたしの魂に思いを寄せ
滅びの穴に陥らないようにしてくださった。あなたはわたしの罪をすべて
あなたの後ろに投げ捨ててくださった。
38:18陰府があなたに感謝することはなく
死があなたを賛美することはないので
墓に下る者は
あなたのまことを期待することができない。
38:19命ある者、命ある者のみが
今日の、わたしのようにあなたに感謝し
父は子にあなたのまことを知らせるのです。
38:20主よ、あなたはわたしを救ってくださった。わたしたちは命のあるかぎり主の神殿で
わたしの音楽を共に奏でるでしょう。
38:21イザヤが、「干しいちじくを持って来るように」と言うので、人々がそれを患部につけると王は回復した。
38:22ヒゼキヤは言った。「わたしが主の神殿に上れることを示すしるしは何でしょうか。」
39:01そのころ、バビロンの王、バルアダンの子メロダク・バルアダンがヒゼキヤに手紙と贈り物を送って来た。病気であった彼が健康を回復したことを聞いたからである。
39:02ヒゼキヤは使者たちを歓迎し、銀、金、香料、上等の油など宝物庫と、武器庫、倉庫にある一切の物を彼らに見せた。ヒゼキヤが彼らに見せなかったものは、宮中はもとより国中にひとつもなかった。
39:03預言者イザヤはヒゼキヤ王のところに来て、「あの人々は何を言ったのですか。どこから訪ねて来たのですか」と問うた。ヒゼキヤは、「彼らは遠い国、バビロンから来ました」と答えた。
39:04更に、「彼らは王宮で何を見たのですか」と問うと、ヒゼキヤは、「王宮にあるものは何もかも見ました。倉庫の中のものも見せなかったものは何一つありません」と答えた。
39:05そこでイザヤはヒゼキヤに言った。「万軍の主の言葉を聞きなさい。
39:06王宮にあるもの、あなたの先祖が今日まで蓄えてきたものが、ことごとくバビロンに運び去られ、何も残らなくなる日が来る、と主は言われる。
39:07あなたから生まれた息子の中には、バビロン王の宮殿に連れて行かれ、宦官にされる者もある。」
39:08ヒゼキヤはイザヤに、「あなたの告げる主の言葉はありがたいものです」と答えた。彼は、自分の在世中は平和と安定が続くと思っていた。

 
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